すばらしい内容です。ぜひお読みください。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
島原です。
本校は昨年度の試行期間を経て今年度から2学期制をスタートさせました。とは言うものの,まだまだ手探り状態で,今年度が試行期間のようなものです。幸い,地域や保護者の理解が十分得られており,今のところ大きな問題もなく進んでいます。
以下に勤務校で配付した資料を掲載します。なおこれは29日発行の私のMMにも掲載する予定です。お読みいただき,ご意見がいただければ幸いです。MLも盛り上がります。皆さん,これをたたき台として,さまざまな発言をお待ちしています。
1 2学期制導入の目的
昨年度から本格実施された学習指導要領が目指しているのは,豊かな心をはぐくむとともに,基礎的・基本的な知識や技能等の確実な定着を図りながら,自ら学ぶ意欲や思考力・判断力・表現力などの資質や能力を育成することである。そのためには,授業の進め方や行事のあり方など,教育課程の見直しと改善を図っていく必要がある。2学期制は,このような見直しと改善を効果的に実施するための基盤となるものである。
2 2学期制の効果
これからの学校教育に求められていることは「基礎基本の確実な定着」そして「自ら学び自ら考える力の育成」である。ゆとりある教育課程の中で,その学校ならではの特色ある教育活動を展開し「確かな学力」や「生きる力」を育むことが重要である。この実現のために2学期制を導入する。ゆとりある教育活動とは,時間的にも精神的にも余裕を持って学習に取り組むことであり,授業時数の確保によるゆとりある教育課程のもとでこそ,どの子にも学力を身につけ,生きる力をはぐくむことが可能となると考える。具体的には,2学期制の
実施により,従来の学期末(7・12月)の評価がないことで生じるゆとりを十分に生かすことができる。さらに15分モジュール時間割の導入により,柔軟かつ効果的に学習を進めることも可能となる。
○ 一つの学期の長期化で「ゆとり」の中での個に応じた指導が充実する。
・充実した教育活動の実践が可能になり,基礎基本の確実な定着を図ることができる。
・時間的なゆとりをもって,連続性のある学習活動を展開することができる。
・個々の学習内容の理解や習熟等,個々に応じた指導と評価の一体化を図ることができる。
・学校行事の場で自主的・実践的な活動を図ることができる。
3 2学期制実施にあたっての留意点
(1)適切な評価活動を展開すること
〇 より子どもに添った評価活動を
・教師の評価,評定のための評価から指導に生かす評価への転換
・長いスパンでのゆとりを持った適切な評価が可能となる。
〇 指導と評価の一体化
・子どもの学習しているよさ,身についた資質や能力などを具体的な事実を通して継続的かつ適切に評価する。
・指導の結果を自己評価し,指導内容や方法の改善を行い,次の指導に生かす。
・評価結果の蓄積から評価規準(基準)や年間指導計画,教育課程の改善を図る。
〇 児童の自己評価表の活用
・児童に学習の見通しをもたせたり,意欲付けをする。
・教師の指導の反省とする。
・教師の評価の参考資料とする。
・児童の自己評価能力そのものの育成を図る。
(2)授業づくりの工夫を推進する
〇 個に応じた指導
学習指導要領に示された基礎的・基本的な内容を確実に習得させるために,指導の過程における子どもた ちの学習状況を細かく把握し,その評価結果を基に「個に応じた指導」を展開する。
ア 少人数指導の推進
・少ない人数ならではの教材や指導法の工夫
イ「わかりたいむ」の充実
・実施教科………ぜひともつけたい力(基礎・基本)
・指導方法………学年解体習熟度別編制での個別指導など
・教材等の工夫改善………どんな教材を使って〈例:ドリル,進級テストなど〉
・その他の留意事項………教師の指導のもとでの児童の選択制
ウ モジュール時間割の効用
・必要に応じて(例えば,すぐに補充学習や個別指導を実施したい,反復練習を必要とする内容を帯タ イムで実施したいなど)モジュールを用い,柔軟かつ効果的に学習を進める。
エ 自己評価が可能となる授業を構築する。
・評価基準の点検をする。
・〈単元レベル〉学習前に,この単元では何をどのように学習し,どんな力をつけるのか知らせる。
・〈本時レベル〉この時間の目標は何なのか。
・〈本時レベル〉何ができるようになればよいのか。
・〈本時レベル〉つまずいたときどうすればよいのか。
・〈本時レベル〉学習終了時に達成できたかどうかを確認する。
・目的意識と見通しをはっきり持たせ,どう学習すればよいのかという展望を持たせる。
(3)家庭との連携を図る
〇 保護者用評価規準の作成……単元別に学年だよりの裏面に
ア 保護者が得たい情報
・この単元ではどういう力がつけばよいのか?
・どういう観点からそれを判断すればよいのか?
・目標が達成されなかった場合の措置は?
イ こまめな評価活動の情報提供(通知表を補完する役割)
〇 児童用自己評価カード……単元ごとに実施(単元終了時)
単元ごとの学習の様子を知らせる。
(4)長期休業の活用
○ 学習意欲が連続するための工夫
ア 夏季休業を有効に使うため,個人懇談会,学年ごとの事前指導そして休業中のわかりたいむを設定する。
イ 学習に空白ができないための工夫
各自の補いが必要な学習(自己評価表の活用)/総合的な学習の個人追究
家庭学習の方法を指導(何をどう勉強するか)/教材の提供(個別の宿題)
個に応じた学習のめあてを知らせる/反復練習が必要な学習/その他
○ 自分でつくる夏休み
4 来年度への課題(今年度に検証しておきたいこと)
(1)学力の向上について〜2学期制を生かした学習指導と評価の在り方〜
・2学期制をふまえた,教育課程(学習指導と評価計画)の改善
・評価を位置づけた授業構想のあり方(「指導と評価の一体化」をさらに推進)
・夏季休業の活用に合わせた総合的な学習の時間の効果的推進とな評価のあ
り方
(2)学校生活及び学校行事の見直しについて
・学校生活全般の生活指導の点検
・じっくりと子どもたちと向かい合えることを生かした学級経営
・行事を新たに創造するという認識での再編(行事を通してつける力とは?)
(3)学期の区切り方及び長期休業の活用と見直しについて
・長期休業の有効活用(特に夏季休業の意義,取り組み,支援についての改善)
(4)その他
・2学期制を生かした時間割の工夫及び日課表の見直しをする。
・日々の評価活動を充実させるとともに,児童・保護者へ学力の達成状況についてきめ細かな説明を行う。
島 原 洋 hirosi-simahara@mth.biglobe.ne.jp