第192回 社楽の会報告    第191回へ   第193回へ
                                           
報告者  土 井
2003年7月3日(木)布袋北学供にて、第192回社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井(大口北部中)、高橋先生(門弟山小)、大島先生(古知野中)、奥村先生(岩南小)、斎木先生(犬南中)、天野先生(大西小)、川井先生(犬南小)、浅井先生(五条川小)、野沢先生(柏森小)の9名でした。

☆ 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  河合純一先生の映画「夢 追いかけて」鑑賞会
 「一反=三百坪」の単位改正で増税を実現した秀吉の合理性
  二学期制の導入−島原先生からのメールより−
 Web紹介
 教育関連情報
  MM紹介
 河合純一先生の映画「夢 追いかけて」鑑賞会
   
口頭で報告しました。 

 「一反=三百坪」の単位改正で増税を実現した秀吉の合理性
       週刊ポスト6月20号の「逆説の日本史」第526回より。井沢元彦氏のシリーズです。
 
 二学期制の導入−島原先生からのメールより−
すばらしい内容です。ぜひお読みください。
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 島原です。
 本校は昨年度の試行期間を経て今年度から2学期制をスタートさせました。とは言うものの,まだまだ手探り状態で,今年度が試行期間のようなものです。幸い,地域や保護者の理解が十分得られており,今のところ大きな問題もなく進んでいます。
 以下に勤務校で配付した資料を掲載します。なおこれは29日発行の私のMMにも掲載する予定です。お読みいただき,ご意見がいただければ幸いです。MLも盛り上がります。皆さん,これをたたき台として,さまざまな発言をお待ちしています。
 
1 2学期制導入の目的
 昨年度から本格実施された学習指導要領が目指しているのは,豊かな心をはぐくむとともに,基礎的・基本的な知識や技能等の確実な定着を図りながら,自ら学ぶ意欲や思考力・判断力・表現力などの資質や能力を育成することである。そのためには,授業の進め方や行事のあり方など,教育課程の見直しと改善を図っていく必要がある。2学期制は,このような見直しと改善を効果的に実施するための基盤となるものである。
2 2学期制の効果
 これからの学校教育に求められていることは「基礎基本の確実な定着」そして「自ら学び自ら考える力の育成」である。ゆとりある教育課程の中で,その学校ならではの特色ある教育活動を展開し「確かな学力」や「生きる力」を育むことが重要である。この実現のために2学期制を導入する。ゆとりある教育活動とは,時間的にも精神的にも余裕を持って学習に取り組むことであり,授業時数の確保によるゆとりある教育課程のもとでこそ,どの子にも学力を身につけ,生きる力をはぐくむことが可能となると考える。具体的には,2学期制の
実施により,従来の学期末(7・12月)の評価がないことで生じるゆとりを十分に生かすことができる。さらに15分モジュール時間割の導入により,柔軟かつ効果的に学習を進めることも可能となる。
 ○ 一つの学期の長期化で「ゆとり」の中での個に応じた指導が充実する。
  ・充実した教育活動の実践が可能になり,基礎基本の確実な定着を図ることができる。
  ・時間的なゆとりをもって,連続性のある学習活動を展開することができる。
  ・個々の学習内容の理解や習熟等,個々に応じた指導と評価の一体化を図ることができる。
  ・学校行事の場で自主的・実践的な活動を図ることができる。
3 2学期制実施にあたっての留意点
(1)適切な評価活動を展開すること
 〇 より子どもに添った評価活動を
  ・教師の評価,評定のための評価から指導に生かす評価への転換
  ・長いスパンでのゆとりを持った適切な評価が可能となる。
 〇 指導と評価の一体化
 ・子どもの学習しているよさ,身についた資質や能力などを具体的な事実を通して継続的かつ適切に評価する。
 ・指導の結果を自己評価し,指導内容や方法の改善を行い,次の指導に生かす。
 ・評価結果の蓄積から評価規準(基準)や年間指導計画,教育課程の改善を図る。
 〇 児童の自己評価表の活用
 ・児童に学習の見通しをもたせたり,意欲付けをする。
 ・教師の指導の反省とする。
 ・教師の評価の参考資料とする。
 ・児童の自己評価能力そのものの育成を図る。
(2)授業づくりの工夫を推進する
 〇 個に応じた指導
  学習指導要領に示された基礎的・基本的な内容を確実に習得させるために,指導の過程における子どもた ちの学習状況を細かく把握し,その評価結果を基に「個に応じた指導」を展開する。
  ア 少人数指導の推進
   ・少ない人数ならではの教材や指導法の工夫
  イ「わかりたいむ」の充実
   ・実施教科………ぜひともつけたい力(基礎・基本)         
   ・指導方法………学年解体習熟度別編制での個別指導など
   ・教材等の工夫改善………どんな教材を使って〈例:ドリル,進級テストなど〉
   ・その他の留意事項………教師の指導のもとでの児童の選択制
  ウ モジュール時間割の効用
   ・必要に応じて(例えば,すぐに補充学習や個別指導を実施したい,反復練習を必要とする内容を帯タ   イムで実施したいなど)モジュールを用い,柔軟かつ効果的に学習を進める。
  エ 自己評価が可能となる授業を構築する。
   ・評価基準の点検をする。
   ・〈単元レベル〉学習前に,この単元では何をどのように学習し,どんな力をつけるのか知らせる。 
   ・〈本時レベル〉この時間の目標は何なのか。
   ・〈本時レベル〉何ができるようになればよいのか。   
   ・〈本時レベル〉つまずいたときどうすればよいのか。
   ・〈本時レベル〉学習終了時に達成できたかどうかを確認する。  
   ・目的意識と見通しをはっきり持たせ,どう学習すればよいのかという展望を持たせる。
(3)家庭との連携を図る
 〇 保護者用評価規準の作成……単元別に学年だよりの裏面に
  ア 保護者が得たい情報
   ・この単元ではどういう力がつけばよいのか?
   ・どういう観点からそれを判断すればよいのか?
   ・目標が達成されなかった場合の措置は?
 イ こまめな評価活動の情報提供(通知表を補完する役割)
 〇 児童用自己評価カード……単元ごとに実施(単元終了時)
    単元ごとの学習の様子を知らせる。
(4)長期休業の活用
 ○ 学習意欲が連続するための工夫
  ア 夏季休業を有効に使うため,個人懇談会,学年ごとの事前指導そして休業中のわかりたいむを設定する。
  イ 学習に空白ができないための工夫
   各自の補いが必要な学習(自己評価表の活用)/総合的な学習の個人追究
   家庭学習の方法を指導(何をどう勉強するか)/教材の提供(個別の宿題)
   個に応じた学習のめあてを知らせる/反復練習が必要な学習/その他
 ○ 自分でつくる夏休み
4 来年度への課題(今年度に検証しておきたいこと)
(1)学力の向上について〜2学期制を生かした学習指導と評価の在り方〜
 ・2学期制をふまえた,教育課程(学習指導と評価計画)の改善
 ・評価を位置づけた授業構想のあり方(「指導と評価の一体化」をさらに推進)
 ・夏季休業の活用に合わせた総合的な学習の時間の効果的推進とな評価のあ
り方
(2)学校生活及び学校行事の見直しについて
 ・学校生活全般の生活指導の点検
 ・じっくりと子どもたちと向かい合えることを生かした学級経営
 ・行事を新たに創造するという認識での再編(行事を通してつける力とは?)
(3)学期の区切り方及び長期休業の活用と見直しについて
 ・長期休業の有効活用(特に夏季休業の意義,取り組み,支援についての改善)
(4)その他
 ・2学期制を生かした時間割の工夫及び日課表の見直しをする。
 ・日々の評価活動を充実させるとともに,児童・保護者へ学力の達成状況についてきめ細かな説明を行う。
                     島 原  洋   hirosi-simahara@mth.biglobe.ne.jp 
 
 Web紹介
(1)平成16年度愛知県公立高等学校入学者選抜(全日制課程)一般入学における校内順位の決定方法について【愛知県】 http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/kotogakko/press/webpress_kounaijuni.html 
(2)百人一首ランキング  http://www.takken-iida.com/ogura/ 
(3)Leeのきょうざいかん  国・算・理・社・英語 1〜6年
(4)100円ショップ大実験  理科・クラブ 3〜6年  http://www.so-net.ne.jp/jikken/ 
(6)自作ノートパソコン
松下電器が小学校4年生〜高校3年生を対象に、自分だけのオリジナルパソコンを手作りする体験教室を開催する。工場を見学し、同社の人気のノートパソコン「レッツノートT2」を手作りで組み立てる。費用は12万円。http://panasonic.biz/pc/news/koubou2003.html 
(7)「子ども用サイト なるほどデータforきっず」をリニューアル
【総務省統計局】http://www.stat.go.jp/kids/index.htm 
(8)災害をもたらした気象事例を気象庁ホームページに掲載【気象庁】
(9)紫外線保健指導マニュアルを公開(環境省)
 環境省はこのほど、紫外線に対する科学的な理解を深め、紫外線に対する適切な保健指導を進めるため「紫外線保健指導マニュアル」の刊行した。内容はホームページでも公開。マニュアルでは、保健指導のポイントほか、「紫外線の浴びすぎを防ぐには」などを掲載している。
(10)伝染病も含む危機管理マニュアル(栃木県)
 栃木県教育委員会はこのほど、児童・生徒指導に関する危機管理マニュアルに資料をホームページに掲載した。同ページでは、校内の危機管理のほか、「学校外での事件発生」、「伝染病対策」などについても掲載している。参照:児童・生徒指導に関する危機管理マニュアルに資料【栃木県】
(11)EICネット     http://www.eic.or.jp/ 
  環境に関する最新情報の収集に役立つ。国内外ニュース、イベント情報、環境Q&A、用語集など。
(12)川で遊ぼう
  川を「総合的な学習の時間」に活かすためのノウハウが得られる。学習の指針やカリキュラム、全国の学校の事例集など。  http://www.kawaasobi.jp/ 
(13)植物学リソース http://eco.goo.ne.jp/click/0306_7.html 
世界中から収集した2700以上の植物関連サイトをテーマ別、種類別、地域別に分類したリンク集。他では捜しにくい種類や地域の植物情報も多数あり。
(14)二酸化炭素吸収源としての森林の価値学習室 http://eco.goo.ne.jp/click/0306_8.html 
 地球温暖化問題における森林の二酸化炭素吸収源(RMU:Removal Unit)としての役割・価値に注目し、二酸化炭素排出権取引を通し、森林の果たすべき役割や価値、持続可能な開発などについて勉強するサイト。
(15)「新撰組」に関するサイト■
 ☆新撰組百科事典 http://www.toshizo.com/ 
  年表や人名録、豆知識、史跡など。「史実の新選組」を基本に遊び尽くしたい人に。
 ☆新選誠覇 http://www.ktplan.net/seiha/ 
  全国60ヵ所以上の新撰組隊士墓所・墓碑を周って集めた写真を、解説と共に掲載。
 ☆武州新撰組誠友会 http://www5.ocn.ne.jp/~seiyukai/ 
  土方歳三の故郷、日野市を拠点に活動する同好会。現在、隊士(仲間)を募集中。
 ☆時代屋 http://www.linkclub.or.jp/~swing/ 
  新撰組と時代劇のサイト。映画「壬生義士伝」やドラマ「燃えよ剣」などの情報も。
 ☆新撰組と元老院 http://g1342122.tripod.co.jp/ 
  新撰組を中心とした、歴史の考察、検証、資料作成など。細かい分野別に情報満載!
 ☆京都守護職会津藩/御陵衛士とその時代 http://bakumatu.727.net/ 
  佐幕、反・倒・討幕の両面から見た幕末歴史サイト。歴史&ぐるめ散歩も楽しめる。
(16)「睡眠」に関するサイト
 ☆ぴろコレ!  http://homepage2.nifty.com/makura/ 
  枕についてのポータルサイト。枕の最新ニュースや選び方、統計調査など多角的に。
  寝具の西川産業。「眠りの情報」では、寝具全般の知識や選び方などがよく分かる。
 ☆快適睡眠研究所  http://www.coara.or.jp/~halsan/suimin.htm 
  ストレス度や「よい環境で寝てる度」チェックなど。布団選びのポイントも参考に。
 ☆睡眠文化研究所  http://www.riss.org/ 
 「眠り」を生活文化としてとらえ、情報収集や研究を行う。フォーラムなども開催。
 ☆Suimin.net(スイミンネット)  http://www.suimin.net/ 
  睡眠と不眠のためのサイト。快適な睡眠のためのアドバイスや医療機関の検索など。
 ☆生活ほっとモーニング  http://www.nhk.or.jp/hot/ 
  NHKで放送中。過去の放送内容も分かるので、早速データベースで「睡眠」を検索!
(17)「e−Japan戦略II」の決定など(03/07/02)
  日本科学未来館で行われたIT戦略本部における我が国のIT戦略の第二弾の決定と、決定に際しての小泉総理の談話
【サーチ】環境用語(エコワード)
・科学的自然減衰 http://eco.goo.ne.jp/ecoword/ecoword1.html 
・特定都市河川浸水被害対策法 http://eco.goo.ne.jp/ecoword/ecoword2.html 
・改正廃棄物処理法(2003年版)http://eco.goo.ne.jp/ecoword/ecoword1.html 
・特定産業廃棄物支障除去特別措置法 http://eco.goo.ne.jp/ecoword/ecoword2.html 
 
 教育関連情報
(1)EduMail)))佐賀・白石町が集中力低下防止へ夏休み前後の授業半どん
 佐賀県白石町教育委員会は、同町の4小学校1中学校で今年から夏休み前後の計10日間の午後の授業各2時間をカットして午前中の4時間のみにし、カットした計20時間の授業は夏休み終盤の5日間を利用して午前中に行うことにした。夏の暑さによる児童生徒の集中力低下の防止と授業を効果的に進めることを目的にした試みで、その効果が注目される。
 町教委によると、7月10、11、14〜17日と9月2〜5日の計10日間は午前中のみ授業を実施。その代わり、これまで夏休みだった8月25〜29日(30、31日は土、日曜)の5日間は、毎日午前中に授業をする。
 町教委では導入のメリットを(1)涼しいうちに学習が出来る(2)放課後に教師と自由にふれあいが出来る(3)新学期の6時間授業への準備期間となり、児童生徒が徐々に生活リズムを取り戻せる――などを挙げている。
 渕上徳秋・同町教育長は「子供が落ち着いて勉強できる環境作りを、第一に考えた。今年はテストケースでもあり、結果がよければ来年も続けたい」と話す。須古小の吉岡正博PTA会長は「夏休み期間が短くなるなど、保護者には戸惑いもあるが、テストケースとして見守りたい」と話す。
☆★☆コメント☆★☆
 以前は、けっこう短縮授業と称して行われていたことが、こうして夏休みを削って行われるとは・・・発想は単純だが、思い切った改革である。教室にクーラーが入ればどうってことはないが・・
 
(2)高校生に3000台パソコン貸し出し 自宅で活用を!    【岐阜県】
 岐阜県教育委員会は今年度、県内の全84の県立高校に自宅での貸し出し用として、計約3000台のノート型パソコンを配備する。12月末までに各校への配分を終え、来年度から本格稼働する予定だ。
 ※ニュースのつづきはこちらで↓ http://www.gks.co.jp/y_2001/pc/else/03062201.html 
☆★☆コメント☆★☆
 岐阜県はすごい!財政的な裏付けを知りたい。
 
(3)EduMail)))2次関数解けない高校数学教諭を免職 大阪府
 大阪府教委は25日、府立高校の男性数学教諭(45)を「教員として必要な基本的な学力や指導力に欠ける」として、同日付で地方公務員法に基づく分限免職処分とした。昨年4月から府教委の研修機関で研修を行ってきたが、府立高入試の問題を解かせたところ、合格者平均点を下回る得点で、「改善が見られない」と判断した。指導力不足を理由とした分限免職は、3月の京都府教委に続いて2件目。
 大阪府教委によると、教諭は教職歴20年。採用から10年を経たころから、「授業が分からない」などの苦情が、生徒や保護者から寄せられるようになった。生徒の質問にきちんと応対しない▽週明けに二日酔いで通勤することがある――など勤務態度にも問題があり、府教委は2002年3月に教諭を「指導力不足教員」と認定。研修中に、2次関数の問題が解けないなど基本的な学力不足が発覚。退職勧奨にも応じなかったため、分限免職とした。教諭は「他の教員に比べて、指導力が劣っている自覚はない」と話しているという。
 
(4)EduMail)))神戸市が教員志望の学生対象にインターンシップ
 教員志望の大学生に中学、高校の教育現場を体験してもらう「学校インターンシップ」を今年度、兵庫県神戸市教委が始める。
 「教育実習だけでは不十分。早い段階で、自身の適性を見極めさせたい」と大学側が要望して実現。市教委と連携協定を結ぶ立命館大、関西大、甲南大の2年生以上の学生や大学院生が対象で、学内選考で約50〜60人に絞られる。
 学生は派遣校で授業や学校行事、学級活動の際に教員を補助し、向き不向きを確認できる。また教員の中年層への偏りに悩む学校側にとっても、若い学生が活力をもたらしてくれれば、との期待があるという。
 活動期間は7月下旬〜来年3月。単位認定される立命館大では「40時間を超えること」が、認定条件になっている。市教委は「中学にも広げた派遣は全国的にも珍しい」としている。
☆★☆コメント☆★☆
 すばらしいことだと思う。大学にも、学生にも、中学校にもメリットは大きい。       
 
(5)江戸崎小学校で休み時間に科学で遊ぶ取り組み(茨城)
 江戸崎町江戸崎甲の町立江戸崎小学校(四ッ谷忠夫校長、児童数四百三十七人)では、休み時間を利用して科学遊びの時間を設ける独自の取り組みを昨年始めた。理科離れが指摘される中、科学好きの子供たちを育てる試みとして注目される。《全文はこちら》 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/02/20030623wm01.htm 
☆★☆コメント☆★☆
 これは好きな先生がいるならすぐにでもできそう、または行われていそうだ。科学に限らず、音楽や図工など、いろいろな遊びがあると良い。
 
(6)名古屋市立小中学校、幼稚園を全面禁煙に(愛知)
 名古屋市は25日、秋を目標に市立幼稚園や市立小、中学校などでの全面禁煙を検討していることを明らかにした。また、秋までに受動喫煙防止計画をつくり、市施設の禁煙や分煙を徹底する。
 
(7)EduMail)))「スクールサポーター制度」始める 和歌山・貴志川町
 和歌山県貴志川町教委生涯学習課は5月から、地域のボランティアが町内の5小中学校の校内や通学路を巡回する「スクールサポーター制度」を始めた。通学路の安全確保や、児童生徒の生活指導に地域住民に積極的にかかわってもらい、学校と地域が一体となった教育環境づくりを目指している。
 サポーターは公募に応じた男性64人、女性54人の計118人で、退職者や自営業者らが中心。週に2、3回、各学校や通学路を回っている。
 生徒数約820人の貴志川中(民谷隆幸校長)は、校内マナーの指導などに教師だけでは目が行き届かないことから、週2回程度、3〜6人のサポーターが昼休みなどに校内を回り、廊下や校庭で生徒に声をかける。原稔さん(69)=同町神戸=は「監視するような気持ちを持たないよう心がけている」と話す。手を振ったり笑顔であいさつする生徒も多く、少しずつ存在が受け入れられていると感じるという。
 同校の山本進教頭は「生徒から近づいて親しげに話す姿も見られる。地域の人に実際の生徒たちの姿を知ってもらえれば」と期待する。
 一方、小学校では児童の登下校に付き添ったり、人通りの少ない通学路を重点的に巡回。町内では昨年、登下校中の児童が不審者にいたずらをされたことがあり、保護者から「心配なので何とかしてほしい」という要望が出ていたという。
 西貴志小(吉田征道校長)は昨年11月から「子どもを守る運動 実施中」と書いた看板の設置や保護者に児童の出迎えを呼びかけるなどの対策をしており、吉田校長は「(制度の導入は)タイミングが合い、学校側としても違和感なく受け入れることができた」と話す。導入以降、不審者は目撃されておらず、吉田校長は「地域が目に見える形で動くことが大事。成果は出ているのではないか」と評価する。
 月末にはサポーターや各校長らが反省会を開き、意見交換している。同課は「まだ手探り状態だが、将来的には教諭経験者に授業の補講をしてもらうなど、地域の力を学校で生かす方策を考えたい」と話している。
☆★☆コメント☆★☆
 これもおもしろい。通学路だけでなく、学校内をまわるというのが画期的だ。こうしたことが広まれば、うれしくもあり、
 
 MM紹介 
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第176号 2003年6月22日発行(毎週日曜日発行)
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ディベート立論原稿の書き方(1)
    立論の構成と各パートのポイント      ライティング・インストラクター  倉島 保美
■連載にあたり
 3回にわたって、「ディベート立論原稿の書き方」について解説していきます。各回は以下のようなテーマを予定しています。
  1.立論の構成と各パートのポイント
  2.発生過程の2つのパターン
  3.ジャッジに伝わる表現方法
 内容的には、ディベート初級者を対象としますが、それ以外の方にも配慮したいと思っています。ディベートを授業に導入する予定がない方でも、ディベート立論は意見を的確に第三者に伝えるための文章として、参考にしていただきたいです。また、ディベート中級者以上の方のために、よくあるわかりにくい例もあげていきたいと思います。
 なお、ここでいうディベートとは、教室ディベート連盟主催の全国中学・高校ディベート選手権(通称:ディベート甲子園)で行われているディベートを指しています。それ以外のディベートでは、そぐわない部分もありますが、ご了承願います。
 
■立論とは
 立論とは主張の論証です。つまり、プランを採用するとメリット/デメリットが発生することを、理由付けとデータで証明するのです。
 論証できなければ、メリット/デメリットの発生が認められません。したがって、その後の議論に関わらず、その時点でほぼ負けが決まります。全国大会ですら、論証できていないと感じる立論を見ることがありますので、注意してください。
■立論の構成
 政策論題における典型的な立論は、次のような構成を取ります。
  1.論題で使用されている言葉の定義
  2.プラン
  3.プランから発生するメリット/デメリット
  4.メリット/デメリットの発生過程
  5.メリット/デメリットの重要性/深刻性
 これ以外の構成も可能ですが、上記の構成を強くお薦めします。ほとんどのジャッジは、上記の構成を期待しています。したがって、別の構成ですと、ジャッジが戸惑います。理解されない危険が生じます。
■言葉の定義
 論題について議論するにあたり、論題で使われている言葉を定義します。言葉を定義することなしに議論をはじめると、互いに自己に有利なように言葉を定義して議論を進めようとします。その結果かみ合わない議論となりがちです。
 言葉の定義は肯定側によってなされ、不合理な定義でない限り、否定側はその定義を受け入れます。
具体例
 「日本とは日本政府を指します。積極的安楽死とは...」(肯定側)
 「定義は肯定側に従います。」(否定側)
■プラン
 肯定側は、論題の政策がメリットを生じるよう、プランを提示します。プランは複数になるのが普通なので、箇条書き的に述べるのが理解しやすいです。議論の展開を予想して、肯定側が有利になるようなプランを立てるようにします。ただし、論題と無関係なプランは立てられません。
 一方、否定側には通常、プランはありません。現状の維持を主張します。しかし、肯定側のプランにまさるカウンタープランを提案できることもあります。カウンタープランは、オリジナルプランとは明らかに異なり、より大きなメリットがえられ、オリジナルプランと同時に実行できないものでなければなりません。
具体例
 「プランは3点あります。1点目。法整備、十分な周知活動の上2005年4月から...」(肯定側)
 「プランはありません。現状維持です。」(否定側)
■メリット/デメリット
 肯定側はメリットを、否定側はデメリットを端的な言葉で表現します。短い言葉で表現した方が理解しやすく、後の議論で参照するにも便利です。
 大事なポイントは、その言葉を聞いただけで、確かにメリット/デメリットだと誰もが感じる言葉を使うことです。「それのどこがメリット?」と思われてしまうような言い回しの場合、発生過程の途中をメリットとして述べていることが多いです。
悪い例
 「ダイオキシンの増加」
よい例
 「人体への悪影響」
■発生過程
 プランからメリット/デメリットが発生する過程を、ステップ・バイ・ステップで説明します。論証するところなので、立論で最も重要な箇所です。ジャッジに正しく伝えられるよう細心の注意が必要です。
 具体的な書き方については、連載第2回で説明します。
■重要性/深刻性
 立論の最後に、メリット/デメリットが、なぜ(質)、どれだけ(量)重要/深刻かを述べます。質と量の両方を説明すると、効果的です。
 まず、メリット/デメリットがなぜ重要/深刻を述べます。たとえば、「介護者の肉体的負担の軽減」のようなメリットでは、その負担が具体的にわかりません。ジャッジにより異なる理解をされてしまいます。そこで、肉体的負担を具体的に説明します。
 ただし、誰もが重要/深刻と考えられるメリット/デメリットならごく簡単に説明するだけで十分です。たとえば、「人命救済」というメリットなら、なぜ重要かを説明する必要はありません。人命がいかに大切かを蕩々と説明しないようにしましょう。
 次に、メリット/デメリットがどれだけ重要/深刻を述べます。つまり、何人が「介護者の肉体的負担の軽減」や「人命救済」というメリットを享受できるかです。この量の議論がないと、肯定側と否定側の価値の比較ができません。
【プロフィール】
 倉島 保美(くらしま やすみ)
 NECエレクトロニクス(株)勤務 兼 早稲田大学アジア太平洋研究センター特別研究員 兼
 京都大学霊長類研究所非常勤講師
 LSIの開発を本業とするかたわら、企業や大学で日本語/英語のライティング、ディベート、論理的思考、プレゼンテーション などを指導。
 著書:『書く技術・伝える技術』あさ出版      『理系のための英語ライティング上達法』講談社
 ホームページ:http://www2u.biglobe.ne.jp/~kurapy/ 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp