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報告者  土 井

 2022年11月17日(木)社楽の会を布袋北学習等供用施設で開催しました 。

参加者(勤務校)は、土井(名古屋芸術大)、高橋先生、伊藤先生、加藤先生(岩倉北小)、舟橋先生(布袋小)、谷田先生(大口西小)、髙木先生(池野小)、高木先生(犬山北小)、勝村先生、安形先生(犬山中)、奥村先生(岩倉東小)、日佐先生(岩倉南部中)、田中先生(布袋中)、勝村先生(大口中)、阿部先生、土屋先生(門弟山小)、早川先生(西尾・吉田小)、坪内先生(江南市教委)の18名です。

土井の資料を紹介します。

1 伊藤先生の授業を振り返る
 布袋中学校の授業を振り返る
 静岡大学教育学部附属浜松小学校 研究発表会
 秋の研究会参加報告 -ブログ「あなたも社楽人」より-
5 第55回全国中学校社会科教育研究大会 名古屋大会
6 兵馬俑の世界/中日サンデー版
次回は、11月17日(木)18:00 から行います。
 
     

1 岩倉北小学校の授業を振り返る
 素直に驚きました。4人の授業者の授業が「見方・考え方を働かせ」が見事に具現化されていました。しかも、それぞれ、児童が主体的に選択していました。話し合いも温かく、人間関係の距離の近さを感じました。誰もが、自分の端末を使いこなしていました。自由に発言でき
る雰囲気があり、ユニークなアイデアが出ていました。
       
 
 ここでは、一番長く見た伊藤先生のクラスで見てみます。最終黒板です
 研究協議では、「自分事からどんどん離れていった」という意見がありました。これは、社会認識が広がれば当然のことです。決して問題ではありません。ただ、左の図であるように、社会認識をする主体は「公民である自分」です。その意味では「自分意識」は大切で、「伝統を守りたいという思い」からは離れないようにしたいと思います。
 私は、むしろ、もっと広げられたと思います。
 ※ 次に繋げます。
 




2 布袋中学校の授業を振り返る
   ブログ「あなたも社楽人」より抜粋
https://www.schoolweb.ne.jp/weblog/index.php?id=2320017 
 テーマに関しては、全体会で田中先生が述べられたとおりなので、それ以外で感じたことをまとめてみます。
 校内をまわってわかるのが、犬山中学校でも感じましたが、生徒の人間関係の良さです。
周囲と話し合う場面も、自然に、笑顔で対応しています。
 (中略)
 しかし、いまだに一問一答式の授業は多く、伏せ寝こそ減りましたが、「手を挙げなければあたらない」という「精神的伏せ寝状態」は今でも見かけます
 今日の授業では、スプレッドシートに全員が記入し「みんなが書いたのを読んで、自分とは違う見方をさがして」、あるいは 記入したformを送信したシートを共有するなど、意思決定(表現)=共有が一度ででき、音声言語こそありませんが、視覚情報による対話的な学びがおこなわれていました。※ 伊藤先生ではここがほしかった!
 ただ、全員の意思決定は見ればわかりますが、その後の共有を全員がしているのかは目で見えません。
 そこで、私は大学の授業で、「なるほどと思った意見をチャットで教えて!」と見える化しています。シートやformは事前の準備が必要ですが、チャットはすぐにできるからです。
 ただ、視覚による対話的な学びには限界があります。(音声情報による)時間を共有しないと、シナジーが生まれにくいからです。
 また、多くの場合、考えの羅列であって構造化されていません。(理解につながりません)
そこで、教師によるコーディネートが必要なのです。
 視覚情報から、いくつか課題を焦点化するのです。あるいは構造化する必要があるかもしれません。
「詳しく聞いてみたい意見ある?」「〇〇さんの・・・という意見、もう少し詳しく説明して」
などを経て、「それでは、○○について、より深めてみよう」などと、深い学びに導くことが必要なのです。
 今回の研究により、挙手指名主義を脱して、視覚情報で全員が共有するところまではできました。丹葉地区の研究史の中で、挙手指名主義を脱して、視覚情報で全員の共有を試みたことは、今大会の最大の成果だと思います。
 今後は、再び音声情報で深い学びに移行する(シナジーを生み出す)コーディネートの技術が課題になると感じました。※ 田中先生ではこれがほしかった!
 今回の研究のすばらしいのは、次の冊子です。教科横断カリキュラムは労作です。全体発表でもありましたが、中学校のカリキュラムは、教科が違うが似た内容があるのです。それを連携させれば、より効果的であり、より深めることができるのです。 
 そして今回の目玉が、教科別の授業スタイル表です。
 教育の理論は、中央教育審議会の答申を経て、文部科学省から提示されます。しかし、それを具体化するのは簡単ではありません。
 逆に、具体化されたものを見れば、その基盤となる理論がわかります。もちろん、理論をある程度理解していれば・・・ですが。
 現場では、経験の浅い教師が増えています。理論を伝えても、なかなか浸透しません。
 しかし、型から入る、すなわち、まず書かれたとおりやってみると、いろいろなことが見えてきます。そのあとで理論を再確認し、自分に合ったように応用・改善していけばよいのです。
 日本には「守破離」の哲学があります。能や狂言などの段階的修業の思想です。(中略)
 田中先生の授業で使われた「ふりかえりシート」も、始めは型から入り、いずれは自分で自由に書けることを目指しています。
 授業も同じだと思います。先人の型を真似、そこから意味を理解して、自分なりのものにしていけばよいのです。
 しかし、その型はあまり明示されていません。この冊子こそが、その型を明示しているのです。ある程度高いレベルから真似れば、より高みに行くことが可能です。ぜひ、この冊子をたたき台にして、各学校に合ったものを考えてもらえればと思います。
 
3 静岡大学教育学部附属浜松小学校 研究発表会
テーマ よりよい未来を創造する子どもの育成
      ~各教科における「変革を起こす力」を育む学びのデザイン~
  ラーニングコパス2030を見越したテーマです。
児童の現状の課題は
 わかります!
 
4 秋の研究会参加報告 -ブログ「あなたも社楽人」より-
(1)岐阜市立加納中 研究発表会 10月29日(土) ブログ「あなたも社楽人」より抜粋
 社会科部会のテーマは、見方・考え方を働かせて、社会的事象を自分事としてとらえ、よりよい社会を形成する生徒を育てる社会科学習です。
 1年4組では、「応仁の乱によって、時代はどんなふうに変化したのだろう」という課題について、「政治、産業、民衆の生活、文化」の見方で、前と後を「比較」しながら考えていきました。
 1年5組では、「承久の乱によって、社会はどのように変化したのだろう」という課題について、「幕府が支配する範囲、幕府と朝廷との関係、土地の所有 など」の見方で、前と後を「比較」しながら考えていきました。この課題は、よく行われます。
 2年6組では、「東京都が帰宅困難者に対して、72時間帰宅せず、待機するように働きかけているのはなぜか」という課題に対して、「交通網、中枢機能、大都市圏、外国との関わり」 などの見方で、「比較」とその「理由付け」により考えていきました。面白い課題です。
 3年5組では、「岐阜市は誰からも選ばれる岐阜市を目指しているが、「選ばれる岐阜市」とは何か」という課題について、「子どもファースト」「ワークダイバーシティ」「中心市街地活性化&都市基盤整備」「寄り添う福祉&健幸」の施策の優先順位を考えました。
 わたしは、大きさを変えるより、お金をつけるならどこに?の方が面白いと思っていましたら・・・・
 3年3組では、同じ課題について、R4年の予算を、R5年にはどう変えるか?という課題でした。面白いのですが、目の前の生徒が、今年度5,531万円の健康ステーション運営予算を、簡単に2千万円に減らしていました。現実には、よほどのことがないとあり得ません。中3の公民としては、リアリティがなさ過ぎます。
 私なら、「持続可能なまちづくり交付金が2億円配分された。どこにどう配分する?」とします。
 と、細かいことはありますが、全体としては、かなりハイレベルな安定した学びを見ることができました。 https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/edcd06d1338ff61f8d04fd907b318272 
 
(2)岐阜市立青山中学校 11月4日(金) 
テーマ 自ら求め,深い学びを実現する個の育成
            ~自分の学習を調整しながら学ぶ姿を求めて~
 学びの調整がテーマです。午後からは大学のために、午前中だけの参加でした。
 第1時の1年生のアフリカの授業は、5 全中社名古屋大会 で触れます。犬山のアフリカ工房の前田さんの生き方を通してアフリカ支援について考えていきました。
 第2時では、東海環状自動車道の全線開通することで、中部地方の課題が解決できるかという課題について解決していきました。
 理論に対して、統一した手立てはなく、教科ごと、または個人研究の要素を強く感じました。
どちらの授業も、教材研究がしっかりとなされていました。
 ICTはほぼ資料提示装置だけで使われ、共有としての使われ方はなかったように思います。これまでの岐阜らしい授業と言えます。
 
(3)岐阜大学教育学部附属小中学校 令和4年度 教育研究会 11月5日(土)
 体会からスタート。統括校長挨拶で、若くてきれいな人が壇上に上がったのでびっくり!大学の先生か?研究構想・指導案は、https://www.fuzoku.gifu-u.ac.jp/research/ をご覧いただきたい。
 特に心に残ったのは、ラーニングコンパス2030。
 コンピテンシーとして挙げられたのは、新たな価値を創造する力、責任ある行動をとる力、対立やジレンマに対処する力 この3つ。3点目は、私は「問題解決の力」と広くとらえていたのですが、岐阜大学教育学部附属小中学校は違います。引用します。
 
 本校は自己実現に向かう児童生徒の資質・能力を(表3)にもあるように、「問題解決力」「関係構築力」「貢献する人間性」の三つを設定している。これは、学習指導要領における学習の基盤となる資質・能力と捉えることができる。
 また、これらの三つの資質・能力を育むためには、次の三つの場が必要であると考えた。
 一つ目は、実社会・実生活にあるテーマに対して探究的に学ぶ場のことである。
 二つ目は、その探究の中で起こる「エラー」や「ジレンマ」に対して道徳的な議論を繰り返し、他者の価値観を受容して共感的に理解し、他者と自分の幸せのために何ができるのかを考え、行動することができる場である。「エラー」とは、児童生徒にとって、探究の中でうまくいかないこと、乗り越えるべき壁、「ジレンマ」とは、二つ以上の価値で葛藤することと本校では定義している。
 三つ目は、児童生徒が自身の変容や成長を自覚することにより、自分らしさを生かし、他者や社会を受け入れながら、自分と社会の未来に夢と責任をもって行動する場である。
 
 この2点目は、対立やジレンマそのものです。
 次は、育みたい資質能力です。
 この3点目、「貢献する人間性」は、学習指導要領の「学びを人生や社会で生かそうとする学びに向かう力、人間性等」のことです。この中の説明「責任をもって行動」は、ラーニングコンパスのコンピテンシーの一つです。さすがです。
「どう生きる科」7年2組の授業を紹介します。
 テーマは、「これからの柳ヶ瀬商店街」
 ゲストティーチャー(GT)が2名おり、一人は従来の商店街を残す派、一人は再開発する派の人です。
 最初に、後者のGTから発言がありました。「再開発と言ってもすべてなくすわけではない。残すものは残して、全体として人口や人流れを増やし、商店街を活性化する。」
 おそらく、生徒が「残す派」偏っていたのでしょう、。バランスをとった気がします。
 以後、6つのグループがタブレットでベン図に書き込んでいきます。それがモニターに映し出されています。
 この時間までには、マインドマップで、柳ヶ瀬商店街のイメージを広げています。
 次に、クラゲチャートで、これからの柳ヶ瀬商店街のキャッチフレーズを考えています。
 そして、本時です。
 班ごとに発表しながら、意見が分かれていることを確認します。
 ここで、主発問、「みんな、柳ヶ瀬商店街のことを考えているのに、どうしてこんなに違うのか?」
 立場が違う、違うから人が集まる、話すのが大切、対立があってよくなる・・・・
 まさしく、アウフヘーベン。対立を超えた合意形成こそが大切という雰囲気になってきました。後者のGTが「140年続いた柳ヶ瀬商店街は、意見の違う人が集まって受け継がれてきた地域のバトン。タブレットは、いろいろな知識がかけ合わされて発明された。まちづくりも同じ。常に入れ替わる多様性が大事。まちづくりも、違う意見をどうかけ合わせるのか。」
 まさに、社会科と総合、道徳が融合した、「問題解決力」「関係構築力」「貢献する人間性」が具現化された授業でした。
 これまで見た授業の中でも、特に印象に残る授業の一つでした。
 午前中だけの訪問でしたが、とても勉強になりました。
 岐阜大学教育学部附属小中学校の先生方、児童・生徒のみなさんに感謝いたします。
   https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/f1b5c9c8c3f814691ccad24296fe2ee5 
 
 
(4)岐阜市立長良西小学校   11月5日(土)
 『社会を創造する子』を目指して ~「たんきゅう」する力の育成~  
   社会科には魅力あるテーマです。
 附属小中学校と重なったために、午後からの参加となりました。ここでも感じたのが、ラーニングコンパス2030です。何度も出てくる「ウェルビーイング」とは、個人&社会の幸福を意味します。そして、コンピテンシーの一つが、「新たな価値の創造」です。
 長良西小学校は、メインテーマが「社会を創造する子」です。
 そして、めざすゴールが「よりよい社会と幸福な人生」、これは「ウェルビーイング」そのものです。
 ラーニングコンパス2030が、理論の中に生かされていることがよくわかります。
 授業は、主に5年3組「 これからの食料生産とわたしたち」を参観しました。
 会場のにこにこ広場には、これまでの学習に使った多くの資料が壁に貼られています。
 この資料掲示型は、20年前に見た長良東小学校での光景と同じです。令和元年の全小社岐阜大会での那加第二小学校も資料掲示型でした。
 昨年の長良中学校、今年の加納中学校、青山中学校、附属小中学校では、資料はタブレットでデータの形で配信されていました。資料配信型です。
 資料作成の効率、印刷の費用、さらには、自宅からでもどこでも資料が見られることでは資料配信型が有利でしょう。
 ただ、一つの資料に視点を集め、一緒に考えることは、シナジーを起こすという点で、資料提示型には捨てがたい魅力があります。
 教師の働き方改革もあり、いずれは資料配信型、あるいは、資料検索・収集型に移行していくと思われます。
 教材内容に応じた使い分けがよりベターでしょう。
 授業は、日本の食料生産の問題として、「後継者不足」「米の消費量の減少」「安全性の低下」「自給率の低下」の4つの観点で調べた個人の考えを、「有効性」「実現性」の視点でスクランブル交流を行いました。
 教師は、全員の考えを把握し、2次元マップに位置づけていたように思います。孤立している児童に、「〇〇さんのところへ行ってごらん」とペアリングしていました。この支援は見事です。
 最後に、「11歳の私として」と振り返りを書きました。前半の話す力と共に、書く力の高さにも驚かされます。ただ、「有効性」「実現性」の視点はあまり生きていなかった気がします。5年生では難しいのかもしれません。
 挙手指名で一人を指名し、ゲストティーチャーの福井さんに一言いただきました。福井さんは、元々農学者で、大学を退官した後、実際に営農している方です。「野菜で生活を豊かにしてほしい。美味しく調理して、美味しく食べてることで豊かになってほしい」とウェルビーイングに繋げていたのはさすがです。趣旨を理解してみえました。
 
 他の授業もざっと見たのですが、3年生の外国語活動には驚きました。8人のALTとオンラインでつながっており、それぞれが、話したい相手のタブレットに向かって、英語で会話をしていました。これを、定期的に行っているのか、発表会としての見世物かは気になるところですが、定期的に行っていればすごい実践です。
 
 家庭科では、「見方・考え方」が明確に意識された実践が行われていました。「見方・考え方を働かせる」授業としては、模範的な実践と言えます。
 
 理科では、4年生が示温インク(サーモインク)を使った実験をしていました。示温インクは、温度変化を色の変化として見える化できるインクで、熱の伝わり方やものの温まり方の実験に使えます。
 今回は、温かい水(ピンク色)に氷を入れ、冷え方(ブルーに変化)を観察するものでした。説明する男子の理論的な説明に驚きました。
 
 全体会ではわかりやすい説明がありました。
 長良西小学校と言えば、伝統ある大規模な児童集会が有名です。
 これまでにも何回も見ましたが、ここでの教師や上級生の表現力が、全校によい影響を与えているのではないかと思います。
 加納小学校のミュージカルと同様、学校のカラーをつくっています。
 数時間の訪問でしたが、よいものを見ることができました。長良西小学校の先生方、児童のみなさんに感謝いたします。
    https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/18551f8dc6d78c4c87e7838f6bb0dffd 
 
(5)愛知教育大学附属名古屋小学校 2022秋の公開授業
 11月9日、愛知教育大学附属名古屋小学校 秋の公開授業へ行ってきました。5時間目に、3年3組 伊藤圭紀先生の授業を参観しました。「事故や事件からくらしを守る」の警察の仕事の単元です。
 この課題について、前時までに調査活動を行ってきました。ここで、どの程度、調査が進んでいるかを出し合いました。
・地域での活動とは ・警察犬の仕事 ・警察官が増えている ・警察官の仕事の一日の流れ・通信指令室 ・事件や事故の起こりやすい場所 ・どのように事件を減らすか
などと次々に出されました。
 
 私が感心したのは、「消防でもあったから、泥棒が入らないように・・・」と、「防火」と「防犯」をつなげて発言した児童に対して、他の児童が「つながっている」とつぶやいたことです。
伊藤先生の意識している「つながり」が、児童に伝わっていることがわかります。
 この後、訓練などが出された後、緑の付箋が登場しました。児童は、事実について青い付箋、どのようにが黄色の付箋、なぜについて赤い付箋と、疑問の質を3つに分けて書いています。
緑付箋は、他の人の調べを見て、「もっと知りたい」「これどういうこと?」などの疑問点を書くものです。その後、書いてもらったものを見て、もっと調べてみたいと思うことを発表します。
 つぎに、「こんな緑をもらった」を相互氏名で発表していきます。
「道具のなかで使いづらいものは何か」「昔の警察と今の警察との違いは」「犯人を逮捕した後どうするのか」などが出されました。
さらに、それらの疑問について、自分で調べてわかるものと、警察の人に聞かないとわからないものに分けていきます。それが、警察署見学の時の質問になるのです。そこでチャイムが鳴りました。
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 以下が、私の感想です。
・3年生と思えないほど語彙が豊富です。「法律」という言葉や、資料中のデータがポンポンでてきます。とても鍛えられていると感じました。
・見事に全員参加していました。学級の雰囲気も明るく、確かな学級経営を感じました。
・課題である「安心・安全」から、やや離れた内容も出てきました。子どもらしい自然な疑問だからよいのか、軌道修正した方がよいのかが、協議会で話題となりました。
・板書には、児童の発言が羅列されていました。私なら、視点別に構造的に板書をします。その視点こそが、社会をみる「見方」になるからです。その意味では、「見方・考え方」にもっとこだわってもよいと思いました。
・「消防」と「警察」をベン図にするとおもしろいと思ったら、さすが伊藤先生も同じことを考えていました。全体のまとめにふさわしい活動です。
・ICTを活用して調べている児童が一人いました。現在、多くの学校でICT活用されています。このような調べ学習も、その成果を共有する実践も多く行われています。3年生でも入力が速いと聞いているので、調べたことをどんどん共有シートなどにアップしていけば、意見を出し合って共有する時間が短縮でき、「安心・安全」についてより深めることができるのではないかと思いました。
 それにしても、3年生でこのレベルなので、高学年も見たくなりました。
 伊藤先生、そして附属小の先生方、貴重な勉強の機会を与えていただきありがとうございました。  https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/84ba0d662a0050931c4468ce0c97fc51 
 
5  第 55 回全国中学校社会科教育研究大会 名古屋大会 
 令和4年11月11日(金) ウインクあいち(WINC AICHI)で開催されました。
 主題は、人間の生き方を問い続ける社会科学習
    ?「多様化する社会」を生き抜く生徒を育てる授業の追究?            教材化の工夫について
 ① 「多様化する社会」とのつながりや新たな関わりに気付くことができる教材
② 課題を追究する中で、人々の営みが見える教材
③ 価値観が揺さぶられ、追究意欲が持続する教材
 
  学習活動の工夫について
昨年度、小学校段階では、これまで小学校部会で培ってきた3段階の学習段階「つかむ」「調べる」「まとめる」を生かし、よりよい社会の実現に向かう「新たな課題」に出合う「つなぐ」段階を設定しました。また、中学校段階では、一昨年度同様、学習段階を「とらえる」「考える」「認め合う」「つなぐ」段階を設定しました。これにより、小学校・中学校の子どもたちは、それぞれがよりよい社会の実現に向けて、自分の考えをもつことができました。
 そこで、今年度は「学習活動の工夫」を重点として、小学校・中学校の学習段階に応じた個別最適な学びと協働的な学びを取り入れ、一体的に充実させていくことで、目指す子どもの姿に迫ることができるのか、検証していきます。
 
 私は、地理部会に参加しました。
 2本の発表のどちらも、教材研究がしっかりとなされていました。
 以前、明治図書の論文で、地理は、分析と総合の往復運動と書きました。特定の事例から一般化し、またさらに事例に還り、さらに上位の概念で一般化することを繰りかえすという意味です。
 今回はアフリカの将来についての授業実践がありました。
 先日岐阜(青山中学校)で見たものは、ガーナでシアバター生産の支援をしている前田さんを通して、新のアフリカの支援について考えていきました。
 名古屋のテーマは、人間の生き方を問い続ける社会科学習。むしろ岐阜の授業こそが、生き方に触れています。今回の授業の例では、人が見えてきませんでした。
 社会科の鉄則(私の言葉ですが・・・)に、「データには具体的事例で命を吹き込め、具体的事例はデーターで裏づけろ」というのがあります。
 今回の実践では、具体が弱く、データによる評論家になってしまったのが残念でした。
  https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/85941d3a3e833cb4c48e49742613a606 
 



6 兵馬俑の世界/中日サンデー版
 前回、なぜ始皇帝の兵馬俑は等身大か?という疑問を出しました。その答えが、中日サンデー版(10月30日)に載っていました。ここでは、鶴間和幸先生(学習院大学名誉教授)が、「なぜ始皇帝だけが大きな兵馬俑をつくったのか」について述べています。
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 中国の長い歴史の中で、なぜ始皇帝だけが大き兵馬俑を作ったのか」。その答えを簡潔にまとめるならば、①秦の西戎(せいじゅう) 文化の賜(たまもの)、②西方文化の影響、③始皇帝の遺志というものになるでしょう。秦文化は、中華の文化からは西の戎(えびす) の文化とみられ、馬や鹿などを丁寧に埋葬する習俗が、等身大の兵馬俑の発想を生み出したと考えられます。 一方、人間をリアルで等身大に描く発想は、ユーラシアの西方のギリシャ文化と関係があるのではないかと推測され始めています。 始皇帝の遺志という観点は、私自身、最後に気づいたことです。
   https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/30ecc6f038f3a78d90162195dcdf59c0 
 
予告 今年度のシーズンオフ企画は・・・・
 1月19日 土井 による
 「愛知出身の二人の新首相から考える平和、そして今」
 これまでのみなさんのイメージが一新されます!
 
 2月9日 岩倉北小学校長 高橋宏滋先生です。
 
 3月9日 江南市立古知野北公民館長 木本 純先生です。木本先生には、フィールドワークの面白さについて、実例を交えて語っていただきます。
 
 次回(569回)は、12月1日(木)18:00~ 布袋北学供です。