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報告者  土 井
 2008年10月30日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
参加者は,土井(岩南中)、野口先生(城東中)、稲山先生(江西中)、鈴木先生(楽田小)、大野先生、高木先生(犬山中)、大島先生、森本先生(古知野中)、坪内先生(岩倉中)、天野先生(大口町教委)、小澤先生(扶桑東小)、坪内先生、大藪先生(犬南小)、織田先生(扶桑中)、野沢先生(宮田中)、大島先生(草井小)の計16名でした。

土井が紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  拙稿紹介
 読売教師力アップセミナー2008参加報告
  ヤ行はなぜ「や ゆ よ」?
  年齢はいつ増える?
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介

 拙稿紹介
  校長日記より紹介します。
 原稿依頼のあった拙稿が出版されました。
 与えられたテーマは「中学歴史の新教材の開発ヒント」というものです。
 新指導要領では、これまでの「近現代の日本と世界」から「現代の日本と世界」が独立しました。そこには、「沖縄返還、日中国交正常化、石油危機」などが節目となる歴史的事象として例示されました。
 沖縄返還は昭和47年5月15日に日本に復帰しました。私が中学生の頃でよく覚えていますが、それまで沖縄が「外国」であったとは、今では信じられない気がします。
 日中国交正常化は、同年、日中共同声明の調印式が北京で行われ、田中角栄・周恩来両首相が署名し、日本と中華人民共和国とが国交を結んだ出来事です。同時に、それまで国交のあった中華民国には断交を通告しました。私は当時卓球をやっており、前年1月の卓球世界選手権名古屋大会に中国チームを招聘したことが、アメリカの卓球選手団の訪中と周恩来首相との会見につながり、翌年2月の電撃的なニクソン訪中につながったので強く印象に残っています。ピンポン外交です。パンダが日本に来ましたね。
 石油危機は、翌年(昭和48年)10月の第四次中東戦争をきっかけに原油の値段が上昇したことをきっかけに、日本社会がパニックになりました。このあたりは、8月3日の校長日記−社会科こぼれ話に書きました。私は中学校3年生で、卒業文集の印刷用紙を確保するために奔走したことを覚えています。ひと締め(千枚)だけ確保し、それをクラス全員分として使いました。
 これらが、次回の教科書には登場します。
 私たちの世代が経験してきたことが、歴史学習の対象になるのです。少し複雑な気がしないではありません。
 しかし、新聞やテレビのビデオ、何より聞き取り調査も容易で、調査活動には最適の内容です。楽しい授業ができそうです。この原稿には、@調べたくなる、A調べやすい、B考えたくなる、C討論したくなる、この4点を事前にシミュレーションできれば教材化しやすいということを、事例を挙げて説明しました。
 
 
 読売教師力アップセミナー2008参加報告
  「教師力アップへの道」〜若手・中堅、管理職 何を学ぶ・どう育てる〜
平成20年10月25日
 中京大学名古屋キャンパス
  模擬授業T
小学校算数「若手教師は研究授業から何を学ぶか」
                     一宮市教育委員会 指導主事 長谷川濃里
  模擬授業U
中学校社会「ベテラン教師の授業から何を学ぶか」
                     小牧市立応時中学校教諭 西尾友弘先生
ミニ講演
教師力アップへの道
  愛知教育大学教職員大学 志水 廣
プレゼンがここに紹介されています。
      http://www.schoolweb.ne.jp/weblog/index.php?id=2370003&type=2&category_id=3508 
パネルディスカッション

以上については、後日詳述します。
 ヤ行はなぜ「や ゆ よ」? −校長日記−から紹介します
 いろは歌は、全ての仮名を使って作られている歌で、手習い歌の一つです。「いろはにほへと」は誰でも知っています。
 「『れいろう9月号』(モラロジー研究所)には、「いろは歌」と同じように、47文字のひらがなを1回ずつ使った歌「天地の詞(あめつちのうた)」が紹介されていました。
 
あめつち ほしそら(天地 星空)
やまかは みねたに(山川 峰谷)
くもきり むろこけ(雲霧 室苔)
ひといぬ うへすゑ(人犬 上末)
ゆわさる おふせよ(硫黄猿 生せよ)
えのえを なれゐて(榎の枝を 馴れ居て)
 ※ 最後の行の2つめの「え」はヤ行の「え」
 
 「いろは歌」は47文字ですが、この歌は48文字です。ヤ行の「え」があるからです。
 五十音というからには、おそらく、もともとヤ行には「い」「え」、ワ行には「う」に当たる音が、そしてもしかしたらワ行の「ゐ→為」や「ゑ→恵」のように、該当する文字(漢字)があったのかもしれません。
 ところが、この「天地の詞」が作られた平安初期には、すでにヤ行の「い」、ワ行の「う」がありません。さらに「いろは歌」がつくられたらしい10世紀後半には、ヤ行の「え」が消失しています。おそらく、「天地の詞」と「いろは歌」の間にかな文字が成立したのでしょう。
 かつては、五十音それぞれに異なる発音があったのでしょう。五十音表やかな文字の成立過程に伺われる、おもしろい歌です。
 
いろは歌 http://archive.hp.infoseek.co.jp/iroha.html には、おなじような歌が10数首載っています。
 
 
 
 

 年齢はいつ増える?
 学齢の境は、4月1日と4月2日の境になっています。その根拠を考えてみましょう。

学校教育法第17条 保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初め
ら、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部
に就学させる義務を負う。(後略)
 
 ここで言う、最初の「学年の初め」とは、次の法律により4月1日です。中学校以後も同様です。

学校教育法施行規則
 第五十九条  小学校の学年は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
 
 以上から、「満6歳になった日の翌日以後における最初の学年の4月1日から」小学校に入学することになります。
 それでは、子どもが「満6歳になった日」はいつでしょうか?

年齢計算ニ関スル法律(明治35年12月2日法律第50号)
(1) 年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス
(2) 民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス
 

民法143条(暦による計算)
週,月又ハ年ノ始ヨリ期間ヲ起算セサルトキハ其期間ハ最後ノ週,月又ハ年ニ於テ其起算日ニ応
答スル日ノ前日ヲ以テ満了ス
 
 すなわち、年齢は「出生の日より起算」し、出生日の応答日の前日の満了をもって年齢が増えます。4月生まれの人は、3月31日の満了をもって年齢が増えるのです。
 よって、4月1日生まれの人は、前日の3月31日の深夜12時を迎えた瞬間に年齢を1つ加えるのであり、「満6歳に達した日」はあくまでも「3月31日」を指し、その翌日は4月1日ということになります。
 「満6歳になった日の翌日(4月1日のこと)以後における最初の学年の4月1日から」とは、まさにその日であり、3月生の人と同じ条件になるのです。
 一方、4月2日生まれの人は、4月1日が「満6歳に達した日」であり、「その翌日以後」とは、「4月2日以後」。その最初の学年の4月1日とは、明くる年になるのです。
 
 これに関しては、国会で次のようなやりとりがありました。

平成十四年七月二十五日提出
 質問第一五四号  年齢の計算に関する質問主意書   提出者  平野博文
一 一般常識と法律上の年齢計算の乖離について 1 学校教育法上、今年度より小学校への入学義務のある子どもは、一九九五年四月一日生まれまでが対象となる。「年齢計算ニ関スル法律」に基づき、法律上の満年齢計算では誕生日の前日に年齢を加算するため、このような取扱いになっていることは承知している。
 しかし一般常識からすれば、学年や年度は四月一日にはじまり、翌年三月三十一日に終わるものである。文部科学省は、なぜ、数十年間に渡り一般常識と異なった取扱いを維持しているのか。また、この点についての国民からの苦情や疑問に、どのように回答してきたのか。
 

平成十四年九月十八日受領
  答弁第一五四号
  内閣衆質一五四第一五四号 平成十四年九月十八日    内閣総理大臣 小泉純一郎
 衆議院議長 綿貫民輔 殿
  衆議院議員平野博文君提出年齢の計算に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

一の1について

 子女に対してその心身の発達に応じひとしく教育を施すため、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第二十二条は、子女の保護者は子女の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから当該子女を小学校に就学させる義務を負う旨を定めている。そして、学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第四十四条は、小学校の学年は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わると規定しており、これは、各種の法令上の一般的な年度の定め方と合致している。これらの規定により、例えば、平成十三年四月一日から平成十四年三月三十一日の間に満六歳に達した子女の保護者は、平成十四年四月一日から始まる学年の初めから当該子女を小学校に就学させる義務が生ずることとなるところ、年齢の計算を年齢計算に関する法律に基づいて行うと、右の期間に満六歳に達するのは、平成七年四月二日から平成八年四月一日の間に生まれた者となる。このような法令に従った取扱いについて、「一般常識と異なった」ものであるとの御指摘は、必ずしも当たらないと考える。
 子女の年齢と当該子女を就学させる義務との関係に係る国民からの問い合わせ等に対しては、年齢の計算については年齢計算に関する法律の規定による旨を説明し、御理解をいただいているところである。
 
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~Jusl//TomoLaw/NenreiKokkai.html より

結論:年齢は前日に加算される。
 
 これにより、地方公務員法第28条の2「職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の3月31日までの間において、条例で定める日(以下「定年退職日」という。)に退職する。」
は、4月1日生まれの人も含まれるのです。 
 当然、たとえば平成21年3月31日に選挙の投票日があるとしたら、平成元年4月1日生まれの人までが投票できるのです。また、他の有権者と同じように不在者投票もできますが、ただし、期日前投票はできません。この違いがわかりますか?
参考  http://www5d.biglobe.ne.jp/~Jusl/TomoLaw/NenreiKazoekata.html 
 

 役立ちWeb特集 
役立ちWeb特集
(1)学校におけるカウンセリングを考える会
   名城大学准教授 曽山 和彦先生が中心となって作成している会。資料が豊富。
愛知県学校保健研究大会での講師の先生です。
 
(2)読売新聞−明治創刊号から最新の記事までの新聞紙面データベース
 読売新聞明治創刊号から最新の記事まで、1000万件以上の記事を収録した有料のデータベースサービスが、2009年よりスタート。明治7(1874)年の創刊からの記事をデータベース化し、最新の記事については記事イメージもわかる。しかしかなり高価。
 
(3)「歩行発電」でiPod再生、タービン内蔵靴
 小型の発電機を装着した靴を履いて歩くことで、携帯電話などに必要な電力を供給できる「歩行発電」の試作機を開発発表。今後は高出力化や小型化を進め、2010年にも実用化につなげる。価格は通常の靴に数千円上乗せする程度にするとのこと。
 
(4)平成19年度体力・運動能力調査調査結果統計表
 
(5)無料の年賀はがき
 無料で出せる広告付き年賀はがきが登場。はがきの形態を圧着はがきにしたことで、広告主の情報を中面に掲載。ユーザーは、はがきの宛名面・裏面の両面を自由に使え、切手付なので無料で投函可能。 PC・携帯サイトにて最大160枚申し込み可能。
 
(6)キーボード付きデジタルメモ
 手軽に持ち運べる文庫本サイズの本体に、折りたたみ式のキーボードと4インチの液晶画面を装備したデジタルメモが登場。電源スイッチオンから約2秒で起動し、乾電池による長時間駆動(連続使用20時間)が可能で、メモ感覚で手軽に文章入力の出来る。
 
 
6  教育関連情報
(1)学校選択制:大きな格差、男女比にも偏り…都内28市区
 学区外の小中学校にも通える学校選択制度を巡り、毎日新聞が東京都内28市区の教育委員会を調査したところ、今春の各校の入学率(校区内で住民登録している就学者数に対する入学者数の割合)に、8.1〜326.7%と大きな格差があることが分かった。人気校と不人気校の固定化が進み、区部では新入生が1けたの学校が7校、10人以上20人未満が23校ある。男女の希望者数も偏り、男子が3割未満の中学も出ている。【山本紀子】(中略)
 ◇解説…「ひずみ」冷静に検討を
 学校選択制度のメリットは、学校が学力強化や生徒指導に工夫をこらすようになることだとされる。確かに導入した地域では、保護者や地域も巻き込んで体験重視型の教育を行ったり、進んで情報公開するなど、変化がみられる。
 一方で、選択制は著しいひずみも生んでいる。少人数の学校は「切磋琢磨(せっさたくま)が難しい」と避けられ、「問題児がいる」とうわさがたてば新入生は激減する。いったん生徒が減りだすと部活動も停滞し、人数の回復は難しくなる。校舎が新しいというだけで生徒が集まる学校もあり、「教育内容で選んでほしい」という教育委員会の思惑は空回りしがちだ。
 小規模の中学では、理科の教員が数学を教えたり、陸上の不得手な生徒が区の陸上大会に引っ張り出されるなどの事態も起きている。江東区や品川区は対策として、小規模校に特別の予算を組んでいる。こうした対策も大切だが、選択制の功罪を冷静にとらえ直す時期に来ているのではないか。
               【山本紀子】     毎日新聞 2008年10月22日 2時30分
☆★☆ コメント ☆★☆
 学校選択制は、メリットに比べてデメリットが多すぎる。しかも、そのメリットは他の方法でもクリアできる。そもそも、人口密度が高い地域でしか適用できず、普遍性がない。
 公教育は、公平の原則にたち、差をつけるのではなく、それぞれの良さを引き出すことに力を注ぎたい。
 
(2)小中学生の携帯電話所持を市教委規制、前橋、太田、伊勢崎で。実効性に疑問の声も(群馬)
 インターネットを使った犯罪や、「学校裏サイト」を始めとした掲示板上のいじめが全国的な問題となる中、携帯電話の学校への持ち込みを禁止するだけでなく、所持しないことを保護者に求める教育委員会が県内でも出てきた。前橋市が昨年12月に保護者に呼びかけをし、その後、太田市が続き、伊勢崎市も今月から自粛・禁止を求めている。識者からは「教育現場で携帯電話の危険性が理解され始めた」と評価する声がある一方、保護者らからは、「安全確保のためには必要」との意見も出ている。(岩下亮)(以下略)(2008年10月22日 読売新聞)
☆★☆ コメント ☆★☆
 「携帯電話への学校への持ち込み禁止」は学校教育の範疇であり、規制もあってもよい。
 しかし、所持しないことを保護者に求めるのは、家庭教育、すなわち生涯学習の施策なのか、学校教育の延長として行うのか?要するに学校が関わるのかどうかが気になる。
 個人的には、自粛を要請するなともかく、禁止するのはおかしいと思う。
 
(3)小学校教育の力点 「生活習慣」最多7割 「基礎学力」5ポイント上回る(高知)
 県が9月に実施した世論調査で、小学校教育で最も力を入れるべきことについて尋ねたところ、回答者の71%が「基本的な生活習慣」と答え、「基礎的な学力」(66%)を5ポイント上回っていることがわかった。小中学生の学力低下が問題となっているなか、小学校では<学力以前の能力>アップが求められていることがうかがえ、県教委教育政策課は「早寝早起きや時間を守るなどの習慣は、学力を上げるための前提条件。家庭でも学校でも重視されるようになってきたのでは」としている。
 調査は、県内に住む20歳以上の3000人(無作為抽出)を対象に、郵送方式で実施。回答は1853人(回答率62%)で、10テーマについて51の設問があり、選択肢から選ぶ形(多くが複数回答)で答えてもらった。(以下略)(2008年10月29日 読売新聞)
☆★☆ コメント ☆★☆
 この記事のあとに、中学校教育に「基礎学力」が最多で57%、「生活習慣」は2番目の46%、高校は「自ら考え主体的に判断する力」が43%、「職業教育、進路指導」(37%)の順であったと書かれている。この傾向は、他の調査でもだいたい同じような結果であった。
 マスコミではやたらと学力の高低がクローズアップされているが、一般の人はもっと冷静で、まずは健全育成をと考えているのである。
 
 

 
 MM紹介
(1)ゴールドメール 
 受 験 合 格 へ の 道  ┃
   やってはいけない20のコト
 子どもの勉強環境編
1.机を勉強以外のことにも使っている
2.音楽をかけながら勉強をしている
3.机に向かっている状態で、外の景色が見える
4.夜に勉強するときは机の電気だけでなく、部屋全体を明るくしている
5.朝食は取ったり取らなかったりしている
6.夜、お腹がすいたら夜食を食べている
7.休日は13:00過ぎくらいから勉強をしている
8.夜の方が集中できるといって0:00過ぎまで勉強している
9.一科目あたり90分程度つづけて学習している
10.日によって学習に取り組む時間が違う
11.学校で習ったものは次の日に復習している
12.お風呂に入ってさっぱりしてから学習している
13.本が好きなので、勉強の合間の休憩では本を読んでいる
 子どもとのコミュニケーション編
14.よく「なんで勉強しないの!」と怒っている
15.「このままではまたテストの点数が悪くなるわよ!」と叱ってしまう
16.たわいもない話を振ってきたときは目を合わせず流している
17.叱るときはきまって「勝手にしなさい!」と突き放している
18.良い点数を取ったときには「次はもっといい点数取ろう!」と励ます
19.子供の会話はゆっくりだが、自分は自分のペースで話をしている
20.「○○ちゃんは出来るのに、何であなたは出来ないの!」と比較してしまう
 
(2)メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」第155号2008年10月22日発行
1 若手教師の悩み(その11)           岡山・小学校教諭・教師6年目
2 若手教師の悩み(その12)           岐阜・小学校教諭・教師5年目
3 悩みにお答えします      神奈川・横浜市立中沢小学校 (初任研担当) 野中 信行
1 若手教師の悩み(その11)岡山・小学校教諭・教師6年目
 (前略)しかし,現在の学校に転勤して,公務分掌や対外的な仕事の量がどっと増え,全体に関わる責任のある仕事を驚くほど任せていただけるようになりました。とても喜ばしいことなのですが,教室から職員室に降りてきて,帰宅するまでほとんどの時間は学校全体に関わる仕事をしているという状態です。超小規模校である現任校では,自分だけではなく全職員一人あたりの分掌の数が多いため,自分と同じような状態です。
 恥ずかしい話ですが,校務分掌だけで一日の仕事が終わってしまい,教材研究ができないまま適当にその日の授業をしてしまうことも多々あります。
 しかし,学級の子どもたちはとても素直で頑張りやの子が多く,自分の拙い授業でも一生懸命取り組みます。子どもたちの頑張りに対して自分の教材研究が応えられていないと感じて自己嫌悪におちいることもあります。もっと自分がよい授業ができれば,今任されている子どもたちはもっと力をつけていけるんじゃないか?と思ってしまいます。
 悩んでいることは,「全体の仕事の中でいかに授業作りや学級作りの時間を作り出すか?」ということです。(攻略)
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2 若手教師の悩み(その12)         岐阜・小学校教諭・教師5年目
 今年で教員経験5年目になり、4年生の担任をしています。初任者の頃と比べ、学級づくりに余裕をもって取り組むことができ、子ども達も落ち着いた雰囲気で学習することができています。
 今回、悩み事を相談させていただきたいのは、勤務時間についてです。
 初任の頃は、教材研究にかける時間が多く、夜遅くまで学校にいました。夢中になってやっていたところもあり、充実していました。しかし、体を崩すことも少なくなく、つらかった思いがありました。
 今は、教材研究というよりは、学校の校内分掌にかける時間が多くなりました。初任者ではないので、学年、学校の仕事をすることが今の私の多くの仕事になっています。そのため、初任の頃とは仕事の内容が違ってきていますが、責任が増し、仕事の量も増えてきています。そのため、帰る時間がどうしても遅くなってきています。(後略)
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3 悩みにお答えします   神奈川・横浜市立中沢小学校   (初任研担当) 野中 信行
 「忙しい」「忙しい」というのが、現場教師たちの合言葉です。新学習指導要領の実施により、ますますその度合いは、増していくに違いないと思います。
 相談の二人の先生も、教師6年目と5年目ということで、学校の仕事が降りかかっている様子が伺えます。学校は、初任の1年目は、初任者としての扱いをします。しかし、2年目からは、貴重な戦力としてどんどん学校の仕事を振り当てていきます。パソコンが得意ならば、どんどん仕事が回ってくることを覚悟しなければいけません。
 はっきりしておきたいのは、「忙しさ」はなくならないということです。この二人の先生たちの実力からしても、これから学校の中心メンバーになっていくことははっきりしています。(もうなっているかもしれません)当然、「分刻みの忙しさ」を引き受けていかなくてはいけません。
 問題は、そこからです。ここが若い先生たちの「岐路」なのです。ただただ「忙しさ」に紛れて、その日暮らしをしていくのか、その「忙しさ」を包み込んで、教師としての力量をつけていくのか、その分かれ道にかかっているのです。
 もちろん、ほとんどの人は、後者を選びたいはずです。しかし、現実は、前者になっていきます。なぜか。
 無防備で、その「忙しさ」に向かっていくからです。 
 私は、その無防備さを「仕事術」という考え方で克服してきたように思います。
 「仕事術」について、私は、次の3つを上げています。
 1、時間管理に長けること。
 2、整理整頓能力を身につけること。
 3、システム化した行動を身につけること。
 (くわしい内容については、「困難な現場を生き抜く教師の仕事術」学事出版 を参照してほしい)
 なぜ、「仕事術」なのか、ということについてもう少し説明しておきましょう。
 担任の仕事は、次のようになります。
 (1)授業(2)学級作りの仕事(3)教材研究(4)生徒指導(児童指導)(5)事務作業(成績処理、生活記録、教室環境作り、進路事務、週案づくり、提出文書づくりなど)(6)保護者への対応(授業参観、懇談会、個人面談など)(7)何でも屋の仕事 この仕事の他に、(8)学校の分担仕事が付け加わってきます。
 その日暮らしをする教師は、(1)(2)(3)(4)を後回しにします。(8)の仕事に追われます。ベテランになるほど、そうなります。それではいけないと思ってはいます。しかし、現実はそうなります。
 「仕事術」とは、(1)(2)(3)(4)を主たる仕事にするために、(5)(6)(7)(8)をどのようにすばやく処理していくかについての方法なのです。(具体的には、「学級経営力を高める3・7・30の法則」学事出版 を参照してほしい)
 しかし、これは「教師の仕事」という限られたものです。仕事を離れて、一人の時間を豊かにするということも必要です。結婚したら、夫婦としての時間も、そして子供ができたら、家族としての時間も必要です。それら全てを含めて、バランスのある生き方を目指してほしいと願っております。
☆★☆ コメント ☆★☆
 教師力アップセミナーでもお話しを聞いた野中先生のアドバイス通り、ぜひ力をつけて、「仕事術」を確立していただきたい。
 
8 研究会情報
(1)岐阜市立加納中学校
 平成20年11月1日(土)受付9:00〜
  公開1(9:50〜10:40)、全体会・合唱、公開2(13:00〜13:50)、分科会
 
(2)岐阜市立陽南中学校
 平成20年11月8日(土)受付9:00〜
  公開1(9:30〜10:20)、公開2(10:40〜11:30)、合唱・自治活動
  各教科事前オリ、研究授業、全体発表、分科会 
 


  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp