(1) メールマガジン「実践!作文研究」 第192号 2003年10月12日発行より
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作文研究グループとしては最も大きなメーリングリストであり、そのスタッフが発行しているメールマガジン。具体的な指導がさまざまな角度から紹介される。
その第一人者、上條先生の指導を紹介する池内先生の記事。以下引用
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上條晴夫氏の作文指導
----「書けない子をなくす作文指導10のコツ」を読む(6)----
作文指導は「指示」が命だ!「4.時間の指示をする」 聖学院小学校 池内 清
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■時間の指示
時間の指示をするというのは、子どもたちに書く時間をあらかじめ、書く前に知らせておく事である。
例えば、『三分で書きなさい』とか、『十分で書きなさい』とかである。
時間の指示をすることの大切さを上條氏は体育のたとえを用いて以下のように説明する。
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走ることを、子どもたちに指示するとしよう。五〇メートルを走るのか、一〇〇〇メートルを走るのか。
指示しない教師がいるだろうか。走り出す前に、五〇なのか、一〇〇〇なのか、必ず、指示を出すはずである。
五〇メートルを走るのと、一〇〇〇メートルを走るのでは、自ずと、その走り方が変わってくるからだ。(後略) 「書けない子をなくす作文指導10のコツ」(p38)
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見事なたとえであると思う。思わず納得してしまう。
前回の「規模の指示」では、作文を書く量の指示をし、今回は、時間で書く量を指示しているとも言える。
この指示を出すと子どもたちの集中力が一気に高まる。子どもたちに具体的な数字の入った指示を出すと、集中力が高まるのと同じである。『一つ選びなさい』『三つ書きなさい』などが典型例である。
それを作文指導に活かしたすぐれた指示であると言える。
上條氏は、この「時間の指示」を書く内容によって、三分、五分、十分〜三十分と分けて子どもたちに指示を出している。(p41-p42)
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三分・・・・・・・発問後のノート作業
五分・・・・・・・授業の感想文や学習のまとめ
十分〜三十分・・・作文の授業
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このように、時間の指示のバリエーションを使い分け、その場に適した時間を子どもたちに与えて、書く授業を進めるのである。
■「時間の指示」を使った授業
この「時間の指示」を上條氏から学んだ私は、普段の授業では、これに「一分」という「時間の指示」を付け加えている。
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一分・・・自分の立場を決める。(賛成・反対、○・×など)
三分・・・なぜ、その立場に決めたのかの理由。(箇条書き)
十分・・・その理由の詳しい説明。
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六年生国語に「二つの意見から」という単元がある。あるテーマに対して、「二つの意見」に分かれて話し合う活動である。
そこでテーマを「タマちゃんは海に返すべきである」で賛成・反対を考えさせた。
この授業で使った「時間の指示」は次の三つである。
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1)『タマちゃんを海に返す方がいいか、そのままにしておく方がいいかで、自分の立場を決めます。時間は一分です。』
2)『なぜ、そう考えたのか、理由を三つ書きなさい。時間は三分です。』
3)『その考えた理由の詳しい説明を書きます。時間は十分です。』
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いろいろと応用が利く、「時間の指示」の組み合わせだと思う。
■作文の授業
まとまった作文を書く時に一時間使って、作文用紙一枚を与えて書いてもらう時がよくある。
テーマの説明しておよそ三十分を使って書く。
自分のクラスでは、文題にもよるが、十分あればおよそ四〇〇字の作文用紙を埋めることができる。
そこで、最近はあえて、「三〇分使って書きなさい。」という指示を出す。
これは、「早く書ける子でも、十五分は何を書くか、どのように書くかを考えなさい」という指示を含んでいる。
つまり、構成を考えて書くということである。
(2)小泉内閣メールマガジン 第113号 ========================== 2003/10/09
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社会科の人間は数字に弱い。「弱い」というのは苦手という意味ではなく、重視しすぎてしまうと言うことだ。統計データであるからデータの出典・調査時期の明示はもちろん大切だが、誰がどのような目的でどうやって調べたのかがもっと重要かもしれない。
小泉メールマガジンには時々次のシリーズが出るが、数字に弱い自分はつい引き込まれてしまう。以下引用
[数字でみる日本]
● 200万5,002人
200万5,002人とは、全国の認可保育所に入所している子どもの数(平成14年10月1日現在、厚生労働省調査)です。認可保育所とは、一定の基準を満たし、都道府県知事から設置認可を受けている保育所をいいます。この認可保育所は全国で22,288施設あり、公営が56%、私営が44%となっています。
子育てをしながら働く女性が増える中、認可保育所に入所している在所児数は平成7年以降増え続けています。平成14年には初めて200万人を突破し、これまで最も多かった昭和55年の199万6,082人を超え、過去最高となっています。
一方、定員に対する入所者の割合を在所率といいますが、この在所率は平成13年の100.6%から102.3%と前年を上回り、2年連続で定員オーバーとなっています。運営主体別に見ると、私営のうち81%、公営のうち37%で在所率が100%を超えています。
このように定員を超えて入所させることを保育所定員の弾力化といいます。厚生労働省の調査によれば、平成14年10月1日現在、認可保育所のある市町村3,083団体のうち、弾力化を認めている市町村は2,398団体と、78%に上ります。特に、政令指定都市では全てで、その他の市では96%でそれぞれ弾力化を認めており、都市部における保育所の供給の困難さがうかがえます。
このような状態の解消に向け、政府では、保育所の増加や定員の拡大、幼稚園における預かり保育の活用などにより、待機児童の多い都市を中心に「待機児童ゼロ作戦」の取り組みを進めています。これらの取り組みにより平成14年は前年に比べて全国で55,103人の受け入れ児童数の増加となりました。今後は、平成16年度までにさらに10万人の受け入れを目指しています。
(3) ≡奈良県教育委員会メールマガジン≡ No.010 平成15年10月15日(水)第10号より
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発行:奈良県教育委員会事務局 教育企画課
〒630-8502 奈良市登大路町30番地 Tel 0742-22-1101(代表)
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教育委員会が発行するメールマガジンはきわめて珍しい。たいしたものだ。
今回は、公立中学校の部活動についてまとめている。学校5日制の影響が読み取れておもしろい。以下引用
【 数字で見る奈良県の教育 】
公立中学生の約1/5、8,193人が文化部で活動しています!
中学時代の思い出といえば、毎日、懸命に取り組んだ運動部や文化部での活動を思い起こす人が多いのではないでしょうか。部活動は、思いやりや集団規範、忍耐力、集団の中で自分を生かすことなど、人間形成に関わる多くのことを学べる意義ある活動です。今回は、公立中学校の文化部活動に関する平成14年度の数字を見ていきます。
公立中学校に通う生徒数は、40,688人、その約5分の1の生徒が文化部で活動しています。そのなかで一番部員数の多いのは吹奏楽部です。部員総数は3,245人、文化部員総数8,193人の39.6%を占めています。次いで美術部16.4%、情報6.0%、茶道・華道5.7%、家庭4.9%、科学4.8%、合唱4.2%、英語3.5%と続きます。
また、公立中学校 108校の中で吹奏楽部を設置しているのは83校、美術部を設置しているのは73校です。各部活動あたりの平均部員数は、一番多い吹奏楽部で39.1人、全体では19.1人となります。
平成8年度にも同じ調査をしていますが、平成8年度と大きく変わったところは、年間活動の平均日数が 158日から84日に減少したのに対して、1日あたりの平均活動時間が1時間06分から1時間53分と伸びていることです。
文化部に所属 一校当たりの部数 年間活動 1日当たり
する生徒数 (開設総部数) 日数 平均活動時間
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平成8年度 10,870人 5.4部 158日 1時間06分
(総生徒数 49,408人)
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平成14年度 8,193人 4.6部 84日 1時間53分
(総生徒数 40,688人)