第11回 社楽の会報告 第10回へ 第12回へ
報告者 布袋中 土
井
9月6日(火)7:00〜9:30,布袋北学供にて第11回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井,木本,尾関,滝口,栗林,大薮,勝村,熊木,日比野,高橋,川井,大島,そして山田先生,和田先生の14名です。
今回は,資料集部会の授業実践の話題に集中しました。
☆ 初めは,滝口先生の指導案の検討です。
私はあいにく遅刻したため,途中からの参加でしたので,的外れの報告になるかもしれませんが,次回の提案分を含めて指導案に基づいて報告します。
単元は,小学校5年生「これからの工業」で3時間完了です。
児童は,これまでに夏休みの自由研究として,自分で考えた問題をもとに,いろいろな角度から環境問題について調査しています。川の水質調査,大気汚染・酸性雨の調査,再生紙と森林保護,絶滅動物,砂漠化など,小学生としては本格的なものが数多くあります。
これらの調査をふまえて考えられたのがこの単元です。
1時…学習課題“工業の発展が環境破壊につながるか?”について自分の考えを
明確にして,その根拠となる資料をまとめる。
2時…学習課題について互いに自分の意見を発表した後,反対意見をまとめ,そ
れをもとに話し合う。最後に,これからの日本の工業はどのようなことを
考えて発展していけばよいのか,自分の考えをまとめる。
3時…環境や世界各国との調和のとれた「夢の工業製品」を考え表現する。
この流れには,次のポイントがあります。
@ 個の活動場面が多く設定され,それをもとにしたグループ活動,および全体の場での討論と,個を生かす学習形態が工夫されている。
A 1学期からの綿密な個の把握,調査段階での個の支援をもとに,さらに個を伸ばそうという視点で考えられている。
B とかく,マイナスイメージになりがちな環境問題を,プラス思考でとらえ直し,未来への工業への期待でまとめようとしている。
また,評価は‘自分の考えをまとめる’‘資料を根拠に発表する’の2点について3段階の到達度評価で行います。意欲・関心・態度については個の支援のなかで,表現については作品で十分評価できると考えられます。
しかし,このまま授業に入いるには無理があります。現在32名中31名の児童が,「工業は環境を破壊する」という考えを持っているからです。児童は,夏休みの調査活動の結果から根拠づけて判断しているので,これでは,立場を分けた討論が成立しません。小学生では,ディベートのように機会的に立場を分けることには無理があります。
今後,夏休みの調査を生かしながら,いかに児童をプラス思考に持っていくかが多きな課題といえます。
☆ 続いて,大薮先生により本時の指導案が示されました。
大薮先生の実践は,今回の指導要領で新たに加えられた“適切な課題を設けて行う学習”です。丹葉地方のカリキュラムでは,次のようになっています。
2編 日本とその諸地域
第1章 世界からみた日本 …10時間
第2章 身近な地域
1 地図の読み方 …7時間
2 身近な地域の調べ方 …4時間
適切な課題を設けて行う学習 ※
題材例 「身近な地域をより深く調べよう」…8時間
今回の実践は,上の※の部分を具現化したものです。
これまでの調査活動の問題点として,一般化の難しさが挙げられていました。そこで,ここでは,単元のおわりに調査内容をもとにした討論の場を設定しました。そこでは,討論のためにさらに突っ込んだ調査を要求しました。
また,‘プラス思考’を行動に移すために,学級で考えた犬山市の未来像を市に提言することにしました。(もともとあった企画に乗っかったものですが…)
今回は,本時,すなわち討論の指導案の検討です。
おおまかに次のような流れです。
@ 観光の目玉を挙げる。
A 課題「犬山市民に生まれたことを自慢できるか」を知る
B ディベートをおこなう
‘できる’側の意見’→‘できない’側の意見→質問・意見→会場からの
意見→審判
C 犬山市がより住みやすくなるにはについて考えることを知る
これについて,次のような意見が出ました。
・ この課題では,意見の羅列になり討論が噛み合わないのではないか。
・ 一部の生徒だけが討論に参加するディベートでは,個を生かすというテーマにはそぐわないのではないか。
結局,奥村先生の提案で,「犬山市は住みよいかどうか」というテーマで話し合うことになりました。くわしくは,次回に提案されます。
☆ 放射線計測協会から,「はかるくん」が送られてきました。1時間当たりのガンマ線と宇宙線の一部を簡単に図ることができます。
布袋中の職員室では,だいたい0.050〜0.060μSv/h(マイクロシーベルト毎時)でした。12月7日までに返却ですので,まだまだ期間があります。使ってみたい方はどうぞ!
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp