壱岐を旅する


岳の辻展望台から壱岐を俯瞰  
 壱岐のバスガイドさんの話は楽しかった。壱岐の人の生活がよくわかるよう、エピソードもふんだんに盛り込んでくれた。

 ここもやはり長崎県。福岡への船はあるが、長崎市へは飛行機のみ。壱岐の人は、対馬へ行ったことのない人が多いんです。だって、魅力がないもん。福岡へ行きますよ。
 まずは、岳の辻の展望台へ。ここからは、昨夜止まった郷ノ浦のホテルもよく見えたし、この日見学する場所の大方は見えた。

 島の外観を知るにはもってこいの場所だった。
 壱岐に隣接する小さな島もいくつか見えた。人の住んでいる島もあれば無人島もある。

 展望台のすぐ下に、のろし台を復元したものがあった。狼煙とかくのは、火力の強い狼の糞を乾かして燃やしたことに由来するとか。

東洋一の砲台跡
  
 かつての砲台は、当時重要な軍事基地で、道路の途中に一の門、二の門と、一般人をチェックするところがあったそうだ。

  坂を上っていくと、手すりで囲まれたところがあった。丸い大きな穴があいている。砲台のベースは下の方に見える。今は。崩れる恐れがあり、下に入ることはできないとか。一度も実践で使われなかった、東洋一の砲台跡。
  
猿岩
 砲台への登り口のところで、海の方を見ると、まさにサルそっくりの岩がある。木々の緑が髪の毛にも見える。

 ガイドさんは、この岩の写真を年賀状に使ったそうだ。
「いろいろなところに、「○岩」なんてのがあるけれど、この猿岩ほど似ているのはありませんよ」と言われてみれば、確かにそう思う。
   左側の小山から、猿岩を見ている人がいた。時間もあるとのことで、行って見ることにした。

 お猿さんを左横から見ると、そちらはごつごつした岩で、完全なお猿さんではなかった。

 はじめに見た方向から見るのが一番いいのだった。

 
 先ほど、何人かの人たちが見ていたところは、少し手前になっているので、お猿さんを間近に見るといった感じ。下はがけになっているのでちょっと怖い。

 お猿さんのしっぽ方向を見ると、半島が突き出てようになっていて眺めがいい。

  鬼の窟(おにのいわや)
  
壱岐の蔵酒造 見学と試飲
 壱岐には、焼酎を醸造している蔵が7つある。そのうちの一つ、壱岐の蔵酒造の工場見学をした。福岡の店で飲んだ「壱岐っ娘」も作っている。

 楽しみは試飲。どの製品も試飲でき、いいものを飲むと欲しくなり、つい財布のひもが緩む。それが、試飲のねらいなのだろう。

はらほげ地蔵と食堂はらほげ
  
 腹のあたりに穴のある6体の地蔵が海に立っている。潮が引いたときには、そこにお賽銭を入れたりするのだとか。

 潮が引いてないのに、水の中に入って、確かめに行った元気な人がいた。
 地蔵さんの安置場所は、二度、三度と変わったそうだ。地蔵さんの近くまで橋が突き出ている。

 地蔵さんのすぐ近くに、海女さんが営む食堂はらほげがあり、そこでウニの炊き込みご飯を食べた。

長崎鼻  
 かつて、陰陽師が大干ばつの折に、雨ごいをして、諦めて断崖から身を投げて自殺しようとした時に、大雨が来て救われたとか。陰陽師の名が後藤左京、その「左京」がこの場所の名のもとになっているとか。

 海中に突き出た柱(小さな島)は、壱岐の国造り伝説にかかわるものだとか。
 左の写真の赤い鳥居が見えますか。海に突き出た断崖の上にある祠です。
 水平線が見えますが、玄界灘です。


 グループの人たちが、平気で立っていますが、その先も断崖。ここには、手すりも防護柵もありません。


一支国博物館  
 建築家黒川紀章氏の設計によるもので、曲線を取り入れたしゃれた建物。一支国とかいて、「いきこく」と読む。壱岐の歴史について、分かりやすく展示してる。

 はじめに、ホールのようなところで、大型スクリーンを使って、原の辻遺跡など、一支の国の歴史などが紹介された。スライドが終わると局面スクリーンが下がり、その向こう側に、つい先ほどまでスライドで紹介されていた原の辻遺跡の実物が見晴らせるのだった。
 展示物は、途中まで写真撮影が禁止されていたが、ジオラマなどは撮影OK 。
 「今日は、人面席の実物が展示されていますよ」と学芸員の方が紹介してくれた。

 いろいろな仕掛けがしてあり、子どもにも楽しい博物館だ。

 上の階からは、原の辻遺跡一帯が見晴らせた。

 
原の辻(はるのつじ)遺跡
 
 遺跡そのものは、とても広いようだが、所有権の関係もあり、小高いところに遺跡にあった住居などが復元されている。

 来客やその家来をもてなすための住居をはじめ、村の中心人物や一般の人々の住居、倉庫や食糧庫などが復元されている。

  細かい説明は覚えていないのだが、これは、来客の従者のためのものだったと思う。

 かなりしっかりしたものが、作られていたのだ。
 神域に入るところには、現在の鳥居のもとになった2本の柱が立てられていた。
 また、、倉庫も、神具などをしまうものと、食料を保管するものとでは、構造が異なっていることも説明された。
   集会所や見張りのための高い建物などもあり、村としてのまとまりを感じさせるものだった。

 これほどの施設が、無料で見学ができる。維持をしていくのは大変なようで、ところどころに痛みも見られた。

 今回の旅行は、台風と台風の合間だったが、ここの見学の終盤に少し降られた程度で、とても運がよかった。

 
 
  
帰路につく
     壱岐の名物は何でもそろうという「あまごころ壱場」に立ち寄って、郷ノ浦港から17:10のジェットフォイルに乗り込んだ。

 船が到着する少し前から救急車が待機していて、我々が乗り込むときに、ストレッチャーで運ばれる人がいた。ジェットフォイルは、緊急搬送にも使われているのだ。

 
    ジェットフォイルなので、1時間ほどで博多港に到着。そこから福岡空港へバスで移動。そこで添乗員さんともお別れ。

 空港の食堂で、博多ラーメンを食べて、今回の旅行の〆に。

壱岐を17:10に発って、その日のうちに我が家に到着。信じられない速さだ。
 
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