大島教授の[暖蘭亭日記][2000年 4月 17日 (月)〜 2000年 4月 23日 (日)] [CONTENTS]

2000年 4月 17日 (月) 晴れ。

 朝食、ハム・トースト、トマト、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。

○ハシケン 限りなくあの空に近い;リスペクト、2000
 6月7日発売の三枚目。前二枚は聞いたことはなかったが、これを聞いて、俄然聴かねばと思う。二、三度ソロでのライヴを見たことがあるだけだが、実力はあるシンガーとは思っていた。とはいえ、これは「化けた」のではなかろうか。うたのうまさと表現力の幅の広いことは、世界でも一流といえるところにある。その歌に自信ないし使命感のようなものがみなぎり、説得力が増している。使命感といっても、薄っぺらな、それによって裏付けのない自らの行動を鼓舞するようなものではなく、命を与えられた理由として歌うことを静かに自覚している感覚だ。歌詞も面白いのだが、もう一歩踏み込んでくれれば文句なく脱帽しただろう。一番のトラックはやはり「かいされヨー」。

 午前中、日記を整理。午後、久田師匠宛送付。PTA本部役員打合せ。総会と委員全体会。
 アオラから Marina Rossell のサンプル。
 昼食は牛肉・ピーマン・筍の中華風炒め(昨夜の子どもたちのおかずの残り)、若竹汁、ご飯、キムチ。

 夕方、家を出て、まっすぐ『ラティーナ』編集部へ行く。Mさんが退社されるので、一応お祝いに飲むつもりだったのだが、結局皆さんと事務所で酒盛りになる。10時過ぎに近くのレストランに席を移し11時すぎの閉店まで。話が弾み、いい気持ちになってワインを飲みすぎる。終電のがし、相武台からタクシー。
2000年 4月 18日 (火) 晴れ。

 久しぶりの宿酔い。ワインの飲過ぎで、朝方、気分が悪くて目が覚める。こんな酔い方は実に久しぶりなり。皆を送りだしてから寝直す。目が覚めると11時。駅前に出て、有隣堂でまーぱを買い、昼食は吉本家でキャベツ味玉ラーメン。買い物をして帰宅。

 TowerEurope からCD1枚。ただ、切手からすると国内で投函されているらしい。
 夕食、カレー。
 仕事はレニー・ブルース2ページと「グリーン・マーズ」。

 アップルメニューがやはりどうも不安定要因らしい。Greg's Browser の新版がまーぱにあったので、再度インストール。
2000年 4月 19日 (水) 曇。

 朝食、ハム・トースト、キャベツのバター炒め、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。

○Paul McGrattan THE FROST IS OVER; Claddagh, 1992
Paul McGrattan  見事なアルバム。ビギニッシュの源流はむしろこちらかもしれない。リズム感の良さが際だつ。ケヴィン・コネフが珍しく参加していて、この人のバゥロンもけっして侮れない。はでなこともやるわけではないが、粋な音を出す。マット・モロィとのデュエットも聞物。Paul Doyle という初めて名前をきく人のブズーキもなかなか。隠れた傑作。

 TowerEurope からCD1枚。やはり日本国内で投函されている。
 Amazon.com から書籍1冊、CD三枚。『CDジャーナル』見本誌。
 昼食はご飯を炊き、カレーの残りとハム・エッグ、キムチ。
 参議院議員堂本暁子氏のメールマガジンに購読を申込む。国会議員のメール・マガジンはこれで四つめ。

 先日の公明党のを読むと、本当に共産党が嫌いなんだなあ、と実感。もともと学会は共産党が嫌いなのだろうか。それとも、何かきっかけのようなものがあるのだろうか。自民と組んでいるのも、ただただ共産党と一緒の組にいたくないからとすら思えてくる。普段はとりすました感じだが、こういう感情剥出しの文章はかえって本音が出て面白い。

 Modena City Ramblers の旧譜を探すが、TowerEurope には最新作しかなく、結局 Amazon.com で四枚あり、うち三枚、持っていないものを注文。うーむ、Amazon 恐るべし。

 午後、Kは早く帰ってきて、子どもたちの授業参観および学級懇談会に行く。今年の一学期は全学年一斉なので、始めMの方に行き、後でHの授業を見た由。本人に言わせると、興奮して、どきどきしていたらしい。Hはもう普通の子で、授業中は目立たないようだ。前年の担任のおかげでおちついたという面もあるだろう。

 夕食、豚肉・舞茸の中華風炒め、かき卵スープ、ご飯。
 夜、メールの送付とニフティ音楽巡回。Jacquiさんが立上げたメーリング・リストには、案の定、「パブ」のアクティヴなメンバーは移っていて、「パブ」の方は閑古鳥の様相。ま、なるようになるであろう。

 マーティン・カーシィのメーリング・リストがないかと Sherlock で探すと、アメリカン・ルーツ・ミュージックのサイトを作っている人の掲示板で、本人が OUT OF THE CUT を紹介しているのにぶつかる。それはいいのだが、カーシィを「アイリッシュ系のヒーロー!」としているのにはちょっとびっくり。「ヒーロー」と言うからには、カーシィの位置づけを多少は心得ているのだと思うが、「アイリッシュ系」はないだろう。アメリカもののファンからは、ブリテン諸島は全部「アイリッシュ」に見えるのかしらん。だとすれば、皮肉なことだ。その掲示板そのものに再び行くつもりがなかったので、何も書きこまずにおく。

 外付HDをつないだままシステムを落とそうとすると爆弾が出る。再起動でも同じ。ロジテックのサイトに行くが、ドライバは見当たらない。ファックスを送るしかないらしい。
2000年 4月 20日 (木) 雨。

 は6時半頃起きだして、弁当づくり。7時前に電話連絡で今日のHの遠足は延期。どしゃぶりの雨では当然。

 朝食、梭子魚の干物、菠薐草胡麻和え、若竹汁、ご飯、ゆかり、海苔。

○Modena City Ramblers FUORI CAMPO; Black Out/Universal, 1999
Modena City Ramblers  MCR(と公式のウェブ・サイトでも表記している)の六作目で最新作。いつもの調子でやっていたのが俄然耳をそばだてたのが[09]。女性コーラスが力強く入ってくるこれはいい。ケルトというよりはもっとイタリアの土着の感じがする。"La rumba" というタイトルのどうやらトラディショナル曲らしいが、これは突きぬけている。ほどよい緊張感。バンドが新しい分野に踏込んだ気配だ。[12]のようなアドリア海の向うへの視線はいままで気がつかなかった。ロマ風の速いパッセージも鮮やか。ライヴ以外を聞いていないからはっきりとは言えないが、これはかれらにとってもメルクマールになるアルバムではないか。こういうバンドが突抜けるかどうかはリズム・セクションが鍵を握るが、なかなか健闘している。はでなことはやらないが、きっちり叩いているし、それでいて小技を効かせて単調にならず、バンドをうまく乗せる。

○Seamus Tansey & Jim McKillop TO HELL WITH THE BEGRUDGERS; Sound, 1998?
 楽しみにしていたアルバムだが、どうも気に入らない。一番気に入らないのは2曲のスロー・エアで、センスのないシンセサイザーをバックに主にフィドルが歌いあげている。いわゆる「神秘のケルト」ではないのだが、どこかにナショナリスティックな自己満足が透けて聞える。そう聞えてしまうと、フルートの録音もやたらリヴァーブをかけている感じで、ほんとにこんな音かと思えてしまうし、フィドルの音にも魂が感じられなくなる。最後の曲などは、二人のメロディのずらし方が、ハーモニーとは違った形で面白かったりはするのだが。ピアノ伴奏もそうしたマイナス点をカヴァーするものではない。

 夕食、納豆(鰹節、葱入り)、根深汁、菠薐草の胡麻和え、筍の煮付、ご飯。
 今日は夕食前にノルマ達成。やはり気分がいい。
2000年 4月 21日 (金) 雨。終日、細かい雨が降ったりやんだり。夜に入り、やや激しくなる。

 朝食はハム・トースト、バナナ、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。

○Moller, Willemark & Gudmundson FRIFOT; Caprice, 1991
FRIFOT  わずか三人とは思えない音の厚み。フィドル、バグパイプ、ヴォーカル、ブズーキ、ハックブレット等の織成す重層的で同時に原初的な音楽。何も言うことなし。

○Nils Lindberg REQUIEM; Phono Suecia, 1994
 リエナ・ヴィッレマルクが参加しているので買ったアルバムだが、なかなか面白い。ジャズのビッグ・バンドに三人のソロイスト、合唱団が加わっての「レクイエム」。骨格はジャズだが、クラシックの要素が入ると、どこか現代音楽の気色。リエナは奔放にうたいまくる。得意の高音絶叫も効果的。作曲者本人が率いるビッグ・バンドで、本人はピアノ。

 午前中、『CDジャーナル』の原稿を書き、昼に送付。
 先日、試訳を送った SPARK Productions がその後何も言ってこないので、問合せのメールを出す。採用しないならしないで、一言あって然るべき。

 昼食、帆立を解凍して刺身で食べ、キャベツの味噌汁、プチトマト、ご飯。
 午後、PTA。総会打合せと委員全体会。一度家にもどり、最後は4時半過ぎ。
 夕食は水餃子、肉じゃが、ご飯。
 夕食後、レニー・ブルース少々。

 10時ごろ、S君から電話。先日アナムのライヴの際、例の「ケルティック・フェスティヴァル」の事務局長である人物と会ったので訊ねたら、今年はやるつもりでいると言っていた由。ちょっと信じられんが、懲りるということがないのだろうか。一番の問題は何も知らずに来るミュージシャンが迷惑することだ。
2000年 4月 22日 (土) 晴れ。

 8時半過ぎ起床。

 朝食、チーズ・クロワッサン、プチトマト、炒り卵(仁が作る)、ブルーベリィ・ジャム・トースト、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。

 午前中はレニー・ブルース。第二章一応あげる。ようやくリズムが掴めてきた。
 昼食は釜揚げ饂飩、肉じゃが、デザートにヨーグルト・ケーキ、コーヒー。

 Rad Rockers からCD5枚。うち一枚は無料のサンプラー。バディ・ミラーのものは2枚あると思ったのが同じものだったのでダブリ。まあ、一枚は誰かに上げよう。Amazon.co.uk から THE ROUGH GUIDE TO WORLD MUSIC, VOL.1。これは速かった。なぜか航空便になっている。早速、ポーランドのところを覗くが、どうやら従来通りのもので、南部山岳地帯が中心。WeltWunder からは、Orange World に問合せろと言ってきたので、早速メールを出す。ラティーナのHさんからもポーランドのやってくれという依頼のメールが来ていたので、メール取材ができないかも訊いてみる。

 SPARK Productions からは相変わらず梨のつぶて。だんだん怪しくなってきた。
 「マックお宝鑑定団」をみて、前川英嗣氏のサイトに行き、ATATest をダウンロード、早速試してみる。なるほど、HDが速くなり、例の入力の取りこぼしがほとんどなくなる。嬉しい。バッテリーの消耗が速くなるそうだが、それは当然で、やむを得ない。

○Andy White SPEECHLESS; Womad Select/Real World, 2000
Andy White  期待していたのとちょっと違って、バンド形式ではなく、ほとんどはアンディの弾語り。ところどころ、エレキやパーカッション、フィドルが入るが、基本的にはソロで、むしろデモ・テープ集の趣。多々、かれの場合、その方がいいところもある。この人はむしろルーズな語り口で、表面は柔らかいのだが、その底に意外と固い芯がある。弾語りという形式では、その芯の部分がより表面に近くなっている。ただ、バンドを伴った曲があると、その対比がさらに際だったのではないかと思う。この人のいつものアルバム同様、諸手を挙げて傑作!と叫ぶ類ではないのだが、一聴忘れがたい印象を残す。

○Buddy Miller and the Sacred Cows MAN ON THE MOON; Coyote, 1995
Buddy Miller  バディのソロとしておそらくファーストになるのだろう。録音はいつものとおり、かれの自宅兼スタジオだが、リリースしているのはオランダの会社らしい。バックも後のかれのアルバムや、ジュリーのアルバムのバックと基本的に同じ。サウンドの組立も、すでに確立されている。アメリカのこの辺の音楽は、ひじょうにストレートで、もってまわったことはしないのが常だが、かれのアルバムはそのストレートさがさらに直接的だ。バディの声は意外と高く伸びるところもあり、奥が深い。水準は軽く越えるアルバム。ジャケットでは帽子をかぶっていない写真を初めて見る。なるほど、この禿具合では、何かかぶりたくなるだろう。カルロス・ヌニェスに似ている。

 夕食は、鶏肉・カシューナッツ中華炒め、かき卵スープ、ご飯、細切り昆布の佃煮。
 夕食後、薫は育成会の打合せ。「グリーン・マーズ」。
2000年 4月 23日 (日) 晴れ。

 朝食、ハム・トースト、バナナ、炒り卵、コーヒー、グレープフルーツ・ジュース。

 「グリーン・マーズ」。
 昼食、皆で吉本家。白葱・味玉ラーメン。

 Kは子どもたちと新宿に買物。本屋で何かないかと文庫を見ると、『エヴェレストより高い山』という登山エッセイの翻訳が目に入る。巻末に登山用語の解説もあったので、これ幸いと買う。「グリーン・マーズ」は何せ山登りの話なのだ。ラオックスに回るが、AppleWorks6 はなんと売切れ。もともとたいした数も入っていなかったのだろう。火曜日再入荷というので、待つことにする。
 午後も「グリーン・マーズ」。
 夕食は豚肉小松菜、ご飯。

 夕食後、アダプテック・ジャパンのサイトに行き、Toast 4 Deluxe のアップグレード版を注文する。支払方法の選択のところで、カード情報を入れようとして、危うくそこがセキュア・サーバでないことに気がつく。なんと無神経なことよ。URLは一応https://になっているが、念のためネスケの「セキュリティ」ボタンを押すと、やはり暗号化はされていない。いまどき、信じられない。

 このアップグレード版はここか、ダイレクト・ナウという通販サイトのどちらかでしか買えないのだが、ダイレクト・ナウの方は会員登録で生年月日が必須になっているので、やめる。いまどき、生年月日を訊ねるのはプライバシーの侵害だ。わが国の通販業者はやたら細かい個人情報を訊こうとする。もうそろそろ意識を変えてもらいたいものだ。

 ベクターのサイトからダウンロードしたアップグレード版の確認書をプリントアウトし、CD-ROMを貼りつけてスキャナで読込み、ファックスを試みる。ラインアートで読込むと、盤面が反射してしまい、肝心の情報が黒く潰れてしまう。8bit グレースケールで読込むと、かろうじて読める。このPICTファイルを読込める適当なアプリが見当たらず、結局 Graphic Converter で読込む。確認して、そのままプリントアウト。なぜか、B5判に縮小されて印刷される。とりあえず、これを送る。

 Irish Music Magazineの購読更新のファックスを送ろうとすると、向うがモデムになっている。確認のメールを送る。
 MusikFolk に注文を送ったつもりが、どうもアドレスが違っていたらしい。着いたかどうか確認してくれというメールを送ったらもどってきてしまった。改めて、最近のアドレスを確認して送りなおす。

 行方不明になっていたFrifot の SUMMER SONG が出てきた。仕事用や借りたCDを入れておくボックスにまぎれていた。今度はケパ・フンケラのベストのサンプル盤が見当たらない。と思ったら、iMacの隣に重なった中にあった。
[CONTENTS] [ ← P R E V] [N E X T → ]  [DIARY TOP]