■6月16日(水)雨のち夜晴れ
■30歳にして初の集団生活…
今日は11時に電話の外線工事が入ることになっていた。ちょっと頑張って8時に起きる。
韓国の大学では、この時期夏休み直前の前期試験真っ最中、うちの考試院は、住人のほとんどが西江大の学生なので、みな登校の支度を始めているようだ。
ちょっと困っているのが、考試院内の人間関係…と言うか、人との距離感。
私がこれまで留学生活体験記などから得た学生生活といえば、大抵下宿暮らしのイメージ。同居人と仲良くなれるのは言葉を覚えるには良いことだけど、プライバシーが無くってねえ、なんて声を良く聞いた。しかし考試院の場合は?、とにかく住人が多いし、挨拶とかどこまですればいいんだ?、まるで団地に引っ越して来た時みたいだ。
台所で食べ物をしまっていたら、女の子がやってきた。どうしよう。
ござーる「あの、こ、こ今度越してきた、日本から来た、ござーると言います。7月から、そ、そ西江大学の語学堂にかよいます、よよよろしく…」
相手「…え、あ、そですか、…はあ、よろしく…」
他にも、トイレでシャワーで他の住人(全員ではきりがないので女の子のみに限定してみたが)に出くわすたび、取りあえず声をかけてみる。しかしなんだか間が悪い。もしかして、下宿みたいな干渉はお互いしないのがお約束なのか?


■シリーズ・韓国コーヒーの実態(笑)(1)
外は本降りの雨だった。電話工事は意外に早く10時半にやって来て、20分程で部屋に外線の端子がついた。おお、入国3日目でネット復帰か!?、早速モデムをつないで…、と思ったら、ケーブルの端子の形が違う!日本みたいな小さな端子を差し込むタイプではなく、コンセントとプラグのように4つ穴の雄雌を合わせるのだ。また駅前まで、ケーブルを買いに行かなければ…。
でも今日は、それより先に買わなければいけないものがある。傘だ。折りたたみ傘を船便の荷物に詰めてしまったことに、今日雨を見て初めて気がついた。どうせ買うなら、いい加減にコンビニなんかで買いたくない。せっかく韓国のDCブランド服を思いっきり選んで着られる身になったんだし、ここはデパートのブランド売り場で買ってやろうと、…やせ我慢して駅まで濡れて歩いた。
新村駅前の現代百貨店は、ちょっと高級な品ぞろえで、10代〜30代向けのブランド衣料品も多い。キャラクターブランドの店を回って、傘と、晴れの日は日差しが強いので帽子もいるかな?と思いついでに買う。
一通りの買い物の後、駅前の喫茶店に入った。多くの喫茶店では、各テーブルに電話機がおいてあり、市内通話はサービスでかけられるので、一休みのついでに友人数人に連絡をとる。しかしカプチーノを頼んだら、泡の変わりに生クリームがこんもり乗って出てきたのにはまいった!昨日のカフェのカプチーノで油断したのがまずかった。韓国での食生活には結構なじんでいるつもりだが、韓国のコーヒーの薄さと、種類名への不誠実さ(げげ)だけはどうしても許せない。もちろん、コーヒー一つを取っても国によって味の好みが分かれる、それだけのことなのかもしれないが…。日本風ちょい濃いめのブレンドコーヒーが飲める店を探しだすというのも、この110日間の漂流課題の一つだ(笑)。


部屋にあるコンセント一覧。向かって右から電源(22V)、CATV、内線と外線の電話回線
■待ちに待ってたネットライフinソウル
一旦部屋に帰り、早速インターネットアクセスのテストに取りかかる。私は現地のパソコン通信ネット「千里眼(chollian)」に加入しているのだが、この千里眼も、NIFTYのインターネットオプションと同じく、インターネット接続用のオプションを申し込むと、PPPアクセスが出来るようになる。事前にPPP設定を入力しておいたので、一発でアクセス成功!早速メールチェックと自分のHPのチェック、インターウェイでNIFTYも見る。正直なところ、こちらに来る前に一番心配していたのが、これまでと変わらないネット環境が立ち上げられるかどうかだった。せっかくの留学生活なのだから、韓国国内サイトでみた情報をそのまま現地で生かして生活を楽しむ、なんていうことも試してみたかったし、「海外から日本とネットで繋がる」という、Webでのコミュニケーションの醍醐味を体験してみたい気持ちもあって、ネット接続だけはなんとしても成功させなければと思っていたからだ。
とり急ぎのメールと書き込みをしていたら、小雨になってきた。再度出かける。


■ユーラシア大陸の崖っ縁
地下鉄を乗り継いで、一番中心街の鍾路(チョンノ3街)に出る。大通り沿いの地下に「ミュージックランド」というCDショップがあるのだが、下の地下2階が「雑誌博物館別館雑誌展示館」と言う施設で、韓国内で発行されているほとんどの雑誌の最新号を自由に読むことが出来るのだ。音楽雑誌から、●●業界機関誌の類い、会社の社内報まで…。放送局の広報誌など、専門誌でいくつか読みたいものがあったので、閉館直前の7時まであれこれ目を通す。CDショップでは、アンダーグラウンド(インディーズ)もので欲しいものがあったのだが、今日は見つけられなかった。

地上に出てきたら、雨はすっかり上がり、西の空がほんのり夕焼けになっていた。
韓国に来ると、日が暮れるのが遅い。東京から1100km以上離れているのに時差が無いのだから、冷静に考えれば当然なのだが、時間を忘れて歩き回っていると、いきなりデパートが閉まりだして、「もう8時なのか!」と気づかされることがある。
そう、ここはまがりなりにも、広大なユーラシア大陸の上なのだ。今は、実際に陸づたいに行ってみることはできないけれど、この土地は遥かヨーロッパまで続いている。大陸らしくばーんと開けた大平原!みたいな場所もないし、高速道路で地方に出ても車窓風景は日本とさして変わらなく見えるから、普段はついつい忘れてしまう。でも唯一そのことを思い出す時間が、夕闇降りるソウルの夏、夜8時なのだ。
そういえばこちらに来てから、あれをしようこれもしなくちゃ、あれはどうしたっけと、いつもいそいそと下を向いて歩いていたような気がする。せっかくのソウルのひと夏、ちゃんと前を向いて、思いっきりこの夕焼けを目に焼き付けておかなくちゃ、と思う。

<今日のおすすめ韓国関係Webサイト>
千里眼(chollian)
韓国の大手BBS+プロバイダ。BBSとしての規模は韓国で2位くらい。海外アクセス者のための加入申請フォーマットがあり、私もこれを使って入会した。

ミュージックランド
観光ガイドでもおなじみのソウルの大型CDショップ。最近インターネット通販を始めた。

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