第297回 社楽の会報告    第296回へ     第298回へ   TOPへ
                                                             
報告者  土 井
 2008年11月27日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
参加者は,土井(岩南中)、高橋先生(曽野小)、奥村先生(岩南小)、野沢先生(宮田中)、鈴木先生(楽田小)、大野先生、高木先生(犬山中)、坪内先生(岩倉中)、天野先生(大口町教委)、早川先生(江北中)、尾関先生(岩倉市教委)の計11名でした。

土井が紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  「社会科教育」2009年度連載企画案
 岩崎中学校研究発表会参加報告
  大日本帝国陸地測量部
  書籍紹介
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介
8 研究会情報

 「社会科教育」2009年度連載企画案
 グラビア見開き2ページ「おもしろ社会科研究雑記帳」 
○ 読者(社会科教師)の役に立つもの。あくまでも教師側の視点で。
○ 教材研究、授業研究など社会科教師としての資質向上につながるグループでの活動を12種 類紹介する。
○ 若い先生が社会科の教材研究を楽しんでやってもらえるような方法を紹介。 
 例えば次のような活動を社楽の会として意図的に実施し、グラビアで紹介する。時折、教材研究をしかした授業場面も挿入したい。
@ 大島先生の模擬授業や川田先生のようなゲスト講師の話、異業種交流などの社楽の会そのものの 活動の紹介
A 明治村の教材化のためのフィールドワーク、明治村での職場体験や「錦絵探偵団」に社会科教師 が参画するなどの相互の連携
B リトルワールドでの「世界の衣・食・住」の下見教材研究の様子。
C 博物館での取材、学芸員の授業への招聘といった博学連携。
D 社会科教師の工場見学。フィールドワークの下見を利用。
E おもしろ店めぐり。骨董屋での錦絵、古本屋での古書、輸入雑貨店での世界の民芸品など教材・ 教具探し。
F 研究指定校の現職教育や岐阜市研修校の分科会への飛び入り参加。
G 岩井先生のチベットや青木先生の上海のような旅行での旅日記報告。
H 中学校定期テスト、小学校社会科テストの検討会。
I 授業で使うワークシート検討会。
J 社会科教師の体験学習。たとえば多色刷り版画、犬山焼、幟洗い、埋蔵文化財発掘など。
K 産業遺産めぐりと教材化の実際。
L 行事(修学旅行・自然教室)の下見で社楽をしよう。
  HとI、AとC、DとKの合体も可。
  
 
 
 岩崎中学校研究発表会参加報告 校長日記より
 ☆★☆ 岩崎中学校研究発表会 ☆★☆
 今日は、小牧市立岩崎中学校で、平成19・20年度文部科学省実践研究事業指定校研究発表会がありました。研究主題は『人間力をはぐくむ教育をめざして』〜素直な心と思いやりを持ち、夢の実現に向けて努力し続ける生徒〜です。
 ここでいう人間力とは、サブテーマにある「素直な心・思いやり・ゆめに向かって努力し続ける」こと
です。これらを、道徳や教科の授業、その他の活動で「かかわり」「ふり返り」の指導を工夫することで育んでいこうという考え方です。
 はじめに、3年生によるすばらしい合唱を披露されました。ただ美しいとか声が出ているというだけでなく、音楽的にも高い表現力でした。
 授業も全クラスまわりましたが、サブテーマにあるように、とても素直で、温かい雰囲気で話し合いをしていました。
 岩崎中は、朝から1日中コの字の体型で過ごすそうです。そして、時々4人グループを作ります。前を向くのはテストぐらいとか…。そのため、意見は先生に対してではなく仲間に言う、そんな関係性が作られているのを感じました。
 聞くところによると、つい数年前には、いわゆる“荒れ”た学校だったそうです。共感的な集団をつくり、学び合いで心の荒れを解決していった手法は、今、南中が取り組んでいることの方向性の正しさを確信させてくれます。
 曽野小学校をはじめ、近隣でも同じような方向性を目指す学校が増えてきました。お互い情報を交換しながら、よいところを取り入れて伸ばしていきたいと思います。

 大日本帝国陸地測量部 校長日記より
 石原先生に、古い岩倉周辺の地図があるというので見せていただきました。
 それがこの写真です。発行日は昭和10年7月30日。昭和7年頃の様子を表しています。昭和7年といえば、満州事変の翌年、五・一五事件のあった年です。
 発行者は「大日本帝国陸地測量部」。これは、日本陸軍参謀本部の外局です。当時は、地図は陸軍が測量・管理していたのです。
 岩倉町の地図を見ると、岩倉駅から「名岐鉄道小牧線」「名岐鉄道犬山線」「名岐鉄道一宮線」に分かれていました。もともと「名岐鉄道一宮線」は、名古屋から岩倉を経由して一宮へ行っていた「本線」で、東海道本線よりも本数も多くにぎわいを見せていました。写真からは、「稲荷駅」、小牧線の「中市場駅」も見ることができます。
 写真中には、現在の名城公園が練兵場であったことがわかります。二重丸の中に★があるのが陸軍第三師団司令部です。現在の東海農政局あたりだと思われます。
写真下は当時の地図記号です。今は「田」の記号も、当時は「乾田・水田・沼田」に区別されていました。また、川には「水深及岸高」が書かれています。これらは、戦車の通行のためです。
 これらの他にも、興味深いことが満載です。
 このあたりのさらに古い地図をお持ちの方。よかったら見せていただけませんか?
 

 書籍紹介
(1)『なるほどなっとくわたしの愛知』愛知県が発行している小学生向け広報誌
   Web版もあります。 http://www.pref.aichi.jp/0000000447.html 
 

 役立ちWeb特集 
(1)PC Watch 受信ユニットを小型化したデジタルペン
 超音波/赤外線方式を採用した小型デジタルペンのシステムが登場。専用ペンで紙に書いた筆跡情報を受信ユニットのメモリに記録し、PCで手書き情報を活用できる。受信ユニットを従来製品の約3分の1に小型化し、携帯性を向上。
 
(2)「本日の給食」を市教委HPに掲載、見附市(新潟)
 見附市教委は、「夕食を準備する前に、その日の給食の献立を写真で知りたい」などという保護者の要望を受け、市教委ホームページ(HP)に「給食ギャラリー“本日の給食”」を開設した。
 
(3)住友スリーエム 手のひらサイズの小型プロジェクター
 手のひらサイズのバッテリ内蔵モバイルプロジェクタが登場。外形寸法115×50×22mmで、160gの軽量ボディ、LED光源を使用し冷却ファン不要の静音設計プロジェクター。入力端子はアナログRGBとコンポジットを備える。8型〜48型の投射が可能。
 
(4)平成19年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について
 
(5)「『ネット上のいじめ』に関する対応マニュアル・事例集(学校・教員向け)(PDF:1,143KB)」
 
6  教育関連情報
(1)児童生徒のトイレ掃除復活へ 横浜市立の全小中高  asahi.com2008年11月19日8時15分
 横浜市立の小中高の全500校で、10年度から児童・生徒によるトイレ掃除が復活する。横浜教育改革会議(座長・安西祐一郎慶応義塾長)の答申を受け、横浜市教育委員会はモデル校10校を選定し、小学3年生以上を対象に12月から実施。09年度を試行期間とし、10年度には特別支援学校を除く全市立学校に広げる考えだ。
 対象となる横浜市内の市立学校は、小学校が346、中学校が145、高校が9の計500校。
 市によると、改革会議は06年3月、公共心・規範意識など豊かな心を育む方策として「学校でのトイレ掃除」を提案。これを受け、市教委は、今年度の方針の一つとして、児童・生徒によるトイレ掃除の実施に踏み切る。
 トイレ掃除について、市教委は「自ら主体的に社会を良くしていこうとする子どもの公共心を育む」し、社会生活に欠かせない法律やルールを守ることの大切さを理解させたいとしている。
 12月からトイレ掃除を復活させる10校のモデル校のうち8校(小学校4校、中学校4校)を、市教委はすでに選び、保護者の理解を得た上で、実施していく方針だ。
 横浜の市立校で、児童・生徒のトイレ掃除が最終的になくなったのは90年代半ばとされる。市教委によると、校舎の建て替えに伴い、タイル張りのトイレが消えていった。そのため、トイレの床掃除に水ではなく薬品を使うようになり、児童・生徒のトイレ掃除がなくなったという。
 今回の方針に対し、現場の教員たちのなかには疑問の声もある。
 ある小学校教諭は「家庭で子どもにトイレ掃除をさせるのが一般的な時代ならともかく、子どもが家でやっていないことを学校で、というのはどうか」と首をかしげる。(以下略)
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 おそらく、全国のほとんどの学校では、「トイレ掃除は児童生徒がやって当たり前」だろう。むしろやらせない根拠を探すことが難しい。
 最後のコメントは特にナンセンス。これを紹介する新聞記者のセンスにもあきれる。
 自戒を込めて述べるなら、そういった世界に浸かってしまうと、周りが見えなくなるのだろう。お互いに気をつけたい。
 
(2)江南・北部中に外務大臣賞(愛知)
 地球環境問題・気候変動が主要なテーマの一つとなった今年7月の北海道洞爺湖サミットを機に、外務省が全国の小中高校を対象に「サミット参加宣言」と名付けて募集した地球に優しいエコ活動で、江南市立北部中学校(小室輝義校長、生徒470人)が、中学校の部最高賞の外務大臣賞を受賞することが決まった。   讀賣新聞より
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 紹介が遅くなりました。おめでとうございました。

 
 MM紹介
(1)常識ぽてち【やや日刊】    ♪2008-07-29(第1197号)
■無断引用お断り、とは?
先日、日経新聞を読んでいたら、こんな「無断引用」の記事がありました。
---引用ここから---
<日本経済新聞>業界紙記事を無断引用 担当者ら処分
 日本経済新聞社が6月16日付朝刊で掲載した広告特集「東京・大手町再開発」の記事の中で、日刊建設通信新聞の記事や表を出所を示さず無断引用していたことが分かった。同社は、15日付で記事を執筆した広告局員と上司を懲戒処分にし、16日に日刊建設通信新聞に謝罪した。(7月17日11時0分配信 毎日新聞)
---引用ここまで---
 これはいうならば「無断引用」ではなく「無断転載」あるいは「盗用」というべき事件でしょう。よく巷のホームページにも「無断引用禁止」などと書かれているのを目にしますが、もともと「引用」は「無断」でするものです。
◆著作権法 第三十二条(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
 
 著作権法にもありますように、引用は著作者に断りなくやっていいけれど満たすべき要件があります。この要件を満たさないと著作権法違反となり、著作権の侵害となります。
 正しい引用の仕方
・引用部分が従であり、自分の文章が主である(主従の関係)
・引用することが必要不可欠(必然性))
・引用は原文のまま使用する(勝手に書き換えない)
・引用元の明示(出典を明らかにする)    (以下略)
 
  常識ぽてち【やや日刊】    ♪2008-11-22(第1222号)
■尿素とは?
 尿素とは「おしっこの元」と書きます。尿素は肥料として一般によく知られますが、最近「手あれ」を防ぐクリームに「尿素入り」と言うのもあり、これって汚くないの?と思ってしまう人も多いことでしょう。
 尿素はその名の通り、尿の中から発見されました。しかし製品としての尿素は尿から作ることはなく、ほとんどが化学合成されています。
 尿は身体の中で利用されたタンパク質などの窒素化合物を分解して老廃物として最終的に排泄する機能を持っています。窒素化合物の老廃物はアンモニアという形で排泄されますが、アンモニアはそのままだと人体に有害なので、安全な尿素をという形に変えて蓄えておきます。
 尿素はアンモニアと炭酸ガスの化合物なので、有機物です。化学肥料なのに有機物というのは尿素くらいではないでしょうか。
 アンモニアは窒素肥料になりますので、尿素は窒素肥料として使われます。同じく窒素肥料として有名なのが硫酸アンモニウム(硫安)です。しかし硫安は畑の土壌を酸性にしてしまうので、最近では中性の尿素肥料が主流になりつつ
あります。
 ちなみに、尿素は腎臓で作られますが、腎臓の強い硬骨類の魚はアンモニアを尿素に変え尿として排泄することができるので、おいしい魚となります。ところが腎臓の弱いサメなどの軟骨魚類やほや等は、アンモニアを尿素に変えてそのまま体に蓄積するので、鮮度が落ちると肉の中の尿素が分解してアンモニア臭くなるのでおいしくありません。
 さて、その尿素入りクリームが、どうして手あれを防ぎ、保湿するのでしょうか?
 尿素は体内に存在する窒素と炭素の化合物。主にタンパク質を分解してこの化合物となるわけですが、肌の角質層もタンパク質でできているため、尿素の働きとしてこの角質層を分解するため肌がツルツルになったような感じを与えます。
 また、窒素と炭素の化合物の状態であるときに、化学的に水分子を取り込みやすい状態になっています。皮膚表面には水分子が存在するので、それを取り込んで離さないため、保湿効果があるのです。
 古い角質層を分解する能力と、水分子を取り込む保湿効果があるため、尿素入りクリームを使うとしっとりした感じがすぐに得られるので、手あれのひどい冬場で人気商品となっています。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 いつも紹介している「常識ぽてち」は、題材への目の付け所がよい。また、説明がわかりやすく、参考になる。
 
(2)よみうり教育メール           発行日:2008.11.24(vol.2063)
=相談コーナー=
 中学1年の息子が、友達とうまくコミュニケーションが取れていないようです。一人っ子で口数が少なく話し下手です。家では話もしますが、外では、「何を話していいのか分からない」「みんなの話題についていけない」「話の出来る友達がいない」と言います。体が小さく、自信が持てないからか、からかわれる対象にもなるようです。
 友達と積極的にかかわれるようにするにはどうすればいいでしょう? 私までじれったくて、つい口うるさくなってしまうのも原因の一つと反省はしているのですが。  ──東京都、会社員43
【回答】
教育評論家、法政大教授 尾木 直樹
 話し下手で自信が持てない様子なので、友達とも積極的にかかわれるような子にしたい――というお母さんの願い。きっとその心の奥には、今の競争社会、男の子だし、友達とも活発に交わり、たくましく生きる力をつけてくれないと心配だ、この先大丈夫だろうか、という不安があるのではないでしょうか。
 確かに「格差社会」とか「ワーキングプア」という言葉を聞くと、今後が心配になる気持ちもよくわかります。
 でもお母さん、もう一度、息子さんのことをよく見つめてみませんか。彼は、「家の中では」話もするし、言語能力やコミュニケーションスキルに問題を抱えているわけではないようです。「何を話していいのかわからない」から「みんなの話題についていけない」のだし、「話の出来る友達がいない」だけ。逆に言うと、友達ができて「話したいこと」があれば積極的に話すはずです。
 ですから、そんなに心配することはないのですが、改善のためのポイントは二つあるように思います。
 一つは、親子関係の見直しです。親の方が「口うるさく」ては、子供はますます口を閉ざすしかありません。もっと子供目線になり切って、一緒に遊んだり、おしゃべりを楽しんだり、親が“友達感覚”でつき合うこと、関係を豊かにすることです。その中で、自己表現力も養われ、何よりも家族が息子さんにとって心の居場所になり、彼に自信をよみがえらせてくれるはずです。
 もう一つは、「友達」を作ることが先なのではなく、部活でも何でもいいのですが、何か好きなこと、打ち込めるものを持つことです。その趣味や活動を通して、いつの間にか友達ができ、話もできて、コミュニケーション力も確かなものになっていきます。あせらず、丸ごと受けとめてあげて下さい。
☆★☆ コメント ☆★☆
 時々このコーナーを紹介するのは、教師にもカウンセリングの能力が求められているからである。外国では、教師は勉強を教えるだけで、生活指導やカウンセリングは別の専門家である場合が多いが、日本はデパートと同じ。最近では、家庭教育や、地域を束ねるコーディネートをも期待されている。
 まずは、保護者の悩みを少しでも和らげるアドバイスができるようになりたい。できるだけ、こうした相談事例に数多く接し、自分なりの回答が組み立てられるようにトレーニングしたいものである。
 
(3)知らなきゃ損する!面白法律講座         第460号
法律クイズ 第134回 【問題】
 □問題□
 相続人Aが、被相続人である父Bの遺言を、自分に不利な内容であったことから、怒りに任せて破り捨ててしまった。相続資格はどうなるでしょうか
 1. 相続資格を失う。
 2. 相続資格を失わない。
□解答□
 1. 相続資格を失う。
 民法891条5号は、「相続に関する被相続人の遺言書」を偽造し、変造し、破棄し、又は「隠匿した者」を、相続人の欠格事由としています。
 欠格事由にあたると、法律上当然に相続人ではなくなるため、Aは被相続人である父Bの相続資格を失ってしまいます。
 これは、民法が、推定相続人の社会正義に反するような行為を保護しないことによって、相続制度の秩序を守ろうとした趣旨であると考えられます。
 このことから、本件の場合とは逆に、Aが自分に有利な遺言を破棄した場合、すなわち相続人Aの行為が相続につき不当な利益を目的とするものではなかったときは、891条5号所定の相続欠格者には当たらないとするのが最高裁判所の立場です(最判平成9年1月28日)。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 こうした事例は、法律に対して興味づけるネタになる。
 
8 研究会情報
(1)岐阜市立加納小学校 中間研究会(特別活動・生活単元学習)
  平成20年11月29日(土)
    9:40〜10:00 学級の時間      10:15〜11:00 学習公開T
   11:15〜12:00 学習公開U      13:00〜13:35 全体会
   13:50〜16:00 分科会      前回も紹介しました。土井も行きます。


  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp