第193回 社楽の会報告    第192回へ    第194回へ
                                           
報告者  土 井
2003年7月15日(木)布袋北学供にて、第193回社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井(大口北部中)、高橋先生(門弟山小)、大島先生(古知野中)、奥村先生(岩南小)、斎木先生(犬南中)、大野先生(岩南小)、奥村先生(岩南小)、尾関先生(江南北部中)、池村さんの9名でした。

☆ 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  拙稿紹介『社会科教育8月号』(明治図書)「社会科がもっと好きになる宿題テーマ一覧」
 「国際交流の意外なツボ」
  授業に役立つホームページ 〜夏休みに向けて 自由研究2003〜
 Web紹介
 教育関連情報
  MM紹介
 EduMail)))【ワールド・ウォッチ】イラン
 お勧め新刊書籍ニュース
 拙稿紹介『社会科教育8月号』(明治図書)「社会科がもっと好きになる宿題テーマ一覧」
    

 「国際交流の意外なツボ」(4)ランディー由紀子 
lunday@sbcglobal.net
 【出典】日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)第720号 より紹介しました。
     編集・発行 梶原末廣  sukaji@po.synapse.ne.jp
     http://www.synapse.ne.jp/~kanoyu/sukaji/index.html 

 授業に役立つホームページ 〜夏休みに向けて 自由研究2003〜        齋藤智世
 久々、授業に役立つホームページです。今回は今一番気になるお役立ちサイトです。出典はもちろん火曜の会メールマガジンです。
 
 夏休み直前情報、自由研究のページをご紹介します。
●中学校理科の自由研究紹介『理科の自由研究室』  http://www.hi-net.zaq.ne.jp/t-nishi/ 
西川徹さんのサイトです。中学校の理科を中心に、理科の自由に関する豊富な情報が掲載されています。[自由研究のガイド]は、第一分野、第二分野に分けて、授業の単元に沿った形で表示されています。生徒向け、教師向けそれぞれに、研究に取り組むための指針が示されています。参考図書や過去の研究例も紹介されています。
●テーマを探すお手伝いがある『夏休み自由研究プロジェクト2003』
 http://kids.gakken.co.jp/campus/kids/jiyu03/ 
学習研究社の学研キッズサイト内にあります。[自由研究 アイデアデータベース]では、科学実験、観察・環境調査、社会科・調べ学習、工作・フリーアートの4つの分野に分かれて、自由研究テーマが紹介されています。適した学年も示されています。[自由研究テーマ探しチャート]では、質問にイエス、ノーで答えていくと、データベースの4つの分野のどれがふさわしいか、アドバイスしてくれます。7月下旬に公開される部分もいくつかあります。ただ、ワークシートや実験キットを入手しようとすると販売サイトにつながります。注意し
てください。
●小学生が取り組めるテーマが用意されている『自由研究』 http://www.j-muse.jp/study/ 
日本博物館協会のやまびこネット内にあります。[歴史しらべ][自然観察][理科工作]の3つの分野に分けて、テーマや方法を紹介しています。小学生向けのテーマが多く、説明も図を多用した簡単なものになっています。[歴史しらべ]には、自分史、父母、祖父など身近な人の話の歴史、地域の歴史や文化財の調査など、取り組みやすい歴史調査になっています。[自然観察]では、季節の動植物の観察を紹介しています。身近にある物を利用して行う実験や工作を紹介する[理科工作]などはとても楽しそうです。
●実験や観察の方法、準備物、手順を紹介『小中学生向け自由研究の手引き』
 http://members.tripod.co.jp/funsui/ 
科学倶楽部のサイトです。実験や観察の方法、準備物、手順などの情報が書かれています。昆虫や植物のような生物分野から気象や物理現象、化学現象まで、広範囲の実験・観察が取り上げられています。半日で完成する簡単工作の部で、理科の実験器具を製作することも紹介されています。
●印刷して使う『発展学習・自由研究のワークシート集』 http://www.bio.aichi-edu.ac.jp/wsheet.htm 
愛知教育大学理科教育川上研究室のサイト内にあります。昆虫の成育や植物の生育など生物に関連した実験方法が紹介されています。[花粉についての観察・実験][植物の吸水、蒸散に関する観察・実験]など10の大項目に分けられてたくさんの実験が用意されています。A4あるいはA3サイズで印刷して使うもので、1枚の紙に1つの実験、観察の内容が収められています。そこに書かれた実験を行いながら結果も記入できるというワークシート方式が便利です(データ形式も複数用意されています)。もちろん、状況や環境に応じて、ワークシートの内容を修正して使える便利さもあります。
●意外なものでおもしろ実験『100円ショップ大実験』 http://www.so-net.ne.jp/jikken/ 
so-netのキッズパーティー内にあります。「100円ショップには、科学実験に使える道具や材料がいっぱいあります。安く手に入る100円グッズや身近なものを使って、アイデアたっぷりの面白実験を思いっきり楽しみましょう。」という言葉どおり、子どもたちが夢中になるような変わったおもしろい実験がたくさんそろっています。実際の実験の様子を見せるムービーもあり、興味をそそります。原理を簡単に紹介し、さらに発展実験へつなげるヒントも用意しています。遊び心で取り組むにはぴったりの内容です。1つの材料は100円でも、複数組み合わせる実験が多いので、注意が必要かな。
●家庭でできる科学実験『サイエンスサイト』  http://www.ngk.co.jp/site/index.html 
日本ガイシのサイト内にあります。Newtonに毎号掲載されている情報を時系列で掲載しています。中学や高校で学ぶ科学原理をわかりやすく解説し、家庭でできる実験として紹介しています。実験準備や実験方法が詳細に書かれています。小学校高学年以上であればできる実験が多いと思いますが、低・中学年であれば、親子で実験を楽しむのもいいですね。科学に対する興味がわきます。
 
小動物などの飼育、観察、捕獲などについては、次のようなサイトの情報が役立ちそうです。
 ●『楽しい夏休み』http://www.sing.co.jp/summer.htm 
 ●『昆虫採集と昆虫標本の作り方』http://www5a.biglobe.ne.jp/~kamijima/index.htm 
工作派には、次のサイトがあります。
 ●『PDFランド』http://www.avenue.co.jp/AVENUE/pdfland/pdfland.htm 
 ●『キッズクラフト』http://www.asahi-net.or.jp/~vk7t-ymnk/kidscraft.html 
 ●『クラフテリオ 夏休み自由研究、自由工作』http://www.crafteriaux.co.jp/ 
 ●『エコねん土』http://member.nifty.ne.jp/k_mizuno/
 ●『やさしい手芸講座』http://www.asahi-net.or.jp/%7Eeq5k-mgry/handwork.htm 
 
 Web紹介
(1)日本や世界の希少動物などのペーパークラフト  http://www2.21yamaha.com/index.html 
日本や世界の希少動物などのペーパークラフトがPDFファイルで紹介されている。世界の希少動物は「ジャイアントパンダ」など20種類、日本の希少動物は「タンチョウ」など7種類。
(2)海の仲間たち   http://www.lucksnet.or.jp/%7Etsuka/ 
海へ行って魚やカニをとってきて飼いたいという人向けに、海でとれる生物の飼い方を簡単に紹介している。別館として「山の仲間たち」と「川の仲間たち」もある。
(3)カブトムシ君と遊ぼう! http://www.from.co.jp/kabuto/index.htm 
カブトムシに関するさまざまな情報が掲載されているサイトです。カブトムシの採集や飼育の方法も紹介している。
(4)子どもの科学 わかとのホームページ  http://www2.wbs.ne.jp/%7Ewakato/ 
「くだもの電池」や「わたあめ作り機」などのおもしろ科学実験
理科に関するさまざまな情報が紹介されているページ。「おもしろ科学実験」では、「くだもの電池」や「わたあめ作り機」などの楽しい実験を紹介。
(5)実験の部屋  http://homepage1.nifty.com/masa_i/index.htm 
「化学の部屋」「物理の部屋」などに分かれて、さまざまな実験を紹介しています。色が変化する不思議焼きそばなど、食品を使ったたのしい実験が充実しています。
(6)こうすれば書ける読書感想文  http://www4.0038.net/~kanso-bun/ 
中学生を対象に、読書感想文の書き方をわかりやすく説明しています。読書感想文に「感想」を書いたらダメ。読書感想文は「生活作文」である。実践編では、浦島太郎を題材に感想文を書いていきます。
(7)河川局 夏休みWeb   http://www.mlit.go.jp/river/kidsweb/ 
国土交通省河川局サイト内にある、小学生向けのページ。日本中の主だった河について、簡単な知識を得ることができる。
(8)カワナビ   http://www.kawanavi.net/index_kazan.html 
  河川や湖沼、滝などの情報を載せているサイトへのリンク集。
【サーチ】環境用語(エコワード)
 
 教育関連情報
(1)EduMail)))[教育の森]「やる気のある」「できる」先生、たくさんほしい!
          自治体の“仁義なき”争奪戦
 「できる先生」がたくさんほしい――。教員の高齢化が進み、大量退職・大量採用の時代を迎えている。都道府県教委は1人でも多く優秀な人材を確保したいが、教員をめざす世代の少子化が影を落とす。東京都教委が学生の「青田買い」のため「新人養成塾」をつくるのをはじめ、大阪府教委も他県の現職を「引き抜き」する打開策に踏み切り、自治体の“仁義なき戦い”が繰り広げられている。
 「やる気のある教員を東京でぜひ採用したい」。5月2日、大阪市天王寺区のホール。東京都教委の臼井勇人事部長は約200人の教員志望の学生らに訴えかけた。都立高校入試の学区全廃など進行中の「教育改革」を紹介し、現職教員が現場の課題を話し合うビデオも上映した。首都圏以外の大学に籍を置く優秀な学生を確保するため、今年初めて大阪市と仙台市で開いた教員採用試験の地方説明会の1コマだ。
 都教委の教員採用数は少子化が進んで減り続け、1996年度は小学校教員で129人にまで落ち込んだ。その後は定年退職者が増えるにしたがって急増した。ここ数年は大量採用が続き、今春の新採用は1274人。競争倍率は過去10年で最も高い96年度の15・3倍から2・5倍に下がった。教員の資質への世間の目が厳しくなるなかで、都教委は「質の低下」を懸念した。
 受験者の85%は首都圏の大学生だという。大阪と仙台の説明会では、都内の説明会とは対照的に空席も目立ったが、松堂光男・選考課長は「説明会をきっかけに東京出身者を少しでも呼び戻せればいい」と語る。
 来年度からは全国で初めて、自前の教員養成にも乗り出す。小学校教員をめざす大学4年生50人を選び、新設の「東京教師養成塾」(仮称)で1年間かけて鍛え、即戦力を育てる。大学側とも協力しながら、通常の4週間より長い公立小での教育実習や学習指導ゼミ、ボランティア研修などを受けさせる。
 入塾する50人は教員養成課程がある大学を通じて選考する。連携相手は都内の大学に限定しておらず、人材の供給源を確保する狙いもあるとみられる。修了者は別枠採用されるため、ほかの自治体には「青田買い」に映る。新人教員の育成はこれまで、採用した都道府県教委の役割とされ、ほかの自治体が税金を投入して育てた中堅・ベテラン教員の「引き抜き」は禁じ手だった。
 大阪府教委も5月15日、ほかの都道府県で勤務する現職を100人程度採用する特別採用枠を設けると発表した。事実上の「引き抜き宣言」に真っ先に反応したのは和歌山県教委だ。「信義にもとる」と翌16日に白紙撤回を求める抗議文を送った。さらに奈良と滋賀の県教育長も相次いで不快感を表明し、三重県と近畿4府県の教育長が連名で大阪府に再考を求める事態に発展した。
 「教員は地域で育てた財産。他府県が同じことを始めれば、教員の争奪戦になり、日本の教育界全体に禍根を残しかねない」。小関洋治・和歌山県教育長は反対の理由を説明した。
 これに対し、「より良い人材を確保するため、各教委が切磋琢磨(せっさたくま)すべきだ」(竹内脩・大阪府教育長)というのが、府教委の言い分だ。もっとも注目された現職の特別採用枠のほかにも、▽民間企業で勤続5年以上の経験者を対象とする社会人特別枠▽教員養成系大学への「出前説明会」▽広島市での採用説明会――などに踏み切った。その結果、採用試験の出願者は前年比21%増の1万1267人で、17年ぶりに1万人の大台を突破した。採用担当者は「あの手この手で宣伝した成果」と言う。
 近隣府県の反発を招いた現職枠には289人が出願したが、近畿からの出願は予想に反して41人にとどまった。逆に東日本の教員が7割を占め、特に首都圏や北海道が目立つという。大阪府の採用試験の志願倍率が40倍を超える年もあった「狭き門」の90年前後に、試験日の違う自治体で採用され、Uターンを希望する教員もいるようだ。
 最も強硬に反対した和歌山県からは数人とみられ、同県教委はひとまず胸をなでおろした。だが、大阪府教委は来年度以降も「引き抜き」を続ける予定で、火種は残る。
 文部科学省の学校基本調査によると、2001年度の小学校教員の平均年齢は43・4歳。この15年間で4歳も上がった。中学校は41・8歳、高校も43・6歳で、小中高とも40歳以上の教員が60〜70%台を占め、年齢構成は逆ピラミッド型になっている。子供の数が急増した70〜80年代に大量採用が続いた結果だ。
 教員の定員計画は40人学級を前提に同省が5年ごとに定めている。定員を上回る採用は自由だが、超過分の人件費の補助金は出ない。いびつな年齢構成の解消を図ろうとして、退職者数以上に新人を採用することは事実上、不可能だった。割増退職金などで40〜50歳代の教員に定年前に辞めてもらい、世代交代を進めるしかなかった。
 大阪府が近隣の府県の反発を受けながら人材確保に躍起になる背景にも高齢化問題がある。47・3歳の小学校をはじめ、平均年齢は全国で最も高く、40代以上の教員比率は小中高とも80%台。昨年度は過去10年で最多の1714人が定年や早期退職で教壇を去った。その分に見合う優秀な若手を確保することが緊急の課題になっている。
 これまで全国の採用試験は、関東、近畿など各地区内の自治体が試験日を統一し、近隣自治体同士の争奪戦を避けてきた。しかし、一部の地区では、これを見直す水面下の動きもある。文科省は、こうした状況を「時代の流れ」と受けとめており、自治体間の競争はいっそう激しくなりそうだ。
★毎日インタラクティブに「新教育の森」コーナーがあります。あわせてご覧ください。
(2)EduMail)))【行政】高知で県民が教頭を推薦する制度
 高知県教委は今年度の教頭任用試験から、教頭にふさわしいと思う教諭を県民に推薦してもらう「管理職県民推薦制」を導入することを決めた。試験の面接官に新たに民間人も起用する。同県内で校長や教頭の不祥事が相次いでいることもあり、適正な人材発掘が狙い。大崎博澄教育長は「県民の目線で見て魅力ある人に管理職になってもらいたい」と話し、文部科学省初等中等教育企画課は「聞いたことがない取り組み」と注目している。
 推薦制度では、20歳以上の県民が、県教委が用意した「推薦用紙」に推薦する教諭の氏名や理由を記入、各市町村教委の窓口などに提出する。県教委は推薦のあった教諭に対し、任用試験を受けるよう促す。
  総務省は、ネットワーク上で教育コンテンツを流通させるためのプラットフォーム「EduMart(エデュマート)」の本格的な活用を開始した。現在は、 全国8地域、98の小学・中学・高校において、同プラットフォームを利用可能な端末が約3500台設置されている。同省では、平成14年度から学校教育の情報化の一環として、同プラットフォームの開発・実証実験を行っていた。
(3)コンピュータを使って教えられる先生、全体の50%を超える
 文部科学省は「学校における情報教育の実態等に関する調査結果」を発表した。同発表によると「コンピュータで指導できる教員数」は、52.8%という値になった。前年度における同数値は47.4%であり、コンピュータを使用して指導できる教員が着実に増えつつある事が明らかになった。
 指導可能な教員の割合が一番高いのは岐阜県で、県内全教員の70.6%。
(4)教育委員会はもう要らない? 各地であり方が問われつつある教育委員会
  7日4日、構造改革特別区域推進本部は「規制改革集中受付月間の受付状況について」を発表した。この発表によれば、教育委員会のあり方を変革する提案が、各地より提出されている。例えば、東京都千代田区や埼玉県志木市は教育委員会の設置自由化を提案に盛り込んだ。岐阜県多治見市は、教育委員会の一部権限を住民参画による「学校運営委員会」に付与する。
 
 MM紹介 
┃2┃『指導と評価』2003年7月号 のご案内     図書文化ホームページ
特集 文部科学省学力調査を読んで
平成13年度小中学校教育課程実施状況調査について
・・・  国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部長    西尾 典眞
(要旨)
★国立教育政策研究所教育課程研究センターは、平成13年度小中学校教育課程実施状況調査について、昨年12月の結果概要に引き続き、本年5月、教科別の分析報告書を公表した。
★本調査は、学習指導要領(平成元年告示分)に示された各教科の目標や内容に照らした学習の実現状況を学年全体の集団のものとして把握・分析し、今後の学校における指導の改善に資することをその趣旨としている。
★結果概要では以下の点が示された。
1.あらかじめ、結果を評価するための規準として定めた設定通過率との比較結果から、調査を実施した延べ23教科のうち、20教科については、学習の実現状況は全体としてほぼおおむね良好といえる。
2.社会や算数・数学の小学校第5学年から中学校第2学年までなど10教科では、前回を有意に下回ると考えられる問題数が過半数を占めるといった状況がみられる。
★教科別分析では、内容や領域、評価の観点毎に共通的に見出せる特徴を踏まえながら、例えば、小学校国語においては、相手や目的などに応じて自分の考え方を明確にして文章を構成する力を育成することが必要というように、指導上の改善点を指摘している。これらを参考にした学校での取り組みが求められる。
学力調査を読む   −学力生態学の提案−・・・  お茶の水女子大学教授   耳塚 寛明
(要旨)
★透明性の高い調査結果の公表など、今回の教育課程実施状況調査には評価すべき点が多い。
★しかし、ここまでの文部科学省による分析は、学校現場を中心としたミクロな改善に資する目的に偏り、学習指導要領自体の見直しや、教育課程行政のあり方を問い直すマクロな観点を欠く。構造的問題や行政的責任を棚上げにしたまま、現場の奮闘努力を要求することになりかねない。
★文部科学省調査は、その調査設計に由来する限界を持つ。必要なのは、「学力の生態学」である。第一に子どもたちの学力形成を規定する諸要因を仮説的に構築して、それらの要因に関する情報を蒐集すること。第二に、地域や家庭的背景による「社会的格差」の視点をもつことが不可欠である。
 
意識調査についての分析と考察             ・・・筑波大学助教授   桜井 茂男
(要旨)
★小中学生の8割以上は「勉強は大切だ」と思い、6割から7割は「勉強すればよい成績がとれる」と思っている。
★教科ごとに勉強が好きかどうかをたずねると、小中学生の4割以上は好きだと肯定的な回答をする。
★授業の理解度は教科ごとに異なるが、小学生の6割以上、中学生の5割程度はほぼ理解していると回答する。
★学力との関係では、勉強が好きで(学習意欲があって)、インターネットで情報を集めるような中学生は、学力が高い傾向が見られた。担任教師が積極的に授業行動を行っているクラスの中学生も、学力が高い傾向が見られた。
文部科学省学力調査の活かし方・・・筑波大学助教授   服部 環
(要旨)
★「平成13年度小中学校教育課程実施状況調査」の結果について、学力調査(ペーパーテスト)を中心にまとめた。
★専門家が事前に設定した通過率と実際の通過率とを比較して、報告書は一部の教科を除いて「おおむね良好」としているが、平均通過率が平均設定通過率を超えたのは23教科のうち10教科である。
★前回の調査結果と比較して、通過率が上昇した問題も多いが、低下した問題も多い。特に算数と数学の低下が目立つ。
★素データが公開されたとして、その利用法の一つを提案した。また、学力経年的変化を調べた研究があることを紹介した。
■「図書文化ホームページ」■より転載       (伸)
・・kyositu.comニュース【小学校教育総合情報誌】・・■■■ .....2003-07-14<MON> [vol.439]....より
 
 EduMail)))【ワールド・ウォッチ】イラン   イランの教育制度とテヘラン日本人学校
□□人のつながり、時のつながり
 テヘラン日本人学校はイラン・イスラム共和国の首都テヘランに位置している。乾いた砂漠の街というイメージがあると思うが、じつはそうではない。3000メートルを超えるアルボルズ山脈からの雪解け水が豊富なため、意外に緑豊かな都市である。
 人々の多くはイスラム教を信仰し、その教義は絶対的なものである。生活と宗教が密接に結びついている点が、日本とは大きく異なる。神の啓示を生活の指針とし、家族のつながりを大切なものと考えている。日本人が忘れかけている大切なものをイラン人の生活のなかに見つけることができる。
□□イランの教育制度
 イランの学校制度は5・3・3制で、大学入学にはさらに1年の就学が必要である。宗教教育、危機管理教育の実施や理数科教育の充実、中学での第三外国語必修などが特徴といえる。また、すべての学年に進級・進学テストがある。これは、2科目以上で落第点をとると学校に通うことができないという厳しいものである。
 中学1年の社会科では、「家族のあり方」について1年間勉強する。イラン人が家族を大切にし、週末の公園が家族連れでにぎわうのはこのためかもしれない。
□□あらたな歴史への一歩
 ここ数年のイラン政府の柔軟化政策は、テヘラン日本人学校の教育活動にも大きな影響をもたらした。ハタミ大統領の提唱する「文明の対話」は、イラン教育界の重い扉をも開いた。これまで禁じられていた現地校との文化交流に始まり、各国の外国人学校との出会いは、本校にとって本格的な交流活動の第一歩となった。また、市中の公の施設も見学できるようになり、イランの文化に直接触れる機会を持つことができるまでになった。
 同校では、現地理解教育の一環として、小学部の1・2年生が、町探険を行っている。今年は、スケッチや自分が撮った写真で近在の公園を紹介し、ガイドブックを作成した。小学部3年生以上を対象にした宿泊学習では、400年前の都イスファハンを訪ね、現地の文化や人々の生活に着目し、それを写真で表現する学習活動を行った。そして写真展「私が見つめたイスファハン」を開催し、大人とは視点の異なる写真に、参観者からは多くの賞賛の声をいただくことができた。
□□児童生徒数  ●小=16人 ●中=5人
【テヘラン日本人学校】mailto:tehran-jschool@mahnet.com http://www.tehran-jschool.com      
    (海外子女教育振興財団発行『海外子女教育』より)
 
 お勧め新刊書籍ニュース(57)   週刊・教師用新刊書籍ニュース■NO.75より転載
『先生のためのスクールカウンセラー200%活用術』熊谷恵子編/図書文化社/2300円
 相談室にこもってのカウンセリングという印象が強いスクールカウンセラーだが、教師と上手に組むともっと効果的。大がかりな取り組みではなく、ちょっとしたことで効果が得られる、スクールカウンセラーを生かすノウハウ集
『育てるカウンセリングによる教室課題対応全書1サインを発している学級』品田笑子・田島聡・斉藤優編集/国分康孝・国分久子監修/図書文化社/1900円
 学級は日々小さなサインを発している。これにどう対応するかは、学級担任が最も頻繁に直面し、手腕の問われる課題である。「学級クライシス」に至る前の対応へのヒントを多数示し、問題解決を支援する。
『育てるカウンセリングによる教室課題対応全書2 学級クライシス』河村茂雄・大友秀人・藤村一夫編集(監修、出版社、価格、以下同)
 学級クライシスへの対応策を焦点に当て、教師が今すぐできることを提唱。学習権を保障、傷つきを防止して新しいルールを再構築し、信頼と安心の人間関係を回復し手段を立て直すという原理と進め方を子細に網羅する。
『育てるカウンセリングによる教室課題対応全書5 いじめ』
米田 薫・岸田幸弘・八巻寛治編集
 いじめとは、他者の「幸福になる権利」を不当に奪う行為であり、決して許されるものではない。発生をくい止め、集団全体で対応と防止に取り組むためのヒューマニスティックな思想と確かに効果を生む方法を提示する
『育てるカウンセリングによる教室課題対応全書7 教室で気になる子』
 教師が日々子どもたちに接していてちょっと気になる時の対応をきっかけにして、日常的なかかわりを意図的な教育につなげていくための具体策を探る。
.『育てるカウンセリングによる教室課題対応全書8 学習に苦戦する子』
 思った成果を上げられず勉強に苦戦している子どもは多い。彼らの苦戦の要因に働きかけて、援助を進めていくための方策を探る
育てるカウンセリングによる教室課題対応全書9 教室で行う特別支援教育』
 たいていのクラスにLDやAD/HD、高機能自閉症などの軽度発達障害を示す子がいる。行動や障害の特色に応じた対応をイラスト入りで紹介する
『育てるカウンセリングによる教室課題対応全書10 保護者との対応』
 教師と保護者は、子どもを育てる同じチームの一員であるにもかかわらず十分に連携することはなかなか難しい。協力して子どもの教育にあたる態勢づくりと、実際の問題解決の方法を示す。
『絶対評価時代のテストの作り方 子どもの力を伸ばす』鈴木節也著/学陽書房/1800円
 テストは誰のためにあるのか? 定期テストを廃止し、絶対評価の導入をいち早く実践した著者が、絶対評価・観点別評価等新しい制度に対応したテスト作成方法を説く。実例も多数収録
『学ぶ力と意欲を育てる60のいい話 子どもをやる気にさせるコツ』笹田哲夫著/学事出版/1600円
 長年、子どもの教育相談と学習指導に携わってきた著者が、相談に来る親や指導を受ける子どもたちに語りかけてきた「学ぶことの大切さ」「やる気の起こし方」「人とのつき合い方」「よい教師の見分け方」などをまとめる  http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi?aid=p-suma0100212&bibid=02332622 
『子どもを伸ばすほめ方叱り方51のヒント子育てがもっと楽しくなる本』中井俊已著/学陽書房/1400円
 「ほめて育てるのが子育ての基本」と考える著者が、「ほめ方叱り方のヒント」を、珠玉の言葉で綴る大きな見出し、温かいイラスト、一文一改行と、新しいスタイルで提示する
『インターネットと総合学習 (シリーズ・インターネットと教育3)』
浅井和行編著・大隅紀和監修/黎明書房/2400円
 総合学習で教師の多くはあまりよく考えないでインターネットを使ってきたのではないのか。総合学習の実践を行なう際に、インターネットを教師が子どもに与えるのではなく、子どもが活用できる
ようにする教育実践を提案する
■週刊・教師用新刊書籍ニュース■NO.75より転載
http://www5b.biglobe.ne.jp/~sumac/index.html 発行・編集→須摩智佳子 sumac@mwd.biglobe.ne.jp

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp