岐阜市立加納小学校 研究発表会報告
手立ての一つが「学びの自覚」。3年生社会科では、見方シートのようなものを使用して いました。別紙で報告します。
2 概念的知識と見方について -6月24日のメール文を再掲(一部修正)します-
概念的知識について
「概念的知識」は、岩田一彦氏の造語ではないかと思います。天野拓先生が詳しいところです。その用語を使う以上、岩田先生の定義を踏まえるべきです。でなければ、新しい別の言葉を丹葉地区として定義すればよいのです。
彼は次のように知識を分けました。
それでは、概念的知識とは何か?天野先生から紹介のあった『社会科固有の授業理論』P.46には、「概念的知識は、その単元では習得させたい法則性である。」と書かれています。
さらに、「説明的知識は、一般性の高い概念的知識と、単元で扱う学習材とを結びつけた知識」として、説明的知識=概念的知識+具体的知識 としています。丹葉地区が今やっているのは、むしろこちらに近いでしょう。
土井は、若い頃、社会科教育研究センターという研究団体に属していました。
大野連太郎代表、朝倉隆太郎、里野清一、北 敏夫、中野重人、水越俊行などといった、そうそうたるメンバーの会で、「探究学習」をやっていました。
そこでは、「概念的知識」に代わる言葉として、「中心概念」を使っていました。これは、一小単元に一つ存在します。
大野連太郎は、次のようにいっています。『社会科授業の探究 第2集』P.136
-----以下引用-----
中心概念は、その名の通り、中心的な概念であるから、社会の現象についての事実認識を意味するのではなく、学習の対象となっている社会の現象の根底に横たわる意味的なもの、その現象を整理・解釈した上でとらえられる社会的意味というようにとらえてきたはずである。
その社会的意味には、
○ 社会的傾向性-社会現象の中に見られる一つの傾向性、自然科学でいう法則性のように、 社会的傾向性は、実験によって再生産され、数量化できるというものではない。その意味で、 重要な傾向性というのが適切だと考える
○ 社会の様々な機構、仕組み、生活様式などの類型的特性-社会についての認識では、それ が他と類別される個性的な特性をとらえることが重視される。日本の雪国の農業を米作依存 の単作農業として、表日本のそれと類別しようとする認識などは、その一つの例であろう。
○ 社会的機能・役割-社会科の学習では、様々な社会的施設、機関の学習がしばしば取り上 げられるが、その時、認識させようとしているものは、そのものが社会の中で果たしている 機能・役割であろう。それをいい表したものを中心概念というようにとらえてよい。
------引用終わり------
「社会的意味」は、丹葉地区でも「社会的意味づけ」として取り組んでいた時期があります。高橋先生が研究チーフの頃かな?
ということで、土井としては、「学習指導要領の内容を、授業者として社会的に意味づけた思い」と理解しています。法則性に加えて、学習内容、さらには授業者の個性が盛り込まれるべきだと思うのです。
社会的な見方について
「文科省から出ている表の言葉」は、あくまでも例示で、澤井さんは、「授業者で膨らませて」といっています。これは、あくまでも具体で考えるべきです。
例えば、産業学習では「立地条件」は社会的な見方の一つです。
しかし「コンビニをどこにつくるか?」という課題のもとでは、「立地条件」は課題そのものです。その課題を解決するための社会的な見方とは、
・ 周囲の環境(オフィス街か住宅街か文教地区かなど)。これは「購買層」「消費者のニー ズ」とも似ています。「人口分布」「年齢分布」も重要です。
・ 交通(道路沿いか駅の近くか)。これは「周囲の環境」に含める考え方もあるでしょう。 配送ルートも関係します。
・ ライバル店の分布
・ 土地の広さと価格。駐車場の台数、借地料・固定資産税などの額に響きます。
これらを含めて一言で言えば「マーケティング」でしょうが、小・中学生には難しいですね。
これらの見方は、他の学習でも応用が利くものばかりです。どう表現するかの問題ですね。
「見方の数」について
これも、授業の内容によって変わります。ベン図で考えた人は2つ、Yチャートなら3つ、Xチャートなら4つ、ボーン図なら4つ以上かもしれません。教材、授業展開に応じて、授業者が考えればよいと思います。
要は、説得力があればよいのです。
ちなみに、6月21,22日に行われた岐阜市立加納小学校の3年生社会科では、岐阜市のようすを場所ごとに特徴を見ていく切り口として、「土地の使い方」「地形」「交通」「自然」「昔の町なみ」という5つの見方カードを使っていました。※ 本時は「昔の町なみ」は該当せず。
3 『階-社会科教育を考える-』(帝国書院)
人のセンスは情報で磨かれます。幅広い情報を得るには、ある程度以上の信頼性のあるサイトをいくつか定点的に見ていくことが一つの手。
今回は、おすすめの経済サイトを紹介しました。
5 文部科学省 動画シリーズ
教職員支援機構のオンライン研修「校内研修シリーズ」は優れものです。校内研修用の資料を動画とスライド原稿等で準備されています。
各学校で実施する校内研修を60分と想定し、その中で活用できる20分程度の動画が準備されています。講義動画では、基礎理論・理論的整理と考え方が提示されています。
校内研修の始めに視聴し、そのあと、演習や発表などを行うことで、校内研修のさらなる充実を図り、教員の資質能力の向上を目指すものです。便利な世の中になりました。
よいと思ったものを抜粋しました。
道徳科の授業の充実を図るために:校内研修シリーズ No23
「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて:校内研修シリーズ No25
教育現場におけるコーチングコミュニケーション:校内研修シリーズ No43
ネットいじめの未然防止及び解決に向けた指導と対応:校内研修シリーズ No45
道徳科に求められる評価:校内研修シリーズ No46
いじめのとらえ方と予防:校内研修シリーズ No56
『主体的・対話的で深い学び』を見取り、実現する校内研修:校内研修シリーズ No58
教師の資質と役割とをめぐるディスコースの国際動向:校内研修シリーズ No61
6 文部科学省関係資料
まずは基本サイト
これ以降は、最近の審議会等報告です。
(4) いじめ防止対策協議会(平成29年度)(第3回)
(資料1)いじめ防止対策協議会設置要項・委員名簿 (PDF:94KB)
(資料2)SNS等を活用した相談体制の構築に関する当面の考え方(最終報告)(案) (PDF:279KB)
(資料3-1)いじめ防止対策に係る事例集(案)項目一覧 (PDF:58KB)
(資料3-2)いじめ防止対策に係る事例集(案) (PDF:7921KB)
(参考資料1-1)いじめ防止対策の推進に関する調査結果に基づく勧告(概要) (PDF:1071KB)
(参考資料1-2)総務省「いじめ防止対策の推進に関する調査結果に基づく勧告」を踏まえた文部科学省の対応について (PDF:54KB)
(参考資料2-1)いじめ対策・不登校支援等総合推進事業 (PDF:127KB)
(参考資料2-2)SNSを活用した相談体制の構築 (PDF:215KB)
(参考資料2-3)いじめ防止等対策のためのスクールロイヤー活用に関する調査研究
(5)児童虐待が疑われる事案に係る緊急点検再フォローアップ
虐待が疑われるケースに係る学校・教育委員会等における緊急点検再フォローアップ結果【詳細】 (PDF:304KB)
(6)TALIS(OECD国際教員指導環境調査)
OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018調査結果
我が国の教員の現状と課題 -TALIS2018結果より- (PDF:169KB) PDF
OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018報告書 -学び続ける教員と校長- のポイント
OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2013年調査結果
我が国の教員(前期中等教育段階)の現状と課題-国際教員指導環境調査(TALIS)の結果概要
OECD国際教員指導環境調査(TALIS2013) のポイント (PDF:308KB) PDF
(7)学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議 令和元年度第1回 配付資料
(資料1)学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議について (PDF:72KB)
(資料2)学校における携帯電話の取扱い等に関する論点等(たたき台) (PDF:35KB)
(資料3)学校における携帯電話の取扱い等に関する今後の進め方 (PDF:19KB)
(資料4)竹内委員提出資料 (PDF:97KB)
(参考資料1)「学校における携帯電話の取扱い等について(通知)」の発出 (PDF:69KB)
(参考資料2)児童生徒が利用する携帯電話等をめぐる問題への取組の徹底に (PDF:1989KB)
(参考資料3)学校における携帯電話の取扱い等について(通知) (PDF:358KB)
(参考資料4)小中学校における携帯電話の取扱いに関するガイドライン(大阪府作成)
(参考資料5)子供の携帯電話やインターネットをめぐる問題に関する取組(通知) (PDF:164KB)
(参考資料6)平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)
(参考資料7)平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)
(参考資料8)「平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」