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1995年 北欧ツーリング G 
    
8月18日(金)
 
アルタ〜カセン

-フィヨルドの魔物-

(このフィヨルド対岸まで数kmだが入り江沿いの道路で行くと70km)

今日は最終目的地トロムソに向かって進めるだけ行こう。地図を見るとフィヨルド特有の深く切れ
込んだ入り江沿いに道が続いている。まずは昨日のホテルを9時に出発。まず最初の目的地の
タルビックまで約40km。出発して程なく昨日見学したアルタミュージアムの前を通過。ここから
入り江のの方向に道路は続く。対岸に街が見える、タルビックの街だ。入り江を渡ればわずか数
kmだが道路は無常にも入り江の奥に進んでいる、そう入り江の奥まで約20kmあるのだ。フィヨ
ルドを走る場合、わずか目の前にあるような場所でも深い入り江のおかげで大きく距離を走ること
になる、しんどいときには応えそうである。


(昨日お世話になったホテルにて 出発準備完了)

タルビックの街には予定通り2時間後、11時到着。膝も今のところ無理をしなければ大丈夫だ。
この街のカフェでホットココアとフライドポテトを食べ休憩
、このカフェで「キャンディ・キャンディ」の
ビデオを見つけ、こんなところにも日本のアニメがあるのかとびっくりする。カフェの店員さんからこの
先の道路状況を確認する、「この先岬を越えると、道路は崖下にあるわずかな場所に走っている。
とても景色はいいよ。しかし、今工事をしていてダートになっているよ。」と情報を得た。この街を出て
次のフィヨルドに入る岬でお昼。フィヨルドにかかった虹を見て自然の雄大さに大満足。


(フィヨルドの入り江から虹がのぼる)

岬を超えると天気が豹変した。今まで晴れていたのにこの入り江の奥に向かって黒い雨雲が立ち込め
ている。覚悟を決めてこの入り江の奥の街、フィンノイラ
35kmを攻める。先ほどのカフェで聞いたとおり
景色は抜群によいが、厚い雲の下に入ったら非常に強い向かい風が吹いてきた。ギヤも通常よりも5枚
は軽いところで回すというよりは踏み込んでいる。気ばっかりあせるが一向に距離が伸びない。フィン
ノイラまでは街もないので店屋も当然ない、雨のおかげで休憩を取る場所も見つからない。途中の
ダートも走れないほどでもないが、雨を含んでさらに抵抗を増しスピードが落ちる。実に35kmの道のりを
3時間20分かかりフィンノイラに到着。

 
(景色は抜群だが向かい風に泣いた)   (キャンピングカーに自転車が・・・乗せてもらいたい気分に)

フィンノイラの街に来れば何か休憩できる店屋があるだろう・・・・実に甘い気持ちだった。家は数件あり、
レストエリアはあるが店屋は見つからず、雨の中レストエリアで休憩もできなかなかった
。悲しい気分で
フィンノイラを後にする。ここから一尾根超えにかかる、ピークは州(県?)境になっていてプレートがある。
また、この場所で初めて最終目的地トロムソの地名が書かれた道路標識を見つけ、ゴールが近いことを
実感する。

 
(フィンマーク・トロムソ、州境のピークにて)

州境のピークを下るとまた、別の入り江の奥の街にここでようやく風から開放される。しかもストリングからは
強い追い風になり快適なペダリングになる。ブルジョルドに食堂を兼ねた宿屋があったので飛び込んで宿泊
の申し込みをする。ところがダメとの事、この旅で初めて宿泊を断られた。仕方がないといって小さな町に2件
目の宿屋もないから、さらにペダルを踏む。地図を見るとブルジョルドから坂を上ったカセンとういうところに宿
屋のマークがある。しかし、この宿屋国道から1kmほど外れたところにある。ここも断られた無駄足と考えた
が、そのつぎとの宿屋までには一つ峠を超えなければならないし、キャンプ場なのでこの雨のなかキャンプも
やだし、さらにその次となると20km以上はしらなければいけないので、国道を外れカセンの宿屋に飛び込む。
小川の小道のような道を1kmほど進むと一件の建物が見えた。ここが宿屋であった、小学校のような建物が
受付・食堂で、宿泊所は離れになっている。家族で経営しているようで、受付を覗くと子供が数人遊んでいた。
お母さんらしき女性が受付をしてくれて無事に今夜の宿を確保できた。チェックインは5時10分、チェックイン
後、自転車を宿泊所に移動しようとしたら釘のついた板を踏んでパンク。あ〜ついてない。

 
カセンの宿屋にて 左が受付兼食堂、この後パンク   右は1号室の室内) 

最初宿泊者は自分ひとりだっが9時過ぎになってから宿泊者がどんどん来て、翌朝には満室の状態だった。
この宿は、部屋の作りもきれいだし、食堂においてもアットホームの感じがして気に入ったところでした。


 本日の宿 カセン カルド 1号室

本日の走行距離    105km
総走行距離       762km
 

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