(1)EduMail)))より 【データ】9割が「教員資質向上を」 奈良県民5000人アンケート
「教員は企業などで研修を」「指導力不足の教員の配置転換、免職を」――。奈良県教委の実施した「奈良県の教育改革に関する県民5000人アンケート」で、約9割が教員の資質向上を求めていることが明らかになった。自由に意見を書く項目でも教員に関係するものが最も多く、「子供への愛情が感じられない」「不祥事が多すぎる」「10年ごとに教員免許の更新を」「無難にやりたい校長のため熱意ある先生が
埋もれてしまう」など厳しい指摘が相次いだ。
調査は今年1月、20歳以上の5060人を無作為に抽出。県教育懇談会が昨年まとめた教育改革の中間提言への賛否を郵送で聞き、3036人から回答があった(回収率60・6%)。
教員の資質向上に関する項目は賛成の割合が高く、「子供を的確に指導する資質を見極めるため、教員採用で面接重視」は賛成77・5%、どちらかと言えば賛成16・9%▽「企業など学校外での研修」は賛成68・5%、どちらかと言えば賛成22・8%▽「指導力不足の教員の配置転換、免職」は賛成61・0%、どちらかと言えば賛成27・3%と、「賛成」の割合が約9割にのぼった。
この他にも、「授業に子供の意見を取り入れる」「授業の常時公開」「校長の学校経営や教員を地域の人や専門家ら外部から評価する」への「賛成」も7〜8割に達した。
(2)EduMail))) 【虐待】防止法施行後も全国で62人の子供が死亡
2000年11月の児童虐待防止法施行後、虐待によって死亡した子供(10歳以下)は全国で計62人おり、うち15人のケースでは、児童相談所が関与しながら防げなかったことが、厚生労働省の調べで分かった。同省はこのほど開いた全国児童相談所長会議で、虐待の危険性がある家庭には迅速な対応を行うよう指示した。
死者数は、厚労省が全国の自治体や報道から得た情報をもとにまとめた。死者の年齢別内訳は、0歳児が26人で全体の42%、次いで1歳児が12人を占め、85%が3歳児以下だった。
加害者側である虐待者は67人に上り、このうち63%の42人が20代。実母のみの虐待が最も多く、半数近い30件で発生していた。経済的な問題、近隣からの孤立、母親の健康状態、子連れ再婚などの要因が重なり、虐待が生じたケースが目立った。また、児童相談所が関与した15人のケースはいずれも、児相や保健所など複数機関が以前に相談を受けたり、一時保護していたことも分かった。
(3)食や農に関する授業計画案」をホームページに掲載/関東農政局
関東農政局では、小・中学校の「総合的な学習の時間」などに食や農業に関する情報を取り上げるための参考資料として、「食や農に関する授業計画案」をホームページ上で公表しました。
この授業計画案は、「こだわりのみそ汁づくり」、「牛乳が給食にでるまで」、など6つのテーマについて、実際に学校で取り組む際のスケジュールや支援の内容、ポイントなどを授業の計画の形で提示しており、小学校の先生等教育関係者の協力を得て作成したものです。
今後は、この授業計画案の策定に協力いただいた先生方にこれらの計画を実践していただき、その結果も公表していく予定です。
1 「食や農に関する授業計画案」の作成について
関東農政局では、小・中学校の「総合的な学習の時間」に食や農業について取り上げていただくために、昨年1月に「食」・「農」学習実施アイデア集を作成し、ホームページ上で公表しています。
この「食」・「農」学習実施アイデア集で提示した調べ学習の展開の具体例を提示することにより、教育現場における食や農業に関する情報の取り扱いをさらに促進するため、小学校の先生等教育関係者の協力を得て、「食や農に関する授業計画案」をこのほど作成しました。
具体的な内容としては、「こだわりのみそ汁づくり」、「牛乳が給食にでるまで」、「うどん作り」など、大豆、牛乳、小麦、米などを題材にした6つのテーマに関して実際に体験学習・調べ学習を行うための授業展開の概要(子どもの活動の内容、スケジュール、実施に際して必要な支援や協力者との連携・資料など)について例示し、また関連するインターネットのホームページへのリンクを掲載して、教育関係者が授業計画の作成する際の参考となる内容になっています。
2 今後の「食」・「農」学習実施アイデア集の充実について今回公表した授業計画案は、今後内容の充実を図っていくこととしており、この授業計画案の策定に協力いただいた先生方にこれらの計画を実践していただき、その結果も公表していく予定です。
また、「食」・「農」学習実施アイデア集のリンク集等についても、関係者等の意見を踏まえ、随時内容をリニューアルしていく形としていきます。
(4)EduMail))) 【大学】「世界的な連合作ろう」名古屋大が提唱
世界的な大学連合を作って国際社会への発言力を強めようと、名古屋大学は「国際学術コンソーシアム(AC21)」の設立を提案、今月23、24の両日、欧米やアジアなど24大学の代表を招き、旗揚げの「国際フォーラム」を開く。
同様の国際連携では、九州大学がアジア各国に呼びかけているが、名大は姉妹校(学術交流協定)提携を結んでいる40校を核に、「1対1の関係だった姉妹校をネットワーク化することで、より大きな人や情報の交流効果を期待している」という。
参加を表明したのは、中国・北京大、韓国・慶尚大、タイ・チュラロンコン大、インド・プーネ大、米・ミシガン大、豪・シドニー大、仏・ポンゼショセ工科大、独・フライブルク大など24大学とフィリピンの東南アジア地域農業教育研究センター。
フォーラムは、公開討論会が23日午前9時半から同大で開かれ、豊田章一郎・トヨタ自動車名誉会長とデューダーシュタット・米ミシガン大名誉学長の基調講演などが行われる。24日は非公開の総会を名古屋市内のホテルで開き、共同コミュニケを出して閉幕する。今後は事務局を名大内に置き、定期的に交流する。【名古屋大学国際フォーラム】http://www.ac21.org/
(5)厚木市の中学生が落書き消し(神奈川)
5 音読授業を創る そのA面とB面と
わが学級児童の読み声は中級レべルなり(2) 横浜 荒木 茂
日刊・小学校教師用ニュースマガジン 911 06月24日(月)より引用
内容もさることながら,能力についてここまで分析して書くことができる教師としての力量に「プロ」を感じました。(別紙参照)
6 MM紹介
(1)日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)第390号 6月18日・火曜日発行より
■「こんなんもあります 総合的学習の時間」(9)
原田 達明(鹿児島県 元大口中学校 現上甑中学校) cdt68600@par.odn.ne.jp
(前略)さてさて、今回は、どうやって教師自身が起業家精神を発揮できたかと言う問題です。
まず、「会社を創ろう」というアイデアは、来年に行われる総合的学習の時間について、何に取り組むのかと学年会で話し合ったとき、Y先生からでたものです。
私の所属した学年会では、まず、「夢のあることをしたい」「生徒に何が必要かよく考えて・・・」「総合的学習の時間の例としてあげられている4つの領域?は、やめよう。」「最初は、失敗してもいいから、新しいことに取り組もう。」ということになりました。
そこで、今の生徒に何が必要かと考えたときに、生きる力は何かということで、教師間の共通理解が必要となりました。校内研修会でバスセッションを使い、学校なりの考えを語り合ったのです。
何度か学年会で話し合い、何をしようかといろいろと考えていくうちにY先生が、「会社を創って、商品を販売させたら」と言われて、さて、会社を創って商品を売るとは面白そうだけれど、中学生にできるのかな?と心配しながら、でもどんな活動が予想されるのかを考えてみると・・・・。
株式会社にして、株券を発行し、資金を集め、マーケティングリサーチをしながら商品を開発し、バザーで商品を販売し、益金を何に使うのか会社設立時の目標が実現できるように活動させよう。もし、赤字だったら、赤字を埋める取り組みをさせようと夢が膨らみはじめました。
一方「子どもにお金を稼がせるのか。」とか、「高校受験があるのに、何を考えているんだ。」との反対意見も出され、どうするか迷いに迷いました。
でも結局は、「この学年の子どもたちにしかできないことしよう。」「今だったら、初めての取り組みでもできるかもしれない。他の学校と同じことをするのであれば、先進学校からいろんな資料をもらって立ち上げれば総合的時間の開始に間に合うから、教師が大変でもやってみよう・。」という意見になり、この原稿の第2回にあるような「会社を創ろう」をテーマにいろいろな活動に取り組むことになったのです。
お金の紛失もある学校で、お金を扱わせ、お金を稼がせることがどんな問題になっていくのかわかりませんでしたが、あえて夢のあることを選んだのです。
さあ、その頃は起業家教育なんてことば全く知りませんでした。何から始めてよいのか、何をどうするのかわからずにスタートの時期はせまるばかり、非常にあせりましたね。
事前に職員で、商業高校へ直接出向き、商業科の販売実習(売り上げ目標1000万)の話をきいたり、別の商業科の高校へ出向き、商業科で使っているテキストをかしていただいたり、バザーのときのビデオをお借りしたり、バザーの情報と商品販売の理論的な情報を集めました。
大口中学校では、平成12年4月から、総合的学習の時間に取り組み,3年では4つの学級がそれぞれ会社を立ち上げ、別会計にする。4つの会社の総称を「大中百貨店」と呼び、PTAバザーと共催するということになりました。
あとは、各担任がそれそれ個性を生かして学級経営(会社経営)をしたのです。
受験のことを考えて、なるべく生徒の負担にならないように考えた教師もいたし、教師や家庭へもきちんと必要経費は支払うように強く指導した教師もいたし、物の売り買い一つにしても教師の価値観、教育観が異なりなかなかスムーズには行きませんでした。
会社の運営でも生徒の社長、各取締役、部長など日々の活動ができる生徒と何をしていいのかわからず、遊びながら時間をつぶす生徒もおり、指導も1つのグループについていると他へは目が届かずやらせっぱなしになっている状態でした。
しかし、バザーを開催すると対外的に宣伝を始めた以上、途中で放り出すわけにはいきません。ですから、教師の負担がとても大きくなったのですが、夢を語り、これに取り組むことが子どもたちにとって必要だと思って頑張ったのです。
ちょうどテレビで早稲田大学の大江健教授が提唱されている「起業家教育」の実践、ベンチャーキッズの平井さんが企画されたマザー牧場でのバザーが放映されて、すぐに早稲田大学に問い合わせました。夏休みに研修で上京した際に大江先生と直接お会いし、平井さんを紹介していただき、いろいろ話を伺うことができました。
中学校で株式を発行し、資金を集め、商品開発及び購入して販売するのは、日本で初めてだということで、また、お金を稼がせることが悪ではなく、自己実現のために必要なこと、社会と対等に向き合わせることにで、勉強することの大切さが実感できることなどこれまでの取り組みなどを聞くことができました。
これまで多くの学校で、バザーが開催されており、商品を売るという点では同じですが、資金を調達して商品のリサーチを行い、商品を開発購入して販売し、その益金の運用までするのは、これまでのバザーとは違っています。中学生にそれができるのかと疑問なのですが、実際はなんとかやれたということです。
少なくとも「起業家教育」というジャンルがあり、それを早稲田大学の教授が提唱していることがわかると、懐疑的でいた人を説得することができます。問題は山積みなのですが、取り組まないで後悔するよりも実際にやってみて後悔しようと思って、進めていったということでしょうか?
平成13年度も同じように3年は、大中百貨店に取り組むのですが、それは、前年中に決まっていたことで、新学年のスタッフの共通理解が得られていたわけではありません。何をどうすればよいのか、多くの資料を整理することなく各学級単位でそのままになっていましたので、また一からやり直す感じで「大中百貨店」の取り組みが始まりました。その反省の部分は、次回にくわしく話すとして・・・・。
行事精選を行う中で、大中百貨店は、文化祭や体育祭と同じかそれ以上の大きな行事を新しく教育課程にいれたことになります。息つく暇も無く、部活の練習も満足にできないくらい体育祭や文化祭の企画におわれる生徒が多い中で、大中百貨店をする必要性とその弊害を比べたときに、あまりにも生徒や教師への負担が大きかったということです。
だからといって、これまでの伝統行事である体育祭や文化祭や他の行事を削ってまでもすべきものだと教師が思わなかったのが2回で終わった大きな理由だと思います。
他学年の同僚からは、「自分が3年の担当になっても大中百貨店はできない。すごい取り組みだけれど私には無理だ。」といわれました。正直な感想だと思います。
私が起業家教育に取り組んで変わったことは、私自身が社会のうごきに目を向けるようになったことと、お金を稼ぐことに罪悪感を持たなくなったことです。今まで80円のものを売るときは、20円の利益を上乗せして100円にして売る。つまり、80円のものを100円だと人をだまして売りつけるんだと思っていました。恥ずかしいことにそう思っていました。どころが、物を売るときにこれはサービスでも同じですが、それを買うことによって喜ぶ人がいる、つまり喜びを売ってお金をいただけるという考え方に変わってきたのです。人をだましてお金を巻き上げようということは悪いことなのですが、人に喜びを与え、それに応じたお金をもらうことは当然のことだと思えるようになったのです。この考えがもう少し前
に自分のものになっていたら、おそらく私は教師にはならなかったと思います。
それと、今は不況でボランティア活動への寄付が減っています。日本ではボランティアといえば無償なのですが、お金のかからない活動は、それなりのことしかできず、どうしても限界があります。活動費を寄付にばかり頼っていては活動が制限されるばかりなのです。ですから、有償ボランティアの考え方。お金をもらってボランティアをするまたは、ボランティアをするために商売をするといった活動をこれからは考える必要があると思います。
(2)よみうり教育メール 発行日:2002.06.28(vol.433) 発行者:読売新聞社
=相談コーナー=小学校TTサブの仕事
【相談】
◆教員を目指して勉強中です。現在は小学校で非常勤講師として働き、チーム・ティーチング(TT)のサブをしています。メーンで授業することはないので、ついつい引っ込み思案になって、個別指導しています。それを子供たちが感じとっているのか、一部の子が私の注意に耳を傾けてくれません。私もなるべく、毅然とした態度で注意しようと心がけていますし、できることなら褒めながら指導し、注意を聞いて欲しいと考えてはいるのですがなかなかうまくいきません。―東北地方、小学校非常勤講師の女性(24)
【回答】
つくばこどもと教育相談センター運営委員・相談員 福島敬三
●ここは「サブ」の立場に徹し、どこまでの仕事ができるかの追求に、全力で集中すべきでしょう。個別指導の本質は、個人思考を深めることにあります。それを深く身につけた子が、一斉指導(集団思考)の中で生き生きと学べるのです。
例えば、算数の8足す7なら、8に7の2を取って10とし、残りの5と合わせて15とする考え方か、8の5と、7の5を合わせて10として、残りの3と2を足して15とするする考え方を持っているのかなど、一人一人の思考や感情を個別指導で理解し、引き出して拡大する。それを集団思考の場に取り上げ、生かし鍛えていく。そういう方向で努力することです。
「注意に耳を傾けてくれない」と言いますが、注意が「授業中に立って歩く子どもを着席させる」というようなことならば、その子を性急に着席させるのではなく、なぜその子が立って歩き出したのかという内面を思いやり、立ったままで学習の内容をともに考えるという方向で接してみて下さい。
また、注意する前に、その子との間に注意できるだけの人間的信頼関係が成立しているかどうか考えてください。決然とした注意よりは、その子に寄り添い、包み込むように優しく納得いくように、心豊かに言葉を選び、子供に「なぜ注意するのか」を話すべきです。ここに、私たち教師の人間性などが問われているのです。
無理に褒めるのではなく、子供の言動に感動したのなら、具体的にそのことを取り上げ、心の底から称賛を表現すべきです。その時、子供は新たな行動に踏み込みます。教育は、究極的にはこのように子供の自主性を育て、自立を促すものなのです。そこに、教師や世の大人の、子供への限りない愛と信頼の原則があるのです。それには、子どもを深く理解することです。次の2冊の本を読んでみて下さい。「授業入門」(著者・斉藤善博)、「日本人の心のゆくえ」(著者・河合隼雄)。
(3)日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)第403号 7月1日・月曜日発行
■「学校の研究システムを変える」(6)前田 康裕(熊本大学教育学部附属小学校)
●ルーブリックを作る●
ワーキングループは成果を上げなくてはならない。だが、成果が上がったかどうかを評価する「指標」が必要になる。ルーブリック(rubric)とは、その「評価指標」のことだ。たとえば、「授業研究プロジェクト」の研究授業を評価するためには、以下のような項目を設定することができる。(一つの例)
A、主張のわかりやすさ B、研究テーマへのアプローチ C、児童の姿
D、教材の妥当性 E、発問・指示 F、板書・資料提示
G、授業の組み立て H、一般化の可能性
メンバーで意見を出し合って、項目は決定されなくてはならない。
さらに、一つの項目を4段階程度のレベルに分ける。たとえば、「H、一般化の可能性」の場合は以下のようにする。
レベル1:一般化の可能性も効果も薄い。
レベル2:効果はあるが、一般化の可能性は低い。
レベル3:効果もあり、改善すれば一般化できる。
レベル4:一般化の可能性も高く、効果も大きい。
研究授業が終わったら、それぞれの項目を全員が4つのレベルで評定しなければならない。担当者は、その平均値を出して、授業研究会の前に配布する。誰が何点を記入したかが明確になるような一覧表になる。「すばらしい授業でした」「子どもが生き生きとしていました」などといった、どうでもいいようなお世辞は全く通用しない。もしも、「D、教材の妥当性」の平均点が低かったら、「その教材は再検討の必要あり」ということになる。
ここまでやると、授業の改善点が極めて明確になる。教師全員が評価項目を意識しながら授業研究を行うようになる。結果的に、教師自身の授業力が向上することになるのである。