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報告者  土 井

 2016年9月8日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井、高橋先生(岩倉南中)、大野先生(犬山中)、鷹木先生、寺谷先生(犬山北小)、天野拓先生、天野厚先生、岩田先生、川地先生、鈴木先生(大口中)、大川先生(城東小)、小澤先生、志津野先生(扶桑北中)、日比野先生、森先生、迫先生(大口西小)、坪内先生(古知野西小)、奥村先生(岩倉東小)、吉田先生(柏森小)、加藤先生(大口北小)の20名でした。

土井の資料を紹介します

1 思考力・判断力・表現力を育てるには
2 丹葉フィールドワーク  −布袋小HPより−
3 浜岡原子力発電所見学報告 −布袋小HPより−
4 大阪大学レーザーエネルギー学研究センター −布袋小HPより−
5 犬山市民総合大学敬道館 公開講座
 
平成28年度社会科教育研究大会は、11月1日(火)に開催します。

学校現場における業務の適正化に向けて
  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/uneishien/detail/1372315.htm 
部活動に規制がかかるようになるかもしれません。

1 思考力・判断力・表現力を育てるには 
 今春の高校入試問題から別紙で考えます
 
2 丹葉フィールドワーク  −布袋小HPより−

 
 8月12日に、愛知社会科研究会丹葉支部のメンバー17人で、フィールド・ワーク(以下 FW)に行ってきました。
  今回は、中村区の中村スポーツセンター、東区の東海ラジオ放送を見学しました。中村スポーツセンターとは、名古屋競輪場のことです。
【名古屋競輪場】
 中村公園スポーツセンターは、名古屋市中村区の中村公園の北に位置します。中村高校の南東100mほどです。入り口の中村公園スポーツセンターと書かれた下に、「名古屋競輪組合事務所」と書かれています。名古屋けいりんの会場となるのです。
「競輪」は、一部事務組合が運営をしています。
 組合といっても、労働組合や生活協同組合とは違って、複数の地方公共団体や特別区が、行政サービスの一部を共同で行うことを目的として設置する組織で、地方自治法284条2項により位置づけられているものです。
 たとえば、江南市は、犬山市や岩倉市、丹羽郡で、愛北広域事務組合をつくっています。
そこでは、愛北クリーンセンター、尾張北部聖苑の管理運営をしています。
「名古屋けいりん」は、名古屋市と愛知県が「一部事務組合」をつくって管理運営する、いわゆる「公営」なのです。
 競輪場は全国に43ありますが、一宮競輪が2年前に廃止になったように、経営は楽ではないようです。
 今回は、もと競輪選手で、60才直前まで現役を続けられた樋口さんから説明を聞きました。
 まず入った部屋が、自転車の整備場。そこから、地下を通ってバンク(競技トラック)に出られるのです。ここは、写真撮影禁止で、携帯電話の使用もできません。
 今回出場する、12レース3日間分の自転車が並んでおり、専門の人が整備をしていました。
 出口に近いところには、第1レース用の7台、その横に第2レース用の7台と並んでいました。
 競輪用自転車のおおよそ値段は、タイヤは1万円ずつ(5シーズンほどで交換)、ハンドル4千円、サドル1万円、チェーン2千円、ペダル1万円、フレームはいろいろ。
 るからにシンプルです。プロ用といえども、100万円もするわけではありません。
 詳しくはここをご覧ください。http://ameblo.jp/rave-slave/entry-11533152348.html 
 当然、個人持ちです。値段が高ければよいというものでもありません。体に合っていることが重要なのです。
 当日、着るユニフォームは貸し出されます。
 この場所は撮影もできないほどの厳重に管理された部屋ですが、普段は、近所の人が使用する卓球場です。あくまでも「中村公園スポーツセンター」なのです。
 
 「競輪」は公営事業で、その収益金は、2014年までの累計で、5兆円2千億円弱が、公共事業に使われているのです。私たちは、来賓室に通され、そこで樋口さんから説明を聞きました。この日の最初のレースは10時35分に発走。スタンドは、まだ人はまばらでした。
 夏は、冷房のきいた有料の観覧席に人が集まるようです。
 競輪事業は、売り上げの7割は場外売り場、23%がいわゆるネットによる販売で、競輪場での売り上げは7%しかないのです。
 名古屋競輪場の入場者は、1日あたり2千人から3千人で、大きな大会の時には6千500人が集まるそうです。
 バンクは、1周約400m。ここを4周か5周します。最後の200mは、11秒前後。
時速60キロ近くになります。競馬とほぼ同じです。カーブは斜度30度以上。歩けないほどです。レースが終わると、多くの仲間?でしょうか、地下通路まで迎えに来ました。
 競輪全体の売上高は6千300億円。これは、ピークであった平成3年の3割ほどしかありません。平成3年といえば、あの中野浩一選手が引退した頃です。
 ケイリンは、日本で生まれた世界のスポーツです。リオ・オリンピックでは、日本選手は予選で敗れました。東京オリンピックに向けて、さらなら強化が望まれます。
 丁寧に説明してくださった樋口さん、ありがとうございました。
 
【東海ラジオ放送】
 東海ラジオは、東海テレビの親会社です。何か逆のように感じますね。最近、資本の関係が横並びになったそうですが・・・・。
 会議室で、制作局の制作部長 北 敏明さんにお話を伺いました。
 会社の概略は、社員が72人。(79人とも?) 採用は毎年あるわけではなく、数年に1度、複数を採用するそうです。(その競争率は数千倍?とか・・・)
 建物の9階が技術部門、10階が制作部門、11階が営業部門、12階が総務や経理部門に分かれていますが、これがそのまま、会社の組織にあたります。
 年商 約30億円。そのほとんどがCM収入です。CM料金は、20秒で2、3万円ほどだそうです。
 メインは七宝送信所 1332kHz。他に9つの中継所があります。アンテナを立てる場所は、湿地帯がよいのだそうです。
 放送局は、災害時にはとても頼りになる存在です。耐震、電源確保、火災対策など、考えられています。
 編集室は、録音したものを編集する部屋です。 実際に、一つの部屋で作業をされていました。
 大型のFAXの受信機があり、オンエアー中のAD(アシスタント・ディレクター)さんがFAXを取りに来ていました。聴視者から届いたFAXを、スタジオまで届けるのです。
※ オンエアー中の番組(FINE DAYS!)については、後ほど紹介します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 隣にBOXがあり、番組名のシールが貼られています。送られてきたFAXは、それぞれの箱に入れられるのです。
 カウンターには電話機が2台有りました。聴視者からの電話が入るところです。
 まさに、本物の迫力でした。
 
 東海ラジオには、スタジオが5つあります。そのうち、AスタジオとBスタジオが生放送用。交互に使用します。
 Aスタジオをのぞかせてもらいました。この8月から始まった新番組、FINE DAYS! の生放送中でした。  番組HPhttps://www.tokairadio.co.jp/topics/info/fine_days.html 
 きくち 教児さんと青山 紀子アナが本番中です。そうしたら、教児さんが手招きをしてくれました。「入ってらっしゃい!」これには驚きました。CM中に、いろいろと説明してくれます。そして、「10秒前」の後も説明が続きます。まさに、1秒前で切り替え、放送が始まります。聴視者からのFAXからペットのネコをネタにしていました。目の前で、ふたりが楽しそうに会話をしているのです。青山アナが読み、教児さんがコメントをし、それに青山アナが反応する、というパターンです。そのFAXとは、先ほど紹介したAD(アシスタント・ディレクター)さんが取りに来たものです。
 動いているのです。
 よく言えば「臨機応変」、悪くいえば「ぶっつけ本番」、そんなイメージです。
 私は咳が出そうになったのを、ハンカチで口を押さえ、マイクが雑音を拾わないように必死に我慢していました。そして、またCMがはじまると、教児さんが私たちの相手をしてくれました。
「一期一会だからみなさんとの出会いを大切にしたい」と、全員に名刺をくださいました。
「あの震災で友人を亡くしてからそう思うようになった」
 これがCM中なのです。そして、CMが終わったと同時に、「今日は、愛知県の社会科の先生方がスタジオを訪問されました。・・・・」と、私たちをネタにしています。
 「頭の回転がよくないとできないな・・・。」 率直にそう感じました。
 そして、驚異の時間感覚 。
 10秒あれば何が話せるかを、感覚的につかんでいると思いました。
 青山アナも、私たちの相手をする教児さんに話を合わせながら、手元の資料をチラ見しています。笑顔で応対しながら、頭の中では次の話題を組み立てているのです。そのプロ意識に感心しました。きれいで、頭も良さそうな方です。
 
  隣のBスタジオでは、次の番組の準備が行われていました。帰りの車の中で、「山浦・深谷のヨヂカラ!」でのヨヂカラ大喜利 を聴きましたが、おそらくここで放送されたのでしょう。
AスタジオとBスタジオは、交互に収録が行われるのです。
 次に入った部屋は、レコードやCDの部屋です。昔から疑問に思っていました。放送中にかける音楽は、どうやって管理しているの?その謎が解けました。
 番組中にかかる音楽の音源は、全てここに保管されています。図書館のように、パソコンで検索すると、保管されている場所が表示されるのです。 実際に「君の瞳は10000ボルト!」と打ってみると、10種類以上も音源がありました。CDはもちろん、いわゆるドーナッツ版やLPレコード、CDシングルなど、その量は膨大です。効果音もたくさんありました。
 今日使って返却されたものの箱もあります。
 レコード会社から送られてきた新品もたくさんあります。そう、これらのCDは、レコード会社から無償で送られてくるのです。「放送で流してください」ということなのでしょう。
「会社の歴史が古いので、貴重な音源もたくさんあります」という説明でした。
 C−Eスタジオは録音スタジオです。キム ヨンジャ さんが出演中でした。これは写真は撮れません。また、アイドル系の子達も出演中で、こちらに向かって手を振ってくれました。
これも写真はありません。
 東京のタレントは東京のスタジオで収録するのが普通ですが、名古屋公演中にはこのスタジオで収録します。その時は、追っかけのファンが1階に溜まるそうです。ファンはよく知っているのです。
 以後は、説明中に出てきた言葉です。
 東海ラジオは、民間ラジオ放送局では老舗の一つです。ミッドナイト東海は、深夜放送の先駆けとなった番組です。それ以後、オールナイト日本など、他へも広がっていきました。
 社員アナウンサーは12人。うち4人がスポーツ実況担当です。プロデューサーは何をする人か?メインはお金の管理です。
 その他、いろいろなお話を聞きました。
 ラジオ放送は、運転中や仕事中に聴いている人は多いでしょう。何より、災害の時には大きな力になります。社会の大切なツールとして、これからも活躍をお願いします。
 丁寧に説明していただいた 北 制作部長さん、放送中にスタジオに入れていただいたきくち教児さん、大変お世話になりました!

 
3  浜岡原子力発電所見学報告 −布袋小HPより−
 7月23日に、浜岡原子力発電所を視察しました。
 将来の日本のエネルギーを考えさせるのは、私たち社会科教師の役目です。そのためには、正しい情報が必要です。まずは自分の眼で確かめること。
 原子力館で説明を聞き、見学する箇所のビデオを見ました。そして、その間に免許証で本人確認。カメラ、携帯を預けて、金属探知機を通りました。海外へ行くよりもはるかに厳しいセキュリティ。マイクロバスもチェックされます。
 
 ところで、原子力発電は、賛否が国を二分しています。新聞社でも、推進・維持派の読売・産経・日経。反対派の朝日・毎日・中日(東京)。 両者の発行部数は拮抗しています。
 ただ、どちらも弱点を抱えています。前者は核のゴミの処理・フクシマ、後者はエネルギー自給率・地球温暖化。将来の日本のエネルギーを考えるには、まずよく知ることが大切です。
これまで、火力発電所、水力発電所、そしてメガソーラ、風力発電所、地熱発電所を見学してきました。そこで、今回見学地に選んだのが浜岡原子力発電所見学なのです。
 気になるのは、やはりその安全性。それを中心に見てきました。
 実際の見学時間は3時間。原子力館で説明を聞き、そしていよいよ見学。
 すでに紹介しましたが、カメラ、携帯等は持ち込み禁止。手荷物検査もあるので、ロッカーに預けます。さらに、空港と同じように金属探知器で検査。発電所内をパトカーが巡回しています。世界的にテロが頻発しているために、警備を要請したのだそうです。
 その後、防波壁を見学。1〜4号機の建屋はバスで外からの見学。そして5号機建屋に入ります。
 3・4号機は、再稼働に向けて申請中です。しかし5号機は、まだそこまでもいっていません。それなのに、2011年5月の、あの菅首相の運転停止要請以来、5年以上、その時と同じような勤務態勢(5チームによる24時間2交代制)で、今も勤務が続いているのです。
※ 5チーム中1チームは訓練です。碧南火力発電所でも同じようなシフトでした。
 浜岡原子力発電所は、5年以上も電力を生産していないの、毎日、約4,700人の人が働いているのです。それが一番の驚きでした。
 そこまでコストをかけてもまで再稼働をめざす理由は? 返ってきた答えは「それでも火力発電よりも割安です」。いかに火力発電のコストが高いのかが分かります。
 また、安全対策は、地震対策、津波対策、浸水対策、電源対策、それぞれ、三重、四重の手段がとられていました。東京電力の失敗や、津波で破壊された釜石スーパー堤防の教訓も生かされていました。
 「なぜそこまでやるの?」と質問すると、「正直、ここまでは必要はないかも知れない」という前置きの後で、「近隣住民により安心してもらうため」という解答が返ってきました。地元の人らしい団体も見学に来ていました。
 浜岡原子力館は以前にも見学したことがあります。しかし、本物の建屋の見学は、たくさんの驚きと発見がありました。
 賛成派・反対派、両方の考えをもっと詳しく知りたくなりました。
4 大阪大学レーザーエネルギー学研究センター −布袋小HPより−
 8月2日に、大阪大学レーザーエネルギー学研究センター へ行ってきました。
 21世紀は光の時代です。この研究所は、高出力レーザーを用いて、いろいろな基礎研究や応用研究を行っている所です。
 例えば、レーザー核融合発電。重水素、三重水素を染みこませた0.5ミリのものに、12方向からレーザー光線を照射し、1億度の環境をつくり、核融合を起こさせて、そこで発生するエネルギーを発電に利用するものです。
 原料は海の中に無限にあり、原発に比べて放射能ははるかに少なく、またその半減期も短い、夢の発電です。しかし、実現までは50年から100年かかると言われました。
 写真の大型レーザー「激光X2号」は、200mの距離をエネルギーを増幅しながら進み、最後に一点に短い時間照射することにより、高温の環境をつくる装置です。 
 私たち見学者は、防塵服に着替え、実物を目の当たりにしました。照射実験は、準備とその後の冷却に時間がかかり、1日に4回しかできません。
 その照射テストに立ち会いましたが、映画「エイリアン」で宇宙船が発車する前のカウントダウンそっくりの状況に興奮しました。
 基礎研究の大切さ、そして科学技術を支えるこうした研究機関の重要性を実感することができました。
 くわしくはHPをご覧ください。 http://www.ile.osaka-u.ac.jp/jp/index.html 
 


 
5 犬山市民総合大学敬道館 公開講座
  第1回 激動する世界  〜日本の針路を考える〜
                 東京新聞・中日新聞論説副主幹  長谷川 幸洋 氏
 TV「そこまで言って委員会」のレギュラー。別紙で紹介します。

《 参 考 》教師力アップセミナー 平成28年度講師一覧 
   
  10月10日(月祝) 10:00〜15:00     野口芳宏
  
   11月12日(土)  10:00〜12:00     田中博史
   1月21日(土)  10:00〜15:00     小野田正利
   2月11日(土祝) 10:00〜15:00     山田洋一