第292回 社楽の会報告    第291回へ     第293回へ   TOPへ
                                                             
報告者  土 井
 2008年9月18日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
参加者は,土井(岩南中),稲山先生(江西中)、小澤先生(扶東小),鈴木先生(楽田小)、大野先生、高木先生(犬山中)、奥村先生(岩倉南小)、大島先生(草井小)、野沢先生(宮田中)、高橋先生(曽野小)、早川先生(江南北中)、尾関先生(岩倉市教委)、池邑さんの計13名でした。

土井が紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  拙稿紹介
 「校長日記「続社会科こぼれ話シリーズ」より
  自由民主党総裁予備選挙投票用紙
  第50回 指導と評価大学講座 その2
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介

 拙稿紹介
   『心を育てる学級経営10月号』(明治図書)「ものと診断テストから視る教室の規律」
    現物を紹介しました。
 
 
 校長日記「続社会科こぼれ話シリーズ」より
 608号、609号、611号で「石高」について考えました。ここでは608号を紹介します。
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  またまた質問が来ました。
 「江戸時代の何万石の石の意味がよく分かりません。」
 そうですよね。私もよく分かりませんでした。なぜなら、「石」はいろいろな使われ方をするからです。
 「石」の前に、当時の単位がどのようにして決まったかについて知る必要があります。井沢元彦さんの『逆説の日本史』によれば、次のようになります。
【 容 積 】
 日本人が1日に食べるお米の量=3合(昔は3食お米で、肉体労働。しかもおかずは少ないのでお米の消費が多くなります。)
 1年で約1000合=100升=10斗=1石。牛乳パック180本分の容積が1石です。
 すなわち、一人の人間が1年間で食べるお米の量が1石なのです。
【 重 さ 】
 米1合=4両
 米1貫=100両=25合
 米1石=1000合=400貫=150s(米俵2つ半)
 ちなみに、現代人は年間400合のお米を消費します。400合=60s。これは米俵ちょうど1俵分の重さです。
【 面 積 】
 かつては1日に食べる3合が獲れる面積を1坪(畳2畳分 1間×1間 約3.3u)としました。さらに、1年間で食べる米(1000合=1石)が獲れる広さを1反としました。約1000uです。
 現代では、1坪で4倍の12合ほど収穫でき、1反では4石の米(10俵分)を収穫できることになります。場所にもよりますが…。
【 通貨単位 】
 1人が1年間に食べる1石の米代金を1両に決めました。1両は、現在の価値で約10万円になります(17世紀の場合)。すなわち、1石の米代金は10万円です。現在の米の市場価格は1石(150kg)が約4〜8万円ぐらいでしょうか。米によって違いますが…。
 1反の米代収入は10万円=1人あたりの年間米代。
 現在の1反あたり米代収入は約15〜18万円ぐらいでしょうか。場所にも、米にもよりますが…。
☆ いかがですか?驚くべき事に、生活する上でのほとんどの単位は、お米が基準なのです。以前、鎌倉時代の武士は土地がすべてというようなことを書きましたが、それは 土地=米 ということなのです。
 
自由民主党総裁予備選挙投票用紙
   
 自由民主党総裁予備選挙投票用紙
 
 
なかなか見ることができないものなので紹介します。
 

 第50回 指導と評価大学講座 その2


 素晴らしいまとめをされた島原先生に感謝します。 

[1]参加記録   「第50回 指導と評価大学講座」 その8 
 今回は 「日本語は大丈夫か」
                          北原保雄(筑波大学名誉教授)
1「問題な日本語」の氾濫
  「問題な日本語」は私(講演者)の造語(本来は「問題のある日本語」)
    北原氏の著書「問題な日本語」「続:問題な日本語」
  世論調査…学校教育への期待が高い。
  教師…「きちんとした服装」「正しい言葉遣い」→少なくとも「です・ます言葉」
2 日本語ブーム
(1)マスコミの影響
  ・クイズ番組や書籍 
    私も(講演者)クイズ番組に出演したり,著書「問題な日本語」がある。
(2)日本語に興味と関心を持つ人が多い。→このこと自体はよいこと。
3 日本語の「乱れ」の原因
(1)若者の変な言葉の流行
  ・言葉をつくって遊んでいる。
(2)一般の人への広がり
  ・テレビの影響が大…問題な日本語を氾濫させているのはテレビ
  ・朝日新聞の調査
    「どんなとき日本語が乱れていると思うか?」
      若者や子どもの会話を聞いて/テレビを見て…圧倒的多数
    「最大の原因は?」
      テレビ…圧倒的多数
4 「問題な日本語」の代表
(1)朝日新聞の調査より(選択式)
  ・「すぐに直してほしいと思う言葉遣いは?」上位5つ
   「私ってすごく忘れっぽい人じゃないですか」「千円からお預かりします」「私的にはOKです」   「コーヒーの方をお持ちしました」「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」
(2)これらに違和感を持たない人の増加
  ・若い人を中心として
  ・慣れてしまうという危険性…それが正しいと思われるようになる。
5 KY語
(1)KY語は日本語のローマ字略語
  ・KY内閣で有名になった。
(2)新聞の社説にも登場
(3)具体例
  ・IT(アイス食べたい)/KD(携帯電話)/GOT(牛丼大盛りつゆだく)/BM(馬鹿丸出し)
    DD(誰でも大好き)/JK(女子高校生)/3M(マジでもう無理) 
  ・これがすべてわかる人…普通ではない
(4)なぜ流行るか
  ・遠回しに表現できる/周囲から際だたせる(自己アピール)/仲間意識を高める/言葉遊びを楽   しむ/ローマ字で日本語を打つ時代(PCの影響)/略語氾濫の時代/携帯メールやインターネッ   ト/話し相手や機会の減少(コミュニケーション,狭い人間関係)
(5)KY語とのつきあい方
  ・文節末や文末が表記されない…遊びのうちはいいが,度が過ぎると日本語がだめになる。
  ・KYのYは「読める」か「読めない」か?…助詞や助動詞が使われない→文法が消滅
6 気になる新市名…若者ばかりを責められない?!
(1)平成の大合併
  ・仮名の市町村が増えた…ひらがなにする意義があるのか?
    さいたま市・かほく市・あわら市・あきるの市・ひたちなか市・つくばみらい市
  ・日本の市でないような市名
     南アルプス市/南セントレア市(見送り)
  ・指す地域が大きすぎる
     四国中央市/伊豆の国市/太平洋市(見送り)
7 気になる学部名…熟慮し理由があってのことだろうが・・・・。
  ・グローバル・メディア・スタディーズ学部/ホスピタリティ・ツーリズム学部/シティライフ   学部/キャリアデザイン学部/ライフデザイン学部
8 今時の子どもの名前
  ・漢字の持つ意味を理解せず,音だけで名付ける。→当て字
  ・人名用漢字の改正(法制審議会人名用漢字部会)で「糞」「癌」「膿」などの追加案が提示された。
    …国民の不評で削除 → 当然!
  ・同じ人名(例:「稀星」きらら)を受理した(富山市)と再考を促した(立山町)…行政側の差
9 日本語能力検定の動き
  ・日本語ブームによって受験者増加…よい動き
10 「○○力」の氾濫…わけもなく「力」をつけてしまう風潮も危険ではないか?
  ・「鈍感力」…鈍感に「力」はない。力がないから鈍感
11 気になることわざ成句
  ・喝(活)を入れる/怒り心頭に達す(発す)/割れ鍋に閉じ(綴じ)蓋/恨み骨髄に達す(徹す)   /二の舞を踏む(演じる)/万事窮す(休す)/ご他聞(多分)に漏れず
  ・この会場に全問正解できる人が何人いるだろうか?
 
[2]参加記録   「第50回 指導と評価大学講座」 その9 
「これからの教師のリーダーシップ」
    国分康孝(東京成徳大学副学長
           日本カウンセリング学会会長:日本教育カウンセラー協会会長)
1 「これから」の意味
  個性偏重から集団体験(現実原則体験)へ。他との関係の中で生きている。
  世の中は君のものだけのものではない。年長者への接し方,耐性など。
(1)保護者の要望から推論できるもの
  ・ 例:給食費未納,辞める教師,自殺した教師,謝罪しない親
  ・ 推論される問題点…ナーシズムの肥大化
  ・ 対応→他者の見る目で自分を見る。
(2)子どもの育ついい集団とは
  ・ 人間関係がよい集団
  ・ 安心して自己開示できる,被受容できる集団
  ・ 明確なルールがある集団
(3)結論
  ・ グループ体験から現実原則を学ぶ。
  ・ 現実原則…他者の権利を奪わない限りにおいての自由
  ・ ルール…心理的に無理がない,文化的に許容範囲内,納得できるリーダーの存在
2 グループ根酢の原理
(1)自己開示と被受容感
  ・ 教師の自己開示
  ・ 教師のイラショナルビリーフ(特定のビリーフ)からの解放…「〜ねばならない」
  ・ 教師による適切な介入
(2)ルール(集団の規範)…ルールがないと慢性の不安が続く。
  ・ 例:私語,遅刻,あいさつ
  ・ 条件…リーダーの自己主張能力(ルールを守っていくための役割意識)
       「私は教師なんだ」というアイデンティティ
  ・ 意義…メンバーの超自我形成(心の中の錨,刷り込み)/メンバーの安定感(自分は守られ   ている)/グループの凝集性(学習効果を高めるのに必要)
3 リーダーの任務
(1)メンバーが共有するビリーフを提示 → 集団の規範
(2)メンバーの欲求・期待に応える → 集団の凝集性(みんなが先生のこと好き)
  ・ わかって欲しい/味方になって欲しい/依存や畏敬の対象であって欲しい
(3)目標の提示 → 集団の動き
  ・ 目標がなければ,ただのなかよし集団
  ・ 目標設定は集団の問題発見が前提
  ・ 目標設定の3条件→有意義/具体的/達成可能
  ・ リーダーの心意気…プロとしての知識とアイデンティティ
(4)リーダーの役割意識 → 行動の原動力
  ・ 権限と責任の意識
  ・ 失愛恐怖からの脱却…こういうことを言ったら嫌われる,まずいかな〜,首になるかな〜
(5)リフレーミング能力 → 自己肯定感の育成
  ・ 違う意味づけ,新しい価値観
  ・ 複数の価値観にふれる
  ・ リーダーの私的感情の処理
    劣等感情の処理/巻き込まれ感情への対応

 役立ちWeb特集 
(1)鎌倉時代の勉強をしよう ←超おすすめ!
  現代語訳「御成敗式目」など貴重な資料も多いが、何といっても「みんなの広場」は出色!

(2)旗本大名の世界  ←おすすめ!
  大名・旗本の石高と実高について、かなり細かくわかります。
 「大名・旗本の石高(表高)は、軍役の目安に過ぎず実際の取れ高とは異なります。そこで、実際の石高と領地支配の状況を調べてみたくなりました。」とありました。ありがたいですね。

(3)公立学校教員採用試験 各県市別受験者数,採用者数,競争率
 ※H.19年度実施の競争倍率(文科省発表)

(4)情報処理推進機構 ワンクリック不正請求が急増
 『ワンクリック不正請求』に関する相談が3か月連続で最多件数を更新し続け、最悪の状況に。動画を見ようとして、[再生]ボタンなどをクリックした結果、請求書を表示するウィンドウがデスクトップ画面に貼り付いて、削除しても繰り返し表示されてしまうなど。一時期減ったと思いましたが、またまた出没し始めました。今回はウィルスが絡むので深刻です。

(5)コトバ ノ ウチュウ
 独自の自然言語処理技術を活用した、従来にないコンセプトの検索サービスがスタート。トップページでは、ウェブ、ニュース、テレビ等に使われた最新キーワードを自然言語処理により抽出し、独自のスコアリングにより話題性を算出し、スコアの高い順に表示。

(6)INTERNET Watch Googleが独自開発ブラウザ
 Googleが独自に開発したオープンソースブラウザのベータ版をリリース。URL入力と検索ができる「多機能ワンボックス」や、強力なタブ機能、アプリケーションショートカット、シークレットモードなどの特徴を持つ。進化し続けるGoogle。

(7)教師力アップセミナー 土作彰先生  http://school55.net/cgi-bin/kyoushi/kiroku/20/3/index.html 

(8)日本人の平均余命〜厚生労働省   http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2008/08/post_2196.html

(9)9平成21年度文科省初等中等教育局 概算要求

(10)文部科学省、YouTubeに公式チャンネルを開設
 文部科学省は、YouTubeに動画配信チャンネル「文部科学省チャンネル」を開設。日本の省庁では、外務省が洞爺湖サミットの際にYouTubeにチャンネルを開設しているが、常設の公式チャンネルは初
 文部科学省チャンネル   http://jp.youtube.com/mextchannel   

(11)外来語カタカナ用語末尾の長音表記の変更
 マイクロソフトは、外来語カタカナ用語末尾の長音表記について、国語審議会の報告を基に告示された1991年6月28日の内閣告示第二号をベースにしたルールへ原則準拠する方針。コンピューター、プリンター、ブラウザー等に。

(12)「授業と教材」研究部会のサイトをたちあげました。 http://www.jyugyo.jp  今後に期待!
 
6  教育関連情報
(1)「ごんぎつね」をもっと知って 児童に南吉の出前授業(愛知)
 新美南吉の童話「ごんぎつね」を地元の児童によく知ってもらおうと、新美南吉記念館は11日、半田市立乙川東小学校で「なんきち出前授業」を行った。
 「ごんぎつね」は、小学校4年の教科書に採用されている。出前授業は今年度から始めた。この日が初めての授業で、児童約50人が出席した。
 矢口栄館長は、半田市岩滑地区が物語の舞台になっていることや、南吉の生涯をスライド映像や絵本を使用してわかりやすく解説した。児童は熱心にメモを取りながら、説明に聞き入っていた。間瀬俊作君(9)は「南吉が若い時に死んだことなど、いろいろ知ることができた。南吉の生まれた家を見に行ってみたい」と話した。  (2008年9月12日 読売新聞 より)
☆★☆ コメント ☆★☆
 博学連携の一例である。museum-net http://www.museum-net.com/ には、数多くの博物館が紹介されている。これらの有効活用のためには、学芸員に教員を派遣する、またはプロジェクトチームを作ることにつきる。学校の視点と博物館の視点をうまく融合したい。
 
(2)領土問題ゼミ 大学生46人学ぶ(北海道)
 全国の大学生が学ぶ「北方領土ゼミナール」が2日間にわたって、根室市で開かれた。ゼミは、領土返還運動の後継者を育てようと、北方領土問題対策協会(東京)が2001年度から始め、今回が8回目。15都道府県から、初参加の41人と、ゼミに参加経験のある5人が集まった。
 初日は、拓殖大学海外事情研究所の佐瀬昌盛客員教授ら2人から、歴史など基本知識や元島民から体験談を聞き、納沙布岬で北方4島を視察した。
 2日目は、5班に分かれて、「それぞれの地元で、ゼミの成果をどう伝えていくか」をテーマに討議した。(以下略)
☆★☆ コメント ☆★☆
 北朝鮮の拉致問題の露出度に比べて、北方領土が忘れ去られているのではないか。選挙公約も出てこない。竹島も同様であるが、国民がどこまでこだわるかで、第三者は評価している。日本国民として、北方領土はどうしたいのか議論を高める必要がある。
 

 
 MM紹介
(1)常識ぽてち【やや日刊】    ♪2008-09-15(第1209号)
■地雷
(前略)この地雷が今なお、住民を苦しめているのです。カンボジアに行くと足のない人がいっぱいいます。大人に混ざって子供もいます。アンコールワット世界遺産の観光地として有名なカンボジアですが、安全なのは観光地として整備されているところだけです。現地に行くとまずガイドさんに指定した場所以外はやたら歩かないように注意されます。今なお、たくさんの地雷が埋まっているか
らです。
 第二次世界大戦あたりまでは、地雷というと対戦車用が多かったのですが、現代において問題になっている地雷は、対人用の地雷です。この対人用の地雷は人を殺すことを目的としていません。体の一部を吹き飛ばすために埋められた地雷なのです。なぜ殺さないのか?
 対人用の地雷は内戦によく使われますが、敵の行軍を邪魔するために使われるのです。行軍の性格として、交戦で味方が死亡した場合はその場に置いていきます。しかし、地雷で足を吹き飛ばされても命がある場合は、置いて行くことはできません。キャンプへ連れて帰るか、あるいは抱えて進軍するしかありません。つまり敵に「お荷物」を作らせるために地雷を使うのです。
 足を吹き飛ばすだけなので爆発力はそれほど要りません。価格も3ドルほどで作れるといいます。これを飛行機でバラバラと撒きます。撒かれた地雷は半永久的に作動します。防水しようですから泥水に埋まっても作動するのです。
 カンボジアのように大規模な雨季があるところでは、撒かれた地雷が雨水に浸り埋められた形跡を跡形もなく消し去ります。乾季にはそのあたりで子供たちが遊ぶわけです。結果は想像するとおり。
 この非人道的な地雷を撲滅しようといろいろな団体が活動しています。世界の子供たちを助けるため、ここはひとつ注目してみてはいかがでしょう。地雷の除去に必要な費用は、1平方メートルあたり、約100円だとのこと。
 ピースボート地雷廃絶キャンペーン http://www.peaceboat.org/project/jirai/cambodia/index.html 
 ちなみに、地雷で悩む国はカンボジアだけではありません。内戦が続くアフガニスタンやアフリカでも地雷で悩む多くの人がいます。こんなに多いのか、と愕然とするばかりです。
[主な地雷埋設国]
アンゴラ(アフリカ) 約1,500万個      アフガニスタン(中東) 約1,000万個
イラク(中東) 約1,000万個         カンボジア(東南アジア) 約400万〜600万個
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(欧州) 約300万〜600万個
ベトナム(東南アジア) 約350万個      クロアチア(欧州) 約300万個
モザンビーク(アフリカ)約300万個      エリトリア(アフリカ) 約100万個
スーダン(アフリカ) 約100万個       ソマリア(アフリカ) 約100万個
エチオピア(アフリカ) 約50万個      
 
(2)MM小学1880 内山 義朗□2学期第1回自主公開授業  
   正義と勇気を育てる学級&学年集団づくりNO81(2008年9月)
     2学期第1回自主公開授業        道徳教育改革集団鹿児島  内山 義朗
 大ざっぱに分けると「教師の仕事」は、次の三つ。
 一つ目は、教育課程編成。学校における指導・活動の計画作成や討議による計画決定・次に活かす反省や総括。そのための校務分掌上の諸活動。
 学校における年間計画の作成。学校行事を含む授業の計画作成。
 二つ目は、教育課程の実行。主として授業。当然ながら、学校行事も授業。
 三つ目は、局面指導。教育課程には、組み込まれていなくとも、局面によって必要になる指導。
 いずれにせよ、授業は第一の仕事。少なくとも、小中高等学校教員でありながら、授業をしない方はいないはずである。
 当然ながら、授業の腕を上げるには、修行が必要である。勤務校における校内研究会・校外にも開かれた研究会・指定校としての研究公開など、研究授業をして意見をいただく機会がある。しかし、それだけでは少ない。
 そこで、私は、「自主研究授業」「自主公開授業」なるものを勤務校で度々やってきた。「生の授業」「生の子どもの姿」を参観していただいてから意見をいただく・情報交換し合うのは、授業者自身にとって、良い刺激になる。単なる「授業参観」なしの意見交換・情報交換よりかも、見えてくる内容量も多く。
 最近実施した、自主公開授業の指導案を以下に示す。5日前、勤務校の全教職員に配布し「よりければ、御参観・御意見ください。」と伝えた上で実施した授業の案。
 
   第4学年国語科学習指導案   2008年9月8日(月)  1校時
                      4年2組33人    授業者    内山 義朗
1 単元名 調べて発表しよう(題材『「伝え合う」ということ』)
2 単元の目標
(1)『「伝え合う」ということ』の内容を参考に、課題を設定して調べ、知らせたい内容の中心がわかるように話し、大事な内容を正確に聞き取ることができるようにする。
(2)資料「手と心で読む」の内容や組み立てがわかるようにする。
(3)『「伝え合う」ということ』に出てくる新出漢字の読み書きができるようにする。
3 学習計画(全14単位時間)
【第1〜5時】
(1)新出漢字・読み替えの漢字を読み書きできるようにする。
(2)辞書を活用して『「伝え合う」ということ』に出てくる言葉の意味調べをする。
(3)『「伝え合う」ということ』の文章をすらすら音読できるようにする。
【第6〜7時】
(4)資料「手と心で読む」の内容や組み立て方・工夫点を読みとる。
【第8〜10時】
(5)『「伝え合う」ということ』の内容を参考に、各自課題を設定して調べる。そして、知らせたい内容の中心がわかるように発表メモを作成する。
【第11〜13時】
(6)発表会をする。発表会の中で、発表の仕方や内容を検討し合う。
【第14時】
(7)単元テストを通して、学習内容定着度を確認する。終了後、復習する。
4 本時の学習(1/14)
(1)目標
  『「伝え合う」ということ』に出てくる新出及び読み替え漢字の読み書きができるようにする。
(2)実際
  授業者の働きかけ(発問・指示等)         
【1】 漢字の音読。               
○ 2学期漢字スキル1を開きなさい。
○ 左のページ 1〜10を音読しなさい。
・1回ずつ追い読み。 ・3回ずつ追い読み。 ・5つずつ追い読み。 ・1から10まで追い読み。
・列同士交代読み。  ・隣同士交代読み。  ・1から10まで斉読。 ・各自音読4回。
留意点・意図
○ 2学期漢字スキルを全員に配布する。記名の確認。
○ リズムよくテンポよく、変化のある繰り返しと確認をを通して、スムーズに音読できるように進める。
○ 読めていない人がいる時、声に出していない人がいる時は、やり直しを指示。
○ 必要に応じて、姿勢・態度等も指導する。(2学期開始直後なので1学期末より態度が低下しているはずである。)
【2】 漢字の書き方。
○ スキル右のページを御覧なさい。
○ 漢字の空書きをしなさい。
・授業者をお手本に空書き練習。
○ スキルを使って、各自で練習して覚えなさい。
○ 覚えた人は起立。漢字の空書きをしてもらいます。
留意点・意図
○ 空書き指導は、次の手順で行う。
(1)授業者が板書。  (2)授業者の板書を見ながら空書き。 (3)声を揃えて空書き。
○ 各自「指書き」「なぞり書き」「写し書き」の手順で新出漢字を覚えるための練習。右のページが終わったら左のページ(漢字テスト問題10問の練習。)
【3】 漢字テストをする。
○ 漢字テスト1をします。3分間です。
○ 隣同士交換して、答え合わせをしなさい。得点も記入しなさい。 
○ 100点だった人は、提出しなさい。次へ進みなさい。
○ 間違えた字を覚えるまで裏に書いて練習しなさい。
留意点・意図
○ テスト時間3分間。
○ 次の手順で進める。
(1)隣同士交換して答え合わせ。
(2)得点も記入し本人に返却。
(3)100点だった人は提出。
(4)間違えた字だけ練習。
(5)覚えたら次のページへ進む。
【4】 漢字テスト2回目をする。
○ 2回目のテストをします。間違えた問題だけします。答えは、下の四角の中に書きなさい。
【5】 次時の学習内容・方法の予告をする。
○ 次は『「伝え合う」ということ』の音読・言葉の意味調べをします。
留意点・意図
○ テスト時間3分間。
○ 終わったら授業者に見せる。授業者は、目の前で答え合わせして、採点。
○ 間違えた字は覚えるまで裏に練習。覚えたら、次のページに進む。
○「国語辞典の準備」「予習としての音読」をしているかの確認。
5 主張点
(1)国語科単元中に漢字の読み書き練習時間を位置づけよう。
  ・ 漢字の読み書きは、基礎学力であり小学校公教育における最重要教科指導事項。学校でこそすべき指導。学習指導案や授業書の中には漢字指導が単元計画にも本時の展開部分にも触れられていないものも多い。「学力低下が叫ばれる」要因の一つ。
(2)国語科単元中に漢字の読み書き練習時間を確保しよう。
  ・ 教科の学力は、まずは学校でこそつけるべき。学校における授業時間だけで読み書きできるようにすることこそ目標にすべき。
(3)漢字の読み書き練習を家庭任せにしないようにしよう。
  ・ 各家庭には様々な事情がある。それぞれの家庭方針もある。家庭環境も、それぞれ異なる。それらは、家庭により異なる。漢字の読み書き練習の多くを宿題任せにしていたら、大きな学力差となる。
(4)単元導入部に漢字の読み書き練習時間を位置づけよう。
  ・ 教材文活用の「話す・聞く」「読む」「書く」「言語事項理解」の学習においても、漢字の読み書きは必要になる。
(5)効率の上がる練習方法を身に付けさせよう。
  ・ 短時間で早く覚えられた方が、その分、他の多くの学習や活動に時間を使えるのだから当然。
(6)どの子も100点満点がとれるようにしよう。
  ・ 成功体験は必要。


  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp