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Roo'Ra『2nd』

▲Roo'Ra『2nd』 WMCD-1007
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レゲエはともかく、ヒップホップにはほとんど縁がない。本気で聴く気がないせいか、その手の曲は全部同じに聞こえてしまう。でも、さして興味のない音楽って、誰しもそういうもんじゃなかろうか。

ルーラ。といっても、前にいた場所に戻る呪文ではない。キメラの翼との互換性も、もちろんない。韓国の男女4人組の名前である。ぼくが所有する唯一のヒップホップを演じているのがこいつらだ。このセカンドを皮切りに、続けて4作買ってしまった。

ということは、ぼくにとってはヒップホップも守備範囲なのだろうか。そうではないと思う。ぼくはルーラが気に入ったのであって、ヒップホップそれ自体がおもしろいと感じたわけではないのだ。だから、今に至るもその手の音盤は他に1枚も持っていない。

ルーラのどこが気に入ったか。音楽も世間もなめているかのようなその姿勢だ。絶対なめていると思う。そう感じる。これがなかなか痛快なのだ。「ホテル・カリフォルニア」のカバーを聴いてごらんなって。この曲のヒットに身動きが取れなくなった本家をコケにしてはいないか、これ。スティングのカバーというよりも替え歌に近い「KOREANA IN NEW YORK」もしかり。

これら軽蔑と紙一重の敬愛を見せるカバーの倍ほどぼくが気に入ったのは、明確な旋律を持つ2曲めと7曲め(タイトルを読み書きできないのは許してね)。ノリだけで迫ってくるような他の曲にも圧倒されましたけど。

突如として挿入される有名フレーズにぎゃははと笑える2曲めは、どこをとってもぼくにはおいしい。ノリよし、メロよし、ラップよし、そこから歌への急展開も大いによし。さらに、下手っぴぃな歌もよし(矛盾してない)。

7曲めは完全な歌モノかと思いきや、思いっきり気張って出てくる女声ラップが実は一番のポイントだ。この部分、「仏」における上々颱風の白崎映美に匹敵する。というような表現がどれほどの人に通じるか疑問だが、とにかく凄い、快感だとぼくは声を大にして言いたいわけだ。

しかし、なんつうか、DINOさんも書かれていたけれど、ラップにおける韓国語のノリと語感のよさは格別ですな。これ聴いた後、日本語のそれを聴いたりすると、妙に間延びして腑抜けのようですらあります。……ラップはノリ 語感なんぞは二の次で、詞の意味こそが大事だとあなた言いますか?

あ。レコード会社名も読めないんだった。
(98/09/06) text by まるこめAboutMe!
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[聴かずに死ねるか] [N E X T]