2 こもんトランジスタ
 こもんトランジスターとは、顧問トランジスターのことです。あまりに古く て、トランジスターの先祖と言いたいところだが、先祖ではなくて、トランジス ターそのものには違いない。先祖というのはトランジスターでなくて、2極ダイ オードになるかなと思ったので、会社で言えば、現役を離れて、顧問くらいの立 場かなと思って、こもんトランジスター。上の段、左から2SC38、2SC1 83、2SB126A、下の段、左から、・・これは実はトランジスターではな くてトランジスタ用のソケット(トランジスタを半田付けしてはもったいないの で、ソケットにさすというアイデア?を実用化したもの。さすがにあまりはやら なかった。)、2SA159、2SC24 なお、以下で言っている当時という のは、昭和40年頃です。

 ところで、この写真では偶然に(?)、ままごと用のポットが写っているの でトランジスターって、けっこう大きいなあと思った人がいるといけないので、 我が家の猫(名前は高岡 徳蔵 当年11歳)が一緒に写っている写真を左下に 用意しました。
 

 今、2SCのトランジスターは、その番号は4桁になってますよね。その点 、2SC24は、2桁で正しく大顧問であらせられる大先輩トランジスターです 。結構大きなトランジスターで、10MHz程度なら、10ワットくらいの高周波 出力があると思います。私の場合は、2、3ワット出ればいいという程度で使っ た(多分50MHz )のですが、うまくいかなかったような気がします。先輩から 手間のかかったアッテネータ(減衰器)だとけなされたのを覚えています。当然 、新品ではなくて、どこかのジャンクやで買ったものです。新品なんて当時のお 金で1万円くらいしたというか、どこで売ってるのかよく分からない時代です。
 2SC38は、当時のアマチュア無線家が小さな送信機用によく使ったもの 。かなりポピュラーだったので、ここでその栄誉を表彰します。

 2SA159はごく普通のトランジスター。当時の中波ラジオなんかにはい っぱい入ってたのではないでしょうか。大量生産品ですから安くて、新品で1本 150円くらいだと思います。ここには、当時の最も普通の形のトランジスタの 代表として出てます。

 2SC183は、当時としては珍しい形のトランジスターで、基板に平面的 に取り付けることを考えた形になっています。トランジスターが単なる部品にな っていくことを教えてくれた(私にとっての)最初のものです。これも、当時と しては性能の割には画期的に安くて150円くらいだったと思います。この写真 のようにシートにペチャッとくっついて売ってました。こういう部品化した極端 な形が今、我々が使用しているCPUの中に入っている何十万個ものトランジス ターです。

 2SB126Aは、低周波電力増幅用で大きなスピーカーを鳴らすことので きるトランジスターです。ちょっとしたホールのスピーカーを鳴らすくらいの出力 があります。私はあまりオーディオにはこらなかったので、これは、50Mc(メ ガサイクル あのころは、ヘルツとはいわなくて、サイクルでした。)帯のトラ ンジスタトランシーバの変調用に使ったものです。トランシーバは2SC24で は失敗したので、写真には出てませんが、東芝の2SC481,2SC502の コンビで(これはとても良かったです。)出力2ワットを目指し、がんばったの ですが、結局、テレビに妨害を与えないような綺麗な電波は出ませんでした。

 ここの写真で紹介したトランジスターは2SB126A(松下製)以外は、 すべてNEC製です。

前の頁へ

次の頁(デジタル時計1号)へ

☆ 戻る