5 我が家のデジタル時計の最新号
平成2年に、わけあって作ったもの。LSIはMSM5509です。上の写真
は、正面から見たところ、下の写真は側面から見たところです。
7時01分を表示しています。写真では光っていませんが、7と0の間にあ
る二つの発光ダイオードは、1秒間隔で午前中は緑色、午後は赤色に光ります。
側面から見るとMSM5509のほかに左の方に小さいICが2個見えます
が、これはそれぞれスイッチングトランジスターが3個づつ入っています。右の
外部に出ているスイッチの左に有るものは、空気コンデンサーです。この時計は
単3電池4本が電源ですが、短時間ならこの空気コンデンサーによって、電池が
なくても稼働するようになっています。
実は、このタイプのデジタル時計の原型は、やはり昭和52年頃に作ったも
のです。そのときのLSIはFCM6004というもので、電源は3ボルト、表示
していないときの消費電流が5マイクロアンペアくらいで、カレンダー表示もし
て、しかもMSM5509よりもっと小さいという優れものでした。どうしても
欲しいという人が何人かいて、私は忙しくていやだったんだけど、3台くらいは
作って売りました。そうそう、思い出した。友人と飲みに行った店のママが、私
がこの時計を使っているのを見て、どうしても欲しいというので仕方なくあげて
しまったという1台もある。これって、友人の(正確に言うと友人の大学での恩
師の)たまり場の店で、私は初めて行って、それ以後、1度も行ってない店。つ
まり、下心があってあげたのではない。そんな妙なものがあってもこんなところ
で有ったとは書けないが。(笑)迫力に負けてあげざるを得なくなっただけ。そ
れくらい、私も含めて当時の人には、こんな小さなデジタル時計には魅力があっ
た。それから数年後にもわけあって2台作ったが、しかし、その2台とも手元に
ない。
この写真ではあまりエレガントでないが、(というのは、少し大きすぎる)
、FCM6004を使うと手のひらに入ってしまって本当にかわいくて、欲しく
なってしまうものだったのだ(電源は小さな水銀電池を中に入れていた。)。だ
から、(くどいけど)あの大学の先生の行きつけの店のママが欲しがったのはよ
く分かる。私ももう1度あれを作りたい。だれか、FCM6004を持っていま
せんか?(今の秋月電子通商で入手。当時は信越電気とか信越無線とかいう名前
だった。)
ところで、写真には、時刻を見たいときに押すスイッチが写ってるが、昭和
52年頃はこんなスイッチを手に入れるのは大変だった。既製のスイッチでは一
番小さいのはマイクロスイッチといわれるものだったが、1センチX2センチく
らいはあって(厚みは5ミリ程度)こういう小さいものには入れられない。たま
たま、当時のトランジスタ技術(だったかな?)に、アルプス電気が今の写真で
写っているようなスイッチを開発していて、サンプル出荷しているのを見つけて
(サンプル価格1個100円)、500円を封筒に入れてたったの5個を注文し
たら、なんと1月ほどして送ってくれたので使用できた。
しかし、こんなもの作ってないでマイコン(今のパソコンの元祖)と遊んで
いれば良かったかなと思わないでもないな。汎用機よりも、こういう形のあるも
のを作りたかったのかな?ちなみに、やはりこの何年か前に、大学の教養講座と
してベーシックを習い、半年間、コンピュータ(メルコムという三菱のコンピュ
ータ)を自由に使えたので、けっこう、ソフトウェアにもこったのが、最近の趣
味(と実益?)につながっているわけです。
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