第88回 社楽の会報告    第87回へ   第89回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 2月19日(木)布袋北学供にて、第88回の社楽の会を開催しました。参加者と社会科(生活科)の担当学年を紹介します。土井(中1)、尾関先生(中2)、天野拓夫先生(中1)、岩井先生(小4)、高橋先生(小2)、大藪先生(中1,3)、奥村先生(小3)、勝村先生(小6)、栗林先生の9名でした。
 
☆ 土井より、尾北教組教文部長・大池先生よりいただいた第47次教育研究集会全国大会社会科レポートを紹介しました。今年は、1月22〜25日で鹿児島で行われました。小・中・高でレポート数は45あり、まだ、すべてを読み切っていないので、また次回にも紹介します。
・ 次に、法則化中学校社会科論文を紹介しました。発問・指示が示され、資料・ワークシートまで準備されているので、すぐに授業で使える形になっています。
  ここでは題名のみ紹介します。著者 藤井英之氏、2958〜9 嶋田 卓幸氏
 2926 おだいしさん 平安時代第2時・新しい仏教と東アジアの動き 
 2927 「阿て河荘上村百姓等言上状」でたくましく生きる農民の姿をつかむ
 2942 アフリカの飢餓に正対する     2943 朝鮮半島レポート      
 2944〜7 地域をひとまとめに学習する方法(1)〜(4)東南アジアの場合
 2948 なぜルターは支持されたのか? 宗教改革
 2949 コロンブスとマルテルスの地図 2950 戦国大名の思惑     
 2951 鉄砲と信長・信玄        2952 金閣・銀閣で室町文化を探る 
 2953 なむあみだぶつの旗 一向一揆と自治       
 2954 検地は農民にとってありがたかった? 太閤検地  
 2955 宣教師の目的と信長・秀吉 2956 先生の授業のやり方になれなさい
 2957 ひみつの地図    2958 左下の男を泣かせたのは誰か 
 2959 左下の男が泣いた後、何があったのか  
・ 次に、明治図書『生活科と共に総合学習を創る』から依頼のあった拙稿「総合的学習何をどこから始めるか 行事と学級活動・道徳をリンクしよう!」を紹介しました。教科担任制のために導入が難しい中学校での総合的学習を進める手順、実例を紹介しました。行事やイベントを核に学級活動・道徳で柱を作り、関連教科をリンクしていくものです。

☆ 天野先生より「天下統一への道のり 織田信長と豊臣秀吉」を紹介していただきました。先生自ら書かれた、授業の中で生徒が演じる歴史劇のシナリオです。天下布武、敵に囲まれた小さな国、墨俣の一夜城、室町幕府をほろぼす、長篠の戦い、本能寺の変、秀吉対光秀、秀吉天下統一 の8場面に分かれています。
 授業中に生徒が楽しそうに演じているのが目に浮かびます。天野先生の意欲的な取り組みを高く評価したいと思います。
・ 次に、前任校で活動してみえた岡崎・社会科サークルのレポートを紹介していただきました。中3・小6で福祉について社会科で教材化した実践です。
 中3では、映画「はないちもんめ」を視聴した後、高齢者の現実を知るための調査、世の中が老人にとって暮らしやすいかどうかの立場討論、市の施設での再調査と発表、他と比較して岡崎市の対策が良いかどうかの話し合い、21世紀に向けた私の福祉プランを作ろうという流れです。かなりの時間数が必要だそうです。
 小6では、高齢者の生活を調査・発表し、老人保健施設の見学を経て、介護に携わる人々の努力を理解した後、高齢者が不安なく生活するにはどうしたらよいか考えます。小・中とも、スケールの大きな実践で参考になります。
・ オーストラリア発見学習指導プランコンテスト原稿を紹介しました。ある立場の人(商社員、雑誌編集者等)になりきり、現地での調査計画を立てるというものです。調査段階ではオーストラリア在住の人と直接情報を得ることにより、国際理解につなげていきたいと考えました。
 昨年度の応募者は1万6千件と聞いて驚きました。もう少し膨らませたものを夏に実践する予定です。
・ つぎに、ユニセフ募金について紹介しました。布袋中生徒会が今取り組んでいるものです。ユニセフ視聴覚ライブラリーでは、国際理解教育に必要なビデオ・スライドを借りることができ、社会科教師にはありがたい存在です。 
申込先 東京 03-3355-3223  大阪 06-371-8582

☆ 勝村先生からは、6年3組スマイル学習 卒業論文「未来を生きるために」の章立てを紹介していただきました。学習発表会「未来を生きるために」を受けて、個々に考えをまとめるものです。第1章 現代社会の問題、第2章 21世紀を作る、第3章 自分自身を見つめる、第4章 自分自身の成長、第5章 未来を生きるためにという構成です。これまでの学習のまとめとして、子どもたちがどんな作品を創りあげるのか、さらにこの先にも創り続けるのか楽しみです。締切はクラス会だそうです。
・ 次に、卒業式に向けての総合的学習「愛と命の学習」(8時間)の構想を紹介していただきました。朝日新聞2月5日のひととき「震災で逝った息子よ」とその反響の手紙をもとに愛と命を重んじる授業を組み立てるものです。卒業式直前の親との手紙のやりとりが授業の最後を飾ります。結果の報告が楽しみです。

☆ 尾関先生より、漁港の水揚げ量と水揚げ高の順位の違いを教えていただきました。平成5年の資料(水産物流統計年報)では、水揚げ量 @境、A八戸、B銚子、水揚げ高@焼津、A八戸、B長崎 という順位でした。それ以下も両者の順位はかなり異なっています。その理由を、量の割に売り上げが多い焼津漁港(054-628-7112浦谷さん)・福岡魚市場(092-711-6060業務部・宮本さん)に問い合わせをされました。
 予想通り、どちらも高級魚が中心と言うことでした。焼津では、ホンマグロやクロマグロ (3,000円/s、1匹40〜100s)、福岡ではタイ(35p・1万円)、ブリ(2,500/s)、セキサバ(7,000円/s)が中心ということでした。 
・ 次に、アワーズ・スキーム賞を受賞したホームページ「キッズスペース」を紹介していただきました。世界中の子どもたちの作品(絵画、曲、童話)、子どもが作ったホームページの紹介があり、毎月300万件以上の接続があるそうです。
 アドレスは、http://www.kids-space.org

☆ 今回のメインは、昨年11月7日に愛知県教育委員会・丹葉地方教育事務協議会委嘱理科研究発表会を終えられた木曽川西小学校の栗林先生・岩井先生に研究の概要、発表会当日の様子などをスライドを交えて報告していただきました。テーマは、「自然事象に関心を持ち、探究する子の育成をめざして−直接経験を生かし、意欲を持って取り組む理科学習−」です。求める児童像は、次の3点です。
  @自然に親しみ、命の大切さを理解できる子
  A事実に基づき筋道を立てて考え、判断できる子
  B自分の見方、考え方を素直に表現できる子
 このそれぞれに対応した仮説が立てられ、低学年・中学年・高学年別に具体的な手だてが考えられています。
 具体的な実践では、低学年を中心に、保護者や地域の人をうまく巻き込み、生活の中に理科的なものの見方や感性を育てようという工夫が感じられました。中学年の遊びから疑問を抱かせる流れやセレクト学習、高学年のTT授業や教材・教具の工夫により、感動から科学への指向が十分感じられました。学習発表ボードは、さっそく注文して使ってみます。
 研究紀要の他に学習指導綴、資料集(年間指導計画・単元構想例・子どもの学習記録)もまとめられ、質の高さを感じました。
 最後に言われた、「子どもは本来理科が好き。準備が大変だから理科が嫌という先生の理科嫌いが子どもの理科離れを生んでいる。先生のチームワークが大切」という言葉が印象的でした。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp