熱帯魚の病気


コリドラスのヒゲやヒレが溶ける

原因として考えられるものベスト3 ? コリドラスは底を擦るように移動し、口で砂をほじるので、上記の要因があると、ちょっとした傷から細菌に感染します。健康な個体ならある程度の抵抗力があるのでひげは溶けませんが、過密飼育等でストレスをかかえこんでいた場合、細菌に取りつかれ、ひげとか尾ビレの下側とか腹ビレがやられます。細菌は、水槽内に普遍的に存在してるので、根絶やしにすることはできないでしょう。

で、予防としては、

治療としては、
細菌感染症に有効な病魚薬を使用する(グリーンFゴールド顆粒、グリーンFゴールドリキッド、パラザンD等)。本水槽に投入するよりは、治療用の隔離水槽を用意してそちらで薬浴させる方がいいでしょう。隔離用水槽の水温は夏場としてはややひくめ(23-25度) がいいかも。あと、本水槽の方は、前述の内容で環境を改善する。

ヒゲの再生について,
一旦溶けたひげは、大抵の場合、治癒し環境が改善されればもとに戻ります。根もとまで溶けた場合は完全には戻りませんが。再生した場合、溶ける前より立派なひげになることもあります。ひれも、根もとまでなくなっているのでなければ、再生します。なかなか再生しないときは、飼育環境を疑ってください。


【参考1】パラザンDとグリーンFゴールドリキッド
パラザンDとグリーンFゴールドリキッドですが,成分は後者が着色剤が入っている以外は同じオキソリン酸です。同じ水量に対する薬品のコストを計算するとパラザンDの方が安いです。パラザンDのオキソリン酸の濃度は,グリーンFゴールドリキッドの10倍ですが,コストを計算するとパラザンDの方が安いです。


              水10リットルあたり使用量
パラザンD        :   1cc
グリーンFゴールドリキッド:  10cc

              某ショップでの
        容量     販売価格  水1000Lあたりの価格
パラザンD   10ml( 100L分) 1100円    11000円
       30ml( 300L分) 2200円     7333円
       100ml(1000L分)  5000円     5000円

グリーンFゴールドリキッド
       150ml( 150L分) 1650円    11000円
       250ml( 250L分) 2150円     8600円

			

うちでカラムナリスがでたときは,最初はグリーンFゴールドリキッドを買ってたのですが,良く調べたらパラザンDの方が安かったので,今はもっぱらパラザンDを使用しています。


【参考2】グリーンFゴールド顆粒、グリーンFゴールドリキッド
「グリ−ンFゴ−ルド顆粒」は,「グリーンFゴールドリキッド」と同様,カラムナリス病やエロモナス症などの細菌性疾病用の薬品ですが,成分が異なります。前者はフラン剤が主成分,後者はオキソリン酸が主成分です。水草水槽には,水草に影響のないオキソリン酸が主成分の「グリーンFゴールドリキッド」が向いています。さらに「グリーンFリキッド」なんてのもあります。

「グリーンFゴールド顆粒」の主成分はニトロフラゾンで,細菌性の病気に広範囲に効きます。但し濾過細菌まで殺菌してしまいます。一方,「グリーンFゴールドリキッド」のほうはオキソリン酸が成分で,黄色の色がつけてあります(パラザンDと比べ若干高い。着色剤のぶん高いのか(^^)? 薬効はあるのかなぁ。ただの着色剤のような気もします)。オキソリン酸は濾過細菌にはそれほどダメージを与えないそうです。あと「グリーンFリキッド」はメチレンブルーとアクリノールが成分です。

また,日本動物薬品からでてる他の薬品も,間違えやすいので気をつけましょう。白点病であれば,色素剤を主成分とする「グリーンF」,「ニューグリーンF」,水成二酸化塩素を主成分とする「グリーンFクリアー」が有効。「ニューグリーンF」は抗菌剤も含まれているので細菌性疾病にも有効です。


水草と治療薬

私の短い経験(水草はアマゾンソード,ハイグロフィラ,アヌビアス・ナナ,ミクロソリウム,カボンバ等ポピュラーなやつですが)では,細菌感染症に効果のあるパラザンDやグリーンFゴールドリキッド(オキソリン酸)は規定量でも水草にはほとんど影響ありませんでした。また,食塩は0.2%ぐらい(60cmでひとつかみ(120g))でも水草は大丈夫でした。あと効果は緩やかですが,アマゾン・グリーンも水草には影響がなかったです。

あと,色素系の薬剤のうち,マラカイトグリーンなどは大丈夫かな。ADAのマラカイトKの成分ですし。メチレンブルーは試したことがないのでわかりません。

それと,白点病治療薬であるグリーンFクリアー(成分は二酸化塩素)は水草があっても大丈夫なはずです。水草を枯らさないのがうたい文句。

細菌感染症に効くニトロフラン系製剤であるエルバージュ,グリーンFゴールド顆粒,グリーンF等は水草水槽には避けた方が良い。

水槽から魚を別の水槽に移せるのなら,移してそちらで薬浴した方がいいでしょうが,白点病などは原虫の子虫が低床や水中に漂ってますから,水草のある水槽ごと薬品を使用しなれけば再発するかもしれません。また水草を抜くと,底砂内の汚れ等が舞い上がりかえって魚の調子を崩すこともあるので難しいです。水草をとるか魚をとるか...。


濾過細菌への影響

オキソリン酸は濾過細菌への影響は少ないそうですが(オキソリン酸はカラムナリス菌,エロモナス菌等のグラム陰性の細菌に効果があり,グラム陽性菌である濾過細菌は殺さないそうです),他の薬品ではある程度の影響があるでしょう。


ヤマトヌマエビと亜硝酸

水槽をセットアップしてから2週間ぐらいたつと,アンモニアや亜硝酸がでてくる時期です。ヤマトヌマエビは亜硝酸に結構弱かった記憶があります。水槽をセットして1〜2週間の間にヤマトヌマエビが真っ赤っかになって死んでしまった経験があります。その頃の水質を調べるとやはり亜硝酸が検出されました。もうしばらくする,と亜硝酸を硝酸塩にする濾過バクテリアが活動しはじめるので,もうしばらくの辛抱ということです。毎日1/5ぐらいの少量の換水を続けて様子を見ると良いでしょう。


鱗が立つ病気(松かさ病)

「鱗が逆立つ病気」→「鱗が逆立つ症状」は,本には,エロモナスによる細菌感染症の症状の一つというのはよく書かれてますがそれ以外にも原因があるそうです。一応,通常の発症までの経緯を書いときます。
「水槽内の環境悪化が原因で,個体にストレスが蓄積され,体の抵抗力が落ちて,水槽内に常時住み着いている細菌によって感染症が発生する。」

その他の原因として,ウィルス感染,ある種の薬品でも起こるそうです(アクアライフ誌1994年1月号, p.137参照,お茶漬け(PGA02372@niftyserve.or.jp)さんありがとう)。

それ以外にも,抗酸菌の一種である,マイコバクテリウム属の細菌の感染(抗酸菌症)によっても,鱗立症状がでることがわかりました。ただこの場合は治療法がなく,病気を出さない飼育環境を整備することが最も重要だありました。あとエロモナスに関しては「この原因菌は,淡水中の常在菌として世界中に広く分布しているが,菌株によって,病原性は大きく異なり,普通はそれほど強いものではない。魚にストレスなどの何らかの発病原因が存在するときに本病の発生が起こる。」(要約)ともありました。(フィッシュマガジン1997.5連載記事「熱帯魚の病気とその対策第4回」P.134)


謎の水泡

うちにいるステルバイとブロキスの幼魚が謎の病気に。えらのうしろのひれの付け根の部分に1つ〜2つの直径1mmぐらいのぷくっとした水泡のようなものが付いていました。いろは乳白色からやや褐色っぽい感じでした。泳ぎ方や呼吸には特に異常はありませんでした。病気かどうか良くわかりませんでしたが,メチレンブルー,パラザンDをそれぞれ規定量の1/2,水10リットルあたり塩小さじ2はいぐらい投入した水槽に隔離したところ1週間ぐらいで水泡がなくなりました。



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