第201回 社楽の会報告    第200回へ    第202回へ
                                           
報告者  土 井
2003年12月11日(木)布袋北学供にて、第201回社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井(大口北部中)、奥村先生(岩南小)、勝村先生(犬山中)、高橋先生(門弟山小)、池邑さんゲストの5名でした。

☆ 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

 各紙はイラク派遣をどう伝えたか 
改正著作権法

これからの時代に求められる国語力について
 Web紹介
 教育関連情報
  MM紹介   
【ワールド・ウォッチ】ブラジル

各紙はイラク派遣をどう伝えたか 
 9日の臨時閣議で自衛隊のイラク派遣が決定しまた。それを新聞各紙はどう伝えたか。10日の全国紙・地方紙各紙社説から読みました。
 新聞社によって評価はまちまち。多くの新聞から情報を得て自分で判断することの大切さを痛感しました。 
今回読んだ新聞は次の通りです。
 
産経新聞  http://www.sankei.co.jp/news/editoria.htm 
日本経済新聞    http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20031209MS3M0900K09122003.html 
讀賣新聞 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20031209ig90.htm 
朝日新聞   http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/TKY200312090333.html 
毎日新聞 http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200312/10-1.html 
中日新聞  http://www.chunichi.co.jp/sha/index.shtml 
河北新報社 http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2003/12/20031210s01.htm 
南日本新聞  http://www.373news.com/2000syasetu/syasetu.htm 
北国新聞  http://www.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm      富山新聞も同内容
中国新聞 http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh03121001.html 
愛媛新聞 http://www.ehime-np.co.jp/shasetsu/ 
北日本新聞 http://www.kitanippon.co.jp/news/column/syasetu/syasetu.html 
高知新聞  http://www.kochinews.co.jp/editor.htm 
新潟新聞 http://www.niigata-nippo.co.jp/column/index.asp 
 
 改正著作権法
 これは教員にとっては大ニュース!これまで気になっていた著作権が、教育に限っては大きく緩められた。
以下、文部広報12月5日号より一部を引用して紹介する。
−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−−−
 情報化の進展や学習形態の変化などによって、教育目的での著作物等の利用形態は大き<変化している。そこで、平成十五年通常国会において、著作権法に規定されている「例外的に著作者の許諾を得ずに著作物等を利用できる」場合について、以下のような改正が行われた。
 
(一)教育機関における児童生徒等による複製
 これまで、学校・公民館等の教育機関において、「教育を担当する者」(教員等)は、授業での使用を目的とする場合に限り、例外的に無許諾で教材等の複製物を複製できた。
 しかし、近年は、学習者(児童生徒等)が自らパソコンやインターネットなどを活用することが増えたので、児童生徒等の「授業を受ける者」(学習者)も無許諾で著作物等を「複製」できることとした。
《条件》
・教育機関であること
・営利を目的とする教育機関でないこと
・授業等を担当する教員等やその授業等を受ける学習者自身がコピーすること
・授業の中でコピーする本人が使用すること
・必要な限度内の部数であること
・既に公表されている著作物であること
・その著作物の種類や用途なから判断して、著作権者の利益を不当に害しないこと
以下内容略
(二)授業の同時中継に伴う教材等の公衆送信
(三)試験問題としての公衆送信
(四)「拡大教科書」作成のための複製
 これからの時代に求められる国語力について 
 http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2003/03120101/001.htm 
 文化庁文化審議会国語分科会は11月25日、「これからの時代に求められる国語力について」の報告案をまとめ、意見募集を行う。同案は、国語の果たす役割や求められる姿、具体的な目安を提示、国語力を身に付けるための国語教育の在り方など方策を示している。
 「聞く力」「話す力」「読む力」「書く力」について具体的に書かれているので、ぜひ読んでおきたい。
−−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−−−−
2  「聞く力・話す力・読む力・書く力」の具体的な目標
(1)「聞く力」について 
1) 話の要旨を的確に把握して,その内容を理解できる
 事実や根拠などに注意しながら,話の内容を正確に聞き取ることができる。
 聞いた内容をメモに取ったりして,話の構成や展開を理解できる。
 話を分析的・批判的に聞き,自分の意見や考えを組み立てることができる。
2) 話し手の気持ちや主張だけでなく,言外の思いや真意を感じ取ることができる 
  話し手が何を言いたいのかを探りながら,話を聞くことができる。
 話し手に共感でき,言外の思いも感じ取るように聞くことができる。
3) 場面に応じて最後まで集中して,聞くことができる
  話の形態や話し手との社会的関係に対応した聞き方ができる。
 話し手の意図を考えながら,講話や講演を集中して聞くことができる。
 話をしっかりと聞き取り,確認すべき情報を整理して質問できる。
(2)「話す力」について  
1) 自分の考えを明確にして,説得力を持って論理的に伝えることができる
  自分の考えや意見を整理し,根拠や理由を明確にした論理的な話し方ができる。
 相手の話を受け,その内容を踏まえて自分の考えや意見を話すことができる。
 会議や集会などで,自分の考えや意見を適切に発表することができる。
2) 相手や場面・目的に応じ,伝えるべき内容を分かりやすく話すことができる
  他者に配慮した(不快感を与えない,傷つけない)話し方ができる。
 話し合うことによって,相手との人間関係を深めることができる。
 場面や目的に応じた言葉を選び,表現に注意して情報を伝えることができる。
 敬意表現を適切に使った話し方ができる。
3) 発声・発音・態度などを相手や場面に応じて,コントロールできる
  他者の前で落ち着いた態度で話すことができる。
 聞き取りやすい音声(声量・速さ・声の調子など)で話すことができる。
 大事なところを強調したり,間の取り方を工夫したりできる。
(3)「読む力」について
1) 論理的・説明的な文章において,的確に論理を読み取ることができる
  新聞や雑誌などを読んで情報を正確に理解できる。
  文章の構成や論理の展開に沿って,内容を読み取ることができる。
 事実や意見等を区別して読み取ることができる。
 課題解決のために必要な情報を収集し,情報を処理するための読み方ができる。
2) 文学的な文章において,気持ちや感情を十分に読み取ることができる
  登場人物に感情移入し,その心情を理解できる。
 比喩(ゆ)的,多義的,含意的な文章表現を読み味わうことができる。
 書き手の思考や心情などに迫ることができる。
 様々な描写をとらえ,内容を的確に理解できる。
3) 古典(古文,漢文)の文章に親しむことができる
  代表的な古典作品のリズムや響きなどを理解できる。
 古典の素読や暗唱を重視し,日本の伝統的な文化に親しむことができる。
(4)「書く力」について
1) 自分の考えや意見などを正確に伝える論理的な文章を書くことができる
  客観的な根拠や理由に基づいて,自分の考えや意見を書くことができる。
 読み手が理解しやすい構成を意識して,文章を書くことができる。
 事実や根拠などを明らかにした論理的な文章を書くことができる。
 単なる感想文ではなく,思考,分析,判断を伴う小論文を書くことができる。
2) 伝統的な形式や書式に従った手紙や通信などの文章を書くことができる
  自分の気持ちなどを正確に相手に伝えられるように書くことができる。
 社会生活に必要な実用的な文章をそれぞれの様式に従って書くことができる。
 社会的な関係を踏まえた適切な敬語などを用いて書くことができる。
 言葉を適切に使い分け,その場にふさわしい言葉を用いて書くことができる。
3) 様々な情報を収集して,それに基づいて明確な文章を書くことができる
  本やインターネットなどから的確な情報を収集して,文章を書くことができる。
 収集した情報を生かして,意図の明確な文章を書くことができる。
 会議や集会などで,分かりやすく説明するための資料を作成することができる。
 Web紹介
(1)文部科学省実施した政策評価についての審査結果【総務省】
 学力向上アクションプランなどの政策評価
(2)おそうじ大辞典
 ダスキンのサイト。掃除をする場所、使う洗剤、道具にいたるまで、詳しく紹介。教室の掃除には「事業所編」が参考になる  http://www.100100.co.jp/jiten/ 
(3)おばあちゃんの知恵袋
 昔ながらの暮らしから生まれた掃除のコツ。洗剤を使わなくても、ちょっとした知恵でこんなにキレイになるんですねえ    http://www.the0123.com/happy/chie/ 
(4)小学校英語活動のページがスタート!   http://tb.sanseido.co.jp/ 
 小学校の英語活動に心強い味方!小学校の先生方へのお役立ち情報、英語活動に使える教材・書籍の紹介、研究会情報などを掲載。
 思わずフームとうなずくコラムです。第1回は大相撲の星取り表で「小テストの結果のまとめ方」を紹介。
(5)「少子化対策」に関する御意見募集【内閣府】
 少子化社会対策大綱を策定することを目的に意見募集
(5)授業に役立つホームページ  〜書写指導〜      齋藤智世
●年賀状書きの練習シート有り『きれいな字を書こう!きれいな字を教えよう!!』
辻元正子さんのサイトです。ひらがな、カタカナ、小学校で習う漢字1006文字(教育漢字)を練習する講座形式での情報提供となっています。実際に書いて練習するための≪練習シート≫も用意されています。12/7現在の[今週の課題]は「年賀状を書いてみましょう」で、書き方のコツが出ています。メルマガを購読すれば、字に悩んでいる先生も自信がつくかも。
●書き初めの指導法がある『できる書写指導!』
立石佳史さんのページです。長半紙指導法「書き初めの指導法」をはじめ、習字の手本をどう準備したらいいか、名前を書く指導はどうしたらいいかなど、授業のコツが具体的に書かれています。明日の授業に役立つ情報です。
指導の流れが書いてある関西創価小学校の『書写』
  出典  火曜の会メールマガジン 第102号  N0.102  2003/12/09
 
 教育関連情報
(1)EduMail)))毎日教育メールより
 【評価】東京・目黒区で保護者の学校評価実施
 東京都目黒区教育委員会は今年度から、全区立小中学校34校で保護者による学校評価を導入。来年度からは、児童・生徒と地域などによる学校評価も実施する。家庭や地域と一緒に信頼される学校をつくることが狙いで、区によると、保護者による学校評価を統一的に実施するのは23区で初めて。
 「学校評価シート」を、児童・生徒を通じて保護者に配布。学校全体▽教育目標▽学習指導など六つの大項目の中の「学校は、教材を工夫したりコンピューターを活用したりして、子どもの興味関心や学習意欲を高めることに努めている」などの設問に、A(十分達成されている)〜D(ほとんど達成されていない)の4段階で評価。学校独自の項目も設ける。
 シートは各学校が回収して、結果を集計・分析。結果は学校だよりなどで各校が公表し、次年度の教育課程づくりに反映させる。保護者向けのシート配布は、11月下旬から始まった。子供や地域の評価方法は未定。
 
 【行政】携帯メール使い学校情報を配信 東京都荒川区
 東京都荒川区教委は2日、学校から保護者に素早く連絡するため、来年1月中旬から、携帯電話のメールで防犯、防災情報などを一斉に配信する「学校情報配信システム」を区立の四つの小学校で試行する。来年10月からは全区立小中学校33校で実施する予定。区教委によると、同様のシステムは長崎県大村市などで行われているが、都内での実施は初めてではないかという。
 区教委によると、学校と保護者の連絡は、従来は連絡帳の受け渡しや印刷物配布で、急ぐ場合は電話連絡網で対応している。しかし電話では、留守の家庭も多かった。
 一方で携帯電話が普及し、連絡網に登録する保護者の電話番号の3割が携帯の学校も出てきた。携帯電話はすぐ出られないこともあるが、メールは一斉に連絡でき、事件や災害時の緊急時の連絡を保護者にいち早く伝えられるメリットがある。
 試行する学校は、第六瑞光小▽第二峡田(はけた)小▽赤土小▽第三日暮里小。近く保護者への説明会を始め、希望する保護者のアドレスを登録する。希望しなかったり、メールがない場合は電話連絡となる。学校だよりなどの文書は、従来通り配布する。
 メール連絡は、校内や学校周辺で発生した事件や事故の速報、台風時の下校時刻の変更などの緊急時のほか、雨模様の時の運動会の有無など、日常的にも使い、「日常連絡でも活用すれば、緊急時にも学校からの連絡だとすぐに分かる」(区教委)という。
 
 ICタグで子供の登下校の情報把握 大日本印刷など
 大日本印刷とNTTドコモの子会社、ドコモ・システムズ(東京都港区、中津川丹社長)は、ICチップを搭載したタグを利用し、子供の登下校情報を配信するサービス「キッズ・セーフティー・パス」を開発した。
 学習塾や学校の出入り口に設置した読み取り専用装置に子供がタグをかざすと、保護者のパソコンや携帯電話に電子メールで自動的に時刻が伝わる。子供の行動確認が容易になり、安全確認にもつながる。2004年3月から開始し、05年には10億円程度の売り上げを見込む。
 子供にカードタイプやバッグにぶらさげるストラップ形状の非接触型ICタグを配布。タグには子供固有のID番号を割り振る。登校時刻を「純一郎君、16:30塾に到着しました」、下校時刻を「真紀子ちゃん、20:47塾を出ました」といった表示で、保護者に送信する。
 また、学習塾からは保護者会の案内通知などにも利用できるという。このサービスを使うことによって、保護者は子供の安全確認や送迎タイミングの調整などに活用できる。塾側も出席管理などに応用できるという。大日本印刷では「最近は、子供の誘拐未遂事件も多発しており、子供の安全確認にも役立つはず」と話している。
 すでに首都圏でチェーン展開している学習塾が導入を決めたほか、数社が検討中という。今後、学習塾が密集する駅や郊外の主要駅などに読み取り専用装置を設置し、子供の駅通過情報をリアルタイム配信できるよう鉄道各社に協力を呼びかける方針だ。
 
(2)よみうり教育メールより
◆新宮町立新宮小で小型のUSBメモリーや無線ランを使ったIT教育を実施(兵庫)(12/9) 
 兵庫県新宮町立新宮小(木南正巳校長)で、教科書の内容などを記憶させたメモリー(長さ八センチ、幅一センチ)と無線LAN(構内情報通信網)を使った最先端の<パソコン授業>に取り組んでいる。メモリーは児童の学習過程もすべて記憶、蓄積するため、どこで間違えたかなどを教諭が無線LANを通じて把握できる。「将来は教科書を入れたランドセルがいらない時代がくるかもしれない」といわれるほどで、取り組みの成果が注目されている。
 インターネットなどを活用した教育法を調査、研究している財団法人「コンピューター教育開発センター」が実施する事業の一環。
 県立教育研究所や民間企業が協力し、十一月から同小三年生が試験的にメモリーを携帯し、算数の授業や自宅学習などに利用している。
 保護者が参観した授業では、児童約五十人が表やグラフの読み方を習った後、メモリーをパソコンの端子に差し込んで早速復習し、母親らと一緒にマウスをクリックして勉強していた。
 メモリーは一人ずつ持っているため、個別指導にも役立ち、家で宿題をする時や自主学習などの際にも活用できるという。ディスプレー上に表示されたアイコンをクリックすれば、保護者に学習のポイントが示されており、親子で学べるのも特徴となっている。
 上田佳奈ちゃん(9)は「楽しいから、苦手な算数も得意になりそう」と笑顔で話していた。
  
 MM紹介 
 メールマガジン(MM)は有益情報の宝庫。うまく活用したい。
(1)英語教育・国際理解に役立つ情報マガジン
    内容は豊富で、NO.19  2003・12・10 の内容は以下のものです。 月1回(第2水曜日)発行 
 ___TOPIC  英語の授業をサポートします! 
 ___Monthly Pickup NEWS 11月8日〜12月4日編
   《留学生受け入れ数−過去最多》文部科学省
   《教育用ソフト・コンテンツ募集》文部科学省
   《編集スタッフも高校生!高校生版英語メルマガ発行へ》群馬県高崎市
   《真の国際人育成「グローバルコミュニケーション科」設置へ》群馬県伊勢崎市
   《「幼・小・中英会話教育特区」構想第4次申請へ》茨城県水戸市
   《高校英語教諭46%がTOEIC受験に意欲》(財)国際ビジネスコミュニケーション協会
   《日本政府の成績はD!》Global Campaign for Education
   《東京の中学生テレビ視聴率はソウルの2倍 比較調査》ベネッセ教育研究所
   《アフリカの孤児達の危機−新レポート発表》ユニセフ本部
   《学校の権限増加−悪質・怠惰な生徒との戦い》英国政府
   《「びっくり英語」探検隊員募集中!》日本英語交流連盟/エイゴタウン・ドット・コム
   《Hey, It's Me! Send Money!》REUTERS
   《冬休みの映画 "In This World"》
 ___COLUMN 「表現力を高める授業(3)英語の発想で書く」
  『英語で読み聞かせ せかいのおはなし 1・2』
  『基礎学力をつける英語の授業』     その他
 
(2)■■■・・kyositu.comニュース【小学校教育総合情報誌】・・■■■
            ★教育実践号★ .....2003-12-8<MON> [vol.492].... http://www.kyositu.com/ より 
 ┃3┃話し方指導の基礎・基本 <その1> 野口芳宏@麗澤大学非常勤講師
 一、話し言葉指導の原則
1、国語学力の基底
 人間が生まれてから最初に行う言語活動は、「聞くこと」です。
 「聞く」ということから言語活動は展開する。おびただしい数の言葉を聞いて、覚えて、やがてまねしてしゃべれるようになる。音声言語活動が5、6年あり、それから文字に興味をもち、「読む活動」が始まる。読んで読んでいるうちに、「書く」ようになる。読むと書くは、ともに文字言語による活動です。
 知識を身につける活動は、「聞く」ことがほとんどです。よく聞ける人は、学力がついていくのです。
 「きく、話す」活動はとても大切で、この二つの領域は、わかれていません。
 前の指導要領では、「はなす」、「きく」が、それぞれ「表現」と「理解」で別々に分かれていました。文字言語では、読めるけど書くのが苦手というように、二つの活動が別々の学力ととらえるけれども「話す・聞く」は常に同時に展開します。
 読めれば書けるかと言うと違う。小説や新聞を読む人はたくさんいるが、それらが書ける人は少ない。
 「書く」が言語活動の最高のレベルです。国語学力の総決算は、「書く」ということです。
【横須賀市立鴨居小学校校内研修会での講話より(小)】
∞∞∞∞∞■野口芳宏先生のページ http://www3.plala.or.jp/yokosan/noguti-sensei-top.htm 
 
 ┃4┃<聞き方の技術>パフォーマンスをそえて聞く    家本 芳郎@全国教育文化研究所
 子どもが昨日の地域少年野球大会の試合の様子を話してくれた。選手として出場したその子どもは、よほど嬉しいことがあったのだろう。眼を輝かせ、紅潮して話してくれた。
「……それで、ぼくね。頭からすべりこんだの」
「頭から! やったなあ。それで?」
「セーフ!」
「やったじゃ!」
 わたしも興奮して思わず、にぎりこぶしで机を叩いてしまった。
 子どもの話にはいろいろある。うれしい話、こわい話、おもしろい話。そういう話を子どもが興奮して話してくれたら、聞くほうも、身を乗りだし、高揚した気分で聞く。そして、最高に盛り上がったところでは、パフォーマンスをそえて聞く。
 わたしは右拳で机を叩いたが、ガッツポーズでもいい、手を打ってもいい。腹をかかえて、ひっくり返ってもいい。身体表現をそえて聞く。
 あるテレビ番組、たしか「新婚さん、いらっしゃい」だったと思うが、落語家の桂三枝が、ゲストの話を聞いて、ずっこけて椅子から転落するシーンがある。そのずっこけパフォーマンスが、その番組の「うり」になっている。「あきれた話だが、おもしろく愉快な話だった」と、これは評価しているのである。
 教師はそこまでやる必要はないだろうが、いっしょうけんめい話をしてくれた子どもに、言葉では表現できない気持ちをゼスチャーによって伝えるのである。それは、「先生は感動した」「おもしろい話をきかせてくれて、ありがとう」という感謝の評価を子どもに伝えるという意味をもっている。
 これから、子どもの話は、言葉と身体表現によって聞く、つまり、全身で聞いてほしいものだ。そういう教師に子どもたちは寄り集まってきて「聞いて、聞いて」とせがむようになる。子どもがどれだけ教師に近寄ってくるか、その頻数は教師の力量のひとつのパロメーターである。
【MM『教育実践ノート』197号より転載】(つ)
 
(3)教育MM「教師の“知恵”ぶくろ」2003年12月3日 No53
.【総合】◆総合的な学習の時間で「課題設定の能力」は、こう獲得させる
                             吉田 衆一@山口市立興進小学校     
 今実践中の単元「お年寄りと交流しよう〜大好きなお年よりのために、今私にできる福祉活動〜」を通して、「課題設定能力の獲得のさせ方」についてお話していきます。対象児童は6年生35人です。
 4つのポイントを考えてみました。
ポイント(1) 個々の課題A→共通課題→個々の課題Bの順で設定させる
 共通課題は、子ども一人一人の追求課題を設定したり、その後の追求活動を吟味したりする際の規準となります。「ハートホームのお年寄りと交流しよう」と子どもたちに投げかけて単元がスタートし、最初の訪問時には、遊びや会話を中心とした交流活動をすることに決まりました。そして「訪問先では、どんなことをめあてにしますか。」と発問しました。すると、・お年寄りの話をよく聴く ・礼儀正しくする ・困っていたら手助けをする ・仲良くなる ・自分たちとの交流を楽しんでもらう 等の個々の課題Aがあげられました。まだ体験活動をしていない子どもたちですが、これくらいは挙げられます。どれも大切なめあてですが、ここで次のように発問をしました。
この中で一番大切なめあてはどれですか?
 話し合いの結果、「お年寄りと仲良くなること」になりました。これが、この段階での共通課題です。なぜなら、他のめあては「仲良くなること」のために行うべきものであると結論付けられたからです。そして、活動のゴールが見えた子どもたちは、課題Aの中から今の自分に必要だと思われる個々の課題Bを選択し、1回目の訪問時にすることの具体を決め、準備に取り掛かりました。
ポイント(2)活動後に振り返りをさせ、共通課題を修正させていく
共通課題は、単元が進むにつれて修正する必要が生じる場合があります。なぜなら、対象と繰り返しかかわっていくと、個々の課題が明確になり、共通課題とのずれが生じる場合があるからです。本単元では1回目の訪問後に、自分たちの活動の問題点や改善案について話し合いました。その一部が下の写真です。たくさんの意見が出された後、一人の子どもが次のように発言しました。
6年1組のめあては、このままでよいですか?
 この発言をきっかけにして、お年寄りと仲良くなるだけではなく、「お年寄りの役に立つ」ことの必要性が話し合われて共通課題として設定されました。それに伴って、個々の課題も修正・決定されていきました。子どもからの発言がなかった場合は、教師が投げかける必要のある言葉です。
ポイント(3)具体的場面を例に挙げた個々の課題を少なめに設定させる
 この指示により、最初「会話を弾ませる」と書いてあったFさんの課題は、「目線を合わせて聴く」や「お年寄りとの距離を近くする」という具体的な項目が付け加わりました。このように具体的な課題を設定しておくと、実際に行動しやすくなり、自己評価もしやすくなります。また、この自分の課題を書いたカードを仲間に渡しておくと、相互評価が適切になされます。友達への他の気づきは、自由記述欄に書きます。なお、課題は欲張らずに、2〜3個ぐらいの少なめに設定しておくと、自己・相互評価が適切にでき、達成感を味わいやすくなるでしょう。
ポイント(4)みんなで互いの考えを吟味させるよさを味わわせる
 自他の考えを比較すると、自分にとって本当に必要な課題の存在や解決の見通しに気づきやすくなります。「無自覚から自覚へ」とよく言われます。そのときに、自己・相互・他者評価カードや、子どもたちの活動の様子を写した写真等があると、さらに有効な気づきを引き出すことができます。話し合い活動の最後には、次のように発問し、「○さんの意見から、私も〜してみようと思った」等の言葉を引き出し、価値付けると、みんなで吟味し合うことの大切さをさらに共有できるでしょう。
 今日の授業を通して、新たに見えてきたことはどんなことですか?
 
(4)kyositu.comニュース【小学校教育総合情報誌】★教育情報号★2003-12-01<MON> [vol.490]
┃2┃【連載】答申に関連する各種調査結果や資料等の解説(第3回)
  〜学習指導要領の「基準性」を踏まえた指導と評価について〜
            @文部科学省初等中等教育局教育課程課 教育課程企画室企画係
 前回は、子どもたちの学力の状況などについて説明しました。
 第3回は、学習指導要領の「基準性」を踏まえた指導と評価について、説明したいと思います。
 文部科学省が行った「学校教育に関する意識調査」(平成15年)によれば、新学習指導要領の下での子どもたちの学校の授業の理解度は、平成10年(旧学習指導要領)に比べて上昇傾向にあり、いわゆる「7・5・3」と呼ばれる現象に変化が見られます。特に、中学校2年生では、学校の授業が「よくわかる」「だいたいわかる」としている生徒が平成10年と比べて約8%上昇し、50%を超える一方で、「わからないことが多い」「ほとんどわからない」という子どもが約20%から約12%に減少するなど、授業の理解度の状況に改善が見られます。
 しかしながら、依然として、中学校2年生で約1割強の子どもが「わかならいことが多い」「ほとんどわからない」と回答するなどの課題もみられます。
○ 学校の授業の理解度
「特集」にもあるとおり(転載者注;転載元の「教育課程部会事務局だより」第3号の特集です)、新学習指導要領では教育内容の厳選が行われるとともに、少人数指導を進めるための教職員配置の改善が進んでおり、学校の裁量により学習指導要領に示されていない内容を創意工夫して指導する余地が増しています。このため、各学校では、学習指導要領の「基準性」を踏まえ、教育課程や指導方法を創意工夫し、教えるべき内容、考えさせるべき内容を十分吟味することにより、子どもにとって「わかる授業」を実現することがこれまで以上に求められています。
 しかしながら、これまで学習指導要領の「基準性」の趣旨について周知が不十分であった面もあり、新学習指導要領の下においても、各学校では、学習指導要領の「基準性」の趣旨を踏まえた指導が適切になされているとは言えない状況にありました。
○ 学習指導要領の「基準性」の一層の明確化に係る課題について
 今回の答申を踏まえ、各学校や各教育委員会においては、来年度に向けて、研修会等を通じて「基準性」の趣旨について改めて共通理解を持ち、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開し、個性を生かす教育の充実に努めていただきたいと思います。
 なお、学校において学習指導要領に示されていない内容を加えて指導した場合の評価について、答申では触れていないので、解説したいと思います。
 新学習指導要領の下で、児童生徒の学習状況の評価については、目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)をより重視することとなっています。つまり、その子が集団の中でどのような位置にいるかという視点からの評価ではなく、目標をどれだけ達成したかという視点から評価を行おうということなのです。
 そして、小学校での学習や中学校の必修教科での学習を評価する際の目標は、学習指導要領に示されている各教科の目標となっています。このことは、学習指導要領に示されいない内容を加えて指導した場合にも変わりません。
 もちろん、学習指導要領に示されていない内容の学習を評価しないということではないのですが、その際も、あくまでも学習指導要領に示す目標に照らして学習の実現状況を評価しなければならないと言うことです。ですから、学習指導要領に示されていない内容に取り組まなければ高い評定(小学校における「3」や中学校における「5」)が与えられない、ということではないのです。
 一方、中学校の選択教科での学習を評価する際の目標は、選択教科の特性を考慮して学校が設定した目標とされています。したがって、選択教科においては、コースごとに目標や内容が異なるのであれば、設定したコースごとの目標に照らして評価を行う必要があると言えます。
 文部科学省としても、今後、機会あるごとに「基準性」の趣旨を説明していきたいと考えています。また、学習指導要領総則の「基準性」に関する規定等をより分かりやすく示すため、早急に学習指導要領の一部改正を行うべく現在準備を進めているところです。したがって、今回の一部改正の内容は従来の「基準性」の考え方を転換するものではありません。
○ 学習指導要領のパブリックコメントの内容
 
【ワールド・ウォッチ】ブラジル  ブラジルの教育制度とマナオス日本人学校
□□陸の孤島
 アマゾナス州の州都マナオス市は、周囲をジャングルに囲まれた「陸の孤島」である。人口は150万人とも200万人ともいわれている。市外に出るおもな交通手段は、飛行機か船である。マナオス港には、常時2〜3万トン級の船が出入りしている。
 気候は高温多湿の熱帯雨林気候に属する。平均気温27度、平均湿度82パーセント(夜間100パーセントも珍しくない)。年によって異なるが、雨季(12月〜5月)と乾季(6月〜11月)でアマゾン河の水位は約10m以上違う。いままでの最高差は13.64メートル。町全体がゾーナ・フランカ(自由貿易地区)である。世界中から企業が集まり工業団地を形成している。環境問題、衛生に関する市民の関心度は低い。
□□ブラジルの教育制度
・幼稚園〈6歳まで〉
・第1課程〈7〜14歳、義務教育〉
・第2課程〈日本の高等学校、3〜4年制〉 選抜試験によって入学許可される。
・第3課程〈大学、4〜6年制〉 進学率は10%程度。
・第4課程〈大学院〉 修士課程と博士課程がある。
 ブラジルでは、施設・設備の不備、教員の不足等から、午前・午後・夜間の3部制をとっている学校が多い。学期は2学期制で、新年度は2月から始まる。週5日制。進級については、義務教育段階から厳しく、出席日数不足や学力が基準点に達しないと落第となる。
□□国際感覚を持った子供の育成を目指して
 マナオス日本人学校の運動会では日本企業の駐在員や現地従業員、日系人、現地の子どもたちが多数参加する。学習発表会では、近隣の現地校や市内または市外で日本語を学んでいる子どもたちも参加する。体験学習では、大自然アマゾンのなか、1泊2日でさまざまな体験をする。
 少人数複式のため、児童生徒は縦割りで学習したり、遊んだりしている。そこで自然に助け合ったり、相手を思いやったりする心が育っている。また人前で、しっかりと話のできる児童生徒の育成をはかるため、年間を通して毎週3回ずつ全校朝の会で「1分間スピーチ」を行っている。
 文化コースを併設しており、市内に住む10人の日系の子どもたちが通学している。午前中のみ在校し、日本語を中心に学び、午後から現地校に通学している。児童生徒たちにとっては、共に生活することを通して、生活習慣、文化、宗教観、価値観等の違いを「違い」として理解し合い、互いを尊重しながら「共に生きる」ことの大切さを学ぶ、よい機会となっている。
□□児童生徒数●小=23人●中=11人●日本語=10人
【マナオス日本人学校】http://www.argo.com.br/~ass-japao/ 
             (海外子女教育振興財団発行『海外子女教育』より)

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp