4 教育関連情報
(1)インターネットで保育の様子を中継サービス(香川)
宇多津町の無認可保育所が始めた保育の様子をインターネットで“生中継”するサービスが話題を呼んでいる。香川町の無認可保育所で男児が虐待され死亡する事件が起きたこともあり、母親は「いつでも子供の姿を見ることができて安心」と大喜び。
(2)奉仕・体験活動について議論(文部科学省)
中央教育審議会生涯学習分科会は6月4日、第16回会議を開き、青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について協議した。会議では、中間報告に対する意見募集の集計、内容が紹介された。
参照:中央教育審議会生涯学習分科会(第16回)議事録・配布資料【文部科学省】
(3)通知表の回数、中身について模索続く(静岡)
(4)小学校の8割が「食農教育」導入(青森)
畑作や稲作を体験する「食農教育」を授業に導入している県内の小学校が8割以上に上っていることが、県流通加工課のまとめで分かった。各校とも、農林水産業や食べ物への理解を深めて欲しいと、総合学習や生活科の時間を利用して積極的に取り入れている。
(5)「e-Japan」改定案 今月にも正式決定 <IT戦略本部>
政府のIT戦略本部はこのほど、「e‐Japan重点計画」の改定案を発表した。このうち、学校教育の情報化では公立学校全45万教室を高速回線に接続する(1)情報教育環境の整備や(2)全公立学校教員のIT指導力の向上、(3)教育用コンテンツの充実を3つの柱として今後の施策を進める計画、今月には正式決定される見込みだ。
情報環境整備では全国の公立学校(約4万校)をインターネットに接続する目標は前倒しで平成13年度中に達成できたとして、今後は平成17年度までに全45万教室の接続を目標に整備する。
教師のIT活用について13年度までは「公立学校の全教師(約90万人)がパソコンを操作できるように」研修などを行ってきた。平成17年度までには全教科でパソコンを使った授業ができるよう教員
研修や手引きを作成するなどして、IT活用指導能力をつける。
教育用コンテンツ整備では13年度までコンテンツの研究・開発に重点を置いてきた。今後は集積した教育情報を補充・充実する。児童生徒、教員用などに区分された「教育教育情報ナショナルセンタ
ー」のコンテンツの利用提供を積極化する考えだ。
ハード、ソフトともにどう活用するかにシフトしている。しかし、全教室が高速回線に接続された環境にあっても、全児童生徒の卓上にパソコンが整備されるわけではない。教室で有効にパソコンを活用するにはプロジェクタなどの関連機器整備と活用方法が周知されることが必要になりそうだ。
(教育委員会教育ニュース6月10日号より転載)
(6)世界の学力を評価 OECD
PISA(国際生徒評価プログラム)の調査結果によると、読解力はフィンラン ドが優れ、数理リテラシーは日本と韓国が良かった。生徒間の学力格差が大きい国は、ドイツ、スイス、英国であった。
(7)社会科の副読本をHPに掲載 【松阪市】
三重・松阪市教委はこのほど、小学校3、4学年で使用されている社会科の副読本「わたしたちの松阪市」を、同市のHP上に掲載した。今後は授業でも、冊子でなくプロジェクターで映し出す形式の学習を拡充する計画だ。
同冊子の全9章のうち、1〜3章をHP用に編集。他の章は今秋までに完成させる考え。写真やイラストはもとより、動画やクイズ形式のページも増やし、「冊子よりも、リアルな学習が可能だ」(学校教育課)という。学校や公共施設の要望などにより、写真やテキストを差し替えることもできる。
5 研究会情報
第37回 東海スクールネット研究会例会
テーマ
1部 高校新教科「情報」のカリキュラムについて小・中学校の先生からを意見をいただく。また、いろいろな教科書が登場してその中身はどうか、そして、教科「情報」で一番ホットな話題となっている評価方法について意見交換を行いたい。
2部 セキュリティ、特に不正アクセス・ウイルス対策方法について専門家の具体的なアドバイスをいろいろと受けたい。
場所:名古屋高等学校 名古屋市東区砂田橋2-1-58 (地下鉄名城線砂田橋駅下車3番出口すぐ)
時間:6月22日(土)10時 受付開始
6 書籍紹介
『「日本の未来はこれで変わる!」
-学ぶ力は向上する-総合的な学習が始まった』
編著者 中山洋司、村川雅弘、「総合学習」取材班
発行元 発行:日本文教出版 発売:三晃書房
7 【ワールド・ウォッチ】ウィーン日本人学校オーストリアの教育制度とウィーン日本人学校
□□観光バスやスポーツカーと並んで馬車が走る
オーストリアの首都ウィーンはシュテファン大聖堂に代表される歴史的な建造物や「音楽の都」として有名であるが、「国際都市」としての顔も持っている。第2次世界大戦後、政治・経済関連の多くの国際会議が開催されるようになり、ドナウ河畔にある国連都市には、国際原子力機関、国連工業開発機関などが設置されているほか、石油輸出国機構などの国際機関も置かれている。
近年、開発の波も押し寄せ、街のあちこちで建築ラッシュである。ゴシック、ルネサンス、バロック、ビーダーマイヤー様式の建物と現代的なアパートが混在していて、えもいわれぬ雰囲気を醸し出している。また、観光バスやスポーツカーと並んで優雅に走るフィアカー(2頭立ての馬車)を見るたびに、ウィーンの不思議な魅力を感じる。
□□オーストリアの教育制度
オーストリアの義務教育は9年間で、6歳になると4年制のフォルクスシューレ(小学校)に入学する。10歳で卒業すると、ギムナジウム(8年制の一般教育を行う中・高等学校)かハウプトシューレ(4年制の中学校)などに進学する。
ギムナジウムは5年目までが義務教育で、卒業前に実施されるマトゥーラ(大学入学資格試験)はたいへん難しいが、これに合格すれば大学に進学できる。大学別の入試はない。ハウプトシューレに進学した生徒は、修了後、中等実業学校、高等実業学校で職業専門教育を受けるか、高校上級課程に進学できる。高等実業学校と高校上級課程に進学した生徒にはマトゥーラの受験資格が与えられ、大学へ進む道も開かれている。
□□地元の子どもたちと運動会
「ウィーンならではの教育」をモットーに、照明・音響等本格的な設備の整ったホールでの「学芸会」、素晴しい雪質のラッケンホフでの3泊4日の「スキー教室」など、日本ではなかなか体験できない行事を数多く実施している。また5月に行う「新緑大運動会」は、中学部が隔年で「葡萄摘み体験学習」を実施しているプルカウの子どもたちに本校の子どもたちの家庭でホームステイして参加してもらったり、地元の子どもたちが参加できる種目があったりと、国際色豊かな運動会となっている。
2000年度より、小学部1年から英会話を教育課程に位置づけ、週2時間のドイツ語とともに語学・現地理解教育も充実してきた。また世界の第一線で活躍している保護者の協力を得て、「進路講話会」や「外部講師の話を聞く会」を学年に応じて実施し、世界の中から日本を見つめる機会を得ている。「IT革命」も進み、学校からの通知はほとんどEメールで行っている。職員会議も基本的には机上のパソコンディスプレーで行い、決定したことをプリントして配布し、用紙の節約にもひと役買っている。
□□児童生徒数
●小=49人 ●中=7人
【ウィーン日本人学校】
mailto:wien-nihonjingakko@utanet.at
http://web.utanet.at/japanisy/
(海外子女教育振興財団発行『海外子女教育』より)
8 [数字でみる日本]
● 21,864人
「21,864人」とは、最高裁判所のまとめによる平成13年4月現在の法曹人口(簡易裁判所判事、副検事を除く)です。このうち弁護士は18,246人、裁判官は2,243人、検察官は1,375人です。なお、法曹1人当たりの国民の数は約5,800人です。ちなみに、アメリカの法曹人口は1,037,388人で、法曹1人当たりの国民の数は約300人です。
「法曹人口が全体として相当不足していると認められる。」−臨時司法制度調査会がこの意見を出した昭和39年の法曹人口は9,955人でした。この年に司法試験の最終合格者は戦後初めて500人を超えましたが、平成11年には1,000人に達し、法曹人口も約40年を経てようやく約2倍になりました。
しかし、法曹人口は依然不足しており、弁護士過疎となっているいわゆる「ゼロ・ワン地域」(全国に203ある地方裁判所の支部区域内の弁護士が0または1人の地域)は平成13年10月現在で64カ所にのぼります。また、大型事件の長期化の原因の一つに裁判官不足があるとの指摘があり、検察官の不足により経済事件、警察等からの送致事件に十分な対応がなされていません。
今後、法曹需要は量的に増大するとともに、質的にますます多様化、高度化することが予想されます。このため、今年3月に閣議決定された司法制度改革推進計画では、法曹人口の大幅な増加を図る観点から、司法試験の合格者数を、平成16年に1,500人程度、平成22年頃には3,000人程度とすることを目指すとしています。そのような増加の経過をたどると、平成30年頃には実働法曹人口が5万人規模(法曹1人当たりの国民の数は約2,400人)に達することが見込まれています。
※ 首相官邸ホームページ(司法制度改革について)
出典 小泉内閣メールマガジン
第49号
9 MM紹介
メールマガジン ■授業づくりネットワーク21□ 第112号
2002年 06月・NO1 06月9日(日)発行
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2 授業づくり最前線−「学力観をめぐる小話」 −上條晴夫−
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■江戸の寺子屋は「見る聞く話す」を教えた!
基礎学力に関して「読み書き算盤」の話がよく出てくる。
日本では江戸時代の寺子屋のころからの伝統だという話である。
ところが、そうでもないらしい。越川禮子著『商人道「江戸の繁盛しぐさ」の知恵袋』(講談社)によると、「江戸の寺子屋は田舎寺子屋と違って『読み書き算盤』は必須で、一通りマスターしたあとは『見る聞く話す』に重点を置いた。このことはあまり知られていないようだ。/地方の寺子屋が『読み書き算盤』に力を入れていたのと大きな違いがある」と言う。ちょっと面白い話だ。
■基礎学力は「普遍(いつでもどこでも同じ)」なものか?
新聞を読んでいると、流通、建設、銀行など、産業がものすごい勢いで変化をしているとわかる。そうした変化の最前線にいるビジネス界の有名人がときどき「学力」についてコメントする。
そのコメントは決まって、「時代は変わった。勉強が必要だ。読み書き算盤だ」とになる。最初の二つはよい。しかし「(だから)読み書き算盤だ」の結論に「本当にそれでいいの?」と思う。
江戸時代でも世の中の動きの激しい「江戸」の寺子屋では、学力の重点は「読み書き算盤」でなく「見る聞く話す」であるという。変化の激しい時代には「体験的な学び」が必要じゃないのか。
難しい理屈はともかく、なんとなくそんな気がする。
月尾嘉男著『日本が挑む五つのフロンティア』(光文社)という本を読んでいたら、次のようなことが書いてあった。
日本の教育は、高等教育への進学率はカナダについで世界第二位識字率はほぼ100%と素晴らしい。ところが、「失われた十年」などの言葉の裏付けによく使われる『世界競争力年鑑』を見ると、「初等教育から高等教育まで全体を通じた教育制度が時代に適合しているかという項目、つまり社会が急速に変わろうとしている時に新しい時代を目指した教育をしているかどうかという点では、タイ,南アフリカ、ベネズエラに次いで世界の下から四番目という、かなり低い評価を下されています」。
やっぱりと思った。ちなみに、現在、盛んに語られている「学力低下論」の火付け役をした『分数ができない大学生』(1999)は偏差値がトップクラスの有名大学の学生十人に二人がまともに分数ができないという面白いデータを提出して話題になった。
この話を最初に聞いたとき、トップクラスの大学生にも、興味を持てないような古い内容しか大学は提供できなくなっているのかと漠然と思った。大学は専門別(興味・関心別)だから、それなりの時代にマッチした新しい内容の授業をしていれば、学生たちは授業に食いついてきてもよさそうとボンヤリと考えたからである。
前出の月尾氏の本の続きの部分には「私も大学の教官として深く反省しているのですが、大学の教育というものが時代に適合しているのかという点では最下位の評価になってしまいました」と書いてあった。わたしのボンヤリも半分くらいは当たった気がした。
■サッカーWカップが面白いと思える教育学的な理由
サッカーのWカップが面白い。たとえば中田英寿などは、日本の中の伝統的な「読み書き算盤」だけでは「世界と勝負できない」と考えて、イタリアで「見る聞く話す」のサッカー修行をした。
それが「世界の中田英寿」を誕生させている。
中田はサッカーの才能がメチャメチャあると同時に、どうしたら自分の才能を伸ばせるかをよく知っている。中田の「見る聞く話す」能力が中田のサッカーの才能を開花させているように見える。
もし中田が「学力」のコメントをしたら、本当に「時代は変わった。勉強が必要だ。見る聞く話すだ」と言いそうな気がする。
6月19日に城東小で行ったものです。これまでに社楽の会で報告したものがベースです。内容は
ここ
知る :社会的事象の存在を知る
わかる(理解する):社会的事象間の関係を知る
考える :社会的問題に一定の価値判断をすること |
☆ 高橋先生より、『神の子たち』の授業
について報告していただきました。映画 神の子たち の写真を授業に活用した授業です。
葉 祥明『神の子たち パヤタスに吹く風』(中央法規) \1,500
☆ 尾関先生より、授業