4 教育関連情報
(1)《小中学校の校庭芝生化》スポーツや外遊びなど活発に 中教審◆
文部科学相の諮問機関、中央教育審議会(中教審)のスポーツ・青少年分科会は5月5日、体力低下が指摘されている子どもがもっとスポーツに親しめるよう、小中学校の校庭の芝生化を進めることを柱とした中間報告案をまとめた。スポーツや外遊びが活発になる効果に着目したもの。そのほか報告書では、運動する場所を確保するため、校庭や体育館の開放、遊休地の活用促進などを提言している。(5/6)
(2)開かれた学校づくり緊急対応方策発表(岩手県)
岩手県教育委員会は5月2日、開かれた学校づくり緊急対応方策について発表した。これは、教職員の不祥事や学校事故が続くなか、県民の学校への信頼を回復しようとのねらい。対応策では、平成16年度までに、全学校での学校評議員制度の設置、全教職員による学校評価などの実施・公表。また新たに「学校に行こう週間」(仮称)の設定などを行うとしている。
参照:「開かれた学校づくり等緊急対応方策について」【岩手県】
(3)子供向け起業塾が甲府に開校。実社会に即した英才教育を展開(山梨)
子供を対象にした起業家塾が今春、県内で初めて甲府市中央に開校、パソコン操作の指導やイベント企画の立案などを教えている。生徒は現在、幼稚園児から中学一年生まで十人。
(4)「新しい文化の創造」について意見交わす【自由民主党】
文部科学部会・文教制度調査会の合同会議が9日開催、「文化を大切にする社会の構築について」文化庁から説明を
(5)文部科学省:「学力向上フロンティア事業」の実施について
事業実施要項と全国の学力向上フロンティアスクールの一覧。
(6)給食のノウハウを海外へ(東京)
文部科学省は、日本の学校給食の優秀なノウハウを発展途上国に伝授する方針を固めた。
国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)、世界食糧計画(WFP)と協力し、栄養バランスに配慮した献立作りや、子供の衛生管理の徹底などを普及させるのが目的だ。
(7)総合的な学習の成果は「測定」できる!!
心理学的な立場からその測定は可能 静岡大 弓野憲一教授
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弓野教授は現在評価について,次のような問題点をあげている。
「日本の学校教育では,知識や知能につながる学力が評価対象となっていた。知能や学力は伸びるが生きる力(意欲や創造性)を育てていない。すなわち,子どもの質問や思考を評価せず答えのみを評価することによって,創造性を十分に開花させていない」と指摘している。
教授は静岡県内の小学校5年生81名を対象に「小学生の体験活動と創造性がどのような関係にあるか」の調査を行なった。
創造性の測定法として「空き缶の利用法」が用いられた。子どもの出したアイディアは「流量性」:アイディアの総数
「柔軟性」:アイディアをカテゴリーに整理し,そのカテゴリーの総数
「独創性」:他には出ないアイディア
その結果,独創性がとくに高かったのは
・知らない街を探検したことがある
・秘密基地を作ったことがある
・新しいゲームを考えたり,ゲームのルールを変えたことがある
■ 創造性の測定は心理学的立場から可能
日本とカナダの子どもの創造性を比較した教授の調査結果によると「小学校3年生までは,日本の子どものほうが創造性テストに若干高い点数をとる。しかし,小学校
4年から6年にかけ、日本の場合はぐっと点数が下がり,カナダの子どもは高くなる」傾向があるという。
これについて弓野教授は「常識はずれのアイディアやとっぴょうしもない質問は、実は高い創造性の可能性を秘めているものだ。しかし日本においては,他人から見た自分を意識するようになる小学校4年より常識はずれのアイディアやとっぴょうしもない質問を人前にさらすことに勇気がいるためでないか」と考える。
また,創造性を伸ばすことを視野に入れると,誉め方も変わってくると述べている。「よくできた」「がんばろう」というコメントは,創造性とは無関係な誉め方である。「この絵のこの部分があなたらしい」「その質問はユニークだ」など,その人らしさが現われている部分に特に評価を与えなければならないと言及している。
しかし「総合的な学習で,ただ自由に体験させれば創造性が育まれる,というわけではない」と釘もさす。他の実証実験では「厳しい条件を示すほど創造性が出てくる」という結果も出ている。「総合的な学習を通して子どもの「生きる力」が育ったかどうか,ある程度測定する目安がなければ,先生たちは自分の実践に自信がもてない。そこで,創造性が育まれているかどうかを測定のするために,今後研究を進めていく必要がある。心理学的な立場からその測定は可能」と弓野教授は述べている。
出典 VOL.031 2002/5.19(SUN) 教育情報Magazine
/ある小学校教師の独り言
5 MM紹介
(1)■2002-05-15■
■No.354 Mainichi Daily Mail Education
毎日教育メール
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【レポート】日韓の教育交流に強力な味方 自動翻訳掲示板スタート
韓国と日本の児童生徒の交流を、言語の壁なしに実現しようという「日韓自動翻訳掲示板」がサービスを開始した。総務省と文部科学省が進めている「学校インターネット」事業の一環として、通信・放送機構(TAO)が設置、毎日新聞社が運営している国際交流電子掲示板システム「レッツ・ワールド」を拡張した。 【編集部・三鬼治】
◇精度高い日韓翻訳
日韓自動翻訳掲示板は、日本語と韓国語の相互自動翻訳ができ、同じ内容の日本語と韓国語の掲示板がセットになっている。日本語のメッセージを、韓国語に自動翻訳して掲示、韓国語のメッセージを、日本語で読むこともできる。
翻訳エンジンは、IT関連会社の高電社(大阪市阿倍野区)が開発した日韓・韓日翻訳エンジンを採用した。日本語と韓国語は、単語や語順が似ているので翻訳精度が高い。とくに漢字かな混じりの日本語から韓国語への翻訳は90%以上の精度だ。ハングルの韓国語から日本語への翻訳はやや精度が落ちるが、ユーザー辞書に固有名詞を登録していくことで精度を上げられる。
日英翻訳掲示板で採用した「再翻訳機能」も踏襲した。日本語を入力し、自動翻訳を指定すると、韓国語訳が表示された後、この韓国語が再度、日本語に再翻訳されて表示される。再訳文の意味が通じるようになるまで、原文を修正しながら繰り返し機械翻訳することで、訳文の精度を高めていくことができる。
◇「再翻訳機能」で韓国語学習も
「再翻訳機能」で翻訳されやすいように入力する原文の構造を単純化したり、主語述語をきちんと記述するなど、日本語の学習にもつながる。英語を学習していて日英掲示板を利用している中学生には、翻訳文を自分でチェックすることを通じて英語の学習にもつながると好評だ。
また、翻訳を通じてその言語に興味を持ってもらうという教育効果も大きい。教科に入っていない韓国語は、独特のハングルともあいまって英語よりもハードルが高いかもしれないが、掲示板を通じて韓国語に興味を持ち、学び始める生徒が増えれば、日韓交流はさらに進むだろう。
◇掲示板を応用した翻訳支援
掲示板機能を応用した「人による翻訳支援機能」も盛り込まれ、自動翻訳で起こりがちな不十分な翻訳や誤訳を避けることができるようになった。支援スタッフが翻訳するため時間がかかるが、より完成度の高い訳文が必要なときに威力を発揮する。
翻訳支援では、(1)依頼者が専用掲示板に原文を書き込む(2)掲示板上で支援スタッフが翻訳して回答をアップロード(3)依頼者が回答を参照するという仕組み。依頼者以外が勝手に原文や回答を見ることができないよう、原文の登録時に設定する確認コードを使って、回答を参照するようにしている。
掲示板、翻訳支援とも、学校単位での利用申請が必要で、運営センターに申請してIDとパスワードを発行してもらう。
◇サッカーを通じて平和を考える
運営を担当する毎日新聞社は、韓国の有力紙、朝鮮日報および毎日小中学生新聞と連携してさまざまな日韓交流を展開していくことにしている。当面予定しているのは、国連や国際サッカー連盟(FIFA)が提唱している、サッカーを通じて世界に停戦を呼びかけようとの「ワールド・フットボール・デー」(6月19日)との連動だ。
毎日インタラクティブに「平和へのキックオフ」を新設。阪神大震災で支え合う心を学んだ兵庫県神戸市の子供たちが、アフガニスタン難民キャンプの子供たちに、サッカーボールや激励のメッセージを届ける活動などを紹介している。
レッツワールドでは、こうした取り組みについて、韓国の子供たちにも一緒になって話し合ってもらおうと企画。すでに神戸市教育委員会が参加校を選ぶ一方、朝鮮日報の協力で韓国側の学校も募集している。参加校が決まり次第、日韓掲示板内に特設コーナーを設け、難民キャンプの子供たちに送るメッセージを募ったり、話し合いをしてもらう予定だ。
(3)メールマガジン 2002年 6 月号 2002.
5.20
教育実践ノート 181 号 発行 家本 芳郎
●目次●
<時評>ワールド杯を国際教育の機会に
<教師のわざ>76 究極の極意
<授業のわざ>52 是非を論ずる10のセオリー
<学級づくり>14 学級世論を高める新聞つくり
<中学生Q&A>「死にものぐるいで猛勉強しろ」と言われた
<生活指導講座>45 事業主へ「子育て支援」の要請
<聞き方の技術>14 世間話の聞き方
<教育実践練習問題>15 セクハラかどうか
<文化活動資料館>21【合唱】分唱
<教育実践史を読む>48 学友の作文は話し合いの教材
<読書日記>25 机上・車上・厠上・枕上の本
<職場づくり>24 わが子の授業参観は研修扱い
<子育て通信>125 10ヵ条の教訓
<特別企画> 子どもをみる24の発想 5
<教育実践練習問題>15 解答
<編集後記>
6 研究会情報
(1)NEW EDUCATION EXPO 2002(名古屋会場) 2002年
5月 28日〜29日
会場 ナディアパークデザインセンタービル(愛知県名古屋市中区栄)
テーマ・主な内容 未来の教育を考える (教育関係者向けセミナー&展示会):
基調講演、行政、情報教育(小学校〜大学)、地域と校内のネットワークシステム構築と実践事例、総合的な学習の時間、教科教育、学校とキャンパス設計(情報と環境)、デジタルコンテンツ、学生サービス、新学習指導要領の開始にあたり、ITを通じた教育の変革(e-Learningほか)、展示会ほか
講師・講演 青山学院大学文学部教授・東京大学名誉教授・佐伯 胖
「今こそ『学び』を変えるときである」
国立教育政策研究所教育研究情報センター長・東京工業大学名誉教授・清水康敬ほか
「これからの『教育の情報化』〜グローバルな視点から〜」ほか
(2) 愛知教育大学附属名古屋小学校 開催日:
2002年 5月 29日
テーマ・主な内容 成長と学びを支える教育課程をめざして(最終年次)
講師・講演 教材・授業開発研究所・有田和正
「新教育課程の実施とこれからの教育」(仮題)〜教科の基礎・基本と総合的な学習の関連〜
(3)福井大学教育地域科学部附属中学校 開催日:
2002年 6月 7日
テーマ・主な内容 学びをネットワークする子どもたち(5年次)〜探究・創造・表現する活動を通して〜:授業公開(教科学習)、分科会(授業研究会)、全体会、講演
講師・講演 東京大学助教授・秋田喜代美
(4) 津市立櫛形小学校 開催日: 2002年
6月 22日
テーマ・主な内容 きらり輝く子を育てるために〜仲間・保護者・地域の人とともに食をみつめて〜:全体会、授業公開(テーマ「人・ひと・ヒト」)、学年別分科会(交流)、たてわり班活動公開
7 書籍紹介
『学力を問い直す−学びのカリキュラムへ−』岩波ブックレット548 佐藤学 \440
『「学び」から逃走する子どもたち』岩波ブックレット524 佐藤学 \440
8 ワールド・ウォッチ
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【ワールド・ウォッチ】アルゼンチン
アルゼンチンの教育制度とブエノスアイレス日本人学校
□□サッカーと音楽の国
アルゼンチンは、日本からもっとも遠い国。人口約300万人の首都ブエノスアイレスでは、日本と時期は反対になるが、四季の変化を楽しむことができる。道路には大きな街路樹があり、家々の花壇には季節ごとの花が植えられている。また街の中には、いたるところに花屋がある。この花の栽培には、当地への移住当初から日系人が多く携わっている。
アルゼンチンでは、サッカーに対する関心が強い。国内リーグの試合の翌日には、スポーツ紙はサッカーの話題で埋まる。またアルゼンチンは、タンゴやフォルクローレなど音楽が魅力的な国でもある。この文化を少しでも吸収しようと、アルゼンチン人の先生についてダンスや楽器を習い、腕を磨いている在留邦人もいる。
□アルゼンチンの教育制度
アルゼンチンの教育制度は9・3制で、初等学校が6〜14歳の9年間、中等学校が15〜17歳の3年間である。義務教育は、幼稚園の最終学年(5歳)から初等学校修了までの10年間である。しかし、いくつかの州では旧制度の8年間を維持している。中等学校では週に2〜3時間、英語の学習が義務づけられている。また午前中にはスペイン語による授業を行い、午後からは英語などの外国語による授業を行うバイリンガル校もある。
□□生徒がパン屋さんを開業
ブエノスアイレス日本人学校の朝は、20分間の「学習スキル」からスタートする。国語のことばについての復習や計算ドリル、読書などがおもな活動だ。昼休みは先生たちといっしょにサッカーや一輪車、パドレ(卓球よりひと回り大きなラケットでボールを打ち合うスポーツ)で遊ぶ。いちばん熱くなるのが先生たちだ。5校時が終わると、次は英会話。そして「体力スキル」の時間がある。
生活科では、身近な町の人々と進んで交わり、現地社会を体験することに力を入れている。今年は「ブエノスいちの小さなパンやさん」と題し、学校近くのパン屋さんと触れ合い、つくり方まで教えてもらうなかで、自分たちでパン屋さんを開くまでに至った。社会科ではアルゼンチンのごみ処理について、ごみの行方を調べることで社会の仕組みや考え方を知ることができた。また働いている人との出会いが、子どもたちにとって貴重な体験となった。
□□児童生徒数
●小=41人 ●中=7人
【ブエノスアイレス日本人学校】
☆ 大島先生より、学校訪問で実践する社会科指導案を紹介していただきました。犬東中では、1,2年の社会科すべてをT.Tで行います。
☆ 川井先生より、現職教育資料「“夢を持ち、自分を拓く子”の育成をめざして」を紹介していただきました。