第211回 社楽の会報告    第210回へ    第212回へ
                                           
報告者  土 井
2004年6月17日(木)布袋北学供にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井(大口北部中)、早川先生(江南北中)、高橋先生(門弟山小)、斉木先生(犬南中)、浅井先生(五条川小)、織田先生(扶桑中)、野沢先生(柏森小)、勝村先生(楽田小)、奥村先生(岩南小)、天野先生(大西小)、池邑さんの11名でした。

☆ 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

 差別糾弾新聞づくり 続報
ネチケットを教えるサイト

 『指導方法の工夫改善による教育効果に関する比較調査研究』報告書
 便利Web特集
 教育関連情報
  高校入試で世界地理はどう変わったか? その1
メルマガ紹介    

差別糾弾新聞づくり 続報
  3時間完了で完成しました。できはまだまだですが、第1歩にはなりました。 
 
こうした作品づくりには「3回の法則」があると思っています。1回だけでは(やらないよりましですが)だめで、その反省を生かして2回目を行うとぐぃと進歩します。さらに他の作品を見せながら3回目を行うとまだかなり進歩が見られますが、4回目はあまり進歩が見られません。むしろ、後退する例も見られます。限られた時間に行う時には、3回できるような仕掛けが必要だと思います。
 ゲストティーチャーも同様。1回きりの出会いにしないで、計3回で会えるように仕組むと効果的です。ビデオレターなどで予備知識を得て、当日が2回目の出会い、そして事後の感想を伝える場面で再度来校してもらうなど、3回出会うと子どもの印象も深まります。


 ネチケットを教えるサイト
 佐世保の事件以来、ネチケットの指導についての議論が活発になってきました。ネットが事件の原因になったかどうかは別として、ネチケットは大切なこれからの生きる力。指導は当然必要です。
 ここでは、ネチケット指導のサイトを紹介します。
(1)ネット社会の歩き方  http://www.net-walking.net/ 
 定番サイト。指導案等の資料も豊富で、実践例も多い。
(2)滋賀県大津市立平野小学校のサイト。小学生用に作られた全てダミーのページです。
http://www.otsu.ed.jp/hirano/rinri/ 
 これでも十分指導に使えます。料理の仕方は教師次第。
(3)インターネットの落とし穴   宝迫さんのサイト 
http://www.geocities.jp/yossy_work/kyouzai/rinri98/joho_rinri.htm 
このページのトップは
http://www.geocities.jp/yossy_work/kyouzai/index.html 
 これも平野小学校と同様。使い方によっては十分指導できます。
(4)教材ドットコムhttp://www.wmc.gr.jp/security/index.htm#chui 
 仮想体験ができるようになっています。
(5)情報モラル http://moralnet.kashiwa.ed.jp/morals/kids/index.html 
 体系的にうまくまとめてあります。大人版の解説もあり。
(6)情報モラル指導のポイント http://anny.kinjo-u.ac.jp/~ghase/moral/sub01.html 
  学研 NEW教育とコンピュータ の記事と連動した資料のページ。
さすがに良くまとまっています。
(7)ネチケットを教える先生方へ贈る資料集
 「情報モラル(情報倫理)を育む道徳授業〜言葉の重みの実践」では、授業の中でフリーソフトを用いて生徒達が実際に行ったチャットを紹介(ログあり)。少々古い事例だが詳細で大変参考になります。 http://www2t.biglobe.ne.jp/~osone/doc/guidelines/ 
(8)ネチケットってな〜に?!
 掲示板やチャットでは言葉遣いが大切だということをを分かりやすく解説。小学生向けに漢字にはふりがながついている。
 http://www8.org1.com/~coney/ 
(9)インターネット 7つのルール
 小学生向けポータルサイトで、インターネットを安全に利用するための7つのルールを発信。
 インターネットは、必ずお父さんやお母さん、学校の先生の目の届くところで楽しむ。自分の
名前や住所、電話番号、学校名、電子メールのアドレス、パスワードは、聞かれても答えないなど。
 http://kids.goo.ne.jp/info/rule.html 
(10)ネチケット情報  http://www.cgh.ed.jp/netiquette/#doc4 
 大人向けのネチケット情報リンク集。
(11)メールマナー入門 http://km-unet.jp/manner/  
 メールについてクイズを使ってやさしく説明してあります。
(12)インターネットのルールとマナー http://netkun.com/manners/ 
  ドラえもんがわかりやすく説明してくれる。
(13)インターネットのルールやマナー集 http://www.iajapan.org/rule/rule4child/index.html 
  説明は長いが・・・
(14)国民のための情報セキュリティサイト
     http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/security/index.htm 
 総務省のサイト。内容はたいへん豊富。
(15)インターネット学習資料室   http://www.fukui-c.ed.jp/~fec/gakusyu/shiryo/ 
インターネットのルールやマナーなど。
 
 指導方法の工夫改善による教育効果に関する比較調査研究』報告書(国立教育政策研究所)を読む http://www.nier.go.jp/shochu/shido/index.html 
 文部科学省の第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(平成13〜17年度)により全国の各地・学校で実施されている「少人数指導」による授業がどのように教育効果をあげているか,その実態を解明し,今後の改善の方途を得ることを目的とした調査。
 
 便利Web特集
(1)MONO変身図鑑
さまざまに姿を変えるモノから生活の知恵や日本とのつながりを発見する図鑑。バナナ、ヤシの実、
シルク、海草、トウモロコシなど、さまざまなモノの意外な利用法を紹介。例えば、シラカバは、木材としては割りばしのほかに用途があまりなかったが、その樹液からキシリトールが作られる。
 
(2)「総合的な学習の時間」の一層の充実について
 New Educatin Expo2004における講演から 嶋野 道弘 文部科学省主任視学官http://yosidon2.hp.infoseek.co.jp/simano10.htm 
 
(3)道路交通法の一部を改正する法律について【警察庁】
 運転中の携帯電話使用の罰則強化や飲酒検知拒否の罰則引き上げ
 
(4)地理学習用の無料ソフト  http://www.torpedosoftware.com/scrsav.htm 
  GIS(地理情報システム)の普及もあって、最近の地理学習では従来の紙の地図とともにデジタルマップが使われ始めています。デジタル地図は色々な細工を施したり、多くの付加情報が載せられます。紙で導入した地図学習。コンピュータの世界ではさらなる発展を経験させることができるでしょう。また、コンピュータの地図上でクイズやゲーム等を楽しみながら、地理を学習できるソフトもつぎつぎと開発されています。英語サイトですが・・・
 
(5)総務省子供向けパンフレット作成【総務省】
 総務省はこのほど、子ども向けに「電子政府・電子自治体」「市町村合併・三位一体の改革」「インターネット・携帯電話の普及」などを解説したパンフレットを作成した。パンフレットでは、総務省の役割を説明しているほか、管轄する施策などについてわかりやすく解説している。
参照:総務省子供パンフレット【総務省】
 
(6)総合として取り組む「抽象画」の理解・創作e-Learningサイトを作成しました。
 学習スタイルでは、いつでも、どこでも、大人まで、を意識しています。
 
(7)長崎県佐世保市女子児童殺害事件について【文部科学省】
 学校での安全・安心を確保する観点から「児童生徒の問題行動に関するプロジェクトチーム」を省内に設置
 
(8)インターネットで学習しよう  http://academic2.plala.or.jp/edo34s/link4.html 
  小学生用。役立つサイトが多い。
 
(9)「時間」に関するサイト■
 6月10日は「時の記念日」。1920年、生活改善同盟が「日本書紀」の天智天皇の条、水時計創設の記によってこの日を選定しました。時間の大切さをかみしめる日と意義づけられているそうですが、これがなかなか難しい。忙しさにかまけて何もしない。つい、「明日でいいかあ」と先送りにしてしまう……。そんなこと、ありませんか? 時間って、あっという間に過ぎてしまうんですよねえ……。
時計のセイコー。製品紹介、時計資料館など。毎年、時に関するアンケートも実施。
☆ときをまなぼう http://www.kodomo-seiko.com/ 
「時」「時間」について楽しく学ぶことができる子ども向けサイト。ゲームなども。
☆国際機械式クロノ調査報告書 http://www2.odn.ne.jp/%7Ecaf56560/ 
 60・70年代の国産機械式クロノグラフを中心に、国産時計を紹介。時計好きはぜひ!
☆日本標準時グループ http://jjy.nict.go.jp/ 
 情報通信研究機構サイト。日本標準時をつくる・比較する・供給する、の紹介など。
☆山口大学 時間学研究所 http://www.rits.yamaguchi-u.ac.jp/ 
「時間学」は「時間」を「時」として総合的に捉えた学問。ニュースがおもしろい。
☆あらかわ菜美の 時間簿 http://www.jikanbo.com/ 
「忙しい」「時間がない」という人は、時間簿をつけて時間をやりくりしてみては?
 
(10)世界へ贈る本
 心理学・教育関係で現在、かなり話題になっていますので、ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが・・・
 日本語と英語の音声がついており、また、道徳教育にも使用できるようになっています。コピーは自由ということですので、授業などで役立てることも出来るでしょう。
 
 教育関連情報
(1)◆ネット上のやりとり指導を 県教委が校長に緊急要請(山形)
 長崎県佐世保市の小学校で六年生の女児が同級生に切られて死亡した事件で、インタ
ーネット上のやりとりを巡るトラブルが事件につながったとみられていることから、県
教委は三日、村山市で開かれた県連合小学校長会総会で、ネット上のコミュニケーショ
ンの指導に注意を促す緊急要請をした。
◆つくば市教委がネット教育の指導を徹底(茨城)
 長崎県佐世保市の小学校で六年生の女児が同級生にカッターナイフで切り付けられて
死亡した事件で、インターネット上の書き込みが原因である可能性が指摘されているこ
とから、つくば市教委は三日、ネット上のエチケット教育について小中学校五十三校に
改めて指導を求めることを決めた。
☆★☆コメント☆★☆
 今回の事件に対して、マスコミはネット社会の弊害のような書き方が大勢を占めている。相手の「顔が見えない」チャットや掲示板の危うさは認めるが、この場合は区別して考えるべきである。なぜなら加害者と被害者は互いに毎日顔を合わせており「顔が見える」という点である。そうなると、ネットと言うよりも人間関係の問題だ。
 人間関係のトラブルはよくあること。子どもでも、大人でも、避けることは簡単なことではない。 むしろ、あって当たり前ととらえ、その時にどうするかを考えた方がより現実的。
 今回の事件では、視点を変えて、トラブルがなぜ殺人に発展したという点に着目したい。
 
(2)少子化社会対策大綱を決定(内閣府)
 政府は6月4日、「少子化社会対策大綱」を閣議決定した。大綱は、(若者の)自立への希望と力、(子育ての)不安と障壁の除去、子育ての新たな支え合いと連帯ーの3つの視点に、内閣が一体となって少子化の流れを変える取り組みを掲げている。
参照:少子化社会対策大綱(平成16年6月4日閣議決定)【内閣府】
☆★☆コメント☆★☆
 この大綱の中で、「重点課題に取り組むための28の行動」が述べられている。タイトルだけ紹介したい。
〔若者の自立とたくましい子どもの育ち〕
(1)若者の就労支援に取り組む
(2)奨学金の充実を図る
(3)体験を通じ豊かな人間性を育成する
(4)子どもの学びを支援する
〔仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し〕
(5)企業等におけるもう一段の取組を推進する
(6)育児休業制度等についての取組を推進する
(7)男性の子育て参加促進のための父親プログラム等を普及する
(8)労働時間の短縮等仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた環境整備を図る
(9)妊娠・出産しても安心して働き続けられる職場環境の整備を進める
(10)再就職等を促進する
〔生命の大切さ、家庭の役割等についての理解〕
(11)乳幼児とふれあう機会の充実等を図る
(12)生命の大切さ、家庭の役割等についての理解を進める
(13)安心して子どもを生み、育てることができる社会の形成についての理解を進める
〔子育ての新たな支え合いと連帯〕
(地域における子育て支援)
(14)就学前の児童の教育・保育を充実する
(15)放課後対策を充実する
(16)地域における子育て支援の拠点等の整備及び機能の充実を図る
(17)家庭教育の支援に取り組む
(18)地域住民の力の活用、民間団体の支援、世代間交流を促進する
(19)児童虐待防止対策を推進する
(20)特に支援を必要とする家庭の子育て支援を推進する
(21)行政サービスの一元化を推進する
(子どもの健康の支援)
(22)小児医療体制を充実する
(23)子どもの健康を支援する
(妊娠・出産の支援)
(24)妊娠・出産の支援体制、周産期医療体制を充実する
(25)不妊治療への支援等に取り組む
(子育てのための安心、安全な環境)
(26)良質な住宅・居住環境の確保を図る
(27)子育てバリアフリーなどを推進する
(経済的負担の軽減)
(28)児童手当の充実を図り、税制の在り方の検討を深める・・・・
 
 網羅的に述べられているが、直接少子化対策になるものと、その環境づくりになるものがある。
 ポイントは、(9)(14)(28)であろう。
 今、働いている世代は、いずれは今の子ども、さらにこれから生まれてくる子どもに支えてもらうことになる。であるならば、今の子ども、これから生まれてくる子どもを支えるのも、働いている世代の役割である。子どもを支えるとは、親を支えることである。その方法として、(9)(14)(28)は不可欠である。
 こうした大綱には、子どもは「社会の宝」であることを、何より前面に出してほしいと願う。
 
 高校入試で世界地理はどう変わったか? その1
 指導要領が変わって、世界地理の扱いは網羅的から、一部重点型に変わった。その趣旨はわかるが、教科書によって、さらには学校、社会科教師によって扱う国が異なるのは高校入試の問題の作成者にはたまらない。
 この春行われた問題はどうだったのか、検証したい。
 
1 北海道
 世界の大まかな地形、雨音図の作成、雨音図から地域を選ぶ、人口構成グラフの読み取り、人口構成からボリビアを選ぶ
 → 細かな知識は不要だが、地形や雨音図から温帯がわかる、多産地域がわかるなどの大まかなとらえが必要。
 
2 青森県
 コートジボワールをネタに、赤道や本初子午線、東西南北、統計資料などの基礎的な知識を問う。
資料の読み取り、プランテーション、雨音図から季候名(熱帯)を書く。スイス、ブラジル、イギリス、フランス、オーストラリアから一つ選択し、人口密度を計算し、貿易相手国を選ぶ。
 → 知らなくても基礎的知識と思考力があればわかる問題。よく考えてある。 
 
3 岩手県
 白夜、時差。スペイン、ドイツを地図から選び記号で書かせるもの。EUの説明を選ぶ。帯グラフの作図。
 → 白夜、EU、スペイン・ドイツの場所など、基礎的ではあるが知らないとできない。
 
4 宮城県
 日本の人口からタイの人口を割り出す、統計表の作図、季節風(モンスーン)と書く、タイの宗教を写真から選ぶ(イスラム教、キリスト教、ヒンズー教徒の比較)、人口集中の原因を資料から読み取る、都市問題の写真を考える。
 → 基礎的な知識と思考力が必要。
 
5 秋田県
 北緯 を書かせる。時差(岩手と同じ)最も時差の大きい国を選ぶもの。同じ経度の国(ロシア、オーストラリア)、大陸の大きさ、産業別就業人口の割合の計算と日本と割合がにている国を選ぶ(スペイン)、国について調べる視点で自然環境の視点(地形など)を書く
 → スペインなど難解なもののある。陸地の面積も迷うだろう。思考力がないと解けない。
 
6 山形県
 谷川俊太郎の詩からカムチャッカの国名を書くもの、ローマから見た日本の8方位、ローマとニューヨークの時差の計算、雨音図を見てメキシコシティの季候の特色を説明、北半球・南半球にまたがる大陸名を書く。
 メキシコとイタリアの選択問題。グラフの読み取り、資料からの読み取り問題。
 → 8方位は意外だ。時差の計算もよく出る。資料の読み取り、説明も慣れていないとできない。
 
7 福島県
 環太平洋造山帯と書く。乾燥帯の説明、時差より経度を求める、日付変更線の説明、輸入上位4カ国から石炭を答える、資料の読み取り、ASEANを書く
 → 時差から逆に経度を求めるなど工夫が見られる。乾燥帯も地図からの読み取りはアフリカ・西アジアがないだけに難しい。
 
8 茨城県
 正距方位図の読み取り(青森、山形に続いて3県め)、インドネシア・オーストラリア・中国・韓国の輸入品から国名を当てるもの
 → 後半は国の固有情報がなければ解けないもの。こうした問題は昨年までに比べて減っている。
 
9 栃木県 
 環太平洋造山帯(2県目)、時差と季節から都市を選ぶ(時差は5県目)、年齢構成表から人口ピラミッドを選ぶ、グラフから読み取り説明するもの2題
 → グラフを読み取り説明するものが多い。
 
10 群馬県
 正距方位図(5県目)、時差(6県目)、「明子さんは〜」のパターンでアメリカ合衆国の農業の読み取りと説明、人口ベスト10からロシアと日本を当てる、人口ピラミッド(2県目)から日本の70年間の変化を説明する。
 → 問題に工夫が見られる。記述が多く、アメリカの農業で「効率のよい生産」を説明させるものは簡単ではない。
 
12 埼玉県
 「Sさんは〜」のパターンでブラジルを出題。時差(7県目)、貿易の特徴と文書資料・外国人登録者数グラフより読み取り、
 → 文書資料とグラフの両方から読み取るのは珍しい、
 
13 千葉県
 人口と人口ピラミッド(3県目)より国名(エチオピア・日本)を当てる、小説の一部よりその都市を地図から選ぶ、説明文より国の符号を選ぶ
 → 説明文と統計グラフから国を選ぶ問題はけっこう難しい。
 
14 東京都
 バングラディッシュ、スエーデン、カメルーン、アルゼンチンを面積や農産物等の統計資料から割り出すもの。同じく森林面積と説明からバングラディシュを選ぶもの、輸出品目と説明よりスエーデンを選ぶもの。
 → 二つの資料から導き出すもので、簡単ではない。カメルーンがあるなど、当然単純な暗記では解けないようになっている。このように、いっそのこと学習しない国を扱うのは思考力を問うためには適切だ。
 
15 神奈川県
 正距方位図(6県目)で東京から見た方角、大陸名、距離の説明の正しいもの選びで計3問。
 緯線を答えさせるもの、砂漠の写真から地域を選ぶもの、日豪間の貿易のグラフから正しい説明を選ぶもの、沖ノ鳥島・200海里を選ぶもの
 → 記述が2問で残りはすべて記号。その点、愛知県に似ている。問題も単純、簡単で、工夫は見られない。かなりの高得点が予想され、差がつかないおそれがある。
 
16 新潟県
 地図を用い、南アメリカ大陸、インド洋を書かせるもの、タイガの場所・ペルシア湾を選ばせるもの。6カ国の面積・人口・輸出相手国の表から、日本の面積に近い国を選ぶもの、輸出額の計算をさせるもの、EU加盟国について、人口密度の問題
 → インド洋、ペルシア湾、タイガなどの基礎的用語や地名があるほかは、資料の読み取りが中心。比較的平易である。 
 
17 富山県
 地理は日本と世界が混合で、公民とも混ざっている。
 正距方位図(7県目)より最短ルートを尋ねるもの(群馬と全く同じ)。南ア大陸名を答えさせるもの。アフリカの略地図を書かせるもの。主な国の発電割合から原子力を選ばせるもの。環太平洋造山帯と書かせるもの(3県目)。沖ノ鳥島、200海里と書かせるもの(2県目)。統計資料からの作図問題、韓国と日本の穀物生産性の共通点を説明させるもの。
 → 説明問題は簡単ではない。公民ではケニア、マダガスカルが食料不足が改善できない理由を書かせるなど、日常から考え、書く学習をしていないと対応できないだろう。
 
《ここまでのまとめ》
 指導要領改訂後の出題の工夫が読み取れる。出題傾向は明らかに変化した。中学校の現場でも十分その変化を把握する必要があろう。
○ 正距方位図、時差など、世界の地域に特化しない、共通項の出題が増えた。季候も増加している。
赤道の位置を問う問題も相変わらず多い。
○ 生徒にとって初めて見るような工夫された問題が増えたため、単発的知識だけでは難しく、思考力が試される。
○ 東京都のカメルーンの例のように、おそらくどの学校も学習していない地域から出題し、既習事項から類推・応用する問題が増えた。
○ 学校間による知識のばらつきに配慮して、資料を読み取ればだれでも解けるような問題が大幅に増えた。
○ 数カ国の統計資料から国を特定する出題はやや減る傾向にあるが、まだまだ多い。
○ 明子さんは〜 のパターンの出題は依然として増える傾向にある。調べ方とからめて出題されている。
  
 メルマガ紹介
(1)小泉内閣メールマガジン 第143号 ========================== 2004/06/10
[数字でみる日本]● 20.5兆円
 20.5兆円とは、平成16年度の財政投融資計画額です。財政投融資とは、政府が国債の一種である財投債の発行により金融市場から調達した資金などを財源として、国の特別会計や地方公共団体、公庫・公団といった特殊法人などに資金を貸し付け、民間では困難な大規模プロジェクトの実施や、長期資金の供給を可能とするための投融資活動のことです。
 財政投融資によって供給された資金は、高速道路や下水道の整備事業や、奨学金の貸与事業、特別養護老人ホームなどの福祉施設の整備のための融資事業などの分野に活用され、利用者から徴収した利用料などで返済されています。
 これまで、「財政投融資により、特殊法人が肥大化し、官僚の天下りの温床となっている」「特殊法人には市場原理が働かず、多額の債務を抱えている」などの指摘がなされていました。
 そこで、特殊法人などの改革・効率化を図るために、13年度からは、郵便貯金や年金積立金の全額が財政投融資の原資として貸付けに利用される仕組みを改め、特殊法人などの施策に真に必要な資金だけを金融市場から調達す組みへと財政投融資制度は抜本的に改革されました。
 同時に、財政投融資の対象事業の重点化を図った結果、規模の圧縮も進められました。12年度は38.3兆円でしたが、小泉内閣が発足した後の13年度は32.5兆円、14年度は26.8兆円、15年度には23.4兆円と着実に減少し続け、今年度は20.5兆円とさらに減少し、小泉内閣発足前の約半分まで減少しました。
 今月2日、財政投融資の資金が約3.0兆円(今年度)使われている道路関係四公団を民営化する法律が成立しました。民営化される道路関係四公団が、民間の知恵と工夫を存分に発揮して、高速道路を整備し、サービスを向上させつつ、民営化後45年以内に債務を完済することが期待されます。
 今後とも、小泉内閣は「民間にできることは民間に」「地方にできることは地方に」との方針で、郵政三事業の民営化を始めとする「聖域なき改革」を推進し、財政投融資の重点化をさらに進めていきます。
 
(2) ワールド・ニューズ・メール ☆  金曜スペシャル版    [1]海外便り
○国旗に込められた意味(フィリピン)
 フィリピンでは先月、5月28日はナショナル・フラッグ・デー(国旗の日)だった。メーン会場のマニラ市リサール公園では、国軍兵士が巨大な国旗を掲げてパレード。周りの観衆は小さな小旗を振って歓迎した。
 現在のフィリピン国旗は1898年、スペインからの独立戦争を行っていた初代大統領エミリオ・アギナルドが考案した。青は平和、赤は勇気、白は純粋、白い部分の正三角形は平等、3つの星はルソン、ビサヤ、ミンダナオの象徴、太陽は自由、八筋の光線は独立戦争で戦った8つの州を表している。
 そのためフィリピン人の国旗に対する意識は強い。小学校1年の「マカバヤン(愛国精神)」の授業で国旗の意味を教えている。
 例えば、赤が上になっているときは、戦争中を表しているという。朝礼では国旗が掲揚され、国歌斉唱と「忠誠の誓い」を唱和する。日本で以前、小学生に日の丸の意味を聞いてみたところ、赤い丸は梅干しと答えていた子供がいた。日本では最近、このような教育がされていないようだ。
 フィリピンで国家に対する意識が強いのは、やはり植民地支配から独立した歴史があるからだろう。今月12日の独立記念日まで、あちこちで国旗が掲揚され街頭でも国旗が売られている。
 先日タクシーに乗ってラジオ番組を聞いていた。テレビで人気の女性キャスターがリスナーからの質問に答える番組だった。
 番組の途中で外に出ているリポーターと中継がつながった。リポーターが町の様子を伝えていると、突然「国旗が逆さまについています」と伝えた。それを聞いたキャスターは「これは大変です、戦争だ」と叫んだ。
それを聞いたタクシーの運転手が大笑いしていた。今は勘違いを笑って済ませることができる安全な時代だと国民は認識しているようだ。(U)

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp