2007年日帰り登山 from 豊橋

9月26日(水)霞沢岳 2645.6m

上高地から徳本峠経由往復 

単独 晴  


この山は天気が悪いと行く価値がない(ピークハンターは別として)。何と言っても穂高、焼岳を正面から見渡すことができる梓川対岸の山だ。欠点は徳本峠経由しか道がないことと最終バスとの時間競争になりそうなことだ。去年も天気が悪かったので急遽西穂に行き先変更した山だ。
いつものようにバスセンターを降り明神へと向かう。季節がまだ早いせいか登山客が多い。
途中猿の団体と遭遇したけど皆、知らんふりしてさっさと進む。猿も同様だった。
すごい速足で追い抜いていく若者もいた。どこまで行くのだろうか?
明神館を過ぎ白沢出合に着く。ここで上着をしまい出発。ここからは多分静かな山行となりそうだった。
幅広い林道を行くとやがて徳本峠の古い看板があり、道幅が狭くなり少しは遊歩道らしくなる。
時々後方で穂高連峰が岩肌を表してくる。久しぶりにゾクゾクする風景だ。
最後の水場を過ぎ少し登ると徳本峠と霞沢岳への分岐になる。峠へは帰りに寄ることにしてそのまま山頂を目指す。
ここまで3時間かかってないので、15時までに峠へ戻れば最終バスに間に合う計算だ。

分岐から尾根に出て、やっと登山道になりスタジオ・ジャンクションという多分穂高が見れるだけの場所のようなので通過、
一登りでジャンクションピーク2428mに到着。
ここまでは登山らしい登山をしていない。いよいよここからK1まで約200m下って400m登り直す長丁場が始まる。
ダラダラとした下りが始まった。南アの深南部の山をやってるような樹林帯の中の尾根道の下りが続く。
頭の中ではダラダラ下り鞍部を少し平行移動してK1へ登るように錯覚していた。長い下りの後湿地帯を通り更に下ると突然急登が始まりペースが壊れだした。
約50mの急登を登りきると更に20m〜30m位の上り下りを繰り返しガレたヤセ尾根に出る。このあたりでやっと霞沢岳を見ることができた。
しかし、アップダウンで登るほうは急斜面だけど下るほうはゆったりしてるので帰路の登り直しは、案外きつくなく急な分だけ戻るときは時間が短縮できそうだ、と実感していた。
また、今日は温度が低いので汗もあまりかかず、時々吹き抜ける風がとても気持ち良かった。
花畑のような陽の当たる急斜面を登り徐々に高度を上げていった。再度高度を損した様な移動場所を通過するといよいよ200mの急登が始まった。

登るというより両手を使って引き上げていくような急登だった。登ってる途中のハイマツ帯を曲がった途端、登山道上で単独行者が間食タイムをしており驚かされた。
こんな山に登るような物好きは平日にはいないと思っていたので、まさか人がいるとは思っていなかった。写真目的の登山らしくバテタのでK1で引き返すという彼を後に先を急いだ。
急斜面過ぎて体重移動がうまくできずつい二本立ちでフラついてしまいがち。掘割上の急斜面を枯れ枝やハイマツにつかまりながら身体を引き上げていった。
この場所だけ長く補助ロープが設置してある。登りには使わない。
それでも一喘ぎでK1に到着。今までの疲れを吹き飛ばす感動の展望だった。
これだから、山をやめれないのだ。
正面に穂高連峰、後ろに笠ケ岳、横に焼岳足元に赤い屋根の上高地。右手には常念、蝶ヶ岳から辿ってきた山並みが伸びている。
上高地が見えるので携帯もバリ3の通話状態。1時までにはK1に戻ってこれそうなので山頂へと向かった。
K2を越え鞍部へ降りてる時、山頂から単独行者が降りてくるのが見えた。他にも物好きがいたらしい。登りにかかりすれ違う時によく見たら、朝一でもうスピードで追い越していった若者だった。急がないと最終バスに間に合いそうもないので、と相変わらず早足で下っていった。

私も人事ではないので山頂を目指す。K2、山頂への登りはさほど急でなく普通の稜線歩きといった感じか。
ハイマツ帯からヒョイとたどり着いた山頂は、何もない小広場。
よく見ると三角点と壊れた標識があった。標識には霞と標高部分が残っておりここが山頂だ。
ここからは焼岳と乗鞍の展望がいい。
山頂付近を一回りして景色を焼き付け、多分二度と来れそうもないので余韻の忘れ物がないか確認してK1へ戻る。
登頂した後は、感情的には興奮状態になって緊張感はなくなってるるようで、ダラダラ下山となりがちだ。
K2K1への登り直しはゆったりしていて気持ちのいい稜線歩きでK1へと戻った。再度K1で展望を楽しみながら小憩。
地上へ戻るため、最終バスに間に合うための登り直しにかかる。
直下の掘割の急斜面は補助ロープで一気に駆け抜けた。気のせいか予想以上に足が軽い。帰路の登り直しは等高線が甘くなっており、登るときに感じたようにゆっくりと登り一気に下るを繰り返しガレ場を過ぎ、湿原を過ぎ再度ゆっくりと登り直し、途中で間食していた単独者を追い越してジャンクションピークに戻った。

季節的に涼しくなっており夏ほど水分を必要としなくなっていたが小憩して徳本峠へと向かう。
下りだして直ぐ下の方の斜面に山頂直下ですれ違った若者が下っていくのが見えた。
多分彼も最終バスに充分間に合うと安心してどこかで大休憩でもしていたのだろう。樹林の中を行くと人声が聞こえだし峠に出る。小さいけど歴史的な徳本峠小屋がある。上高地登山はこの小屋抜きには語ることが出来ない。山屋なら一度は訪れておきたい小屋だと思う。
峠からは完全に登山惚け状態で下り、水場などで小憩するなど押さえたつもりでも一時間で明神へ着いてしまった。
まだ、徳沢方面に向かう登山客や明神周りの観光客とすれ違いながらバスセンターに戻った。
K1でもっと遊んでいても充分だったけど久しぶりに満足した登山だった。
準備不足で登山地図を1/10000で打ち出さなかったので、細かいアップダウンを見落としたことで、アップダウンを繰り返すなら大無限に行けばよかったかな、と思ったが、大無限のアップダウンはより大きいので(体力が続くなら)来年の課題としたい(^_^;)

6:00 バスセンター
6:55 白沢出合(徳本峠入口)
8:19 最後の水場
8:39 峠、霞沢岳分岐
9:14 スタジオジャンクション
9:34 ジャンクションピーク2428m
11:31 K1 11:35
11:50 K2
12:06 霞沢岳2645.6m 12:15
12:40 K1  12:50
13:48 小池の湿原
14:29 ジャンクションピーク 14:32
14:44 スタジオジャンクション
14:57 尾根上の明神分岐
15:02 徳本峠  
15:07 峠、霞沢岳分岐
16:07 白沢出合(徳本峠入口)
17:00 バスセンター 
17:27 上高地去る


尚、本年山行のGPSログとマップはカシミールで表示しています

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