第12回 社楽の会報告 第11回へ 第13回へ
報告者 布袋中 土
井
9月13日(火)7:00〜9:30,布袋北学供にて第12回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井,尾関,滝口,大薮,熊木,高田,高橋,木本,野呂,奥村,多和田,日比野,高木(敬称略),そして山田先生,和田先生の15名です。
☆ 初めに,奈良県で行われた自主編成教育講座へ3拍4日で参加した多和田先生からの報告です。特に印象に残ったものとして,米田豊氏の「社会科をどう教えるか」という論文を紹介してもらいました。社会科教師の抱える問題を,実践者の立場から端的に示してあります。
知識注入の授業をするな,自己の社会科教育の目標を持てなど,大学の先生ではない
同じ現場の教師から言われると,より説得力を感じました。
☆ 木本先生からは,岩倉南小学校の地域資料一覧の紹介です。県内の各市町村の教育委員会に申し込み,社会科副読本などの資料を譲り受けたのだそうです(27市町)。一部,県外の資料(札幌市,沖縄県など4県)もありました。必要な時は貸していただけるそうです。
☆ 高橋先生からは築地学級の学習課題の紹介です。1986,1989,1990年の3年間,4単元分の学習課題をまとめていただきました。「なぜ,どうして」というのが18個,「いるのか,いないのか」というのが36〜38個で,クラスを2分して話し合うものが多いということでした。
以前に紹介した通り,築地学級では,まず位置づける子がいます。その子の生き方を問うために授業があるのです。したがって,たとえば「やるべきことをやらない人に公民館はいるのか」という課題の裏には,おそらく義務を果たさないAという子がいるのでしょう。やり方によっては,授業には,生き方を変えられるだけの力があるのです。・ 『伸びゆく輪中』という海津町の副読本の紹介です。分かりやすくまとめてあるのに感心しました。おそらく,学校の社会科の先生の編集だと思いますが,参考にしたいと思います。
☆ 野呂先生からは,小3「わたしたちのくらしと商店がい」の問題づくり,買い物調べ,家庭へのアンケートの紹介でした。児童の作った問題は85個で,この中から整理してみんなで解決すべき問題を絞っていきます。
かつて木本先生も授業実践されましたが,現実の商店街を相手にするため,とても難しい単元だそうです。店の比較で苦情をもらい,「もうかるのか?」という質問をしてどなり込まれたこともあるそうです。生徒の家族には,商店を経営している人もいればスーパーに勤めに行っている人もいることでしょう。店の利益に影響する内容ですのでよほど慎重にやらないといけませんね。
☆ 奥村先生からは,特殊学級用の教育課程を示していただきました。障害によって学習内容が異なるので,教育課程を多めに作り,その子に合ったものを選んで与えるということでした。個を生かす究極の方法ですが,普通学級でも大切な視点だと思います。 参考として,文部省の1つ星教科書(養護学校用)も見せていただきました。
また,外国人への日本語教育の話も出ました。私も一昨年,昨年とブラジル人の指導を経験しましたが,自分もポルトガル語を教えてもらいながら競争して勉強しました。
(その生徒は,今,日本の企業で働いています。)
☆ 熊木先生からは,愛華ちゃんの本『地球の秘密』(海を救おうキャンペーン実行委員会)の紹介でした。この本は,CDーROMにもなっています。
☆ 土井からは,「教えてください!地球環境国連サミットについて」とパソコン通信で聞いた結果の報告です。なんと,愛華ちゃんに亡くなる前に会った人から返事がきました。資料も送ってもらえるそうです。さすがパソコン通信ですね。
・ 県名キーワードカードの朝ドの紹介です。〔もも・きゅうり・まゆ〕は福島県,〔まゆ・きゅうり・キャベツ〕は群馬県。わかりますか?
・ 次に,会の中で提案することを忘れていました「討論についてのはしり打ち」を紹介します。
私は,新しい教育の社会科授業論としてのキーワードは“体験(調査)”と“討論”だと思っています。ここでは,討論の価値を次の観点でまとめてみました。
1 戦後の学力観・指導要領の精神の変遷から
2 個を生かす観点から
3 授業を構成する観点から
4 児童・生徒を評価する観点から
文字どおりの‘はしり打ち’なので文意が理解しにくいかもしれませんが,ぜひお読みいただいてご意見をください。論文は
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp