メールマガジン(MM)は有益情報の宝庫。うまく活用したい。
(1)英語教育・国際理解に役立つ情報マガジン
内容は豊富で、NO.19 2003・12・10 の内容は以下のものです。 月1回(第2水曜日)発行
___TOPIC 英語の授業をサポートします!
___Monthly Pickup NEWS 11月8日〜12月4日編
《留学生受け入れ数−過去最多》文部科学省
《教育用ソフト・コンテンツ募集》文部科学省
《編集スタッフも高校生!高校生版英語メルマガ発行へ》群馬県高崎市
《真の国際人育成「グローバルコミュニケーション科」設置へ》群馬県伊勢崎市
《「幼・小・中英会話教育特区」構想第4次申請へ》茨城県水戸市
《高校英語教諭46%がTOEIC受験に意欲》(財)国際ビジネスコミュニケーション協会
《日本政府の成績はD!》Global Campaign for Education
《東京の中学生テレビ視聴率はソウルの2倍 比較調査》ベネッセ教育研究所
《アフリカの孤児達の危機−新レポート発表》ユニセフ本部
《学校の権限増加−悪質・怠惰な生徒との戦い》英国政府
《「びっくり英語」探検隊員募集中!》日本英語交流連盟/エイゴタウン・ドット・コム
《Hey, It's Me! Send Money!》REUTERS
《冬休みの映画 "In This World"》
___COLUMN 「表現力を高める授業(3)英語の発想で書く」
『英語で読み聞かせ せかいのおはなし 1・2』
『基礎学力をつける英語の授業』 その他
(2)■■■・・kyositu.comニュース【小学校教育総合情報誌】・・■■■
★教育実践号★ .....2003-12-8<MON> [vol.492].... http://www.kyositu.com/ より
┃3┃話し方指導の基礎・基本 <その1> 野口芳宏@麗澤大学非常勤講師
一、話し言葉指導の原則
1、国語学力の基底
人間が生まれてから最初に行う言語活動は、「聞くこと」です。
「聞く」ということから言語活動は展開する。おびただしい数の言葉を聞いて、覚えて、やがてまねしてしゃべれるようになる。音声言語活動が5、6年あり、それから文字に興味をもち、「読む活動」が始まる。読んで読んでいるうちに、「書く」ようになる。読むと書くは、ともに文字言語による活動です。
知識を身につける活動は、「聞く」ことがほとんどです。よく聞ける人は、学力がついていくのです。
「きく、話す」活動はとても大切で、この二つの領域は、わかれていません。
前の指導要領では、「はなす」、「きく」が、それぞれ「表現」と「理解」で別々に分かれていました。文字言語では、読めるけど書くのが苦手というように、二つの活動が別々の学力ととらえるけれども「話す・聞く」は常に同時に展開します。
読めれば書けるかと言うと違う。小説や新聞を読む人はたくさんいるが、それらが書ける人は少ない。
「書く」が言語活動の最高のレベルです。国語学力の総決算は、「書く」ということです。
【横須賀市立鴨居小学校校内研修会での講話より(小)】
┃4┃<聞き方の技術>パフォーマンスをそえて聞く 家本 芳郎@全国教育文化研究所
子どもが昨日の地域少年野球大会の試合の様子を話してくれた。選手として出場したその子どもは、よほど嬉しいことがあったのだろう。眼を輝かせ、紅潮して話してくれた。
「……それで、ぼくね。頭からすべりこんだの」
「頭から! やったなあ。それで?」
「セーフ!」
「やったじゃ!」
わたしも興奮して思わず、にぎりこぶしで机を叩いてしまった。
子どもの話にはいろいろある。うれしい話、こわい話、おもしろい話。そういう話を子どもが興奮して話してくれたら、聞くほうも、身を乗りだし、高揚した気分で聞く。そして、最高に盛り上がったところでは、パフォーマンスをそえて聞く。
わたしは右拳で机を叩いたが、ガッツポーズでもいい、手を打ってもいい。腹をかかえて、ひっくり返ってもいい。身体表現をそえて聞く。
あるテレビ番組、たしか「新婚さん、いらっしゃい」だったと思うが、落語家の桂三枝が、ゲストの話を聞いて、ずっこけて椅子から転落するシーンがある。そのずっこけパフォーマンスが、その番組の「うり」になっている。「あきれた話だが、おもしろく愉快な話だった」と、これは評価しているのである。
教師はそこまでやる必要はないだろうが、いっしょうけんめい話をしてくれた子どもに、言葉では表現できない気持ちをゼスチャーによって伝えるのである。それは、「先生は感動した」「おもしろい話をきかせてくれて、ありがとう」という感謝の評価を子どもに伝えるという意味をもっている。
これから、子どもの話は、言葉と身体表現によって聞く、つまり、全身で聞いてほしいものだ。そういう教師に子どもたちは寄り集まってきて「聞いて、聞いて」とせがむようになる。子どもがどれだけ教師に近寄ってくるか、その頻数は教師の力量のひとつのパロメーターである。
【MM『教育実践ノート』197号より転載】(つ)
(3)教育MM「教師の“知恵”ぶくろ」2003年12月3日 No53
.【総合】◆総合的な学習の時間で「課題設定の能力」は、こう獲得させる
吉田 衆一@山口市立興進小学校
今実践中の単元「お年寄りと交流しよう〜大好きなお年よりのために、今私にできる福祉活動〜」を通して、「課題設定能力の獲得のさせ方」についてお話していきます。対象児童は6年生35人です。
4つのポイントを考えてみました。
ポイント(1) 個々の課題A→共通課題→個々の課題Bの順で設定させる
共通課題は、子ども一人一人の追求課題を設定したり、その後の追求活動を吟味したりする際の規準となります。「ハートホームのお年寄りと交流しよう」と子どもたちに投げかけて単元がスタートし、最初の訪問時には、遊びや会話を中心とした交流活動をすることに決まりました。そして「訪問先では、どんなことをめあてにしますか。」と発問しました。すると、・お年寄りの話をよく聴く ・礼儀正しくする ・困っていたら手助けをする ・仲良くなる ・自分たちとの交流を楽しんでもらう 等の個々の課題Aがあげられました。まだ体験活動をしていない子どもたちですが、これくらいは挙げられます。どれも大切なめあてですが、ここで次のように発問をしました。
この中で一番大切なめあてはどれですか?
話し合いの結果、「お年寄りと仲良くなること」になりました。これが、この段階での共通課題です。なぜなら、他のめあては「仲良くなること」のために行うべきものであると結論付けられたからです。そして、活動のゴールが見えた子どもたちは、課題Aの中から今の自分に必要だと思われる個々の課題Bを選択し、1回目の訪問時にすることの具体を決め、準備に取り掛かりました。
ポイント(2)活動後に振り返りをさせ、共通課題を修正させていく
共通課題は、単元が進むにつれて修正する必要が生じる場合があります。なぜなら、対象と繰り返しかかわっていくと、個々の課題が明確になり、共通課題とのずれが生じる場合があるからです。本単元では1回目の訪問後に、自分たちの活動の問題点や改善案について話し合いました。その一部が下の写真です。たくさんの意見が出された後、一人の子どもが次のように発言しました。
6年1組のめあては、このままでよいですか?
この発言をきっかけにして、お年寄りと仲良くなるだけではなく、「お年寄りの役に立つ」ことの必要性が話し合われて共通課題として設定されました。それに伴って、個々の課題も修正・決定されていきました。子どもからの発言がなかった場合は、教師が投げかける必要のある言葉です。
ポイント(3)具体的場面を例に挙げた個々の課題を少なめに設定させる
この指示により、最初「会話を弾ませる」と書いてあったFさんの課題は、「目線を合わせて聴く」や「お年寄りとの距離を近くする」という具体的な項目が付け加わりました。このように具体的な課題を設定しておくと、実際に行動しやすくなり、自己評価もしやすくなります。また、この自分の課題を書いたカードを仲間に渡しておくと、相互評価が適切になされます。友達への他の気づきは、自由記述欄に書きます。なお、課題は欲張らずに、2〜3個ぐらいの少なめに設定しておくと、自己・相互評価が適切にでき、達成感を味わいやすくなるでしょう。
ポイント(4)みんなで互いの考えを吟味させるよさを味わわせる
自他の考えを比較すると、自分にとって本当に必要な課題の存在や解決の見通しに気づきやすくなります。「無自覚から自覚へ」とよく言われます。そのときに、自己・相互・他者評価カードや、子どもたちの活動の様子を写した写真等があると、さらに有効な気づきを引き出すことができます。話し合い活動の最後には、次のように発問し、「○さんの意見から、私も〜してみようと思った」等の言葉を引き出し、価値付けると、みんなで吟味し合うことの大切さをさらに共有できるでしょう。
今日の授業を通して、新たに見えてきたことはどんなことですか?
(4)kyositu.comニュース【小学校教育総合情報誌】★教育情報号★2003-12-01<MON> [vol.490]
┃2┃【連載】答申に関連する各種調査結果や資料等の解説(第3回)
〜学習指導要領の「基準性」を踏まえた指導と評価について〜
@文部科学省初等中等教育局教育課程課 教育課程企画室企画係
前回は、子どもたちの学力の状況などについて説明しました。
第3回は、学習指導要領の「基準性」を踏まえた指導と評価について、説明したいと思います。
文部科学省が行った「学校教育に関する意識調査」(平成15年)によれば、新学習指導要領の下での子どもたちの学校の授業の理解度は、平成10年(旧学習指導要領)に比べて上昇傾向にあり、いわゆる「7・5・3」と呼ばれる現象に変化が見られます。特に、中学校2年生では、学校の授業が「よくわかる」「だいたいわかる」としている生徒が平成10年と比べて約8%上昇し、50%を超える一方で、「わからないことが多い」「ほとんどわからない」という子どもが約20%から約12%に減少するなど、授業の理解度の状況に改善が見られます。
しかしながら、依然として、中学校2年生で約1割強の子どもが「わかならいことが多い」「ほとんどわからない」と回答するなどの課題もみられます。
○ 学校の授業の理解度
「特集」にもあるとおり(転載者注;転載元の「教育課程部会事務局だより」第3号の特集です)、新学習指導要領では教育内容の厳選が行われるとともに、少人数指導を進めるための教職員配置の改善が進んでおり、学校の裁量により学習指導要領に示されていない内容を創意工夫して指導する余地が増しています。このため、各学校では、学習指導要領の「基準性」を踏まえ、教育課程や指導方法を創意工夫し、教えるべき内容、考えさせるべき内容を十分吟味することにより、子どもにとって「わかる授業」を実現することがこれまで以上に求められています。
しかしながら、これまで学習指導要領の「基準性」の趣旨について周知が不十分であった面もあり、新学習指導要領の下においても、各学校では、学習指導要領の「基準性」の趣旨を踏まえた指導が適切になされているとは言えない状況にありました。
○ 学習指導要領の「基準性」の一層の明確化に係る課題について
今回の答申を踏まえ、各学校や各教育委員会においては、来年度に向けて、研修会等を通じて「基準性」の趣旨について改めて共通理解を持ち、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開し、個性を生かす教育の充実に努めていただきたいと思います。
なお、学校において学習指導要領に示されていない内容を加えて指導した場合の評価について、答申では触れていないので、解説したいと思います。
新学習指導要領の下で、児童生徒の学習状況の評価については、目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)をより重視することとなっています。つまり、その子が集団の中でどのような位置にいるかという視点からの評価ではなく、目標をどれだけ達成したかという視点から評価を行おうということなのです。
そして、小学校での学習や中学校の必修教科での学習を評価する際の目標は、学習指導要領に示されている各教科の目標となっています。このことは、学習指導要領に示されいない内容を加えて指導した場合にも変わりません。
もちろん、学習指導要領に示されていない内容の学習を評価しないということではないのですが、その際も、あくまでも学習指導要領に示す目標に照らして学習の実現状況を評価しなければならないと言うことです。ですから、学習指導要領に示されていない内容に取り組まなければ高い評定(小学校における「3」や中学校における「5」)が与えられない、ということではないのです。
一方、中学校の選択教科での学習を評価する際の目標は、選択教科の特性を考慮して学校が設定した目標とされています。したがって、選択教科においては、コースごとに目標や内容が異なるのであれば、設定したコースごとの目標に照らして評価を行う必要があると言えます。
文部科学省としても、今後、機会あるごとに「基準性」の趣旨を説明していきたいと考えています。また、学習指導要領総則の「基準性」に関する規定等をより分かりやすく示すため、早急に学習指導要領の一部改正を行うべく現在準備を進めているところです。したがって、今回の一部改正の内容は従来の「基準性」の考え方を転換するものではありません。
○ 学習指導要領のパブリックコメントの内容
7 【ワールド・ウォッチ】ブラジル ブラジルの教育制度とマナオス日本人学校
□□陸の孤島
アマゾナス州の州都マナオス市は、周囲をジャングルに囲まれた「陸の孤島」である。人口は150万人とも200万人ともいわれている。市外に出るおもな交通手段は、飛行機か船である。マナオス港には、常時2〜3万トン級の船が出入りしている。
気候は高温多湿の熱帯雨林気候に属する。平均気温27度、平均湿度82パーセント(夜間100パーセントも珍しくない)。年によって異なるが、雨季(12月〜5月)と乾季(6月〜11月)でアマゾン河の水位は約10m以上違う。いままでの最高差は13.64メートル。町全体がゾーナ・フランカ(自由貿易地区)である。世界中から企業が集まり工業団地を形成している。環境問題、衛生に関する市民の関心度は低い。
□□ブラジルの教育制度
・幼稚園〈6歳まで〉
・第1課程〈7〜14歳、義務教育〉
・第2課程〈日本の高等学校、3〜4年制〉 選抜試験によって入学許可される。
・第3課程〈大学、4〜6年制〉 進学率は10%程度。
・第4課程〈大学院〉 修士課程と博士課程がある。
ブラジルでは、施設・設備の不備、教員の不足等から、午前・午後・夜間の3部制をとっている学校が多い。学期は2学期制で、新年度は2月から始まる。週5日制。進級については、義務教育段階から厳しく、出席日数不足や学力が基準点に達しないと落第となる。
□□国際感覚を持った子供の育成を目指して
マナオス日本人学校の運動会では日本企業の駐在員や現地従業員、日系人、現地の子どもたちが多数参加する。学習発表会では、近隣の現地校や市内または市外で日本語を学んでいる子どもたちも参加する。体験学習では、大自然アマゾンのなか、1泊2日でさまざまな体験をする。
少人数複式のため、児童生徒は縦割りで学習したり、遊んだりしている。そこで自然に助け合ったり、相手を思いやったりする心が育っている。また人前で、しっかりと話のできる児童生徒の育成をはかるため、年間を通して毎週3回ずつ全校朝の会で「1分間スピーチ」を行っている。
文化コースを併設しており、市内に住む10人の日系の子どもたちが通学している。午前中のみ在校し、日本語を中心に学び、午後から現地校に通学している。児童生徒たちにとっては、共に生活することを通して、生活習慣、文化、宗教観、価値観等の違いを「違い」として理解し合い、互いを尊重しながら「共に生きる」ことの大切さを学ぶ、よい機会となっている。
□□児童生徒数●小=23人●中=11人●日本語=10人
(海外子女教育振興財団発行『海外子女教育』より)