1999年4月8日木曜日 晴れ。空気は冷たいが日差しは強い。
朝のディスクは
◎Alvin Youngblood Hart TERRITORY; 1998
ビデオアーツからのサンプルで、もらってから一月以上経ってしまった。これはすばらしい。中山さんから名前だけ聞いたことがあったが、こんなにすばらしいとは予想もしなかった。追っかけ対象が増えた。
夜はメールを読みながら着いたばかりの
◎THIS IS MY FATHER, soundtrack; (1999)
Hummingbird はいつもの通り、リリース年を書いていない。ドーナル・ラニィの作曲・プロデュースだが、ほんとのサントラ。4曲、別働隊によるケイリ・タイプの演奏があり、さすがにこれはいい。他のトラックでもクールフィンのメンバーを使っているものがあるが、短いのでつまらない。資料としてだけの価値。映画についての情報は皆無。デイヴィ・スピラーンが参加した THE DISAPPEARANCE OF FINBAR のサントラもそうだった。これからもこういうものは増えるだろう。頭が痛い。他に買いたいもの、買わなければならないものは山ほどあるのだ。
昼食はエボダイの開き、肉じゃが、ハム、莢豌豆の味噌汁。全部残り物。
昼食を食べようとしていたらビデオアーツのKさんから電話。Ryko がポール・ブレディの HARD STATION 以降の権利を買ったとのことで、資料がないかと相談。リマスタ、本人のライナーをつけて出しなおすそうだ。国内盤は検討中らしい。オースティンのコンヴェンションに行ってきたそうで、Hank Dogs のライヴがすばらしかった由。Alvin Youngblood Hart の礼を言う。五月にブルース・カーニヴァルで来日するそうな。
メールのダウンロードのついでに "Black velvet band" の歌詞を検索。Degital Tradition であっさり見つかる。
午後からはキーラン・ケネディのライナー。夕方までで一応まとめ、夜に入って仕上げてメールで送る。なにせ前身の Black Velvet Band を聞いていないし、この後に出た最新作も聞けなかったので締まらないことおびただしい。書きなおす時間があればいいが。
クラダから荷物。関税等1,400円。CD23枚。CD Universe からの荷物いまだ着かず。 今回の23枚のうち、レコード番号が「001」のもの6枚、ないもの3枚。再発ないしCD復刻4枚。アンソロジー、サントラ4枚。
JEdit 3.0 がついに発表になる。早速ダウンロード。その場でヴァージョン・アップの登録。早速使ってみるが、まさにこれぞ現時点で理想のエディタ。ついに望んでいたことがほぼ実現されている。あとはマルチ・ファイル検索のインターフェイスだけだ。これは嬉しい。他のエディタには悪いがこれ一本ですべてまかなえる。
夜、Mary Staunton に質問状を書いてメール。その前に一応画伯に架電して蛇腹のシステムの件を訊ねる。やはりよくわからない。 |
1999年4月9日金曜日 晴れ。朝は寒かったらしく、窓に結露。
11時15分、ワーナー・S氏より電話。無事原稿届いたとのこと。ゲラを見る件で確認。初校をファックスしてもらうことにする。キーラン・ケネディの方の修正が大きいようであれば、あらためて原稿をデータで送ってもらうことになるかもしれないとのこと。
正午、クリスティ・ムーアのライナーのゲラ、ファックスで来る。昼食後、点検して返送。
午前中は『緑』。
◎TRAD TRATHNONA; Tionscnamh Lugh, (1998)
ドニゴール、ダン・ルーウィにある Ionad Cois Locha でのライヴ録音。マレード・ニ・ムィニーやその父親、兄弟、マーナス・ラニィ以外は全て無名の地元の人たち。Tionscnamh Lugh という組織(らしい)がオーガナイズする音楽イベントの録音のようだ。マレードたちが少しも目立たないほど水準の高い演奏。一曲だけ、"The water is wide" が何とも間延びがする。マレードの親父さんの演奏はさすが。伴奏は息子。
◎IRELAND'S VOICES FOR PEACE; Hummingbird, (1999)
ノーザン・アイルランドの宗派を越えた児童合唱隊を作るための基金創設計画の一環。主に合唱団・合唱隊による歌唱。オマーの事件をきっかけにしたもののひとつ。オマーの小学校の合唱隊が二つ参加しているが、どうやらカトリックとプロテスタントそれぞれの学校らしい。曲は伝統曲からクラシックまで。オリジナルも含む。ショーン・オ・リアダの曲もあり。伝統曲はごく有名なもので、これと言った特色はない。演奏は全てクラシックのもの。ソロ・シンガー3人はいずれもクラシックの訓練を受けている。アヌーナなどとは違い、ベル・カントで朗々と喉をふるわせる。このふるわせが最近どうも醜く聞える。ペルシアのアーヴァーズとは対極で、どこかで喉を締付けている感じがとれない。伝統音楽の発声は皆自然だ。インド・クラシックの高度の訓練を受けているものでも発声そのものは自然に聞える。ベル・カントだけはどうしても自然に聞えない。ヨーロッパの人工庭園と同じ。どんなに整然としていても、美しいと感じられない。合唱になるとベル・カントではハーモニィができないのか、もう少し発声が自然に近くなる。楽器演奏者としてお馴染みの名前が連なっているのだが、実際の音は入っていないようだ。伴奏がついてもオルガンとハープのみ。
シャナヒーの THOUSANDS ARE SAILING はテーマを持ったサンプラーの趣。全てシャナヒーの既存盤から。ただし、プリント・ミスか音が飛び飛びで聴けず。
昼食は豆腐入りハンバーグ、大根の味噌汁、隠元の胡麻和え。
昼食後、音友・Kさんに見せるために、LPを物色。埃がひどく、掃除しながら見る。何とミケル・ラボアのアルバム(先日パリの植野さんからCDをいただいたもの)とリュイス・リャックの2枚組ライヴが出てくる。どちらも今回音友本で植野さんが大プッシュしている人。まったく記憶がない。
Kさん、2時過ぎに駅から電話をかけてくる。タクシーの乗り方を教えるが、運転手が毛利台小と南毛利小を間違えたらしく、少々時間がかかる。5時近くまで、あれこれ打合せ。主にヴィジュアル関係。5時半のバスで帰る。LPジャケット、トム・ムーアの伝記、CDブックレットなど貸す。
夕方から一昨日クラダから着いた荷物のデータ入力。 |
1999年4月10日土曜日 曇りのち雨。寒し。
終日雨降り続き、だんだん雨足強くなる。
午前中は音友原稿のためにディスクを聴く。今日はフレンチ・カナディアン:Hart Rouge と Bourque, Bernard & Lepage の2枚だが、結構疲れた。どうも密度が濃いのか、聞いている間は引込まれるが、聴きおわるとどっと疲れが出てくる。
朝のディスクは
◎Dee Carstensen REGARDING THE SOUL; 1995
なかなか良い。写真ではグランド・ハープを弾いているが、音はどうやらエレクトリックだ。このハープのサウンドはアメリカものでは新鮮。
昼食は煮豚。豚の肩ロース・ブロックをだし汁と野菜で甘辛く煮たもの。なかなか美味しい。ゆで豚よりも硬いのは肉のせいか、料理法のせいか。人参と干しぶどうのサラダ。豆腐と油げの味噌汁。ご飯。
夕方、急に思い立って、仕事部屋の目の前の棚で主に市販のプログラムCD-ROMなどならべていたところを整理、CD-ROMで入れられるものはソフト・ケースに入れる。空いたところに THE VOICE OF THE PEOPLE を並べる。壮観。CDの入替えも少しする。 |
1999年4月11日日曜日 雨。一時やむもほぼ終日降る。
昼食はカツ丼。あぶらげとエノキの味噌汁。小松菜の煮浸し。
午前中、投票してから東急にてコピー。
午後から仕事。『緑』。そのあと、音友原稿。聴いてはメモをとり、書く作業。今日は新譜は聴けず。
Kが午後から買物に出かけるので『本の雑誌』を買ってきてもらう。夕刻、宮田さんの連載、坪内氏の連載(ジャイアント馬場の死についてのなかなかよい文章)。筒井ガンコ堂の文章についての本についての文章、など読みふける。宮田さんの『翻訳権の戦後史』(みすず書房)読了。翻訳権がいかにないがしろにされてきたか、の歴史。その影で実務者として苦労された痕が歴然。
今日の新聞書評欄はなかなか充実。読みたい本が4冊。うち買いたいものが2冊。筒井ガンコ堂が書いていた本も読みたい。
夜、音友原稿できたところまで送付。ついでにメールをもう一度ダウンロード。Nさんから返事が来ていたので架電。午前1時まで、音楽関係のゴシップを聞く。 |