大島教授の[暖蘭亭日記][99年6月8日〜 6月14日] [CONTENTS]

1999年6月8日火曜 晴れ。
 午前中、音友・Kさんから電話。残りの原稿の催促。序論をまとめてしまう。

○Derek Bell MYSTIC HARP 2; Clealight, 1999
 アメリカの作曲家の作品をデレクが演奏したアルバム。デレクのハープはいいのだが、曲自体にこれといった魅力がないのと、バックのオーケストラがシンセサイザーなので薄っぺら。友人との仕事なのだろうが、あまり意味はない。もっともそれなりに売れるものではありそうだ。ムード音楽とまではいわないが、志向的には「ヒーリング系」だ。
 MSI・Sさんから原稿が届いていないということでアドレスを確かめ、送りなおす。昼過ぎ、届いたと連絡があり、ついでに井川さんがやられたゲール語の歌の解説部分の翻訳を頼まれる。午後、さっさとやって送る。ファックスにてすでに送った部分のゲラが来る。
 D小説大賞二次選考本格的に手をつける。まずは短篇を3分の2、一気にかたづける。ひとつだけ、ちょっと変わったアイデアのラブストーリーはなかなか。リストをまとめ数えると長篇60、短篇17の計77本。今年は募集を知った媒体としてインターネットが目立つ。昨年まではほとんど見なかった。
1999年6月9日水曜 晴れ。風あり。
 午前中音友本、パイプのコラム原稿をまとめ、送る。思いついてパイプ・フェスティヴァルのCDの紹介を入れる。
 Conflict Catcher 8 のアップデータが出ているというのでダウンロード。Default Folder をもどす。特に不安定になった様子はない。

○El Rayo X LIVE!; ?
 バンド時代のリンドレーのライヴ集。これに比べると今のリンドレーは遥かに伝統音楽に近い。先日のライヴでも、必ずはじめにフリーの即興によるイントロを置いていた。あれはインドから西アジア、マグレブにかけての伝統音楽(古典)の定型だ。これはむしろアメリカン・ロックである。レゲェを盛んに使っている。声も若い演奏そのものとしてはやはり最近の方が面白い。はるかに高度だし、解釈も深い。

 昼前、MSI・Sさんから電話。ニーヴのゲラ。
 午後からD小説大賞の原稿読み。短篇4本、長篇3本。長篇のうち3本目のものはなかなかの力作。名前からすると女性なのでひょっとすると初の女性受賞者が出るかもしれない。
 9時半、中山さんから電話。マーティン・シンプスンの来日の確認。おかげでもう一本読むつもりだったが読めなくなる。
 夕食後、それまでに読んだ分を入力しようとスリープから復帰したら、ポップアップ・メニューの一つを開いて直接Sherlockを起動し、検索しようとすると裏にあった『超日記起動』がエラー10で爆弾を出す。再起動して、柴犬と NewNOTEPAD をたちあげると、NewNOTEPAD がエラー10で爆弾。入れっぱなしにしておいたコンフリクト・キャッチャーのCD-ROMを出すと安定したようだ。
1999年6月10日木曜
 朝、長篇一本。書出しでは少々期待したが、結局だめだった。

○Brid Cranitch, Vince Milne, Pat Sullivan A SMALL ISLAND; Ossian, 1994
 録音に慣れていないのか、テンポが身の丈にあっていない気がする。ちょっとつんのめり気味。後の方ではちょうど良くなった感じ。コークでも西の方、シュリーヴ・ルークラのあたりと見え、盛んにポルカをやっている。一曲キャロランからのメドレーはなかなか良い。Matt の親族と思われるブリッドがピアノ、Milne がフィドル、Sullivan が蛇腹。
 11時からPTA臨時役員会。お昼にいったん帰宅して昼食。薩摩揚げ、キャベツの味噌汁、ご飯、海苔。
 昼過ぎ、エー・アイ・ソフトからWXGβ版のCD-ROMが届く。さっそくインストール。インストール、環境設定等は支障なし。あとでメーリング・リストを見ると、インストールからして苦労されている方もいた。ただその後で爆弾が連続して二回出る。
 2時すぎに学校へもどる。PTA茶話会。3時20分、副会長のUさんの締めで散会。後片づけして4時前に帰宅。
 帰ってからホーガンの後書きを書きはじめる。"When Irish eyes are smiling" の素性を調べるのにネットをあれこれ探すが出てこない。結局 Oxford Companion to Popular Music にちゃんと出ていた。ネットも意外に盲点があるものだ。ある曲がどこの録音に入っているかはいくらでも出てくるが、その曲が誰の作品でもとはどこかというのは出てこない。夜までかかって書上げ、送ってしまう。
 ネット探索のついでにCDUniverseへ行き、コーデリアス・ダッドの別働隊のCD、ジェリィ・オサリヴァン、アイリーン・アイヴァース關係のCDなど5枚ほど注文。
 そのあと、WXGβ版の報告をメーリング・リストにアップ。
1999年6月11日金曜 晴れ。今年は空梅雨かもしれない。

○Ali Farka Toure NIAFUNKE; Hannibal, 1999
 ビデオアーツからのサンプルCD。これはすばらしいアフリカン・ブルース。ちょっと突抜けたのではないか。始めと終りにエレクトリックによる曲を配し、後は一貫してアコースティックで押通す。ほとんどは自身の歌とギター、パーカッション、時折コーラスが入る程度のシンプルな編成。どの曲も力強く、昏く、緊張感に満ちる。
 久しぶりにザッパを聴く。THE BEST BAND。"When Irish eyes are smiling" を聴くためだが、ついつい聴いてしまう。きりがないので「拷問は果てしなく・パート1」まででむりやりやめる。
 午後、東京創元社・Yさんから電話。あとがき原稿の件。おおむね気に入ってくれた由。"When Irish eyes are smiling" の背景説明はもっとあってもいいとのこと。Kさんにも読んでもらう由。来週前半にゲラ。その後、延々1時間ほど、あれこれ雑談。三時にHが帰ってきたので切る。
 夜、音友本、最後の原稿に手をつける。
1999年6月12日土曜 晴れ。
 終日、D小説大賞のための原稿読み。ふんばって10本。二、三本はどうにもならず。それでも2本ほど読み応えのあるものがあった。あいかわらずパターンもの多し。
 朝、KがMを耳鼻科につれてゆく。外耳炎とのこと。Hも目がまた赤くなり、痒いというので二人ともスイミングは休み。ほぼ終日家の中で遊んでいる。
 夜、ショウ・オヴ・ハンズのシングル Columbus を聴く。これはなかなかのシングル。タイトル曲もいいし、2曲目の "Exile" は『ライヴ』からの選曲だが、ポリィ・ボルトンがいい味。そして三曲目がフィル・ビアの "Breakfast for Altan" がよく感じが出ている。
 昼食、釜揚げうどん、胡瓜。夕食、豚の生姜焼き、豆腐の味噌汁、小松菜の煮浸し。ご飯。
1999年6月13日日曜 晴れ、風あり、涼し。
 終日、D小説大賞のための原稿読み。今日は8本。最後の一本が当たりだった。
 昼食はリトル・マーメイドのサンドイッチなどを買ってくる。夜はカレー。
1999年6月14日月曜 晴れ、風あり。乾燥しているので夜は涼しい。
 終日、D小説大賞の原稿読み。うち1本は昨年の応募作の改訂版と称するもの。もう一本は第2回あたりの応募作にあったもの。今日は読むのに時間がかかるものが多く、7本半。
 電話の日。過ぎ、東京創元社・Yさんからファックスと電話。あとがきのゲラ。夕食後、食器を洗っていたら音友・Kさんから。PTA会長から午後3回。夜、のざきから。
 Good Book Guideからベーパー2冊、音友からゲラ、Folk Roots、魂花時報。Folk Rootsでは200号記念のCDと特別ライヴのチケット販売のチラシが入っている。カヴァーは何とライ・クーダー。何かあったのだろうか。アイリッシュ・アメリカンのボックス・セットCD四枚組が出るそうだ。トピックはデイヴィ・グレアムとシャーリィ・コリンズの復刻。このところ、調子づいている。イタリアのサイトが広告を出している。やったあ。
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