平成8年2月 本会議質問
   
1情報化推進事業について
    
 1)コンピュ−タ−蓄積情報のバックアップについて
 2)地震対策とマルチメディアの活用について

 3)緊急防災支援チ−ム・スペクト
 4)スペクトへの移動用通信機器の配備
 5)地域防災協力員制度の創設

 6)防災船TSLとコンピュ−タ−の活用
 7)防災船接岸施設等の画像情報システム
 8)防災ヘリコプタ−とコンピュ−タ−ネットワ−ク構築
 9)国連海洋法条約批准後の水産業とコンピュ−タ−の活用
10)静岡県地域農業情報センタ−  
                        
○浜井
  平成8年度当初予算案及び関連する県政の課題について、知事及び関係部長に質問をいたします。
 ウインドウズ95ブ−ムに刺激されたわけでもありませんが、昨年の暮れ、私も使いなれたワ−プをお蔵に入れて、パソコンを購入いたしました。
 私も、ホワイトハウスを訪れたり、ハリウツドを訪ねたりするインタ−ネット・サ−ファ−の仲間入りを果たしました。先に寺田議員が、ホワイトハウスの猫のソックス君が「ニャ−オ」と英語で鳴いたと、こういわれましたけども、今、私がのぞいているホワイトハウスはぺ−ジが変わっているようでありまして、猫の鳴き声を聞けません。あるいは、どこかに見つけ損なってるかもしれませんけども。
 先ほど、午前中、天野議員は、今のキ−ワ−ドは人権だと、人権しかないと、こう声を強くしておられましたげど、そうすると困るのでありまして、私が今いおうとする世界のキ−ワ−ドはインタ−ネットと、こういうことでございます。まあ世界ですから、ちょっと対象が違うと思いますが。
 知事の苦心の跡がしのばれる本県の新年度予算の目玉の一つも、インタ−ネット参加を含むマルチメディア社会の到来をにらんだものになっているように思われます。
 そこで今回は、パソコンで打ち出した原稿で、マルチメディァに関連する諸問題を中心にして、以下の質問をいたします。


 まず、情報化推進事業についてであります。昨年は、アメリカのビジネスがインタ−ネットを発見した年だといわれます。インタ−ネットは、今や世界の150カ国の950万台のホストコンピュ−タ−と何千万の人々とを結び、今世紀末のインタ−ネットユ−ザ−は、恐らく1億人を超えるだろうといわれるほどの巨大なネットワ−クに成長してきました。国内のインタ−ネット上では、企業も個人も、競い合うようにしてビジネスチャンスを模索したり、PRしたり、仲問を求め合ったりしています。
 一方、自治体及び工業技術センタ−などの関連組織が開設したホ−ムペ−ジは129にも上り、現在、検討中あるいは準備中の自治体は、265に達するとする調査結果も出されています。数年を経ずして、全国の目治体のほとんどがホ−ムペ−ジ上で一斉に自己主張を始めるに違いありません。
 さて、幾つかの自治体のホ−ムペ−ジをのぞいてみましたが、郷土紹介、観光案内やイベント案内、行政情報、美術館情報など、皆、同じようなものが並んでおもしろくありません。本県がいよいよインタ−ネット上にふじのくに情報発信事業として開設するホ−ムペ−ジが、先発組とは一味違った独創的なホ−ムぺ−ジにしてもらいたいと思っています。
 ところで、予算案中には、美術館開館10周年記念事業や、ふじのくにバ−チャルショップ開設事業、そのほかのインタ−ネット関連事業費が計上されています。
 また、学習やそのグル−プに関する情報、観光や各種の催し物、県や市町村からのお知らせなどを提供しようとしている、教育費の中の生涯学習情報提供システム「マナビット」事業費も、コンピュ−タ−を利用した類似の事業であるように感じます。 今後は、これらの事業の相互の連携が必要になってくるものと思われます。インタネット上の自治体情報を積極的に見ようとする人は、まだまれだと言われております。多くの人に見聞きしてもらうためには、静岡県の情報をなるべく一つに集め、リンクし合って、それぞれのぺ−ジに簡単に移っていけるようにすることが大切です。
 そこで、今後、本県のホ−ムペ−ジの開設に当たっては、庁内関係各課との連携を初め、県内の市町村、企業、場合によっては高校や大学の学生をも加えて、発信する情報の基本構想−−私は、まだ他県にこの例のないバ−チャル県庁みたいなものを検討してもいいのではないかというふうに思いますけどもあるいは、発信情報内容の選択、まとめ方やその手法などの研究、インタ−ネット上でのイベント開催などについてのアィデァを出してもらう、例えば静岡県インタ−ネット連絡会議などを設置してもいいのではないかと思いますが、ご所見を伺いたいと思います。



 次に、コンピュ−タ−蓄積情報のバックアップについてであります。予算書の中には、幾つかの情報化事業が計上されています。本県がこれまでに推進を図ってきたOA化事業、オフィスオ−トメ−ション化事業による蓄積デ−タは、財務会計資料、許認可事務にかかわる資料、民生、衛生、医療に関する資料、公共事業の設計積算資料、施設関係の資料、ライフライン関係の資料など、膨大な量に達するものと思われます。 阪神・淡路大震災の被災地では、情報を蓄積した多くの行政機関や企業の中枢機能が損なわれ、業務停滞や業務停止に追い込まれるなどの被害が出たことは記憶に新しいところであります。こうした教訓のもとに、東海地震による全県的な被害が予想される本県にとって、情報化の推進に伴って増大する各種のコンピュ−タ−蓄積情報の保管、バックァップが必要であると考えます。 本県におけるこうした情報のバックアップシステムにっいて、どのように考えておられるのか、伺うものであります。



 次に、県政におけるマルチメディア等の活用策などについて、私見を交えながら伺ってみたいと思います。最初に通告申し上げました防災行政無線と市町村施設の耐震性についてという、この設問に対しましては、けさ11日、「地震対策課調べ、市町村庁舎4割以上耐震に疑問、本部機能マヒの恐れも」という見出しで、某紙に、私の質問内容に対する回答とおぼしきものが出ておりましたので、これは通告していたこの私の質問に対する回答になってしまっているので、これは取り下げることにいたします。



 次は、地震対策とマルチメディァの活用について、まず、緊急防災支援チ−ムスペクトについて伺います。
 本県の新しい緊急防災組織スペクトにっいては、先ほど天野議員の質問の中にも触れられておりましたけれども、当初は日本版フィ−マとのふれ込みだったため、アメリカの連邦危機管理庁フィ−マの活動に倣い、被災現場において活動するチ−ムであると考えていました。しかし、その後、このチ−ムの主たる任務は、発災時に支部に派遣され、災害処理情報の収集などを分担する防災要員であることがわかりました。 組織図では、防災局の中に置かれた室長のもと、東・中・西各8名ずつの方面スタッフが配置され、発災時には、それぞれが担当する支部へ派遣されることになっています。フィ−マは、大統領が局長に直轄の権限を与え凧と、指揮命令系統を簡素化したことによって成功をおさめたといわれております。スペクトも平常時は、知事の特命事項に基づいた活動が考えられていますが、非常時の場合の指揮命令系統は、できるだけ簡素化しておいた方がいいように思います。スペクトスタッフの指揮は、平常時及び被災時のそれぞれにおいて、知事、局長、室長、支部長のどの命令系統が最優先されることになるのか、まず伺うものであります。


 次に、スペクトスタッフは、支部長の補佐や各班の支援を行うに当たって、災害現場に出動するということも起こり得ます。また、彼らに限らず、現場に出向く救助班に対しては、緊急の事態に直面した場合の指示を仰ぐため、複数の通信手段を用意すべきであると考えます。衛星通信系無線の場合、降雨量30ミリを超えると機能が低下するという指摘もあります。地上系無線は、被災直後の精神的な混乱時には、ふくそうし、聞き取りにくくなるという懸念もあります。山問地域では電波が届かないというような指摘も聞いております。
 一週問ほど前の、ある浜松市方面隊訓練、早朝訓練に私参加いたしました。消防班による本部へのその中継、集中無線傍受というシステムを初めて訓練で経験をいたしましたけども、ホ−スの筒先と、それから、その消防車ですね、ポンプ車のところの操作官との間で、その火元で一斉に、いろんな分団がやってきて放水するわけですけど、全部ふくそうしてしまってて、何をいってるのか聞きとれない。そういうその経験を、実は一週問前の朝、早朝にしたばかりであります。
 この地上系無線も、その消防波と同じかどうか私まだわかりませんけれども、例えばそういう懸念を私自身が感じたということであります。
 そこで、スペクトスタッフはもとより、各支部の救助実行班ごとに、非常時のファックス通信も可能な携帯用コンピュ−タ−などの移動用通信機器を、別に配備すべきだと思いますが、ご所見を伺うものであります。



 次に、地域防災協力員制度の創設についてであります。フィ−マの成功の陰には、ボランティァの存在があるといわれております。アメリカにおける赤十字社や救世軍など、歴史を持った救援活動のプロの存在は、国家の大きな財産であり、うらやましい限りであります。2年前のロサンゼルス地震には、赤十字社から1万5千人、救世軍5千人、近隣のボランティァを合わせて数万人が現場に駆けっけ、フィ−マのスタッフと密接に連絡をとり合い、それらの管轄下で組織的な活動を展開したとされています。阪神・淡路大震災は、多くの犠牲を出しながら、日本人のボランティァ意識を目覚めさせるきっかけをつくってくれました。岐阜県では、県職員のOB、警察職員のOB、そして、市町村消防職員のOBなどに呼びかけて、情報収集や関係機関への連絡などに当たる地域防災協力員登録制度を創設すると聞きました。
 本県においても、大規模災害に備え、こうした地域防災協力員制度の創設など、幅広いマンパワ−の協力体制を構築しておくべきであると思いますが、ご所見を伺うものであります。



 次は、防災船テクノス−パ−ラィナ−、TSLとコンピュ−タ−の活用についてであります。防災船の購入についての評価は、このTSLの今後の活躍次第だと考えます。まずは、伊豆や初島などの半島、島嶼部の各自治体、観光関係者や関係する県民に与えた心理的な安心効果は評価するべきでしょう。
 さて、気がかりの一つは、このTSLの購入によって、日本でただ一隻の防災船を保有する県になるという現実であります。阪神.淡路大震災の教訓から、都道府県や市町村単位での災害相互支援体制は、ますます広域的に、そして、さまざまなっながりを求めて、現在展開されているところであります。県も、県下の市町村も、それぞれが思い思いに協定の締結を進めております。そうした中で、全国唯一の防災船保有県として、例えば他の都道府県や市町村などが被災し、防災船の派遣などの申し出を受けた場合の対処の仕方、例えば防災船使用基準あるいは防災船危機管理規程などを定めておく必要があると思いますが、知事のご所見を伺うものであります。



 次に、防災船接岸施設等の画像情報システムについてであります。知事は、今議会において、議員の質問に答えて、TSLについては、船舶の海上からの救援活動に大きな役割を期待し、沿岸からの孤立地区の負傷者、病人や車両の移送、または救援物資の搬送などを行いたいと説明されました。TSLが防災線としての機能を発揮するためには、接岸岸壁の確保が前提となります。長い海岸線を擁する本県の沿岸施設のすべてについて耐震補強を施すことは不可能に近いものであります。しかし、津波被害が避けられない東海地震を抱える本県の場合、津波が引いた後の海岸や岸壁の破損情報、残骸物情報、特に、TSLが救助活動のため接岸可能な港湾などの沿岸施設の情報は、最も重要ではないかと思われます。
 そこで、こうした施設周辺の被災直後からのリアルタイムの情報収集システムを考える中で、モニタ−カメラやコンピュ−タ−などを利用し、災害対策本部とTSLとを結ぶ画像等の情報システムが必要だと思いますが、ご御所見を伺うものであります。



 次に、防災ヘリコプタ−とコンピュ−タ−ネットワ−クの構築についてであります。
今回、本県にとって2機目の防災ヘリコプタ−の購入とともに、災害発生時に専門消防職員が防災ヘリで被災地に飛んで救助活動を行う防災航空隊が創設されました。現在ある防災ヘリ1機は、主として災害時の情報収集と防災要員の搬送に利用し、今回購入する2機目のヘリは、主として防災航空隊が被災地の救急救助活動に活用することになるものと思われます。
 ところで、ヘリコプタ−は、年間80日間ほどの定期点検義務がありますから、本県が保有する2機のヘリについては、綿密なスケジュ−ル管理が重要となります。
 知事は、同じく本議会におきまして、大規模災害発生時には、全国規模の応援態勢などにより災害即応体制を充実させたいと答弁されています。ヘリを保有する他の都道府県を初め、県警、自衛隊を含めた万全な協力体制を構築するため、これらのすべてのヘリコプタ−について、運航計画管理などのコンピュ−ターネットワ−クシステムの構築が必要になるものと思われますが、ご所見をお伺いするものであります。



 次に、国連海洋法条約批准後の水産業とコンピュ−タ−の活用についてであります。
「親の敵と海の魚は、見つけたときにとらないと逃がしてしまう」のが漁師かたぎだという言葉を新聞の中に見つけ、なるほどと思いました。世界の漁獲量は1980年代の終わりまで年々増加を続けていましたが、1988年のおよそ1億トンをピ−クに横ばい状態になりました。
 国内漁業は、平成6年の漁獲量が810万トンと、27年前の水準になってしまいました。政府は先月、国連海洋法条約の締結と排他的経済水域の設定を中心とした国連海洋法条約締結及び海洋法制整備についての基本方針を了解し、今国会での批准、締結を目指すことを決めております。
 経済水域を設定すると、水域内の資源の漁獲可能量を大臣や知事が決定することになり、あわせて魚種ごとの保存、管理が義務づけられてまいります。この制度の実効性を確保するたあには、漁業者、漁協と産地卸売市場などが漁獲量や水揚げ量などのデ−タを迅速に集計する必要が生じてきます。年問約30万トンというのが本県の昨年の漁獲量ですが、この集計には、今もって1年を要しているのであります。
 また、県内に29ヵ所ある産地卸売市場のコンピュ−タ−の導入率は60%強ですが、その目的やシステムには統一性が無いと言うこともわかりました。
 条約拙准後の漁獲司能量の管理のための県内におけるコンピユ−タ−の活用について、ご所見を伺うものであります。


 次に、静岡県地域農業情報センタ−構想について伺います。
「彼を知り己を知れば百戦して殆からず一と、改めて孫子の言葉を引くまでもなく、事前調査の必要なことは東西の真理であります。
 本県の農政が目指している新しい農業技術の開発や生産性の向上対策などの施策を展開させるためには、情報収集は欠かせません。農業に必要な情報は、気象情報・雨量レ−ダ−情報、病害虫情報、市場の動向などであります。
 特に、生き物を扱う農業にとって、光合成に必要な太陽との関係は無視することができません。農業は気象状況をもとに、3ヶ月先、6ヶ月先を見きわめなければならない難しい産業であります。
 国際園芸博覧会の開催が予定される浜名湖岸地域は、有数の花きの産地でありますが、中でも菊の栽培が盛んな地域でもあります。市場に出荷される菊は、花の色や形だけでなく、それと一体となった葉の色や艶も含めて評価されるといわれます。
 出荷前の消毒をアメの降る前と後に行うのとでは露地菊の場合、消毒液の付着ぐあいが違い、商品価値が分かれてしまいます。天気予報の「あしたは晴れ後曇り、所によつては雨」などという、これまでの情報に基づく農業では、まことに心もとない限りであります。これからの農業は、こうした地域情報を活用して播種の時期を決め、市場の動きをにらみながら、生産と出荷時期を調整する時代に入ってきました。しかし本県で、そうした情報を入手したくても接続ポイントがないため、遠隔地のコンピュ−タ−につないで高額な情報を得る方法しかないというのが現状であります。他県では、行政がワ−クステ−シヨンを開設し、気象情報を提供したり、情報を活用した攻めの農業を開始しています。コンピュ−タ−を使える農業者は、まだまだ少数ながら、昨年10月に、ようやく西部普及センタ−と52戸の農家の回線が結ばれました。
 そこで、気象や市場動向などの情報などを提供する、基本的な整備方向を目指した静岡県地域農業情報センタ−構想を策定し、コンピュ−タ−などのマルチメディアを活用した新しい農業を展開していくべきであると思いますが、ご所見を伺うものであります。

 以上で私の質問はひとまず終わりにしたい、こう申し上げたいところですけども、質問戦も6日目を数えて、知事さん初め議場の先生方も大変お疲れのご様子ですから、再質問はいたしません。
 今議会の平成会所属議員として私が最後の登壇になると思いますので、この機会を拝借して一言申し上げさせていただきます。戦争を知らない世代がこの社会でふえてまいりました。そんな中で、廃墟の中から立ち上がって、激動の半世紀を、ひたすら県土の発展を願い、県民の生活福祉の向上を願って県行政に尽くされてこられ、そして、この年、この年度をもつて退職されるすべての職員の皆さん、平成会24名を代表して、心からご苦労さまでしたと申し上げたいと思います。
 そして、きようのテ−マがコンピユ−タ−ネツトワ−クでございましたから、片仮名文字が非常に多かった。最後に、ひとつ漢詩で締めたいと思います。
 後漢の干武陵という人の「酒を勧む」の詩、「君に勧む金屈盾 満酌、辞を須いざれ、花発きて風雨多く 人生、別離足る」。井伏鱒二さんの「はなにあらしのたとへもあるぞ さよならだけが 人生だ」という名訳がありますけど、この年度をもつて退職されるすべての職員の皆さんの新しい人生、幸多かれと祈りまして、質問を終わります。(拍手)



○石川知事
 浜井議員にお答えをいたします。初めに、情報化推進事業についてのうち、インタ−ネット連絡会議の設置についてでございます。本県では、平成8年度にインタ−ネツトのホ*−ムペ−ジを開設し、自然、観光、文化など国際的に魅力ある静岡情報を国内外に向けて発信していく考えでございます。ホ−ムペ−ジの開設に当たりまして浜井議員からいろいろご提案がございまして、大変ありがとうございました。
 今後いろいろ検討まいります際に、参考にさせていただくご提案が随分あったかと存じます。現在、情報分野の専門家や、既にインタ−ネットを利用している県立大学の学生などの意見を聞きながら、準備を進めております。
 開設後は、さらに、ホ−ムペ−ジに電子掲示板を設置をいたしましたり、あるいは、パソコン通信によるモニタ−制度の活用などによりまして、意見やアイデアをいただく場をつくってまいりたいと考えております。
 また、利用者にとって興味や関心の持てるホ−ムペ−ジにしていくためには、例えば富士山、温泉、サッカ−、お茶など、静岡ならではのユニ−クな情報を盛り込むとともに、デザィンや遊び心にも工夫することとしております。
 さらに、県のホ−ムペ−ジから市町村や民間のホ−ムペ−ジにもリンクすることができるなど、利用価値を高める仕組みも検討してまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、最近はインタ−ネットのホ−ムペ−ジばやりでありますので、よほど魅力のある、アクセスする方にとって魅力のあるぺ−ジでないと、ただ単にぺ−ジを開いて、そのために労力を使ったけれども、ほとんどアクセスがその後されないということになりかねませんので、私どもも、できるだけ多くの人に利用していただけるようなホ−ムペ−ジを開設するように努力をいたしたいと思います。


 次に、地震対策とマルチメディアの活用についてのうち、緊急防災支援チ−ムスペクトについてでございます。スペクトは、災害時における初動態勢の確立のために創設をするものでございます。これは米国のフィ−マの中で、ファ−ストと呼ばれる、災害の情報を迅速に収集するチ−ムがございますが、その機能を参考にしたものでございます。
 当初、この静岡県版フィ−マのようなものをつくりたいということを申し上げましたときに、言葉足らずで、そのフィ−マの中のファ−ストということが最初に出ていなかったと。後ほどからそういうことを申し上げたつもりでありますが、最初に申し上げてたフィ−マだけが先に走った感じがありますが、もともと初動態勢の確立のために考えたわけでございますので、ご理解をいただきたいと思います。
 で、現在の本県の防災体制は、県下9つの行政センタ−の所長を支部長に位置づけまして、それぞれの所管地域の防災対策の総括責任者としております。この各支部長は、発災時には、所管地域の被害状況や必要とする支援の内容等に関する情報を迅速に集約し、本部長である私に伝達するとともに、現地にあって、市町村や防災関係機関と緊密な連携をとって、必要な災害応急対策を講ずることとなります。
 こうした中で、スペクトの要員は、本部長である私の指揮命令のもとに被災地に派遣され、それぞの支部長の命に従いつつ、支部長を補佐し、防災業務に従事することとなります。したがってスペクトの任務は、救助活動等に直接従事するのでばございません。情報の収集、分析、伝達等を行う、いわゆ4オペレ−シヨンスタッフでございます。なお、スペクトは防災局内に設けられますので、平常時におきましては、防災局長等の指示のもとに業務の習熟や訓練等に努めることになりますが、特定の事項については、私目身から直接指示を与えることも考えておるところでございます。
 また、支部に対する移動用通信機器の配備につきましては、被災状況報告や指令など、さまざまな情報を交換するため、音声、ファクシミリ、映像などの情報と、コンピュ−タ−による数値情報を複数の回線により通信することとしており、どのような状況においても確実に伝達ができるよう目指しておるところでございます。
 スペクトには、こうした情報伝達に関する専門のスタッフも配属する予定であり、平成8年度の別館完成とともに運用を開始いたします災害情報収集システムも最大限活用しながら、初動態勢の確立に万全を期してまいる考えでございます。


 次に、地域防災協力員制度の創設についてでございます。大地震が発生した場合、家屋の倒壊や火災の同時多発、道路の寸断等、大きな混乱の中では、行政のみの災害応急活動には限界がございます。地域住民や自主防災組織によります地域での応急活動が極めて重要になってくるわけでございます。
 このため、消火や家屋倒壊からの生き埋め者の救出、医療救護、介護などの活動にっきまして、専門的な知識、技能を持った人々を養成、登録し、災害時における応急活動は無論のこと、平常時における地域防災訓練におきましても、その能力を発揮してもらうことは大変有意義であると考えられます。
 今回提案いたしております地震対策推進条例におきましては、自主防災活動や災害ボランティァ活動の中心となる地域防災技能者の育成に関する規定を盛り込んだところでございますが、この地域防災技能者は、浜井議員ご提案の地域防災協力員にも相当するかとも思います。
 今後、防災機関など専門家の協力を得ながら、早急に具体化を図ってまいりたいと考えます。また、この条例におきましては、災害ボランティアの支援やコ−ディネ−タ−の養成のほか、被災建築物応急危険度判定士や交通指導経験者の協力などについても規定をしておりまして、災害時において地域防災活動が活発に行われるよう、自主防災組織の人材の育成に加えまして、多方面からの人的資源の活用を図ってまいる
考えでございます。その他のご質問につきましては関係部長から答弁させていただきますが、最後に、今春をもって退職もしくは勇退する職員に、ねぎらいの、また送別のお言葉を賜りましたことを御礼申し上げまして、ご答弁とさせていただきます。


○柴企画部長
 コンピュ−タ−蓄積情報のバックアップについてお答えいたします。本県におきましては、コンピュ−タ−によって財務会計事務を初め県民生活に深くかかわる福祉、医療、商工労働等、広範囲にわたる業務を処理しております。コンピュ−タ−処理によって蓄積された情報は、年々増加し、膨大なものとなっておりますが、これらのデ−タは磁気テ−プ等に記録保有し、日常的なバックあ7ップに努めますとともに、地震を初め火災や漏水等の不測の事態に備え、一部デ−タにつきましては静岡市内の県有施設に保管しているところであります。
 また、特に重要なデ−タにつきましては、阪神・淡路大震災の教訓を生かしまして、昨年8月から、地震防災対策強化地域外の滋賀県内の専門施設に保管しているところでありますが、今後とも、コンピュ−タ−処理によって蓄積された情報の安全管理には、万全を期してまいりたいと考えております。

○荒木総務部長
 地震対策とマルチメディァの活用についてお答えいたします。まず、防災船テクノス−パ−ライナ−とコンピュ−タ−の活用についてのうち、使用基準についてであります。防災船テクノス−パ−ライナ−は、その高速性、うねりや波浪に強いという特性を生かして、災害発生時、孤立した避難者や旅行者の救出救助、また、防災要員や緊急物資の搬送などに効果を発揮するものと考え、整傭することとしたものであります。昭和61年に発生した伊豆大島三原山の噴火に際しての全島民の脱出や、阪神・淡路大震災での人員輸送などの経験からも、この防災船が災書時に大いに役立つものと考えております。
 議員ご指摘のとおり、他の都道府県が被災した場合に、その人的被害の状況や輸送路の被災状況などにより、応援に駆けつける事態もあるものと考えております。
 防災船の運航体制につきましては、その防災船としての機能発揮を第一として、平常時における有効活用を、今後幅広く有識者のご意見もいただきながら検討してまいる所存でありますが、その中で、議員ご指摘の、他県への支援活動に関する取り扱いの基準についても詰めてまいりたいと考えております。

 次に、接岸施設の画像情報システムについてであります。地震発災後のテクノス−パ−ライナ−の運用に当たりましては、港湾などの係留施設の状態や、海面における漂流物の有無、アクセス道路確保の可能性などに加え、泊地、航路の埋没という、目には見えない水面下を含めた被害状況の速やかな把握が必要であります。
 このため、発災後、港湾管理者が現地でこれらの状況をつぶさに確認し、施設の被害状況や施設利用の可能性について、災害対策本部へ無線や電話で報告をすることとなっております。
 防災船テクノス−パ−ライナ−のより効果的な活用を図るためには、これに加えて、現地よりリアルタイムに被災状況を画像で送ることも有用と考えますので、災害時には、県が現在所有しております移動用静止画像伝送装置や、防災ヘリコプタ−搭載のテレビ伝送装置などを積極的に利用してまいりますとともに、状況によっては、アマチュア無線による画像伝送など、有効な情報通信手段の導入にも取り組んでまいりたいと考えております。
 

○荒木総務部長
 次に、防災ヘリコプタ−とコンピュ−タ−ネットワ−クの構築についてであります。
平成8年度に整備をする予定のヘリコプタ−は、防災航空消防隊仮称でございますが、これの専用ヘリコプタ−とし、東海地震等の大規模な災害に迅速かつ的確に対応するなど、航空消防防災体制の一層の充実強化を図ろうとするものであります。
 このヘリコプタ−は、主として救助活動や緊急搬送、消火業務に当たることとし、現行の防災ヘリコプタ−との緊密な連携を図り、運航管理面におきましても、点検等が同時期とならないよう、十分に配慮してまいりたいと考えております。
 大規模な災害が発生した場合には、都道府県の防災ヘリコプタ−や自衛隊のヘリコプタ−の支援が多数見込まれますことから、これらの相互連携が必要不可欠であり、このため、災害時のヘリコプタ−の活用方策や拠点となるヘリポ−トのあり方について、現在調査をしているところであります。
 また、自治省消防庁におきましては、先ごろ、大規模災害時におけるヘリコプタ−の運用について検討することを目的とした全国航空消防協議会を発足させたところであり、本県もこの協議会にメンバ−として参加しているところであります。
 自衛隊などとの連携につきましても、この協議会の場で、本県としても積極的に提言をしてまいりたいと考えております。
 さらに、消防庁では、国のホストコンピュ−タ−を軸として、都道府県等が所有する防災ヘリコプタ−の運航情報等をリアルタイムで提供できるヘリコプタ−運航管理システムを8年度中に開発することとしておりますので、本県といたしましても、このシステムを活用し、災害即応体制の充実に役立ててまいる所存であります。

○秋山農政部長
 静岡県地域農業情報センタ−構想についてお答えいたします。農業を競争力の強い先進的な産業として育成するためには、ご指摘のありましたような情報のほか、革新的な技術や他産地の動向、マ−ケッティングなどの情報をも迅速に把握して活用することが何よりも需要であります。
 本県におきましては、平成3年度からパソコンを活用して、全国の農業改良普及組織を結ぶイ−アィネットに加入しまして、農業改良普及センタ−と農業関係試験場で利用しているところでありますが、平成7年度からは、このシステムを農業者が直接利用できるロ−カルネットワ−クとして、全国に先駆け、西部農業改良普及センタ−管内でモデル的に運用を始めております。
 この利用者からは、双方向の情報交換やデ−タの検索が容易にできること、外部デ−タベ−スの利用ができることなどの評価を得ていますが、一方、きめ細かい気象予報、新しい農業資材、最新の農業技術等、幅広い高度名情報の提供、他のネットワ−クへの接続など機能拡充についての要望がでております。
 県と致しましては、今後、これらの要望に答え、農業者が多くの情報を自由自在に活用できるシステムとするため、このシステムを拡充、高度化し、議員ご提案の静岡県地域農業情報センタ−構想が実現されるよう。積極的に検討を進めてまいります。

○岩本林業水産部長
 国連海洋法条約批准後の水産業とコンピュ−タ−の活用についてお答えいたします。我が国では、古くから、漁船の隻数や規模、操業日数等により漁獲を規制してまいりました。国連海洋法条約批准後は、資源管理を行う必要のある魚種ごとに、適正な資源水準が維持される漁獲量を定め、その範囲内で漁獲を行う新たな漁業制度が導入されみこととなっております。
 この制度を効果的に機能させるためには、リアルタイムの漁獲情報が必要であることから、国では平成8年度から12年度まで、漁獲管理情報処理システムの開発と、全国を網羅するコンピュ−タ−ネットワ−クの溝築を計画しているところであります。県と致しましては、実効性のある漁獲可能量の管理のため、漁業協同組合や産地市場における水揚げ情報を水産試験場に一元的に集約し、的確、迅速に解析できる情報通信ネットワ−クシステムを、国や水産関係団体と連携を図りながら、早急に構築していく所存であります。