第10回 社楽の会報告    第9回へ    第11回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 8月30日(火)5:30〜8:50,三勝(古南小北)にて第10回の社楽の会を開催しました。
参加者は,土井尾関滝口栗林大薮勝村,熊木,高田,高橋(敬称略)初登場の天野先生,そして山田先生,和田先生の12名です。
 水野皓司先生から,「足でかせぐこと」「(会の内容に)いろんな本の紹介も加えたら」そして,「あせらず あわてず あきらめず 息の長い会に」と励ましのお便りをいただきました。ここに紹介いたします。

☆ 初めに,前回説明の聞けなかった高橋先生「感性って何?」の話を聞きました。
 「感性」は,筑波大付属の研究テーマになっており,関連の書物もいくつか出ているそうです。このレポートも附属の『子どもと創る問題解決学習』がベースのようです。
 「感性」の定義を確認した後,感性(的認識)が知的な学習活動により理性(的認識)
へと育ち,さらにより高次元の感性をうみだす,という話を聞きました。
 また,高橋克己『人は変わる』における感性のとらえ方の話を聞きました。彼は,感性を知性より一段深い層に位置づけています。
 最後に,高橋先生の次の結論を紹介します。
  T 知的学習活動は「感性」を育てる。
  U 「感性」を育てることによって,学習活動はさらに知的に発達する。
・ 続いて,尾教研丹葉支部中学年部会の提案がありました。
 「問題意識を持ち,追究できる子の育成」をテーマに低地の人々のくらしを9時間完了で行うものです。
 ここでは,「問題」と「課題」の違いが話題になりました。高橋先生は,問題を個人レベルのもの,課題を全体のレベルのものととらえています。用語の定義は,会としてはっきりさせておかなければならないと思います。

☆ 尾関先生からは3点の報告がありました。
 @ パソコン通信入門講座に参加して
  関係書籍・用語・書き込みテクニックを紹介していただきました。
 A 「自由研究 子どもができる環境チェック
  放射能測定器,その他の環境測定のための機材の借用・購入の仕方を紹介していただきました。さっそく,放射能測定器「はかるくん」の借用申し込みを行いましたので,間に合えば次回の会で紹介・実演したいと思います。
B 絶滅動物について
  環境庁(03ー3581ー3351)野生生物課に問い合わせた結果を教えていただきました。
すぐに行動するところがいいですね。

☆ 続いて,土井から,パソコン通信で問い合わせをした結果を報告しました。
 8月27日昼に発信して29日午前現在の返答を調べてみました。
 「
犬山を知っていますか?」と北海道・東北・四国・九州各県に問い合わせたところ
17人中8人がYES,9人がNOという結果でした。
 「砂丘・砂浜の農地化について教えてください」鳥取・静岡・茨城に発信したところ,5名から解答をいただき,鳥取大学乾燥地研究センター 遠山先生に聞くのが最も早いことがわかりました。
 わずか2日弱の期間にこれだけの反応があり,資料収集の方法としてのパソコン通信の効果の大きさがよくわかりました。 
・ テーマ研究では,『「人間としての生き方」を学ぶ』を提案しました。
 新教育課程では,「人間としての生き方について自分の考えを持つ」ことを身につけるべき資質や能力の第1に掲げ,学校教育が目指す中心的課題としています。
 「生き方についての考え」まではともかくとして,「生きる姿勢」程度は社会科の授業でも何とかできないかと思います。また,そうあるべきではと思うのです。
 中野重人氏は,「自分との関わりで,意欲的に問題解決できる人間の育成をめざし」
「つまずきこそ,そして,それを克服しようとするプラスの思考こそ,新しい学力観が求めていること」と述べています。問題解決的な指導課程と教師の適切な支援があれば実現可能なのではないでしょうか。
 谷川彰英氏は,教材にに潜在的・直接的に出てくる人間(働く人,歴史上の人物等)
から「人間としての生き方」を学ぶとしています。
 築地久子氏,上田薫氏は,授業の目的そのものを,「人間としての生き方」を学ぶことと位置づけています。
 プロの教師として,子どもの生き方に影響を与える授業をし,影響を与える存在になりたいものです。

☆ 次に,勝村先生尾関先生が,子どもたちといっしょに門間遺跡発掘現場へ行った話を紹介してくれました。門間遺跡は,東海北陸自動車道のインターをつくるために栗林先生が発掘をしてみえるところです。
 何と言っても驚いたのが,発掘した土器などを,毎回警察に拾得物として届けているという話です。このあと,地下のものは誰のもの?という話に花が咲きました。

☆ 勝村先生からは,以前にやられた「野焼き」について紹介がありました。ねらい,準備,注意事項,実際の方法などを時間を追って実に克明に記録されています。これがあれば,自分でもできそうな気がします。1日がかりのこの活動は,単なる「焼く」だけでない,多くのことを教えてくれるのではと思います。

☆ 大薮先生は,@犬山市をどう見ているかの予想される意見,A授業への展開の仕方,B指導課程の提案です。@は討論で授業を構成するときには必須の作業です。ABについては,天野先生から,ねらい,期待する生徒の変容の質問がありました。授業前には当然はっきりさせなくてはならない点です。次回の重点項目にします。
 また,ディベート(または討論)の目的,このテーマ(犬山市が独立することにメリットはあるか)でいいのかも次回に検討したいと思います。

 滝口先生からは,前回以後の支援の経過の報告がありました。役場への取材,用水の水質調査,工場見学など,多様な活動が行われています。また,NO2 の検査結果も届きました。きれいな空であることがわかりました。
 ひとりでやれる活動はわずかですが,友達の活動の様子を聞くことで,生徒の調査能力は確実に伸びると考えられます。児童の活動を,効果的に授業で取り上げてやりたいものです。

☆ 栗林先生からは,小学校実践にあたっての流し方のヒントを示していただきました。
 @単元構成は「4 工業生産と公害」「5 これからの工業」,A個に応じ個を生かすためにでは,学習カード,座席表,自己評価カード,追究ノート,作文。B指導計画
は丹カリを基本とし,C単元のしめくくり方は討論と感想でどうかというものです。これを参考に授業者に組み立てていただきたいと思います。
☆ 山田先生からは,@愛華さんがきっかけで始まった「国連地球環境子供サミット・インしまね」の新聞記事,A中国大気汚染に危機感の新聞記事,Bキリシタン高札についての紹介がありました。@については,さっそくパソコン通信で反応を調査してみたいと思います。Bについては,郷土のキリシタン史跡について調査されるそうです。そのときには,会としても協力しましょう。

☆ 和田先生からは,丹葉地方がフィールドワークを担当するまであと3年なので,候補地を考えておいてほしいという話がありました。また,お世話になっている水野時二先生の二男が,参議院愛知地方区再選挙の水野じろう候補だそうです。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp