出てきました。これが、我が家に1つだけあるサブミニチュア管です。どこかで拾った、あ、そうだ、岐阜市(金宝町)にあったジャンク屋さんの入口のゴミ箱から拾ったんだ、と思う。だから、最初から空気が入っていて使えないものでした(頭の部分が白いのは、空気が入っていることを示しています。)。
 でも、記憶の底にあるサブミニチュア管というのはこんなかっこのいいものでなかったような気がして、真空管規格の本をめくってみたら、サブミニチュア管の形ってこういうきちんとしたのと、長い楕円にひしゃげたようなのと、2通りあるようです。
 さて、このタマの名前は、外から見える電極の形が双三極管タイプであることから推測して、どうやら東芝製の6021ではないかと思われます(本来あるべきタマへの印字が消えているので不明。この6021という真空管は一般用でなく、高信頼管と言われる種類です。高信頼管は、特に高信頼度の期待される機器に使用される真空管で、そういう機器として、「数千本の真空管を使用する電子計算機」が例示されていますが、当時(昭和37年に出た本です。)そんなもの、つまり、数千本の真空管を使用するコンピュータが本当にあったのでしょうか?あったんでしょうね。まだ、トランジスタで作るわけにはいかないだろうし、コンピュータは、あったには違いないから。そういえば、当時、コンピュータと言ったが、電子計算機と言ったか、そんなものの話題が世の中に出始めていて、電子計算機で計算すれば、明日の巨人阪神戦の第一打席で長島がどんな打撃をするかも正確に分かるとかっていう話がまことしやかに言われていました。)。さて、6021だとすれば、VHFからUHF帯において、発振、混合に使用されるものです(12AT7のサブミニチュア版みたいなもの?)。定格は、ヒー タ電圧6.3V、電流は0.3Aで、これは普通のMT管並ですね。プレート電圧は、絶対最大定格が165Vで、動作例としては、プレート電圧100Vで、増幅率35となっています。
 サブミニチュア管ってもっとプレート電圧は低かったはずだと思って調べてみたら、いろいろあって、・・・と言っても全部で10種類くらいみたいですが、・・最もプレート電圧の低い5886は、フィラメント電圧1.25V;電流10mA、プレート最大電圧定格は22.5Vです。しかし、これはよほど特殊な真空管のようで、最大定格の中で高度3000mという記載もあります(電位計用五極管となっている。具体的に何に使用するのか全く分かりません。センサーのようなものかも?)。もう少し普通のものらしいものとして5678というものがありました。これは高周波増幅用五極管で、フィラメント電圧1.25V、フィラメント電流50mA、最大定格プレート電圧は100V、動作例では、プレート電圧67.5Vとなっています。昔あった22.5Vの積層電池(この電池はラジコン用に使用している回路を見たことがありますが、普通は、カメラのフラッシュ用に使われていたと思います。)を三個直列にするんでしょうね。ちなみに、普通のラジオの場合で、プレート電圧は220ボルトから、230ボルトくらいでした。

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