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1990-1991年 NZ ツーリング
 クイーンズタウン〜クライストチャーチ 883Km

12月29日(土) マカロラ〜ハーストパス〜ハースト〜
レイクモエラキ〜レイクパリンガ


宿がなく羊の毛刈り小屋に宿泊
  

(マカロアキャンプ場 調理場にて 朝食風景)

今朝は昨夜からの雨が続いている、こんな日はテントをたたむのがめんどくさい。それでもテント内で身支度
をする。朝食はテントサイトにある共同調理場が小屋になっているのでゆったりくつろぎながら朝食をとる。
雨の中、8時30分出発。出発して5kmぐらいのところでエンストして困っている車と遭遇、押しがけを手伝
ってあげた。土砂降りのダート道だが、ありがたいことに路面はしまっていたのでハーストパスまでの距離を
縮める。しかし、峠が近づくと斜度がきつくなり休憩が多くなる、その時後方から「ババババ・・・・」とバイク
のエンジン音がせまってくる。しかし、一向に私たちを追い抜いていかない、不思議に思い後方を振り返る
とバイクの正体は50ccのパッソル(スクーター)であった。パッソル自体馬力がないので荷物と人間を積
んでこの峠を上ることができないようで、運転手の青年はアクセルを吹かしながらバイクと一緒に走って
いるではないか。これではいくら待っても追い向かないはずである。この光景は峠ののぼりにへとへとに
なっていた私たちに安らぎを与えてくれた。そのまま彼とは峠まで一緒にのぼり、その後私たちが先行
することで分かれてしまった。なぜ私たちが先行できたかといえば、ハースト側のくだりが非常に急でス
クーターよりも私たちの自転車のほうがはるかにコーナーを早く安全に下れるからである。


 
(ハーストパスの上りで一休み)       (峠を超えてハーストの町まであとわずか、道脇には滝が流れる)

ハーストの町に午後2時到着、マカロラをでて80kmを走ったことになる。ここから海岸線沿いを走ることになる。
雨はあがり快調に距離を稼ぐが、今日の宿泊予定地であるレイクモエラキ手前に急坂があり終盤にきての上りに
しばし休憩する。そしたら止んでいた雨が再び降り出し、雨具を着てモエラキに駆け込む。ここにはモーテルが
一軒あるだけだが残念ながら満室とのこと、しかたなし20km先のレイクパリンガに向かう。時刻は5時を過ぎ
雨の中すでに120km以上走っているのでペースは進まない、途中の道端で広場があるとそこでテントでも張ろ
うかと真剣に考えた。それでも6時30分ごろパリンガのモーテルに到着。宿泊の交渉を行うとなんとそこでも
満室で断られてしまった。ここから先の宿屋は70km先のフォクス氷河までないのでとても今からいけるものでは
ない、雨が降っているので軒下でテントを張れないかと交渉したがダメとのこと。それでもなんとかならないかと
お願いしたら、「2・3km先の民家が旅人を泊めてくれるかもしれない。今から聞いてあげましょう。」とのこと、
早速電話をしていただきありがたいことにOKの返事をいただけた。そこで、モーテルで夕食用に食パンと水を
分けていただき民家に向かった。3km先には一軒家があり、そこをたずねると奥さんが「子供についていきなさ
い。」とのこと、小学低学年の坊やの自転車に着いていくと、民家から数百m離れたところに農機具小屋があ
った。坊やは「ここに泊まっていいよ」とのことをいってくれた。こちらとしては雨がしのげるのはありがたい。
幸い、小屋の中でテントを張れるだけのスペースもあった。坊やが家に帰るときに「水がほしい」というと、坊やは
小屋の横にある古い放置されたバスタブを指差し、「これを飲んで」といった。じつは、モーテルでもらった水は
泥が入ったようににごっており心配だったのだ。しかし、バスタブの水は透明できれいである。同伴のH氏はため
らっていたが、自分はこの地方が雨が多いことを知っていたし、今日も雨が降っていること考えれば煮沸すれば
大丈夫と踏んでいた。案の上、その水を使ったコーヒーやラーメンを食べても別段異常はなかった。
なかなか大変な一日であったが最後は楽しい雰囲気で一夜を明かすことができた。
そうそう、夜中にこの家のご主人が自家製ビールを持って挨拶にきてくれた。本当に人のよさそうなご主人サン
でした。

  
(農機具小屋 実は羊の毛刈り小屋 翌朝撮影)       (水道水よりきれいなバスタブの雨水)

2003.5.10 書き込み



 本日の宿   レイク パリンガ ハリーさんの小屋(テント泊)
本日の走行距離    138.2km
総走行距離       335.6km
 
 
 

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