第535回 社楽の会報告    第534回   第536回へ   TOPへ
                                                           
報告者  土 井

 2020年10月22日(木)社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井(名古屋芸術大)、奥村先生、吉田先生(岩倉東小)、早川先生(布袋小)、勝村先生、鈴木先生、安形先生(犬山中)、日佐先生(岩南中)、髙木先生(池野小)、高橋先生(岩北小)、坪内先生(江南市教委)、池邑さん、12人でした。

土井の資料を紹介します

1 GIGAスクール特集Ⅲ 翻訳機能は教育を変える?! 
2 『社会科教育11月号』(明治図書)をすべて読む
3 NHK大河ドラマ特別展 麒麟がくる/岐阜市歴史博物館へ行ってきました
4 歴史カードゲーム「長篠の戦い」
5 三河武士のやかた 家康館 へ行ってきました
6 『社会科教育2月号』原稿(案)
7 書籍紹介
8 文部科学省資料

 
     

0 GIGAスクール特集Ⅱ (前回のまとめ)
 「音声入力は教育を変える?!」
 Chromebookのdocumentの音声入力は教育を変えるかもしれない。その内容を話し合ってみました。

児童・生徒・学生に

作文指導より、話し方指導が重視される。スピーチ力が上がる
子どもの音読のトレーニングになる。
子どもの音読の宿題の成果が可視化できる。
1年生が、漢字が読めるようになる
英語での英作文、発音練習になる。翻訳機能を交えて、日本語指導が容易になる。
聴力が弱い人に、情報を視覚化できる。
タイプ入力の差が緩和される。
見学時などでのメモが容易になる。

教師に
文字起こしが簡単になり、会議録、授業記録等の作成が容易になる。
無駄な言葉が減り、話し方がアップする。
ノート効率が上がるので、授業がより効率化できる。
滑舌のトレーニングになる。

社会に
書く力に変わり、読む力・話す力、漢字の正誤を判断する力が必要となる。

デメリット
ますます、漢字を書く力が弱くなる。
失言等が残る。

1 GIGAスクール特集Ⅲ 翻訳機能は教育を変える?!
例えば、次のような新聞を翻訳して読むことができます。
【Newseum「Today’s Front Pages」】(英語、及び現地語表記)
 世界各国の新聞のトップページが、新聞紙のレイアウトそのままに閲覧できます。その数なんと、50~70カ国・500~700紙。日によって変動はあります。
 PDFで閲覧でき、拡大表示・印刷も可能です。また、当該新聞サイトへのリンクも張られております。
 10月14日は584紙を見ることができました。 

 http://www.newseum.org/todaysfrontpages/default.asp  

ウルグアイのモンテビデオ紙

グーグルレンズで覗くと、左のように見えます。
AR翻訳機能で、カメラを向けるだけで、英語を始め、数十カ国以上の言語をサクッと翻訳してくれます。
世界が思いっきり広がります。


【OpinionSource「Today’s Newsletters」】(英語表記)
米・英・中・中東・印など主要紙の、最新といってもよい社説が掲載されております。
 http://www.opinionsource.com/newsletter.jsp  

2 『社会科教育11月号』(明治図書)をすべて読む
特集 今押さえたい! これから求められる歴史授業

1 提言 これからの「歴史授業」とは何か―学びの意味の視点から考える
「他人事」から「自分事」の学びへ/二井 正浩
 今日この時間になぜこの内容の勉強をするのかを答えられるように。歴史を学ぶ必然性を

2 5つの視点で見る これからの歴史授業
視点1 クリティカルシンキング 情報を評価し,歴史を描くクリティカルな授業/土屋武志
 歴史の学習を評価・判断する授業へ。「考える」ではなく「…をする」、まず自分の歴史から
視点2 学び合い 学習者研究から始める主体的・対話的な歴史授業づくり/大島崇行
 学習者に学びの「時間」「空間」「方法」を保証し、見方・考え方を課題に取り入れる
視点3 グローバルな視点 グローバルヒストリーの観点を取り入れた歴史学習の創造を/児玉祥一 コロナで示されたように、歴史もグローバルな視点を取り入れるべき
視点4 ICT活用 主体的・対話的だけではなく深い学びを保障する手段としての活用/宮本英征 ICTの使い方としては初歩的。プロジェクターとGoogleClassroomを活用。
視点5 ユニバーサルデザイン 視覚情報から深い学びにいざなう歴史授業/前川修一
視覚情報による発問で授業を組み立てていく実践。鎌倉仏教、薬子の変。

3 授業をワンランク上げる ヒト・モノ・コトで考える歴史授業
ヒト メアリー一世 人物再評価学習の可能性/竹中伸夫 悪政で名高いメアリー一世の評価を吟味する。日本でも綱吉や田沼意次、日野富子、松永久秀、明智光秀、石田三成に当たる
モノ 考古資料 「触れる」「使う」「感じる」―体験型の歴史授業―/大網信良
 埋蔵文化財を用いた触れて使って感じる歴史学習。本物の威力はすごい
コト マゼランの死 セブ島/田尻信壹 歴史は理解するものから解釈するものへ。マゼランはフィリピンでは侵略者であり、マゼランを倒したラブラブは英雄。国名の変更をも計画

4 授業最前線 押さえておきたい歴史授業モデル 小学校
縄文~弥生時代 記述の先にある解釈・説明・判断する授業/福田弥彦 縄文と弥生を比べて解釈・説明・判断する実践。「米作りが始まって楽になったか?」を議論。判断が二分した
平安~鎌倉時代 社会的事象の見方・考え方を働かせ,「歴史を学ぶ意味を考える」歴史授業モデル/渡部健 鎌倉時代を今と比べて歴史を学ぶ意味を実感させる。興味深い
江戸時代 「政治」と「文化」をつなぎ,江戸時代観を再構成する/水口純 時代を「文化」を軸に政治を絡ませてとらえて理解する授業。4時間使っている。おもしろい!
明治時代 子ども自身が学びを創る授業デザイン/鈴木遼輔 年表づくりから問いを作り、学制、富岡製糸場などを例に時代を読み取っていく実践。具体的で参考になる。
昭和時代 日本の歴史と学校史のクロスデザイン授業/中村祐哉 校歌の歌詞の変化により、 戦前と戦後の違いを考える。国民学校令施行規則第36号で校歌の歌詞・テンポも統制した

5 授業最前線 押さえておきたい歴史授業モデル 中学校
縄文~飛鳥時代 「カギ」となる事柄を定め,考えさせる授業/河原紀彦 縄文時代を「定住」、弥生時代「鉄製」、古墳時代「前方後円墳」、飛鳥時代「東アジア情勢」というカギで考える
奈良時代 この土地は誰のもの ~歴史の流れで学ぶ土地制度史~/村上利雅 土地を軸に歴史の流れを考える授業。墾田永年私財法と大仏建立を関連づけている。具体的で参考になる
室町時代 象徴する文化事象を考え,時代の特徴を掴む/小林禎 「室町時代の一番代表的な文化は何か」を課題としている。以前にはやった例だが課題としての必然性・根拠が弱い。
戦国~安土桃山時代 歴史的類推を方法原理とする歴史授業モデル/西村豊 「歴史的類推」とは現代の課題を、過去の類似した事実より教訓的に解決を図ること。面白そう!
江戸時代 歴史史料を活用した探究学習 「伊勢に行こうぜ!庶民の旅へのあこがれと化政文化」/太田昌吾 テーマは面白いが、伊勢講が旅行業者?慶安の御触書? 内容に疑義がある
明治時代 時代の変化を捉える授業づくり ~版籍奉還と廃藩置県を通して~/佐伯 綱義
歴史学習;①どう変化?、②何が原因?、③前と何が違う?。発問で見方・考え方を鍛える実践
昭和時代 「授業のユニバーサルデザイン化」の視点で育む多文化共生社会の芽/小谷 勇人
 外国にルーツを持つ児童生徒に多文化共生、異文化理解を。授業のUD化色は薄い。

6 授業最前線 押さえておきたい歴史授業モデル 高等学校
日本史 日本史探究 クリティカルな視点で複数資料から考察する/加藤潤 問い→仮説→複数資料の考察・検証→教科書講義→振り返り で進める授業。元寇を例に紹介
日本史 歴史総合 COVID―19パンデミック下で考える「三つの東京オリンピック」/石川照子 1940年、1964年、2020年の3つのオリンピックの開催目的を見当するもの 面白い!
世界史 世界史探究 SDGs目標5「ジェンダー平等」の視点を組み込んだ世界史授業/川島啓一 米独立戦争、フランス革命、ナチスでの女性の地位の低さを考察。教材研究が深い
世界史 歴史総合 歴史教育における目標設定/美那川雄一 カリキュラム論の古典、タイラー原理での目標設定のための3つの視点「学習内容・学校外の現代生活・教科の専門家の見解」

最新情報で徹底解説! どうなる・どうする社会科教育 (第20回)/小倉勝登
評価したことを指導に生かす、評価したことを記録に残す。単元を通して評価を設計しよう
スペシャリスト直伝!授業がもっとうまくなる社会科授業スキル (第8回)/佐藤正寿
見学・調査活動を充実させるスキル。基本が書かれている。
100万人が受けたい!見方・考え方を鍛える中学社会 大人もハマる最新授業ネタ (第8回)
/河原和之 コロナ感染数を地理的視点から見える化し感染症の分布の規則性を考える面白い この河原先生の著書を7で紹介。教材研究の視点が面白い!
新学習指導要領 社会科授業デザイン&評価のポイント (第8回)/澤井陽介
中学校社会科のデザインを単元の構成から考察。小学校と比較。
ICTも有効活用!板書&資料でよくわかる授業づくりの教科書 (第20回)/朝倉一民
5年生輸送単元を空間的視点で輸送方法を、交通網的発展を時間的な視点で考える 面白い
見方・考え方を働かせる!単元を貫く学習課題でつくる中学社会ワーク (第8回)/川端裕介
大日本帝国憲法を五箇条の御誓文と比較する。天皇・政治家・国民の位置づけを考える。
地理大好きな子どもを育てる!見方・考え方を鍛える地理授業デザイン (第8回)/吉水裕也
マクドナルドが世界の食を均質化?それとも多様化?グローバル化を経済・文化から考える
最新情報でしっかり解説!歴史教育はどう変わるか (第14回)/藤野敦
「歴史的思考力」という言葉がなくなった背景を解説。~力という言葉は定義が難しい。
学びと社会がリアルにつながる!SDGsの視点でつくる公民授業 (第8回)/唐木清志
「目標11住み続けられる街づくり」を日本の都市化問題で考える。途上国だけではない。
社会科における深い学びの実現とは (第8回)/山田秀和
 深い学びを水の学習で取り組んでいる。働きかける場で、横断的視点で深い学びに迫る
銅像からわかる!つれづれ歴史散歩ガイド―目からウロコの教材づくり― (第8回)/寺本潔
 元小学校の校庭にある吉田松陰座像から授業を構想。社会科は足で稼ぐ大切さがわかる
わが県の情報 ここに「この授業あり」 (第272回)長野県の巻/佐々木 哲也

3 NHK大河ドラマ特別展 麒麟がくる/岐阜市歴史博物館へ行ってきました
11月3日まで行われています。
名誉館長の小和田先生も初めて見るものも多く、光秀が使っていた茶碗、稲葉一鉄画像、細川ガラシャの肉筆も展示されています。
242ページの図録は圧巻です。
 オンラインで予約しないと入れません。
YouTube 戦国・小和田チャンネル NHK大河ドラマ特別展「麒麟がくる」 https://www.youtube.com/watch?v=9ugS6vhgLNs 


4 歴史カードゲーム「長篠の戦い」
 岐阜市博物館で買ってきました。『長篠合戦図屏風』の部分図をトランプにしたものです。見慣れた「白帝文庫」のものではなく、「長浜城歴史博物館」のものです。
 構図は同じですが、着色が違います。その違いを比べながら、実物で遊びましょう!


5 三河武士のやかた 家康館 へ行ってきました
 岡崎城の二の丸跡に建てられた三河武士のやかた家康館に久しぶりに行ってきました。家康公の出生から天下統一までと、それを支えた三河武士達を、常設展で5つのコーナーに分けて解説しています。動画以外は、ほぼすべて図録に載っています。 
 その他に『岡崎城』『家康と三河』『岡崎時代の家康文書』を購入しました。


6 『社会科教育2月号』原稿(案)  
 私に与えられたテーマは「子どもの主体的な学びを生む授業づくりの深め方」4ページです。
主体的な学びが「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる(学び)」 と定義されたことから、「見通し」と「振り返り」に焦点を当ててまとめてみました。
 11月13日締め切り 


7 書籍紹介


現代の中学校版 有田和正、こと河原和之先生の「100万人が受けたいシリーズ」です。

8 文部科学省資料
(1)義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議(第1回)配布資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/157/siryo/mext_00006.html 

(2)新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会(第14回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/083/siryo/1422644_00015.htm 

(3)「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(中間まとめ) 概要の1,9ページを別紙で紹介
  https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1382996_00006.htm  

次回予告 第536回 11月5日(木)19時 オンライン
特集 パワーポイントの工夫

参加した人の希望者に土井のパワポデータを差し上げます。

学習内容に意欲の低い子には見せ方で魅せましょう!

元データを書き換えるだけのちょっとの工夫で、大きな効果を狙いましょう!