あおぞら塾 Q&A  2001.8.8     あおぞら塾レジメ   社楽の会

質問事項についてのQ&A
                                           文責 土 井 謙 次
                                             syaraku@tcp-ip.or.jp
 去る8月8日のあおぞら塾でいただいた質問について、個人的な立場ではありますが回答させていただきました。これらについて、まだ疑問等のある方は、Webページで調べたり、また直接メールをいただければわかる範囲で回答いたします。

Aグループ

Q1 大口町の学校の現状は?(諸外国との比較、先生についての情報公開)
A 何の現状をお尋ねかよくわかりませんが、教育委員会では、毎年『学校要覧』を作成しています。各学校のおおよそのことは書かれていますのでぜひご覧ください。
 
Q2 クラブ活動について、どうして地域の指導者を取り入れないの?
A 当日にも言いましたが、取り入れる方向に確実に動いています。

Q3 大口町の学校開放の現状と問題点 →Q12、13、36参照

Q4 ゆとり教育と現実のギャップについて
A ここで言うゆとり教育は来年度から始まります。ゆとり教育の「理想」と「現実」のギャップという意味だと思いますが、現場ではしばらく混乱すると思います。なぜなら個々に自分のテーマを追究するため、指導は個別指導になります。課題を解決する意欲が明確な子は大丈夫なのですが、そうでない子は「ゆとり」が「ゆるみ」になってしまうのです。そうならないようにどんな対策を立てているか、どのように意欲を高めているか、注目したいですね。

■ クラブ活動
Q5 クラブ活動の中で、大口町特有のクラブはありますか?
A 中学校の部活動で特有なものはありません。小学校では、それぞれ児童のニーズを生かしてクラブを設立していますので、クラブの内容は毎年変わっています。
例えば次のようなものでしょうか?
大口南小:ティーボール
大口北小:アニメ
大口西小:マスコット、カラーガード
Q6 スポーツ系、文化系ともに選択肢が多くなると良いが。
A 少子化、さらには教師数の減少のため、部活動の数は物理的に限られます。
 顧問の数は、事故防止のため複数が原則です。例えば、教員が20名いても、男女それぞれ5つがやっとということになります。また、生徒の好みは大きく偏ります。部の数を増やしても成立しない部がでてきます。無理に振り分けては、部活動の意味がありませんからね。
  
■ゆとり教育
Q7 ゆとり教育が認識されてないように思います。
A 2002年になれば、マスコミが大きく報道すると思います。
また、理数系の大学教授の多くが新指導要領の反対運動を起こしていますので、賛否両論が出る中で、その意義が論議されると思います。

Q8 ゆとり教育で大学の試験内容に、変化はあるのですか?
A パソコン持ち込み可の大学院があるといいましたが、大学となるとまだまだ難しいですね。大学入試が変われば、すべてが好転すると思います。各大学の二次試験は工夫が見られると聞いていますので、センター試験がポイントでしょう。

 入試ではないのですが、大学改革は進みつつあります。
「大学コンソーシアム京都」は、京都市内の50の大学(早稲田大学、名古屋短大が加わった)、さらに京都市、経済団体が共同で計画・実行しているもので、単位互換制度を実現しています。東京から、夏休みに京都へ遊びに行ったついでに、集中講義で単位を取ることも可能なのです。さらに、社会人の受講、大学図書館の使用もしやすくなりました。経済界のニーズに合わせたカリキュラムを構成でき、就職にも有利になりました。
 これが、入試や中等教育とも連携できるといいのですが・・・

Q9 自分が受けた教育と今の教育が違います。子どもに自分が教育できるか?
A 教育はいろいろな形があります。例えば、親自身が学ぶ姿を見せるのも立派な(そして最も効果的な)教育です。子どもと共に学ぶ親の姿勢が大切なのではないでしょうか。

Q10 ゆとり教育においては、知識教育が低下するとの意見や指摘がありますが、どのような対策をすべきでしょうか?
A 社会科を例に挙げると、現在は日本の中でもごく一部の例しか取り上げません。都道府県名や県庁所在地も覚える必要はないとされています。
  しかし、現実には知っていた方が得です。生活の中で見聞きする情報だからです。知識が、社会的な興味・関心を高めることは間違いありません。
  同様に、歴史の年号も知っていた方が歴史が楽しくなります。年号を知るだけで、およその時代背景がつかめますから。
 「社楽の会」のページの「これまでの実践」というところに、年号の覚え方や、県名カード、国名カードが載っています。遊びながら、楽しく覚えることができるものです。こうしたものを利用するのはいかがでしょうか?
  知識も大切です。ただ、やみくもに暗記させるのでなく、楽しく覚え、現実の社会の中でその知識を確認・活用する場を設けたいですね。

Q11 “ゆとり”でできた時間の使い方、親が忙しくなっている時代、社会・地域の役割は?
A 総合型地域スポーツクラブや社会教育施設の充実、さらにはわくわく21のようなNPOの存在が重要です。多方面にわたってNPOが誕生するといいですね。一人ひとりが地域の付き合いを大切にして、さらに町の広報にくまなく目を通すところからはじめましょう。

■学校開放
Q12 学校開放の問題点…学校内で子育てとか部会活動をやりたい人、ボランティアしたい人はいる。何が問題になるのか?
A 制度的には特に大きな問題はないと思います。あとは個々の学校の事情によりますが、開放は確実に進んでいくと思います。
現実的な細かい問題としては、セキュリティ、ボランティア保険の加入、謝礼、連絡の方法、募集の方法、人材バンクの整備、PTAや学校評議員との関係調整、教員の担当係の配置、控え室などが出てくると思います。
                                
Q13 学校開放の動きがありますが、“管理”と“利用”面で制限があります。紹介された学校開放の事例の他にどのようなニーズがありますか?
A 前任校では、環境の授業の支援のために学校へ来ていただくように積極的に呼びかけました。毎時間、10名前後のお母さんが来ていただけました。本当の目的は、お手伝いではなく、親子で環境について考えてほしかったからです。
  こういった学習支援も、学校開放の事例です。
  東京都では学校を「コミュニティセンターであり、介護センターであり、公民館でもあるというように複合施設化する方向」になってきています。(もっとも土地がないからですが・・・)
  コミュニティセンターとしては、学校を次のように使うことが考えられます。
    @公開講座
    A教育相談
    B学習相談(レファレンス的相談、カウンセリング的相談)
    C施設開放
    D住民の自主活動支援
  大口町は、公民館がひとつしかありませんが、学供が充実しているために、その有効活用も今後の課題です。また、学校の施設では、例えば図書館やコンピュータ室などを開放するのもひとつの案かもしれません。

Q14 PTA活動…子どもが卒業しても学校へ行ける、出入りしたくなる学校
A そうあってほしいものです。
 ただ、現実には、学校とつながる例よりも先生とつながる例が多く、仲の良い先生がいなくなると行きづらくなることが多いようです。学校の何とつながるか。例えば本の読み聞かせやビオトープ管理など、一役を担うと関係は長続きします。
 でも、やっぱり最後は人間関係ですね。

■質問! 例えば…
Q15 教育は家庭教育によるところが多い。学校教育だけでは、不十分。家庭での教育はどのように取り組むべきか?
A 教育国民会議が、「母親になる時に十分な教育を」と提案したのですが、大賛成です。何の知識もなしに母親になることは、子どもにとって不幸です。
  社会教育の問題点は、経済的・時間的に余裕のある人しか享受できず、本当に必要とする人が教育を受けていないことにあります。家庭教育のような重要な内容は、全員が講義を受けなければならない体制づくりが必須です。運転免許修得の際、学科講習が必須なのと同様、母親になる時にも、それなりの講習を受けるべきだと思います。
大口町生涯学習課では、入学時検診か一日入学のどちらかで、家庭教育の機会を計画しています。新入児の保護者全員が参加する、数少ない機会だからです。
  
Q16 保育園を教育の場と考えることはできないか?
A ご存じのように、法律上は幼稚園が教育施設で、保育園はそうではないのですが、実態はそれほど大きく違いません。内容的には、保育園も教育施設だと思っています。

Q17 学校は平均どのくらいで新しくなるのか? 改装はどのくらいで行うのか?
A 現在ある初期の鉄筋校舎は、日本全国、ほぼ同時期に建てられて、いまだに残っているので、どのくらいで新しくなるかは、まだデータがありません。ちなみにある学校の体育館の設計は、耐用年数60年と設定されていました。
  当面の課題は、耐震補強工事です。大口町でも、大中の体育館の耐震工事が終わったことはご承知でしょう。今後、順次進められていくと思います。

Q18 例えば、大口町の場合、一つの小学校、中学校はできないのか?
A 一つの小学校?無理だと思いますし、必要性も感じません。
中学校を統合した場合、将来の人口動態を見ると、統合した中学校のマンモス校化は避けられません。
平成23年度推計:883名  大中地区473名 大北中地区410名 
そこで、また2つに分けるのはさらに難しい問題です。
しばらく、今のままで、積極的に小規模校のメリットを追究していく方が良いのではないでしょうか。しかし、状況の変化によってはこの意見も流動的と考えてください。

 ■現状は?
Q19 諸外国の教育に対する考え方や取り組みを教えてほしい!
A これだけで本が一冊ぐらいになってしまいます。実際に、そうした本も出版されています。社楽の会の報告でも、154回 ペルー、153回 中国、などと紹介しています。
 また、海外教育情報 http://www.naec.go.jp/education/ 
  海外職業訓練協会 http://www.ovta.or.jp/ の 海外人材養成データベースは詳しく、参考になります。
  例 ミャンマー http://www.ovta.or.jp/mya-mn.htm 
     ハンガリー http://www.ovta.or.jp/hun-mn.htm 

Q20 大口町では、行政と教育委員会の関係は?
A みなさんもご存じのように、本来、教育委員会は行政から独立しています。
教育基本法 第10条には、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」とあります。
しかし実際は、そう簡単なものでもありません。

前回、教育の流れ曲線をお配りしましたが、この場を借りて補足しながら、行政と教育委員会の関係の歴史を振り返ってみたいと思います。

 敗戦(1945年)後 、戦前の軍国主義的学校教育への反省から、民主主義の担い手を育成する科学的な教育が求められました。1947年に教育基本法の理念を受けて初めての学習指導要領試案が作られましたが、そこでは、児童生徒の主体性が重んじられ、その実現のため教師の「創意工夫」が求められました。いわゆる経験主義です。
 しかし、数年後朝鮮戦争が起こると民主化政策は後退、アメリカは日本に反共の防波堤となることを期待しました。1950年に警察予備隊が作られ1952年に日本は独立。翌53年、池田勇人とアメリカ国務次官補ロバートソンの会談で、防衛のための「愛国心の教育」が必要という合意がなされます。
 文部省も、現場の自主性を認める立場から教育現場全体の統制を重視する方向へ方針を転換します。
 その一つが、教育委員の任命制です。
 戦後、教育委員は教育の独立性を保つため選挙で選ばれていましたが、1956年行政の任命制にする法律が作られ、教師への勤務評定も実施されました。これに対して日教組を中心に教育の自主性を奪うものと反発がありましたが、その後徐々に定着し、国の政策を教育現場に反映する仕組みができあがったのです。
 1957年ソ連のスプートニク打ち上げ成功で、西側諸国に危機感がはしり、日経連が科学技術教育振興を求め、理数科教育の教科を提言して教育改革を求めました。このころには「もはや戦後では無い」と言われ、経済界の発言力が増したころです。
 1958年の指導要領改訂で、産業の基礎となる科学的知識を系統的に教えていくことが前面に打ち出されました。経験を重視する主義から教科越しに知識を効率的に教える教育への転換です。これがいきすぎたあまり、詰め込み教育と化し、受験戦争に拍車をかける現象をもたらしたのです。
 
  話がそれてしまいましたが、全国的な傾向として、人事権を失った教育委員会は、行政と密の関係になったのです。

  さて、ご質問にあった大口町の教育委員会の具体的な仕事の内容は、「大口町教育委員会事務局組織規則」に書かれています。また、「大口町長の権限に属する事務の一部を大口町教育委員会に委任する規則」により、一部委任されています。以上が、行政と教育委員会の関係ですが、お答えになったでしょうか?


Q21 理想はよく分かりましたが、大口町の現実はどうなっていますか?
→Q1参照
Q22 学校や先生の特長の情報公開の方法はどうなってますか? →Q1参照
A 先生の特長の情報公開というのは例がありません。しかし、これからは、先生自身がHPを作成し、積極的に発信していくのがベターだと思います。 

■土井先生へ質問!
Q23 土井先生は塾も併用して行かせた方が良いと思いますか? →Q70へ
A 当日お答えしたとおりです。その子によりますが、一般論として、塾は否定しません。目的に応じて上手く利用してください。

Q24 土井先生は私立と公立中学校を比較して、どちらへ自分の子どもを行かせたいですか?
A 子どもが決めることだと思っていますが、個人的には長い人生の友人関係を考えると公立の方が良いと思っています。
  しかし、私立にも立派な学校も多く、交友関係も広がるので、私立を否定する気持ちは全くありません。

Bグループ
★質問したいこと
・ 教育体制の中身について
・ どの様に学校開放を行うのか
・ 心の教育のこれからについて
・ 今日の講習について(土井先生へ)
・ 避難所としての機能は?
・ 部活動などの少子化対策は?

★個人作業でカードに記入した、質問事項
 ※○印は、特に強調して質問したい事項
■教育体制
Q25○ 本質的な頭の良さを作るための教育は?
A これは面白い問題です。以前、「脳力」=知能を高めるための能力・訓練について調べたことがあります。
  ひとつは栄養です。脳力が高い=神経伝達のスピードが速いということです。
  人間の身体は約60兆個の細胞からできていますが、そのうち脳細胞だけは再生することができません。生まれたときに約140億あったものが20歳くらいから破壊されはじめ、その数は一日に2〜3万個といわれます。そして中年になると1日に10万個が破壊されていきます。
  重要なことは脳細胞の破壊を食い止め、神経伝達物質や心理作用のあるホルモンの材料は食べ物だということです。特に大豆に含まれるレシチンは脳の神経細胞を覆う鞘の材料になります。レシチンの構成成分であるコリンとイノシトールは神経伝達物質であるアセチルコリンを作り、記憶・学習能力を高めます。さらに脳に酸素を運んで老化の予防にもなります。また青背の魚や鮭などに多いDHAやEPAは脳細胞の働きを直接的に助けます。
  もう一つは、脳を使うことです。単純な言い方ですが、使えば使うほどその能力は高まります。単なる記憶はもちろん、関連思考・比較思考・条件思考・因果思考・発展思考などの思考力、音楽を聴いたり演奏したり、美しい絵を見たり、読書をしたり、末端神経を鍛えたりして、脳のいろいろな部分を鍛えたいものです。
 ちなみに、“脳力”開発の研究を行っている民間研究団体はたくさんあります。しかし、有効な方法が見つかったとは、いまだかつて聞いたことはありません。

Q26 日本語が乱れているが、言葉の教育は?
A 言葉というのは生き物ですので、乱れると言うよりも変化していると認識をしています。
 言葉の教育については、国語審議会http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/index.htm 学習指導要領 http://www.monbu.go.jp/printing/sidou/00000007/
 などをお読み下さい。 

Q27○ 教員の教育も必要では?
A その通りです。校内では現職教育があり、教育委員会もいろいろな研修を行っています。でも、気持ちのある教員による自主研修が、最も効果があります。これは、どの社会でも同じだと思いますが・・・

Q28 親自身の教育体制も必要では →Q15
A これもその通りです。家庭教育学級など学校でも行っているが、来てほしい人が来ない。逆に、来る人はもう教育の必要のない人たちばかり。そして、こういった学習会に来ない家庭でトラブルが起こるだろう事は容易に想像できます。

Q29 子どもの集中力低下が問題になっていますが、どのような対策が?
A 確実に低下していると感じます。
小学校の入学式を見ているとよく分かります。10数年前の1年生と今の1年生では明らかに違います。おそらくは、幼稚園・保育園ののびのび教育の成果だと思いますが、今の子は、同じ姿勢を長時間保つことが苦手になっています。
  対策として、たとえば朝や帰りの会で、1分間の黙想タイムをとり、毎日繰り返していると、次第に落ち着いた集団になっていきます。
  ただ、好きなことに集中できれば、特に問題はないとも考えています。

Q30○ 教員選択については、どこまで進んでいるのでしょう? →Q44,45
A 進んでいません。今後も進まないと思います。

Q31 立ち歩きなど問題になっていますが、大口町の現状は?対策はとっているのか?
A 1件の事例があり、担任をサポートするための補助教員を増員する対策を取っています。

Q32 理数系の学力低下の原因は?
A 本質的に低下しているとは思えません。むしろ、今の子の方が考える力や観察力などは高いのではないかと思います。大学の先生は、計算力を問題にしすぎているのではないでしょうか。
 また、大学の先生自身、知識を詰め込んで、限られた社会の中でやってこられた人ばかりですので、経験から得る知恵の重要性をわかっておみえでないのではないでしょうか?

「経験知」と「伝聞知」と言う言葉があります。
経験から得る知=知恵、人から伝聞してもらって得る知=知識です。
これからの教育は、これまで伝聞知にだけに偏っていたことを改め、両者のバランスを保ち、相互に補完できるようにすることが大切だと思います。

■学校開放
Q33○ 学校開放について、大口町の現在の見解は?
A 見解となるとわかりませんが、Q36に見られるように、地域と学校の連携は進んでいます。これは、今後さらに進んでいくものと思われます。

Q34○ 空き教室は現在どのように利用しているの?
A 大口南小:児童会室、調べ学習室、さくら文庫、
  大口北小:なかよしの部屋、ふれあいの部屋、学びの部屋、探究の部屋、児童会室
大口西小:なし
大口中 :物品室、生徒会室、ワークルーム、楽器室、多目的室
大口北中:会議室、資料室、学習室、集会室、生徒会室、多目的室

 ただ、少人数教育が本格的に展開されると、空き教室はなくなっていく傾向にあります。ひとつのクラスを2つに割るには、教室が余分に必要だからです。

Q35 学校も家庭と同じで、子どもたちの逃げ場所であってほしい。
A 人間には逃げ場も必要ですね。逃げ場は人によって違いますが、一般的には、保健室やなやみ相談室が逃げ場にあたるのではないかと思います。
 保健室では、養護教諭の先生が温かく迎え入れてくださいます。現在、丹葉地区の養護教諭の先生方のレベルは、全国的に見ても大変高いと思っています。大きな学校は複数配置できると良いような気がしますが、二人になると新たな問題もあり、難しいところです。
 また、相談室事業も着実に進展しています。具体的な成果も聞いています。

Q36 地域との連携は、非常に難しいが、具体的に教えてほしい。
A  「非常に難しい」とは思いません。すでに多くの学校で始まっています。大口町でもいろいろと行われています。
実際にある例を紹介します。
 ・ 地域で職場を体験する
 ・ アダプトプランで道路沿いの花壇を管理する
 ・ ビオトープを地域の人の協力で管理する
 ・ 読み聞かせボランティアの人による読み聞かせ会
 ・ クラブ活動を、老人クラブの人といっしょに行う。
 ・ ボランティアクラブの講師に、地域の人を招く
 ・ 校内のカルチャー講座の講師に地域の人を招く
 ・ いっしょに鳴子おどりを練習し披露する
 ・ 働く人の話を聞く会で、地域の働く人に話を聞く
 ・ 福祉施設で、福祉体験学習を行う
 ・ NPOわくわく21といっしょに花しょうぶの植え替えを行う
 ・ 一方的な授業参観、学芸から、親子参加型、交流型への形式の転換
 ・ 登校・下校指導
などなど

■少子化対策
Q37○ 学校を越えての合同チームの実現は考えているの?(生徒の数の減少)
A 吹奏楽コンクールでは、平成10年からすでに実現しています。中体連も市町村、都道府県レベルまでは合同チーム化が進んでいますが、全国大会には出場できません。全国では、近隣のエースばかりを集めた選抜チームの出場を恐れているのです。そうなると、大会の意味がなくなり、ますます学校部活の意義は失われます。
簡単にはいかないものですね。
 ただ、大口町では、スポーツ振興団体設立準備委員会が昨年以来15回を重ね、おぼろげながら姿が見えてきました。

■心の教育
Q38○ 非行中学生をどの様な方法で指導しているか
A 大口町のことは分かりませんが、私はこうしてきました。

  その前に、確認しておきたいことがあります。  
  よく、こんな意見が親から(教師からも)聞かれます。
 「制服の違反がある。こんなことなら、いっそのこと自由にしよう」
 「校則が厳しすぎる。もっと子どもたちの好きにさせろ!」
  だから自由にするというのは間違いなのです。
  校則を破る子は、制服が嫌いでやぶるのではないのです。彼らは、自己をアピールし、満たされたいために破るのです。そこを理解してあげないといけません。
 もしも校則をゆるめても、次は全く別の方向からはみ出ようとします。もし校則がなくなれば・・・・はみでるのは日本の法律しかありません。エスカレートするばかりなのです。
  そうではなく、彼ら・彼女らがはみ出ようとする原因を取りのぞいてあげなければ、根本的な解決にはならないのです。

  「非行中学生」をどのようにとらえた言葉か分かりませんが、例えば「シンナー」「たばこ」レベルを指すのなら、その生徒との人間関係をつくり、話を聞いてやります。けっこう時間はかかりますが、本当に悪いやつはめったにいません。
  間違っても、「非行少年」を変な目で見ないことです。

  人間関係ができたあとは、今自分がいる位置と、近い将来の夢と希望、さらにその先の人生設計について話し合います。ここまで来ると、仲間の手前、急に良い子にはなりませんが、決して無茶はしません。良い進路先が見つかればしめたものです。
  結局、どこまで相手の心に入ることができるかです。

Q39 いじめの問題について、現在とられている方法は?
Q40 いじめ、虐待の大口町での状況は?
→Q54へ
A 各学校では、いじめ不登校対策協議会が開かれ、各学年から出された問題は組織として解決が図られます。また、各学校をなやみ相談員が巡回しています。
 また、町ではなやみ相談室も設けています。

Q41 心を育てるための家庭と学校教育の連携対策は?
A これこそPTAの出番です。
  社団法人日本PTA全国協議会のHPには、次のように目的が書かれています。

 小学校及び中学校におけるPTA活動を通して、わが国における社会教育、家庭教育の充実に努めるとともに社会教育、家庭教育と学校教育との連携を深め、青少年の健全育成と福祉の増進をはかり、もって社会の発展に寄与することを目的とする。

 これを読んでもわかるように、PTAというのは、まぎれもない生涯学習団体なのです。
 特に、「家庭教育と学校教育の連携を深め」の部分がこのご質問にぴたりはまります。まず学校と家庭が、「ともに生きる豊かな心を育てたい」と共通理解すること。そして、学校だけでも家庭だけでもできることではなく、連携しなければならないという意識を持つこと。そして、具体的に行動することです。

■災害
Q42 地域住民の避難所として、完全に受け入れができますか?
A 大口町防災会議がまとめた『大口町地域防災計画』(平成12年修正)によりますと、大口町避難所とその一時的収容可能人員は次のようになっています。

  大口北小学校     560人   大口南小学校  460人
  大口西小学校     500人   大口中学校   850人
  大口北部中学校    650人   大口町民会館  220人
  健康文化センター  1,040人       合 計  4,280人

 これは、あくまでも一時的収容人数です。避難所生活が長期化した場合は、就寝の場や荷物置き場も必要なため、これだけの数はとても収容不可能です。
数的にも、完全に受け入れるのは無理であることがわかります。
また、当日部長から回答があったように、各避難所には緊急の物資が備蓄されていません。そこも今後の課題です。
   まずは、自己防衛です。

■感想
・家庭教育の大切さは良く分かるが、本日の講義を聞くと、学校での教育がよく分からなくなった。
A 大口町の学校の現状が分からないので、一般論が中心となってしまったことを申し訳なく思っています。
子どもが替われば教育も変わります。教師が替わっても同様です。短い言葉で学校での教育を語ろうとすると、どうしても無理が出ますので、できるだけ具体的に多くの情報を集めて考えることが大切だと思います。簡単に「今の学校は〜」と言うことは難しいですね。

・ゆとり教育の「ゆとり」とは何か。
A 時間的・空間的・精神的(経済的)に余裕のある状態です。
 知識を与えるだけなら、多くのゆとりは必要ありません。せいぜい、知識の習得に時間のかかる子に、個別指導の時間があればと思う程度です。
 しかし、知恵や技能を身に付けるとなると話は別です。
 ある大工さんが、「話を聞くだけや見るだけではダメだ。しょせん自分でやったことしか身に付かない。」と言っていましたが、その通りだと思います。
 私も、若い頃、農家の仕事の大変さを教えていましたが、自分で経験がなかったため、子どもには全く伝わっていませんでした。しかし、自分で畑で野菜を作るようになり、その苦労を実感をもって話せるようになりましたが、それでも子どもに理解させるのは無理でしょう。
 それよりも、子どもが自分で土地を耕し、種をまき、苗を植え、草を取り、肥をやり、水を撒き、収穫し、売りに出る。こうした活動を行えば、実感としてわかります。植物の神秘、食べ物を大切にする気持ち、働く人への感謝、その他多くのことを学ぶことでしょう。
 それには、“ゆとり”が必要なのです。作業の時間、畑、お金もかかることでしょう。毎日世話をするための精神的な余裕も必要です。

 理数系の学者には、こうした活動を軽視し、以前の教育に戻そうという動きがありますが、私は、むしろこうした活動があってこそ、これまでの知識も生きてくると思っています。

Cグループ

★質問したいこと
・ 「温かい経験」についての考えは?
・ 学校教育における給食
・ 「人間らしい教育」をテーマとした特別授業
・ 学区について
・ 教員選択制度の検討は?
・ 総合学習について各学校の方針

★個人作業でカードに記入した、質問事項
■人間らしい教育
Q43 今、土井先生が「人間らしい教育」のテーマを基に社会科以外で特別授業をするとしたら、どんな内容のものをしたいですか?
A 2つ紹介します。
  ひとつは当日にもお答えしましたが、「いのちの教育」です。
  たとえば、朝日新聞連載「がんと向き合って」・上野 創さんの手記
 http://mytown.asahi.com/kanagawa/newslist.asp?k=11 を用いて授業を行うのです。
  死を見つめることで、生きている事への感謝、自分を大切にする気持ち、社会のためにできることをしようと言う気持ち、他の命も大切にしようとする心・・・、実にいろいろなことを学ぶことができます。

  西村知己君は、神経芽細胞腫(しんけいがさいぼうしゅ)という小児ガンと闘い、小学1年生で亡くなるまでの7年と2ヶ月間を精一杯生きました。たくさんの人たちにそうした知己君の「いのち」から大切な何かを学んで欲しいと思い行われた授業が次に紹介されています。ぜひお読み下さい。
  http://homepage2.nifty.com/murasueyusuke/tomoki`s%20room.htm 

 鹿児島県では、次のような冊子もつくられています。
 「命の尊さを考える−生と死を学ぶ読み物集(中学生・高校生用)−」
http://www.edu.pref.kagoshima.jp/inoti/inoti.htm 

 もう一つは、食農教育です。   ※ここが詳しいです。 http://gakkou.ruralnet.or.jp/
 「食」と「農」から、人間の営みについて学びます。
 子どもは、「食」の学習には圧倒的な興味を示します。
 さらに、その食を支える「農」について、体験しながら学びます。これは、植物の生育、身近な環境、働くことの意義と感謝、責任感、チームワーク、「食べる」と言うこと、自然の恵みなど、多くのことを学ぶことができます。

■教員選択
Q44 教員選択が大切、とのことですが、「魅力ある教員」の育成について動きはあるのでしょうか?
A 「教員選択が大切」なのでなく、学校選択をしても教員選択ができなければ意味は半減すると言ったのです。
 「魅力ある教員」の育成は、官・民、数多く行われています。
 去る8月10日、江南市民文化会館で行われた、「保健の授業セミナー」へ参加して来ました。これは、丹葉地区の養護教諭の先生方が企画したものです。岐阜大学の近藤真庸助教授による模擬授業は、本当にすばらしいものでした。
 このセミナーには、遠く青森や宮崎、高知、神戸からの参加者がおり、その熱意には頭が下がりました。民間セミナーですので、交通費・参加費とも当然自腹です。
 これだけがんばっている教員もいるのです。

Q45 教員を選択できるような制度は検討されているのでしょうか?
A ありません。ただ、不適格教員を配置転換できるようになりました。
やや偏った内容ではありますが、
   教育委員会から「不適格教員」にされた「金髪先生」の言い分
http://www2.tky.3web.ne.jp/~norin/kinpatsu.html
は読み応えがあります。
   しかし、現実問題として、よほど不適格でもない限り、配置転換は難しいと思います。

■学区について
Q46 学区のあり方をもう少し聞きたい。
A 今まで、変わることがないと考えてきた「学区」というものが変わりつつあります。東京都品川区等、近くでは岐阜県穂積町、三重県紀宝町で「学校選択制」が始まっています。行きたい学校を子供や親が選ぶというこの制度は、どのような効果があって、広がっていくのでしょうか。
  品川区立大井第一小学校の大木教頭先生は、「教員にとっても保護者にとってもいい刺激になったことは確かです」と朝日新聞の取材に答えていました。この小学校では、昨春は48人、今春は69人が学区外からの入学希望で、新1年生の約半数は学区外通学になるそうですから、かなりの人数です。
  各学校は区の指導を受けながら特色作りを競っているそうです。ある小学校は教科担任制。小中一貫のカリキュラムの学校や個別学習の導入校もあるようです。環境教育・福祉教育という教育内容の特色だと、教員が変わると内容が変わってしまうので、組織的に教育方法を変えることで、人事異動があっても継続できる特色にしたようです。
  でも、親は、特色より、荒れているかどうかで決めているようです。
  品川区の場合は、小学校15%、中学校17%の学区外希望だそうですが、日野市は小学校で8%、中学校で4%、他の町では数人の希望と少ないようです。通学が難しかったり、安全性の配慮から、隣接学区の通学しか認めないところもあったようです。
  東京都は広がりを見せているようですが、そのほかの地域にはなかなか広がらないのも事実です。
東京都は、@ 交通の便がよい、A 各家庭と地域とのつながりが薄い。
  しかし、たいていは、子供会や町内会の行事を学区単位で行っており、地域と子供たちとの結びつきが弱くなって、地域で子供たちを育てるという考えにも逆行するなどとの問題があるようです。また、大阪市などは、人権問題への配慮などから越境入学の防止に力を注いできたようです。このようなところも、選択制は導入しないでしょう。
  学校選択制の大きな成果はまだ見えていません。また、明確な問題点も出てきていません。
  まだ、この制度について評価を下すことは難しい段階です。
  
■温かい経験
Q47 「温かい経験」について、どのようにお考えですか?
A 哲学的な表現ですが、人間を育てる教師として、最も大切なものを含んでいる と思います。
 当日にも言いましたが、私は教師に最も必要な資質は、「ハート」だと思っています。「ハート」がある教師は、人の痛みの心がわかり、喜びがわかり、そして相手の心をすぐにつかむことができるのです。
もちろん、知識や技能を教える技術も大切なのですが、ハートのある教師は、「少しでもわかりやすく・・」と努力し、また人の心にすぐ入り込むことができるので、楽しい授業になります。
 「温かい経験」についてですが、時として相手の心にしみこんだこちらの思いが、いつまでもその子の支えになっている、そのようなイメージを抱きました。
もしそうであるならば、教師冥利に尽きると思います。

■給食
Q48 給食の味付けを考えてほしい。
A 給食は、昔に比べてかなりおいしくなりました。
2回食べた大口町の給食はどちらもおいしかったです。
木曽川町では、栄養士さんといっしょに職員室で給食を食べていたので、時々、「味が濃すぎない?」とか、「これはおいしい!」と言って批評していたのを思い出します。(木曽川町は、自分の学校で給食をつくっています)

Q49 学校教育における給食制度のあり方ついて、どうお考えでしょうか?(給食制度の崩壊)@冷凍食品、加工品主体の献立の弊害 A限られた短い時間で急いで食べることによる弊害
A 大口町の給食はまだ2回しか経験がないのですが、江南・木曽川では、冷凍食品、加工品主体が主体とは思いません。あくまでそれらは添え物でした。
 昨年度まで2年間、栄養士の人と机を並べて献立を考えるところを見ていたのですが、詰まるところお金です。1食2百数十円で考えることに無理があります。
 給食の時間(45分程度)は、他県から来た教師が驚いていました。そこでは準備込みで25〜30分だそうです。実際、小学校高学年や中学生は10分程度で食べてしまいますので、生徒からは、むしろ「給食の時間を短くして放課を長くしてほしい」という要望が多いのが実情です。

■方針
Q50 学校教育で総合的学習について各学校の方針を教えてください。
A 総合的な学習は2002年から始まるので、確かなことは言えません。子どものニーズで課題は変わってくるからです。
  ここでは「学校経営案」に記載のあった2校について紹介しますが、当然まだ試行中のものであることをご了承ください。
 大口南小:福祉、情報、国際理解教育、特に英語学習
 大口北小:テーマ「知ろう大口、ふれ合い大口」
3年 自分たちの知らないこと何
4年 育てよう福祉の心
5年 大切ないのち、自然
6年 より多くの人たちとともに 

Dグループ

★質問したいこと
Q51 学校(先生)と家庭との対立構造(事が生じたとき)
Q52 子どもと先生の関係(相性がある)、つながりをつくるには?

A まず対立しないことが大前提です。
 家庭では、子どもの前だけは学校や教師の非難をしないでいただきたい。それは、子どもが学校を嫌いになる主原因なのです。嘘でもいいから、ほめてやる、それが鉄則です。
 不幸にも、対立が生じた時は、とにかく溜めないで、直接話し合うことです。電話ではいけません。その多くは誤解が誤解を生んだものであり、直接会って話せば、大半が解決します。
 ぜひ、すぐにでも担任や教頭・校長と相談してみてください。

  前任校では、学校のHPにメールアドレスを載せ、意見をいただいていました。 時には、批判のメールも来ますが、その都度こちらの意図を説明するとわかってもらえます。怖いのは、陰でじくじく言われ、それが他に噂として広まることです。意志の疎通が大切なのです。

 子どもと先生の相性は否定しません。
 一般に、度量の大きな先生は、誰とでも相性が良く、当然その逆もあるでしょう。
 でも、子どもの前では、先生の良いところを見つけてほめてあげてくださいね。

Q53 子どもと社会の関係(をつくっていくには?)
A 良い質問です。
 親が持つべき、大切な視点だからと思うからです。  

 「親の言うことは聞かないが、親のすることは真似をする」
 遺伝子と似た言葉で「模伝子」という言葉があるそうです。まさに、この一文を表しています。
 親と図書館へ連れて来られた経験のある子は、何か疑問を持った時に抵抗なく図書館へ来ることができるでしょう。
 親と遺跡をまわった子は、歴史に興味を持つでしょう。
 ニュースをいっしょに見て話し合う家族は、社会に近いと言えます。
 生涯学習課のいろいろな親子対象の教室に毎回参加していただける家庭の子は、社会をより身近に感じていることでしょう。
 
 興味・関心が高まり、社会と接する方法を学んだ子は、もうほかっておいても社会との関係を自ら作っていくと思います。

 一方、ニュースを見ながら世の中の不平・不満ばかり言っている親を毎日見て育つ子はどのようになるのでしょうか?考えてみてください。

Q54 不登校、いじめを無くすのではなく(常に発生するもの)どう対処するか?行政・ 学校・地域の役割は?  
A 行政として、Q39、40のように対処しています。
しかし、これらは根本的な解決になり得ません。
 学校では、すべての教育活動を通して、「共に生きる」と言う意識を徹底してほしいと思います。縦割り集団による異年齢の活動、地域の人との交流、命の教育による人命・人権尊重、ボランティア活動、福祉体験学習、など、明確な目的意識を持つことで、はじめて児童・生徒に意識されるのではないでしょうか。
 地域としても、できることはあると思います。
・日頃のあいさつ運動により、町の一員だという所属感を与える。
・地域の行事を大人と子どもが協働で創りあげる。
・地域の人が学校に顔を出し、教育活動に参加する。
・勉強が苦手な子など、目立たない子に活躍の場を与える。
これらの積み重ねで、いじめにつながるマイナスの心を消しつつ、一人ひとりに光を当ててやりたいと思います。
 
 町の情報化は、いじめや不登校対策にも有効です。
 前任校で、全員にメールアドレスを持たせ、担任にメールを打たせたところ、口では言えないことでもメールなら相談しやすいために、相談活動が活発になったいう例がありました。また、中学校の時には、実際に不登校生徒とメールの交換をしていました。
 これだけで、ずいぶんと変わります。

Q55 情報(現在の本当の)を知らない(関係がなくなると情報が入らない)。知る必要がある。
A 大口町の小学校は3校ともHPをもっています。中学校2校にも、ぜひほしいところです。
私の理想は、町全体がネットで結ばれ、基本的な連絡は、すべて日常的にネットで流すことができることです。
小学校各校のHPもさらに充実するといいですね。

★ 個人作業でカードに記入した、質問事項
■家庭
Q56 生きる力=教育は賛成です。私はもう少しつっこんで、「生活してゆける力」だと思っています。
A そうです。「生活してゆける力」は生きる力そのものです。
生活するということは、実に総合的なことなのです。
社会の常識、冠婚葬祭等の儀礼、一般の法律、地元の付き合い、税金や保険、あげたらキリがありません。学校では学習しないようなことも、いろいろと身に付けなくてはならないのです。
これまで、「総合的な学習は、できるだけ現実に近い形で行うべきだ」と言ってきました。現実社会は総合的だからです。
今回のご意見は、大賛成です。

Q57 三つ子の魂百まで。虐待の現状をみると学校教育の前段階のフォローが必要では? 孤独な親の助け場所をつくり、一時的でも、中卒まででも子どもを救う場所があればと思う。
Q58 家庭教育はどう進めたらよいと思ってみえますか?
→Q15
A 家庭教育については、Q15などで書きましたが、Q57は子どもの虐待という重要な問題を含んでいます。
 子ども虐待は、18歳未満の人が家族などの愛着対象から不当な扱いを受けることであり、身体的・情緒的な発育に悪影響を及ぼす行為です。虐待の種類は、主に以下の4つに分類されます。

1身体的虐待‥‥‥「言うことを聞かないから強く殴りつけた」「泣きやまないのでタバコの火を押しつけた」など、懲罰がエスカレートしたもの
2心理的虐待‥‥‥「おまえなんか生まれてこなければ良かった」という言葉の暴力や「お兄ちゃんは勉強ができるのに、なんでおまえはできないの」などと身内と比較することで心にダメージを与えること
3性的虐待‥‥‥‥性行為を強要されることや、性的な嫌がらせを受けること
4ネグレクト‥‥‥食事や衣類など生活に必要な物資を与えず世話を怠ることや教育・医療を受けさせないこと(赤ちゃんの産み捨てや親がパチンコに熱中するあまり車内に子どもを放置したといった例も当てはまります)

 実際に、1996年に103人、97年に110人、98年に131人の子どもが虐待によって命を失っています。 
 虐待を防ぐには、多くの人がこの課題に対して共感し、正確な知識を持つことが必要です。社会的な偏見で誤解されやすいのですが、虐待を受けた子どもは、安心できる環境で育つことができなかったため、人格が統合されず、思春期以降、犯罪や非行に走ったり、精神的な疾患を持つようになります。親などの愛着対象から被害を受けたショックが癒されず、それがトラウマとなります。彼らは、その苦痛を紛らわすために、アルコールや薬物に依存したり、食べ吐きを繰り返す摂食障害になったり、手首を切るなどの自傷行為によって、破滅的な人生を歩みがちです。これを問題行動としてとらえるか、虐待による心の後遺症としてとらえるかで、彼らへの支援も変わっていきます。

 また、暴力の絶えない家庭で育った子どもは、暴力と愛情を混同するため、大人になったとき、暴力的なパートナーと結婚したり、子どもを産んでも、気がつけば自分も虐待していたという世代間連鎖も珍しくありません。実際に「イライラすると子どもを叩いてしまう。悪いことだと思うけれど、どうすればいいのかわからない」といった母親からの相談が多く、その背後には仕事にのめり込んで子育てに協力しない父親や、暴力によって人を支配する父親の姿が隠れています。虐待防止の支援は、子どもを守ることも大切ですが、親の治療も欠かすことができません。

 とにかく早期発見が重要です。児童福祉法25条には国民の通告義務が定められています。虐待や虐待の疑いがある状況を発見した人は、児童相談所という公的機関に通告しなければいけません。児童相談所は、病院や保健所と連携して、虐待されている子どもを救出すると同時に、親をカウンセリングなどの治療に結びつけることを業務としています。

 相談窓口ですが、
 子どもの虐待防止センター http://www.ccap.or.jp/ 
   電話相談のほか、治療も行っている。虐待している側への治療、虐待されている側への治療、そしてかつて虐待を受け、現在、問題を抱えて生きている大人達への治療である。方法としても、自助グループ、治療グループ、個人治療などがある。

 子どもの虐待防止ネットワークCAPNA http://www2.ocn.ne.jp/~capna/ 
   愛知県の名古屋市を起点に、子どもの虐待防止に取り組む市民団体。
   CAPNAは民間のボランティア団体だが、虐待のことで悩んでいる人への電話相談と51人の弁護士が緊急事態に備えて待機している。また、CAPNAのスタッフには、学校や保育園の先生、小児科や精神科の医師、心理カウンセラー、地域の保健婦など、子どもやその親と接することが多い専門家が多く、児童相談所と連携することによって、虐待ケースの発見から治療までの援助プロセスを効率よく展開している。

 根本的な解決のためには、向こう3軒両隣といった昔ながらの地域のコミュニティの復活が求められます。

■ゆとり教育
Q59 ゆとり教育の意味? 先生のゆとりが必要では? ボランティアで協力ができないか? 副担任制を!
A ありがたいお言葉です。
小学校と中学校では忙しさの質が全く違います。
小学校教師は、子どもが学校にいる間が本当に忙しいのです。目が離せません。
 授業の持ち時間が多く、空き時間がほとんどありません。諸帳簿やテストの採点、連絡帳の記入や日記を見ることなど、なかなかできません。家庭へ持ち帰っての仕事になります。
一方、中学校教師は授業の空き時間もあり、生徒がいる間も余裕はあります。しかし、生徒指導や部活動の指導、進路指導など、朝早くから夜遅くまで、しかも土曜日曜まで仕事に追われます。
小学校では、ボランティアによる授業への支援があると本当に助かります。また中学校では、部活動の支援があるとありがたいです。これらは、今後も論議され、部分的に始まるのではと思います。
副担任制も良いのですが、学級定数を減らす方が子どもに対する責任が明確になると思います。

Q60 ゆとり教育と言うけれど、部活をもっと活発に進めてほしい。
A もと部活人間の自分が言っては何ですが、部活動というのは制度疲労をおこしています。というより、矛盾を抱えたまま今まで来てしまいました。
なぜなら、学校は教育課程に合わせて教育活動が行われるところなのです。しかし、部活動は、教育課程にないのです。本来、やらなくても良いことなのですが、これまでに半強制的な教員のボランティアとして続いてきてしまったのです。
 もちろん教育的な価値は大変高いので、教育課程に位置づける試みも何度もなされてきましたが、システムとして確立されないまま現在に至っております。
 私個人としては、社会全体の仕組みに部活動を組み込みたいと考えています。
 それが、2010年までに各市町村に最低ひとつはつくらなくてはならない総合型地域スポーツクラブなのです。

■先生の問題
Q61 先生が教育以外のことで忙しすぎないですか?
A 本当に忙しい人は、「忙しい」とは言いません。逆に「忙しい!忙しい!」を連発している人は、たいした仕事をしていないように思います。
また、忙しい時こそ、良い仕事ができる気もしています。

ただ、子どもがいる時は、子ども中心に仕事をしたいものです。
放課は職員室でお茶を飲んでいないで、いっしょに遊んでやってほしいと思います。

Q62 もっと学校教育に予算を出してもよいのではないですか?(先生の増員)
A ありがとうございます。
ただ、学級数により教員定数は決められていますので、教員を増やすとなると町費で雇うことになります。1人増やすと数百万円かかります。ある程度効果が出る数(例えば5校で10名など)にすると数千万円。これが毎年続くのですから、やはり大変です。30人学級の法制化を望みたいですね。

Q63 「校長が替われば学校が変わる」と言われた言葉があるけれど、先生の人間性に磨きをかけてほしい。
A 校長が替わると学校が変わるのは実感しています。
教師の研修については他の箇所にも述べました。教師の人間性に磨きをかけてほしいのはその通りですね。

Q64 先生に、地域に興味を持ってもらうには?
A 多くの先生方は、興味を持っていると思います。特に、生活科や総合的な学習は、素材を地域に求める例が多く、今、教師は地域に目を向けているのは事実です。声をかけるチャンスかも知れません。
  しかし、Q71にも書きましたが、教師にはなかなかゆとりがありません。またゆとりのある人は、何かの団体(スポーツやボランティアなど)に属して活動している人が多いのです。
結局、人間関係です。関係さえ築けば、時間の都合がつけば、喜んで地域にも出向いてくれると思います。

Q65 先生に聞いても、本音で話さない。「悪い事を隠す。」
A  人によると思いますが、残念ですね。
 それだけで、もう保護者と壁ができてしまっていますから。「開かれた学校」の対極にあります。
 前にも言ったと思いますが、学校と家庭・地域は、意志の疎通が第一歩で、それが必要最低条件です。それを、一人ひとりの教師が理解していないとこういうことが出てくるのです。

 これは、親にも言えるのですが、初対面でいきなり相手に不満を言っては・・・・うまく行くこともまとまりませんね。日頃から連絡を密にしてこそ、言いにくい話でも聞いてもらえるのです。
 これは世の人の常ですね。
 
ぜひ、担任の先生とは、連絡帳などを用いて連絡を密にとってください。直接電話や会って話すチャンスがあれば、特に大切にしてください。

Q66 先生を選択制にする事はできないか? →Q45

Q67 学校の先生は夏休みに何をやってるの?
Q68 “先生”という仕事は夏休み
冬休みがあって良いという方がみえますが、実際(現実)はそう簡単な言葉では片づけられませんよ!!(身近なものに先生を持つ者の考え)
A 理解していただけてありがたいです。
私事ですが、特に10年間の中学校勤務の前半6年間は、1年365日のうちの345日ぐらい出勤していました。土日はもちろん、祝祭日、夏休みや冬休みなんてありません。1年の中で、休みは盆と正月3日間とテスト期間中の日曜日くらいでした。
朝は7時に学校の鍵を開け、帰りは夜の8時から10時ぐらいが普通です。もちろん教員は時間外手当なんてありませんから、まったくのサービスです。
 母子家庭同然の家族には、申し訳なかったと思っています。
月1回土曜日が休みになった時、家族が本当に喜んだことを覚えています。

甲子園に出るような高校野球の監督は、もっと厳しいだろうと想像できます。
もちろんそれが仕事ならあきらめもつきますが、一般に部活は「好きでやっている」としか評価されません。 
他の公務員や民間の会社の人がうらやましかったですね。

Q69 日本の教え方についての疑問、低学年は絶対的な分かっていることを教え込み、高学年になったら、“why”を考えさせる。日本の今までは、逆のはず。例えば、お月様は観察するとどうするか?と低学年に出てる。得意な所を伸ばそう!
A これは重要です。
  おそらくは高度経済成長期の詰め込み教育を象徴しているからです。
教育は「教」と「育」でできていますが、知識・技能は「教」です。しかし、

能力は、「教える」ものではなく「育てる」もの なのです。

これまで、本来育てるべき能力を、知識として教えてしまったことに問題があるのです。

月の満ち欠けを例に・・・・
月がどちらから出てどっちへ沈む、形はどう変化する・・・教えるのは簡単です。しかし、それは単なる知識に過ぎません。
自分の目で発見し、自分の頭で考えさせる「観察する力」、なぜかな?という「知的好奇心」を育てることが大切なのです。
したがって、大人が分かっていることでも、子どもが考え、自ら発見する授業を仕組むことが大切です。
良い授業というのは、教師が教えないで、子どもが自分で獲得していく授業です。授業を見られる機会がありましたら、ぜひその視点で見てください。

10+20=30 このような決まり切ったことはどうか?
 これも、数量の概念を育てなければいけません。
 以前、障害児学級を受け持っていた時のことです。
 中度の障害をもつ生徒でしたが、小さい時から塾で鍛えていたため、計算能力は高いのです。分数の加減乗除まではできました。
 ところが、「10円持っています。20円もらいました。いくらになったでしょう?」と言う問題が全く分からないのです。
 10+20=30 がすぐに答えられる子が、実生活では全く生かせないのです。実際、買い物にも行けません。
 これは、記号としての操作ができても、数量の概念が身に付いていない実例です。

教えることは簡単ですが、育てることは難しく、時間がかかるものなのです。

■校外
Q70 学校教育の中で、学習塾へ進める意味 →Q23
A  申し訳ない言い方です、本当にケース・バイ・ケースです。
 ア 私立中学や難関私立高校へ進学させたい場合
  学校教育の指導内容では限界があります。もちろん、家庭で学習するに越したことはないのですが、たとえば滝中学の入試問題を見ると、教科書を見ながら解いてもできる問題はごく一部です。発展した考え方、解き方、そして広い知識も必要です。これを独学でやろうというのは至難の業です。(もちろんいないわけではありません)解法のテクニック、傾向と対策は塾で習うことは有効です。

 イ 勉強には普通についていける。私学へ進む気もない。
  学習塾の必要性を感じません。むしろ、そのお金と時間があるのなら、お稽古ごと(習字やスイミング等)に費やした方が、その子の一生の財産になると思います。こうした財産は、豊かな人生を送るための大きな武器です。

 ウ 勉強についていけない。家庭でのフォローにも限界がある。
 もし、塾にかけるお金と時間があるのなら、学習塾を考える価値もあります。
ただ、ポイントはその塾のレベルで、その子にあったものを選ぶことが大切です。選択を間違えると、無駄な時間とお金を使うことになります。
 
結局、その子の実態をよく知り、塾に入れる目的を明確にしてから考えるべきです。

Q71 校外活動(祭、スポ少)に先生の関心、協力を得るには?
A 制度としては無理です。
  教師の勤務時間は決められています。校長から出張命令で参加した時は、(時間外手当がないために)代休をとらなければなりません。代休をとると、残された子どもがかわいそうですよね。ですから、校長・教頭に相談しても、立場上OKと言えないのです。
したがって、勤務としてではなく、ボランティアとしての協力を求める形になります。
 その場合、まず相手の事情によります。
  一般的に、教員は共稼ぎの家庭が多く、仕事と家庭の両立に日頃から苦心している場合が多いのです。おそらくは、家庭の仕事は休日にまとめてこなしたり、お子さんのお稽古ごとや地域の当番など、けっこう忙しいものです。
  そのため、先生に時間的な余裕があるかどうかがポイントです。
  もし時間の余裕がありそうで、先生の興味・関心がありそうなら、後はその先生との人間関係です。誠意を持ってお願いしてみてください。 

Q72 地域(社会)教育の必要性は?
A みなさんはご存じだと思いますが、ここで確認しておきたいのが、「生涯学習」と「社会教育」との関係です。
 生涯学習とは人が生涯を通じて行う主体的な学習活動をさし、その中に、学校教育・社会教育、さらには個人の趣味や文化活動も含みます。
そこで、社会教育の意味ですが、社会教育法の第2条に次のようにあります。

第2条  この法律で「社会教育」とは、学校教育法に基き、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む。)をいう

そして、行政の役割として第3条、第5条を紹介します。

第3条  国及び地方公共団体は、この法律及び他の法令の定めるところにより、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない。

第5条  市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会は、社会教育に関し、当該地方の必要に応じ、予算の範囲内において、左の事務を行う。

  社会教育に必要な援助を行うこと。
  社会教育委員の委嘱に関すること。
  公民館の設置及び管理に関すること。
  所管に属する図書館、博物館、青年の家その他社会教育に関する施設の設置及び管理に関すること。
  所管に属する学校の行う社会教育のための講座の開設及びその奨励に関すること。
  講座の開設及び討論会、講習会、講演会、展示会その他の集会の開催並びにこれらの奨励に関すること。
  職業教育及び産業に関する科学技術指導のための集会の開催及びその奨励に関すること。
  生活の科学化の指導のための集会の開催及びその奨励に関すること。
  運動会、競技会その他体育指導のための集会の開催及びその奨励に関すること。
  音楽、演劇、美術その他芸術の発表会等の開催及びその奨励に関すること。
  一般公衆に対する社会教育資料の刊行配布に関すること。
  視覚聴覚教育、体育及びレクリエーションに必要な設備、器材及び資料の提供に関すること。
  情報の交換及び調査研究に関すること。
 その他第3条の任務を達成するために必要な事務
 
 以上のように、社会教育の必要性は、法律でもしっかりと明記されているのです

Q73 入園前の子ども(3歳まで)のサークル支援はできないか?
A 未就園児の教室は、大口町が行っているもの、さらには民間サークルが行っているものなど、けっこう盛んに行われていると思っています。「支援」の意味がよくわからないのですが、もしご要望があれば関係機関にお問い合わせください。
これも、何度も言っていますが、こうした教室に参加できない家庭の子どもたちをどうやってフォローするかが課題です。
経済的・時間的な余裕のある・ないで、受ける教育の内容に差が出るのは残念です。

■その他
Q74 社会では数学は必要ないと言われる。不登校の子にも、自分の好きな科目があるはず。
A  不登校に陥った子は、いわゆる精神的な「生きる力」が失われてしまった子が大半です。そのためにも、総合的な学習は有効です。
総合的な学習のねらいは、次のものです。

1 自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
2 学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにする。

「自分の好きな科目」どころか、自分の好きなテーマを追究することも可能です。
 以前からこういった学習に取り組んでいる、東浦町の卯の里小学校を見学した時、個人研究の時間になると、それぞれが自分のテーマの部屋へ行き、図鑑を見たり、音楽室で作曲をしたり、図工室でのこぎりをひいたり、仲間に調べたことを発表したり、計算をしたり、実に色々な活動を見ることができました。
 おっしゃるとおりだと思います。

Q75 評議員は何やれば良いの?
A ぜひとも文部科学省のサイトをご覧下さい。 http://www.monbu.go.jp/news/00000405/index.html

Q76 生涯学習が文部(科学)省にある。
A そうです。次のようになっています。


Q77 教育こそ生涯必要である。急がないで歩む。
A いい言葉です。
文字通り、生涯、学習ですね。
  生涯学習の視点から学校教育を見ると、反省させられる点が多々あります。
 ・生涯学習は、学習者が自分のために自主的に学んでいる。
 ・生涯学習は、学習者が他と競うことなく、自分のやりたいことを、自分のペースで学んでいる。

 これから生涯学習について知りたい人のために、「生涯学習事典」を作りました。
http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/manabu/index.htm  ご活用いただけたら幸いです。

Q78 集団教育と個人教育の研究は?
A これもおもしろいと思いました。この短い言葉に、実は学校の存在意義が隠されています。
もし学校が知識や文化の伝達だけが目的なら、個人教育で十分です。インターネットの普及で、通信教育もやりやすくなりました。
しかし、学校教育の目的はこれだけではありません。
社会の形成者として、共に生きる心を育てなければなりません。共に生きる心だけは、人間同士のかかわりの中からのみ生まれるものなのです。
集団教育は、どれだけITが進化しても、いつの時代でもなくなることはないと思います。

次に、授業形態に目を付けてみます。
集団教育のメリット:効率がよい、共通理解が図れる、互いに高め合うことができる。
個人教育のメリット:個に応じたレベルの内容を、個に合った早さと方法で教えることができる

教材の内容とねらいによって、形態を使い分けるべきでしょう。

Q79 学校施設は防災・災害対策としても重要と思います。実際はどのくらいの予算を保っているの?
A 学校施設の防災対策として予算がついているわけではありませんが、たとえば、大口中学校体育館耐震補強工事は6千万円以上かかりました。
その他、防災事業全般については、町発行の『まちの財布』をご覧ください。