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報告者  土 井
 2008年12月18日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
参加者は,土井(岩南中),高木先生,大野先生(犬山中),尾関先生(岩倉教委),大島先生,柴田先生(草井小),浅井先生,坪内先生(岩中),奥村先生(岩南小),織田先生(扶桑中),早川先生,木本先生(江北中),小澤先生(扶東小),寺谷先生(附属名古屋小)、池邑さんの15名でした。

 土井が提案したものです。番号をクリックしてください。

   古知野町の地図
 「教員の社会性について」
  篤姫の働きは?
  付家老成瀬氏
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介
8 研究会情報

 古知野町の地図
 刈谷市(昭和25年市制)があって挙母市(昭和26年)がないため昭和25年頃の地図と思われます。実物で紹介します。
  
 
 
 「教員の社会性について」
 サブタイトルとして「業者の方からみた教師の姿」というタイトルが付いています。業者の方に教員についてアンケートしたもので、我が身を省みる貴重な資料になります。

 篤姫の働きは? −校長日記より− 
 「篤姫」に関して質問をいただきました。
Q1「無血開城に向けた篤姫のめざましい働きは史実なのですか?」
Q2「官軍は中山道や東海道を東へ進みましたが、尾張徳川家は抵抗しなかったのですか?」
 
A1 実は私もよくわかりません。ただ、今回時代考証を担当した大石 学教授が解説しています。  
 「時代考証の作業の過程で明らかになった事実があります。それは、大奥が徳川家存亡の危機の中で、旗本ら家臣団に対して権力を発動したという事実です。」
 そして、徳川家家臣への指示を出す「内政」と、自分たちのお付きの女中たちに書状を持たせ、東海道は川崎宿、中山道は大宮宿、甲州道中は府中宿へと、官軍の陣に派遣するという「外交」を展開したということです。どうやら、史実のようですね。
ここをご覧ください。http://www9.nhk.or.jp/taiga/topics/rekisi/index.html  
 
A2 これはするどい質問ですね。本来名古屋城は、西からの江戸防衛の防波堤のはずです。なぜこの時は機能しなかったのでしょうか。
 実は、初代尾張藩主の義直は尊皇思想なのです。そのため、以後の藩主は、時折江戸徳川家と対立していました。幕末に最も権力のあった14代藩主慶勝も尊皇攘夷を主張していたのです。
 当時は尾張藩内でも、朝廷派と佐幕派の対立が激化しましたが、慶勝は佐幕派を弾圧(青松葉事件)しています。そして、東海道・中山道を抑え、官軍の江戸攻めを支援したのです。
 しかし、新政府での尾張藩の扱いは、貢献度に見合ったものではありませんでした。「名古屋県」という名前すらもらえませんでした。
 

 付家老成瀬氏
  またまた校長日記より
 犬山市民総合大学の概略を報告します。
 「付家老」はご存じですか?
 付家老とは、家康が尾張・水戸・紀州へ送った子の補佐役として、側近の家臣であった五家を付けたということです。成瀬氏は家康の側近中の側近でしたが、尾張徳川家に付けられました。もちろん、これらの五家は、将軍に直属する大名と同格の待遇を与えられると共に、三家のそれぞれで執政の最高責任者に任じられていました。このように「付家老」は、一方では将軍に直属しており、他方では御三家の家臣でもあるという、二君に仕える特別な存在でした。
 具体的には、尾張家が成瀬家と竹越家、紀州家が水野家と安藤家、水戸家が中山家の五家を指します。
 私見ですが、尾張の徳川義直は、家康との考え方に若干のずれがあり、最も側近であった成瀬氏を付けたのではないでしょうか。
 古文書を見ると、成瀬氏は、次第に尾張藩の家老であるとの認識が明確になってきます。
 この時の文書には「尾張殿家老」(宝永四年『御触書寛保集成』)と書かれています。この「殿」も興味深いところです。
 敬称は「様」が最上級で、「上様」は将軍のことです。尾張藩の主も、はじめは家康の分身ということで「様」扱いでしたが、時が経つにつれて、他の大名と同様「殿」に変わっています。「殿」は、御三家が諸大名に成り下がったしるしなのです。
 江戸と尾張のそのあたりの認識の違いが、あとあと影響するのです。
 画像は、尾張と美濃における成瀬氏の所領を黒丸で表したものです。知多や美濃にも所領があったことがわかります。





 役立ちWeb特集 
(1)縦10×横10=100枚の地図の連続印刷
 インターネットの地図情報検索サービスにおいて、A4用紙で最大、縦10×横10=100枚の連続印刷が可能に。移動距離が長く、通常のA4印刷では道順がわからないときや学校の授業の課題など、もっと大きな地図を印刷したいときに便利。 http://blog.mapion.co.jp/release/2008/12/081211_11625.html

(2)JFSのニュースレター「生物多様性」について

(3)文部科学省情報
・基礎科学力強化懇談会(第2回:平成20年11月21日)頂いたご意見の概要
・「教育の情報化に関する手引」作成検討会(第2回)議事概要
・中央教育審議会 初等中等教育分科会 小・中学校の設置・運営の在り方等に関する
 作業部会(第9回)議事録・配付資料
・平成20年度全国学力・学習状況調査報告書について

(4)家電 Watch
 特定の日までカウントダウンする逆算時計が登場。本体に特定の日付を入力すると、残り日数と時間を逆算して表示する。設定できる日付は最大で9999日(約27年)までで、時間・日付・秒が表示される。 http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/12/10/3280.html 
 
6  教育関連情報
(1)【お知らせ】小・中学校学習指導要領Q&A(教師向け)の掲載について
                               〔初等中等教育局教育課程課〕
 本年3月に改訂した小・中学校の新学習指導要領について、教育委員会や学現場の先生方から寄せられた質問にお答えするために、文部科学省では「小・中学校学習指導要領Q&A(教師向け)」を作成し、昨日、新しい学習指導要領ホームページに掲載しましたので、お知らせします。
 各教育委員会や各学校におかれましては、このQ&Aを活用して新学習指導要領の趣旨・内容について理解を深め、来年度から始まる移行措置に向けて準備を進めていただくようお願いします。
☆★☆ コメント ☆★☆
 これはぜひ読んでおきたい。指導要領の説明会やその後のアンケートの中でよく聞かれたものが集められたのだろう。聞きたいことが集められている。
 
(2)日本の中2はテレビ視聴最長
 国際数学・理科教育動向調査の「学校外での時間の過ごし方」で、日本の中学2年生は一日当たりのテレビ視聴時間が2.5時間で、調査対象国・地域の中で最も長いことが分かった。小学4年生も2.0時間でシンガポールに次いで長かった。 http://www.worldtimes.co.jp/wtop/education/news/081210-3.html
☆★☆ コメント ☆★☆
 テレビ・ゲーム・携帯、どれも日本の子どもたちは長い。暗くなるまで毎日外で遊んでいた頃の子どもたちと比べてどちらが幸せなのか?
 
(3)「体罰やむを得ない場合も」福岡市教委教育次長  教育長は「不適切」(福岡)
 福岡市教委ナンバー2の貞刈厚仁・教育次長は17日、市議会第2委員会で体罰についての考え方を問われ、「良いというわけではないが、学校現場ではいろいろなケースがあり、やむを得ない場合もある」と、体罰を容認するかのような発言をした。
 体罰は学校教育法で禁止されている。さらに、市教委は1997年、冊子「体罰によらない生徒指導のために」を作成し、生徒との信頼関係構築や家庭・地域との連携など具体的な指導方法を示し、体罰防止に努めている。
 貞刈教育次長は読売新聞の取材に、「問題の多い学校で、四角四面に法律を守るのは難しいのが現実。訂正するつもりはない」と述べたのに対し、山田裕嗣教育長は「体罰はどんな場合も許されるものではなく、不適切」としている。(2008年12月18日 読売新聞)
☆★☆ コメント ☆★☆
 個人的には体罰は反対だが、議論を封じ込めようとは思わない。いけないのならなぜいけないのか、論理的に説明することが大切なのである。

 
 MM紹介
(1)知らなきゃ損する!面白法律講座            2008年12月15日  第463号
「犯人でもないのに自首すると虚偽告訴罪?」
 □問題□
  留置場の飯食にありつこうと考えたAは、最近話題になっていた殺人事件の犯人が迷宮入りしているのを利用して、自分が殺人犯であると警察に自首した。この場合、Aに虚偽告訴罪(刑法172条)が成立するだろうか。
 1. 虚偽告訴罪が成立する。   2. 虚偽告訴罪は成立しない。
 
 □解答□
 2. 虚偽告訴罪は成立しない。
  虚偽告訴罪が成立するためには、「人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的」があることが必要です(刑法172条)。そして、刑罰法規において「人」とは他人を意味し、行為者自身は含まないとされています。
  Aは、誰か他の人にではなく「自分に」刑事処分を受けさせる目的があるだけですから、虚偽告訴罪は成立しないことになります。
 
(2)【教育記事から教育を考える】 2008年12月12日(金)作者:中土井鉄信 
【記事】大阪・公立の小中高、携帯禁止…橋下知事方針
                        読売新聞(2008年12/4)より以下抜粋
○大阪府の橋下徹知事は3日、来年3月までに政令市(大阪、堺両市)を除く府内の全公立小中学校で携帯電話の持ち込みを禁止する方針を明らかにした。
○府立高校では校内での使用を禁止する。携帯サイトの利用をきっかけにした犯罪やいじめの増加などを受けたもので、文部科学省によると、携帯電話の校内への持ち込みや使用を都道府県単位で禁じるのは初めて。
○橋下知事は、この日の記者会見で「学校に携帯電話は必要ない」と強調。「携帯電話への依存度が高くなれば、学習時間が短くなる」と学力向上策でもあると説明した。 (以下略)
*私からのコメント
◇今回の橋下府知事の携帯電話の学校持ち込み禁止は、当然のことだ。記事にもあるように、小中学校の約90%が、持ち込み禁止をしている現状なのだから、それほど、驚くことではないが、この禁止令が、注目される現状に、驚きを感じる。学校単位の決定では、今は生徒や保護者が言うことを聞かないのだ。だから、こんな決定が、注目されるのだ。
◇元来、学校は教育機関だから、強制力を必要とするものだが、ここ30年来、どんどん学校の強制力が殺がれてきた。その結果は、最近の子どもや保護者の傍若無人な振る舞いが、如実に表している。
◇信じたくはないが、多分、携帯電話を授業中に操作し、メールを行い、全然授業に集中しない生徒が、数多くいるのだろう。学校の指導力がない現状で、橋本府知事が、今回の決定を行うのは、それは、それで致し方ないことだ。出来れば、学校単位で地域の実情に合わせて指導方針を決定してほしいところだが。
◇今回の決定で、一つ注文したいことがある。それは、学校から携帯電話を追い出して、それで一件落着としてほしくないということだ。携帯電話でのコミュニケーションのあり方を徹底的に教えてほしい。コミュニケーションツールとしての携帯電話のあり方をこの際、徹底的に学校で教えることだ。このことをぜひ、お願いしたい。
◇メール依存症のような状況が、大人にも子どもにもある。本当にコミュニケーションしているのかどうなのか、全く分からない状況が、どんどん蔓延している。そんな社会をもう一度、しっかり見つめ直すきっかけに、今回の橋本府知事の決定をしたいものだ。携帯電話からの自律を私たちは、しなければならない。そういう方向性の一つであると今回の件を捉えたい。
☆★☆ コメント ☆★☆
 橋下知事の発言には「エッ!」と思うことが多いが、こと、携帯電話に関することは、素直な思いであることが理解できる。校内での携帯の禁止は我々から見ると当然のことであるが、大阪の一部では授業が成立しない現実があるのであろう。その象徴が「携帯禁止」になったと思われる。 
 

8 研究会情報
(1)伊那市立伊那小学校 公開学習指導研究会
  平成21年2月7日(土)
「内から育つ」〜「ひと、もの、こと」との関わりを深めながら、自らを高めていく子ども〜
受付 8:00〜8:40
 


  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp