(1)社会人の雑学 ★雑木話★ 第1476配信 | Mag2___4948 melma!__606
ba,bi,bu,be,bo を「は行」の濁音として表すのは、変だと思う!
「ば行」問題について、すでに正解は出ておりますから(特にヤコピさんの巧みな説明に感謝)、余計なおせっかいかもしれませんが、ちょっとだけ補足させてください。
YOSHYさんご指摘の謎は、『後奈良院御撰何曽』(1516)に見える
はゝには二たびあひたれどもちゝには一度もあはず
こころは「くちびる」ですね。
この謎解きに成功したのは『広辞苑』で有名な新村出です。つまり古代日本語の語頭の p の発音が次第に弱まり、両唇無声摩擦音 [Φ] になり(上代末から平安初期)、やがてそれもさらに弱まって [h] に変化してしまいました(室町頃(14世紀)から元禄頃(1700年前後)にかけて)。
両唇無声摩擦音の[Φ]は、ろうそくを吹き消すときのような音、つまり、ファ、フィ、フェ、フォです。「フ」だけがまだ昔の音をそのまま保っています。Φは面倒なのでよく F と書かれます(厳密には small capital F )ので、唇歯音の f と混同されることがよくあります。
日本人はいまだに f の音は苦手ですよね。「野球のファン(fan)」も「フアン」と発音してしまう。おそらく日本語の歴史上、fの音は一度も現れたことはないと思います。
なお、以上は語頭のハ行音の話で、語中のハ行音は [Φ] からさらに弱まって、[w] になってしまいました。「私は」などの「は」が [wa] であるのはそういうわけです。しかし、それも a の前だけで(「かは 川」など)、その他の母音の前だとさらに弱まり、ついにはゼロになっています(「こひ 恋」「まへ 前」「かほ 顔」など)。
しかし、それでは「はは 母」が「はわ」にならないのは何故か、と疑問に思ったあなたは偉い!
何事にも例外はあるものだから、これもその例外の一つ、という考え方もあるかもしれませんが、この場合はたぶん日本語の親族名称に単音節の繰り返しが多い(ちち、てて、かか、じじ、ばば、など)という別のルールに倣って、二次的に「はは」になったのでしょう。
他にも「ほほ 頬」などという例外もあります(しかし「ほおべに 頬紅」「ほおばる 頬張る」「ほおづき 酸漿」などでは法則通り「ほお」になっています)。文字が普及してからの reading pronunciation が影響したかもしれません。
ついでに、「あはれ」が一方では「憐れ」になり、一方では「あっぱれ(天晴れ)」になっていますよね。促音になると以前の p 音が残っているわけです。昔、「あはれ」は「感動する、心が動かされる」という意味でしたから、両極端の意味に変化してしまいました。
なお、強調したいときに語中子音を促音にする例は、ほかにも「やはり」「やっぱり」「それきり」「それっきり」など、現在でもたくさんありますね。
こういうふうに、p が h/w になってしまったとは言っても、日本語には常にp 音はなくならずに、存在し続けただろうと思います。擬音語もありますし。
それじゃ、古代から奈良、平安朝の日本語には h 音はなかったんだろうか?
おそらくなかったと思われます。だからこそ、「ニーハオ」の「好 hao」が「かお kao」からさらに変化して「こうkou」と発音されたり、「シャンハイ」の「海 hai」が「かい kai」になったりしています。
つまり、漢字が日本語に取り入れられたとき、h がないのでやむなく、それにいちばん近い k という音で代用して受け入れたというわけです。英語の th の音が現代日本語にないので、仕方なくサ行・ザ行音で取り入れている事情と同じです。
しかし、そうするとむかーし昔は、神武天皇の祖父「ひこほほでみのみこと 彦火火出見尊」は pikopopodeminomikoto と発音していたのだろうか? そんな滑稽な名前でいいのか? こう思う方もおられるかもしれません。
いいんです。当時は p 音の単語はごく普通にたくさんありましたから、滑稽でも何でもありません。言語というのはそういうものなんです。
そしてまた、どうして古代のハ行音が p だったと分かるのか? そしてそれが Φ になりさらには h/w となったといえるのは何故か? しかもその時代までどうして特定できるのか? その証拠は何か?
等々、疑問は次から次へと湧いて出ることでしょう。頭のいい人ほどそうであるに違いありません。
それから YOSHI さんの疑問、「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の違い(いわゆる四つ仮名の問題)など、答えるべき項目はたくさん残っていますけれど、あまりにも長くなりますので、ひとまずここまでとしておきます。
☆★☆ コメント ☆★☆
少し長い引用ですが、これは土井の中学校時代からの疑問でした。
「バ行は、マ行に濁点を付けるべき」という作文を書いた覚えがあります。
実際に声に出して言ってみてください。
今回の回答で、納得したわけではありませんが、話題になっただけでも一歩前進です。
(2)統計関係リンク集
社会科は資料が命。 膨大な統計を見ることができます。
また、ここから「都道府県のページ 統計リンク集」や海外のページなどにも飛ぶことが出来ます。
(3)系図でみる近現代〜夢・感動・人間!〜
その時々の話題の人物、あるいは、旧華族・皇族や近現代に活躍した人物を家系図やリンク等を交えてエピソード、系譜・閨閥などを書き留めて行くページです。
(4)豊かなコミュニケーション能力に基づく危機回避能力の育成/北海道立教育研究所
「体罰」は、多くはコミュニケーション不足から生じます。
1 本研究のねらい
(1) 教育を取り巻く現状と課題P.1
(2) 研究の仮説P.2
(3) 仮説の背景
ア教員に求められる資質・能力P.3
イ体罰を防止する観点から見て重要な資質・能力P.6
2 教師と児童生徒の望ましいコミュニケーションの在り方
(1) 事例1 P.9
ア事例内容
イ事故発生までの教師と児童生徒のコミュニケーションの様子
ウ事故発生時の危機管理
エ危機回避(リスクヘッジ)の観点からの課題
(2) 事例2 P.11
ア事例内容
イ事故発生までの教師と児童生徒のコミュニケーションの様子
ウ事故発生時の危機管理
エ危機回避(リスクヘッジ)の観点からの課題
(3) 事例3 P.13
ア事例内容
イ事故発生までの教師と児童生徒のコミュニケーション上の問題
ウ事故発生時の危機管理
エ危機回避(リスクヘッジ)の観点からの課題
(4) 整理(コミュニケーション上の問題の解決に向けて) P.15
ア共感的な理解と感情の効果的コントロール
イ大局的に行動する能力の重要性
3 教師が自らの力で変わるためにP.19
(1) 校内研修での取組P.20
(2) コーチングの有効性P.23
(3) カウンセリングマインドをすべての教員にP.25
(4) 教師のためのアサーショントレーニングP.27
4 まとめ
(1) コミュニケーション能力の向上P.30
(2) 危機回避能力の向上P.32
(3) 整理P.33