利休居士は生前、
「オレが死んだら。
10年を出ずして
茶の道廃るべし。」
と言っていたそうです。ミンナワカッチャナイナ、というわけです。
家づくりで「侘」と言った場合、
「高価な材料を使えば、良い家が出来ると言う訳では無い。」
と理解すべきでしょう。住宅設計の要諦です。この家の場合、昔からの集落の外縁に敷地を定めた為、周辺の環境にいかに溶け込むか、という点に留意しました。「村の風景」になっていれば成功です。
「錆」は「身から出た錆」です。この言い方の場合には否定的な意味合いを持ちますが、好ましい場合も「錆」です。生活によって生み出された風合いが「錆」と言うことになるでしょう。古道具屋で売っているのは、あれは他人の錆で、どうも私にはいただけません。
1999新築時
植木の茂り方もそうした「錆」と言って良いと思います。
「錆」で建物が見えない。
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