大島教授の[暖蘭亭日記][2000年 3月 11日 (土)〜 2000年 3月 20日 (月)] [CONTENTS]

2000年 3月 11日 (土) 曇。

 8時半過ぎ起床。子どもたちにマットの粗大ゴミを出すのを頼む。

 Mの顔の赤いのは、昨夜ぐらいからいくらか薄れてきた。本人は元気元気である。
 終日、ナタリー・マクマスターのライナーのための準備。Gordie Sampson もウェブ・サイトがあった。作曲者としてよく名前の出てくる Jerry Holland もアルバムが出ており、買ってあった。やはりCDは買わねばならない。

○Priscilla Herdman, Anne Hills, Cindy Mangsen VOICES OF WINTER; Gadfly, 1997
 ほとんどが三人のア・カペラで、冬をモチーフにした歌をうたうライヴ集。三人の声の溶け具合がほど良い。面白いのは選曲で、トラディショナルがメインと思いきや、ブロードウェイらしき曲も含んで幅広い。トラディショナルのアレンジが「らしく」ないのもいい。[03]はレニィ・ギャラントがファーストでうたっている。

○John Allan Cameron GLENCOE STATION; 1997
 昔聞いたLPよりはぐっと引締まったアルバム。アイルランドで言えば、ダブリナーズやその流れに相当する位置にある人ではないか。シンガーだけでなく、ギターやフィドルも弾きこなす、マルチな人でもある。なんと、ナタリー・マクマスターの従兄であった。この人の一族も音楽一家らしい。ナタリーの関連で聞いたのだが、二曲参加して歌伴をやっている。とりたてて言うこともない演奏。

○Various Artists 11 OUT OF 10; RealWorld, 1999
 リアルワールド10周年を記念したサンプラー。それぞれの年から一曲ずつ代表曲を選び、これに99年にリリース予定の一曲を加えたもの。1989年の Remmy Ongala & Orchestre Super Matimila (Tanzania) から1998年 Maryam Mursal (Somalia) まで。99年のものは Joi というブリテン在住のインド系の人らしいもののトラック。これが一番つまらない。冒頭が1992年のシーラ・チャンドラで、これが次につまらない。

 他はまずまず面白く聞けた。アフロ・ケルト・サウンド・システムが1996年の代表として選ばれていて、こうして聞くと悪くない。やはり、Jo Bruce の存在が大きかったのではなかろうか。一番気に入ったのはソマリアの Maryam Mursai。これもサイモン・エマーソンが噛んでいるが、今回はうまく機能していて、ブリテン流のフォーク・ロックの骨法にソマリアの音楽がうまく載っている。

 夕食は豚肉、豆腐、葱の鍋、ご飯、伊予柑、林檎。
 夕食後は GAELIC ROOTS の曲目と参加者をスキャナで取込んでOCRでテキスト変換しようとしてみる。ところがこのブックレットのクレジットのページは地がカラーの模様になっていて、普通に取込んだのでは文字が潰れてしまったりする。OCRで読取りしようとしても、文字として認識しない。e.Typist のマニュアルを見たり、いろいろやってみた末、ようやく e.Typist で手動でスキャンするやり方を発見。これでようやくうまくいった。こうするとまず九割ぐらいの精度で読込んでくれる。

2000年 3月 12日 (日) 雨後晴れ

 9時前起床。子どもたちはまた早くから起きている。
 朝食はハム・トーストにコーヒー、グレープフルーツ・ジュースで簡単にすませる。Kはクラブの監督で学校。

○Cindy Mangsen SONGS OF EXPERIENCE; Redwing, 1998
 この人としては何枚目にあたるのかも知らないが、オリジナルは二曲だけで、ほとんどがトラディショナル。もちろんアメリカン・トラッドだが、気持ちよく引締まった歌唱。それでいてこの人独特の暖かい声が、"The cruel mother" や "Clark Saunders" などのバラッドでも、自然に物語の世界に引込む。むしろオリジナルの二曲が浮いて聞えるほど、凛とした世界。コーデリアス・ダッドがこのくらいの余裕を身につけると、ずいぶんと面白いものになると思うのだが。

 今日もCDジャケットをスキャンしようとしたら、e.Typist からのスキャンができなくなっていた。TWAIN の Source Manager がないからインストールしろというアラートが出るのだが、調べると初期設定フォルダ内の TWAIN フォルダの中にちゃんとある。デスクトップファイルの再構築とかしたが、全然だめ。販売元のメディアドライブにファックスを送る。仕方なく Scan Suite でフルカラー画像としてスキャンし、これを e.Typist に読込む。一応できる。

 昼食はKも帰ってきて、釜揚げ饂飩、茹で卵。

○Jerry Holland FIDDLER'S CHOICE; Odyssey Records, 1998
 ケベック出身の母親、ニュー・ブルンスンィック出身の父親のもとボストンに1955年に生まれる。が、フィドルはケープ・ブルトンの血を色濃く引くもの。1960年代に一家が夏の休暇をケープ・ブルトンで過ごしはじめるのがきっかけとのこと。作曲家としても有名らしい。

 ナタリー・マクマスターの曲のソースの一人であり、演奏の上でもナタリーに影響を与えている。ケープ・ブルトンのフィドルはややつんのめるところがあるが、この人はそのつんのめり方がややきつい気がする。アシュリィ・マクアイザックあたりに比べてもそうだ。ナタリーはこれに比べるとむしろゆったり聞える。そのつんのめり感が、こちらも相当切れ味の鋭い音色とあわさると、清冽な山の雪解け水で身を洗われている気持ちだ。

 午後はまず、雑誌のナタリー・マクマスター関係の記事に目を通してメモをとり、あとはずっとナタリー・マクマスターのライナーを書く。夕方までに一通りあげ、夕食後、仕上げて送る。残りは歌詞の対訳のみ。

 昨日のRTEのメール・ニュースで、ベルファストの Harland and Wolff 造船所が、閉鎖されることがほぼ確実になりつつあるという報道は、ひょっとするとノーザン・アイルランドの情勢に大きな意味を持つかもしれない。1700人が protective redundancy notice を受けた、つまりおそらくは一時的レイオフを受け、英国防省からの発注がなければ、6月以降の注文はゼロだそうだ。となるとおそらくプロテスタントの失業者がベルファストにあふれることになる。あるいはブリテン本土に移住するものも多く出るかもしれない。いずれにしてもノーザン・アイルランド社会にとって不安定要因ではある。プロテスタント側の態度がますます硬化することもありうる。


2000年 3月 13日 (月) 晴れ。

 朝食は葡萄パンとハム・トースト、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。最近、朝食に野菜が不足。薫を送る。

○Julie Henigan AMERICAN STRANGER; Waterbug, 1997
 アメリカン・トラディショナルのシンガーのソロ。高い声と低い声で声が変わるのがアメリカ的とも思える。選曲はほとんど完全にトラディショナルで、ドニゴールのゲール語曲まである。シンディ・マンセンと同じく、あくまでもアメリカ的な解釈だが、きりりと引締まった姿勢は気持ちがよい。バンジョーやギターでインスト曲もやるが、これはやはりご愛敬。"The streets of Derry" の歌唱が印象に残る。それにしてもこのレーベルはいいアルバムを出す。この辺のアメリカン・トラディショナルを追いかけたくなった。

 朝一番で、ナタリー・マクマスターの歌詞対訳をやり、送ってしまう。
 10時半頃、Iさんからファックスと電話。確定申告のもどりは意外に多かった。これで税金や保険が賄えるだろう。

 ブラウンのゲラをもう一度最後にチェック。
 11時前、メディアドライブ、カスタマ・サポートのU氏から電話。スキャンできるはずなので、e.Typist の再インストールしか手はなさそうとのことで、一つ前のヴァージョンからインストールし、次にver.5 を別フォルダにインストールしてみてくれとのこと。
 11時、まず酒屋へ行って、ブラウンの再校ゲラを送る。

 それから駅前。銀行で通帳を更新。ビブレの上の写真屋に行き、免許用の写真を撮る。一階のチケットぴあでソウル・フラワー・ユニオンの月末のチケットを買う。バオバブでコーヒー豆。タハラでセルジュ・ゲンズブールのCDを見る。ボックス・セットが出ていたと思ったが、それは見当たらず、一番面白そうなものを買ってみる。Tzadik から出ているのに驚き、これをまず聞いてみる。CDを買うのはほぼ二週間ぶりで、こんなに長い間隔が空いたのは実に何年ぶりかではないか。

○Serge Gainsbourg GREAT JEWISH MUSIC; Tzadik, 1997
 21組のミュージシャンによる、セルジュ・ゲンズブールの一種のトリビュート。マーク・リボーが大活躍で、ただ独り、三つのトラックに入っている。どこがユダヤ音楽なのかは表面上は全くわからない。少なくともサウンド的なところには皆無。全体に前衛音楽ないしアヴァンギャルド的なアプローチが多くて、いつもなら二、三曲聞いただけで投げだすようなものだが、妙に聞き続けてしまう。マーク・リボーの絡んだ三トラック、メデスキー・マーティン・ウッドのトラック、それに全く別の意味でジョン・ゾーンが自ら独りで、しかも声だけでやっているトラックが興味深い。今年これが百枚めの初聞き。

 ユニオンの中古に回ってみるが、ゲンズブールは影も形もない。吉本家でキャベツ・味玉。昨日、ココアを飲んだら、ココアが古かったせいか、腹が下り、右下腹部がシクシクしていたのでキャベツにする。ちょっと恐る恐るだったが、まず大丈夫。ラオックスを冷やかしてから帰宅。

 帰ってから e.Tpyist の件であれこれやってみたり、再インストールしてみたりもしたが、結局 ScanSuite と Source Manager の取合いをしていたらしい。あるいは、向こうがこれを独占していたか。とにかく ScanSuite を終了させておくと問題なし。嬉しくなって、三枚ほどスキャンさせる。セルジュ・ゲンズブールのものは地が色つきなので、普通のスキャニングではだめ。フルカラー・600dpi でスキャンしたものを読込ませたら、何とかできた。

 子どもたちは4時に帰ってきてHの友人の家に二人して遊びに行く。帰宅5時半。Hはその後、またビデオを見たらしく、夕食の途中で頭が痛いと言って食べるのを止める。早々に寝かせる。Mの林檎病らしき顔の赤いのは昨日のうちに全く消えた。Hは咳も出て、鼻水も垂らしているので、林檎病の代わりの風邪かもしれない。Kは花粉症の薬だけでもと耳鼻科へ行ったが、あまりの混み具合に恐れをなして帰ってくる。

 夕食は鶏肉・カシューナッツ、かき卵スープ、ご飯。
 夜は、『緑』の原稿見直しに着手。


2000年 3月 14日 (火) 晴れ。

 朝食、鰺の開き、大根の味噌汁、菜の花のからし和え、ご飯。

○Medeski, Martin & Wood SHACK-MAN; Gramavision/Video Arts, 1996
 昨日聞いたセルジュ・ゲンズブールのトリビュートでこの連中のトラックがあまりに良かったので、未聴だったものを聞く。やはりすばらしい。が、どこがどう良いのか、言葉にできない。そこがまたいいのかもしれない。前に聞いた二作はきれいさっぱり忘れていて、比較できず。

○Stanley Greenthal ALL ROADS; Madrona Ring, 1990
 ユニオンの中古で見つけたもの。シアトルに住んでいる人で、ビュージェット海峡のことなどうたっているので、今読んでいるジョナサン・ラバンの本などとも重なるところがある。が、どちらかというと歌よりも2曲のバルカン・チューンがいい。うち一曲はオリジナルで、本来のバルカン的なメロディからはちらちらとずれるところがあり、そこが聞きどころ。アメリカの西海岸でもこうした曲をちゃんと聞かせられる連中がいるのだ。

 スキャナでデータを取込めるようになって嬉しくて仕方がなく、やたら取込みまくる。もっともメデスキー・マーティン・ウッドのものは、活字が全部大文字だったり、少し書体が変わったものだと全然解析できない。e.Typist は絵だと思ってしまうらしい。思いついてかれらのウェブ・サイトに行くと、案の定曲名、クレジットなど上がっているので、コピー&ペーストで取込む。こういう使い方もあった。
 結局これで午前中潰れる。

 11時頃、Jさんから電話。ゲンズブールは茂木に頼み、こちらはレニィ・ブルースを頼みたいという。以前晶文社から出ていた自伝をまず読まねばならない。

 昼食は鱈子、海苔、ゆかり、朝の残りの味噌汁、菜の花、白菜キムチ、ご飯。
 午後は『緑』見直し。
 ヴィデオアーツからキーラの新譜のサンプル。

 四時過ぎに家を出て、まっすぐ渋谷。HMV渋谷店二階の常設ステージで、ルナサのインストア・ライヴ。一時間ほど早く着く。五十嵐さんが司会。音合わせでケヴィンが出てきて旧交を温める。聴衆は50人ほども集まっていただろうか。年齢層はおそらく二十代後半から上。女性の姿も多い。心強い。もっともノリはあまり良くない。このバンドは明らかに縦ノリで、ソウル・フラワーとかのファンであれば、踊りまくっているだろう。はじめに3曲。冒頭はかれらのいわばテーマ音楽。五十嵐さんのメンバー紹介と一言ずつしゃべらせて、後半3曲。バンドの調子は絶好調のようで、夏に見た時よりも数段良くなっている。このバンドはどこまで良くなるのか。

 ユニヴァーサルのKさんに挨拶される。モデナ・シティ・ランブラーズを出すそうだ。この人もクラシック部門。いま洋楽はクラシック部門しかないみたいだ。荒田君に久しぶりに会う。白石さんは例によってデジタル・ムービーを撮っている。

 終ってからプランクトンのKさんからアルタン祭のパンフレットへの執筆依頼。プランクトンがケルト系ライヴでは初めて作る本格的なパンフだ。
 場所を移して、恵比寿駅の近くのレストランで会食。またケヴィンと席が近くなり、五十嵐さんやメタ・カンパニーの深沢さんとおしゃべりに興ずる。11時過ぎに辞去。新宿までタクシーを飛ばす。終電に間に合い、帰宅1時。


2000年 3月 15日 (水) 晴れ。

 朝食は、ハム・トースト、トマト、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。

○THE MOJO MACHINE TURNS YOU ON; ?
 MOJO付録のサンプラーの最初のもの。いつの号についていたかももはや定かではない。Rufus Wainghright のファーストからのものが入っているので、その頃だろう。大半は箸にも棒にもかからない。かろうじて聞けるのは Peter Green, Billie Myers ぐらい。Rufus Wainright はちょっと期待していたが、親父には遠くおよばず。資料的価値もなし。捨てよう。

○Medeski Martin Wood COMBUSTICATION; Toshiba EMI, 1998
 正真正銘の傑作。このバンドの正体が初めて全開している。DJとの共演もいいが、何と言ってもギャビィ・パヒヌイに捧げられた、ハワイアン・トラッドが見事。

 昼食はご飯を炊き、キャベツの味噌汁、鱈子、海苔、ゆかり、キムチ。
 仕事は『緑』見直し。

 四時過ぎに家を出て、昨日と同じ4時43分のバスに乗るが、今日は片岸を過ぎた坂の下から渋滞で動かない。見切りをつけて途中で降りて歩く。おそらく20分ほどかかったと思うが、久しぶりに脛が痛くなる。もちろん、バスはまだ影も形もない。青山Cayにてルナサのライヴ。着いたときには開演30分前を切っていたが、かなりの混雑。それでもチケットを買っていたので白石さんの隣の席に案内される。ありがたいことだ。ここは空調が特に前の方は全く効かず、休憩時間中にステージ奥の搬出口の扉を開けて外気を入れていたが、追いつくものではない。後で聞くと400近く入っていたらしい。ぎゅう詰めだ。客の入りも反応も、同じ会場だったソラスの比ではない。女性が多い。下手をすると半分以上かもしれない。年齢層は比較的高いのはいつものとおりだが、今回は二十代前半も目についた。ソウル・フラワーあたりのファンにいそうな感じの姉ちゃんもいる。

 ライヴそのものは15分の休憩をはさんで、正味2時間強。もちろん昨年夏ワトフォードで見たときなど比較にならない。これまで見たアイリッシュ系のライヴ、いや、生涯のライヴでも五本の指に入ろう。これからもこれだけのものが見られるかどうか。主にトレヴァーのベースを見ていたが、実に気持ち良さそうにグルーヴを作っていく。曲のテンポや雰囲気がかれのベースでがらりと変わる。一方、音楽全般のしきりはドノらしい。フロントの三人はそれに乗っかって、これまた自由自在。キリアンはやはりまだバンドに入って日が浅いせいかあまり引張ることはしないが、ショーンとケヴィンはやりたい放題。キリアンが中心でメロディをキープしているその両側で、勝手にすっ飛んでいる。

 今日はステージの真ん中に台を置き、その上にキリアンの席が設けられていて、もちろんかれの姿を見せようという配慮だが、そういう扱いを受けるのはごく珍しいらしい。第二部の始めでかれが出てくるのがちょっと遅れたが、ケヴィンとショーンが二人で椅子の埃を払うふりをしたりして、キリアン様どうぞお席に、と誘っていた。

 印象的だったのはショーン、ドノ、トレヴァーのトリオでの演奏と、一曲だけケヴィンがバゥロン(一番小型のサイズ)を叩いた時のかれの完全に浮き世を離れた表情。目をつむり、首を振り、行ってしまっているのだ。歌が一曲もないにもかかわらず、2時間以上のステージを飽きさせない構成やアレンジも見事だが、やはり何と言っても五人が一体になって突進んでゆく様は、これぞアイリッシュ・ミュージックの醍醐味。ほれぼれする。

 アンコールを用意しておらず、二回だけだったが、もう大満足。くたびれると同時に元気が出るライヴだった。終演後、後ろの方でサイン会もしていた。CDの売上げも相当多かったようだ。
 終ってから他の客が引くのを待っているとオルターポップのKさんからケパ・フンケラのベスト盤のサンプルをいただく。バラカンさんが選曲・監修して、ケパも承認したオフィシャル・ベストだそうだ。茂木は姿が見えなかった。Robin さんに会う。畠山さんがオフィシャル・カメラマンとして来ていた。だいたいいつもの面々は来ている。

 元ビューリーズのザ・パイントで打上げをやるというので、夕食抜きで腹が減っていたから、表参道のラーメン屋で腹ごしらえをしてから行く。われわれが着いた直後にメンバーが着いて、ケヴィンからはおまえの顔を見ながら演奏していたと言われた。名残惜しかったが、やはり明日のある身、0時前に辞去。相武台からタクシー。帰宅1時半。


2000年 3月 16日 (木) 雨。寒し。

 朝食は万鯛の付焼き、大根の味噌汁、菠薐草胡麻和え、ご飯。

○Roscoe Holcomb THE HIGH LONESOME SOUND; Smithonian Folkways, 1998
 ケンタッキーのシンガー/バンジョー、ギター奏者のフィールド録音。タイトル通り、ヴォリュームのあるテナー・ヴォイスのうたい手。やはり無伴奏がすばらしい。ギターやバンジョーの伴奏は、正直素人の域を出ていない。アメリカン・トラディショナル、というよりももっとローカルな、ケンタッキーないしアパラチアのトラディショナル。カントリーやひいてはロックン・ロールの大元という「〜の源」としてではなく、これ自体、立派な音楽、人間の歌として聞くべし。

 午前中、歯医者。右上続き。駅前に出ようと思っていたが、雨が結構真剣に振っているのでやめ、コンビニ等で買物して帰宅。

 昼食は、ありあわせで、稲庭饂飩を一羽茹で、肉まん2個、あんまん一個ふかし、朝の残りの味噌汁と菠薐草。

 午後は『緑』見直し。
 夕食は小松菜豚肉、ご飯。iMac 調子悪し。何かというとハングる。Kensington のサイトに行き、MouseWorks の最新版をダウンロードして入れてみるが、これは前と同じもののはず。


2000年 3月 17日 (金)曇。風強く、寒し。

 朝食、梭子魚の干物、大根の味噌汁、トマト、ご飯。

○Margaret Christl THE PICTURE IN MY MIND; Waterbug, 1998
 かなり期待していたアルバムなのだが、この人はこんなに朗々と歌いあげる人だったろうか。興醒め。選曲はスコットランド志向。

○Theresa Larkin & Noel McQuaid IN THE MIDDLE OF THE NIGHT; Rosemount Music, 1998
 ジャケットでテレサが吹いていたのはフルートではなく、ファイフだった。この人、かなりのマルチ・インストルメンタリスト。マッケイドの方はギター。これに仲間が参加してのアルバム。テクニックなど、特に傑出したところがあるのではなく、最近のものとしては珍しく、ゆっくりした演奏。そこが新鮮といえば新鮮。こういう組合せならば、もう少し冒険してもいいような気がする。


 昼食、Kが弁当用に作っていった豚肉の生姜焼きのおすそ分けと昨日の残りの豚肉小松菜、味噌汁の残り、ゆかり、海苔、ご飯。

 夜、日経書籍部のTさん、Nさんと表参道のイタリア料理店で会食。なかなか美味。話込んで結局終電。期末の金曜とて、珍しくタクシーにならぶ。出かけていく時は3時半過ぎのバスだったが、またまた途中から動かない。歩いて行ってみると、結局相模大橋までずっと渋滞。これはどもならん。それにしてもひどいものだ。これで公共交通機関を使えというのは、現実を知らない阿呆でしかない。  行掛けに新宿でソフマップのマック館に寄り、AirMac のベースステーションとカード、それにUSBとSCSIの接続コードを買う。


2000年 3月 18日 (土) 晴れ。

 朝食、ハム・トースト、プチ・トマト、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。

○Chilli Willi and the Red Hot Peppers I'LL BE HOME; Proper Records, 1974/1996
 このバンドの全録音のCD復刻。なんでこのバンドはこんなに過小評価されているのか、わからない。過小評価されるということはそういうことなのかもしれないが、ライヴも極上、アルバムも極上。あるいは活動期間が短かった、録音が少ない、というだけのことなのか。こういうバンドが、芽は出なくとも地道に活動を続けられないのが、ブリテンのマーケットの狭さ、ということか。

○Jon Brindley SOMETHING CALLING; Shamrock, 1997
 アメリカの中に入れていたが、実はイングランドのシンガー・ソング・ライターだった。一応アイリッシュ系なのかもしれず、ちょっと肌合いが違う。フィドルも弾くが、アイリッシュのような軽々としたものではなく、テクの不足をアレンジの創意工夫でカヴァーしている。とはいえ、そのカヴァーは飾りすぎず、等身大の演奏で、結構うまくいっている。落ちついたいい声をしていて、なかなか聞かせる。ウディ・ガスリーの "Depotee" は思いきりじっくりとうたっていて、この歌の演奏としてベストの出来栄え。

○Dezi Donnelly & Mike Goldrick CHAMPIONS OF THE NORTH: Magnetic Music, 1995
 この二人は幼い頃から一緒に音楽をやっているそうだが、確かにぴったり息の合った演奏。とはいえ、マクゴールドリックの方が腕としては一枚上。どちらかというとかれの方が引張っている。"Acid reel" と称して、打込みのクラブ風リズムをバックにやっているのが一曲あり、もともとこういう志向を持っているらしい。30分強で短い。

 昨日買ったUSB・SCSIの接続コードで、外付HDと iBook をつなぎ、付属のフォーマッタでフォーマット。iBook 専用のバックアップとする。もちろんうまく繋がるが、それにしても外付HDのうるささはひどいものだ。
 午前中、CDの棚を入換えて整理。未聴のものを棚の上に並べて、ひと目で見えるようにする。

 昼食はKが帰ってきて作る予定だったが、打合せが長引いて帰れないというので、餃子を焼いてご飯を食べる。搾菜を切る。
 夕食は釜揚げ饂飩と巻繊汁。  終日、断続的に『緑』の見直し。寝不足で、やりながら夕刻ついうたた寝してしまう。早寝をしようかと思ったが、明日の廃品回収に備えて段ボールや新聞を縛っていたら、目が覚めてしまった。

2000年 3月 19日 (日) 晴れ後曇り。

 朝食、クロワッサンにブルーベリィ・ジャムを塗ったものとハム・トースト、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。

 昼食、牛肉コロッケ、揚出し豆腐、昨日の残りの巻繊汁、ご飯、搾菜。
 夕食、鰻丼、巻繊汁残り(大人後家)、菠薐草胡麻和え、伊予柑。

 朝食後、子供会の廃品回収に出る。先月雨でできなかったのでいくらか多く、七号棟前は特に多い。Kは演劇部活動の監督のため出勤。Mはアルミ缶踏みに出てきたが、Hは来ない。もっとも出てきているのは女の子ばかり、それも低学年だ。

 10時半頃終ってもどってから AirMac の設定。カードを iBook に入れ、ベースステーションを仕事部屋窓際のワゴンの上を整理してその上に置く。ソフトをインストールし、設定をしようとするが、ちょっとまごつく。ReadMe を読むと、いろいろ制限がある。AOLには繋げなかったり、ネット上で対戦するゲームはできなかったり。それ以上にモデムそのものの代わりにはならない、ということが今まで出ている情報では一切ない。ニフティやファックスは今まで通り、線をつないで内蔵モデムを使わねばならない。この点は一番大きな不満。インターネットにつなぐ方が圧倒的に多いことは確かだが。iMac との繋ぎは有線よりも若干遅い。というか、ファイルのコピーなど、途中ちょっと止まることがある。

 廃品回収から帰ってきて一度排便したが、昼食後腹が下る。どうも、ここ一週間ほど、ぐずぐずとした調子。
 Kは昼食を作りに帰ってきて、まだ出てゆき、帰宅6時過ぎ。3時頃からまた腹が痛くなったといい、入浴はせずに寝てしまう。が、咳がひどく、子どもたちが風呂から出て寝る頃にヴェポラブを塗り、花梨蜜を飲む。

 午後からは『緑』見直し。


2000年 3月 20日 (月)

 朝食、クロワッサン、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。
 昼食、焼きそば。

 夕食、鱈子、海苔、ゆかり、搾菜、キャベツの味噌汁、ご飯。
 終日ひたすら『緑』の見直し。とにかく終らせなければならない。

 Kと子どもたちは夕方、Kの両親との会食に出かける。駅まで送る。8時前帰宅。
 AirMac で iMac につなぐのに TCP/IP 経由にしてみる。ネットワーク・ブラウザで afp:// でIPアドレスを入れてやると見事に繋がった。これだと普通の Ether のスピードで繋がる。


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