第102回 社楽の会報告     第101回へ   第103回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 11月27日(金)布袋北学供にて、第102回の社楽の会を開催しました。
 参加者は、土井岩井先生、高田先生、尾関先生、大島先生、勝村先生、木本先生、天野先生、奥村先生高木先生、水野先生の11名でした。

☆ 今回のメインは、11月10日(火)に行われました岩倉市立五条川小学校の文部省指定・丹葉地方教育事務協議会委嘱歯・口の健康つくり推進指定校研究発表会「他とともに自ら進んで健康な生活を実現する子の育成」について、高木先生に報告していただきました。
 これまでの歯磨きだけの視点でなく、歯肉や食生活にもこだわり、総合的な学習の観点から健康教育について考えられています。その方法は、各学年とも学級活動を年2時間、その他の月は、いわゆる短学活で指導しています。その他、歯について楽しく学ぶ児童集会、五条川祭りでの地域への呼びかけ、PTA教育講演会や環境づくりなど、さまざまな角度から取り組まれました。
資料として、研究紀要、学習指導案、資料集、記念講演資料、学校要覧等がありました。とても見やすくまとめられた研究紀要は、今後の紀要の参考になると思います。
 記念講演は、学校歯科医の寺澤俊明先生でした。虫歯のできるメカニズムは、ミュータンス菌などが食べ物から栄養をとり酸をつくり、カルシウムやリンが溶け出します。しかし、唾液により中性になると元に戻るのです。そのバランスが崩れると虫歯になります。特に唾液が出ない夜間が要注意です。虫歯予防のためには、ブラッシングよりまずフッ化物洗口法が有効だそうです。自分も気をつけたいと思います。

☆ 岩井先生より第8時までの授業報告がありました。9日に工場の人に来ていただいて話を聞いたそうです。3名の工場ですが、羊毛の素材の良さをわかりやすく話され たそうです。

☆ 土井より総合的な学習の時間設定についての私案Tを紹介しました。去る18日に新指導要領案が発表されました。そこで発表された時間数を今年の実績と照らし合わせ、布袋中としての望ましい姿を描こうとするものです。
  本校2年生は、今年土曜日を除くと1,005時間ありました。その内行事が80時間(内儀式的行事14時間、生徒会行事5時間)でした。今回示されたのは、選択・総合的 な学習を加えて980時間、これに儀式的行事、生徒会行事を加えると999時間。ほとんどこれで埋まってしまいます。従って、今ある野外学習や、体育大会というのは、廃止するか、総合的学習の時間の中のイベントの一つとして行うことになります。
  したがって、総合的学習のねらいに合ったものに変えながら、全体を構成していこうというものです。次回にも続きを提案します。  
・ 次に布袋中2年生が行った命の教育を紹介しました。保健指導部が行った実践で、 親や生徒に対するアンケート、親からの子の誕生の手記を募集して行った授業です。 私も親の手記を読む中で感動して後が続きませんでした。生徒の評判も上々です。
・ 次に、冬期研修会中学校部会口頭原稿を提案しました。これに合わせてプレゼンテーシ ョンを作成していきます。今回も、原稿を見ないで会場を明るくして、資料をも見せな がら行うつもりです。
・ 研究会参加報告をしました。小松市立松東中学校の11月13日(金)に行われた進路指導研究発表会「自らの生き方を意欲的に考え、自己実現を図る生徒の育成」に参加 しました。布袋中の理論をそのまま小規模校にあった形で実践されています。
・ 次に、京都教育大学教育学部附属桃山中学校11月2日(月)に行われました総合的学習の研究発表論集 テーマ「新しい学校文化を創造する教育課程の開発−環境・ 国際・健康、そしてTHE青春−」を紹介しました。ML総合学習でメールで取り寄せた資料です。総合的学習として共通必修環境43時間、国際理解35時間、健康25時間、選択応用として20時間設定しています。共通必修の多くは教科の中で行われています。しかし、環境43時間と言っても、環境教育のねらいから教育内容を定め、各教科に配分したものではなく、各教科から国際理解に関連するものを集めた感 は否めません。また、選択応用では、環境系として“昆虫、野鳥、土壌、森林、パト ロール、音探訪”、国際系として、“アジア、シミュレーション、インタビュー、交流、写真、インターネット”、健康系として“フード、フィットネス、福祉”に分かれて学習します。カルチャースクール的な内容で楽しそうなのですが、本当にこれでいいのかという疑問は残ります。楽しければいいという発想では、新学習指導要領は 必ず質の低下を招きます。
・ 10月22日に行われました福岡県春日市立春日北中学校進路指導研究発表会「自己の人生を切り拓く生徒の育成−体験学習を核とした関連化の工夫を通して−」は、布袋中に視察にみえてから、次の点を補強して理論構築をされた学校です。
  ○体験と道徳・学級活動を関連させる ○家庭や地域との連携
  研究の長所が互いに生かされれば、より意味のあるものになると思います。
・ 広島市立三入中学校 「地域との交流を大切にして、互いの人権を尊重し心のふれあいを実感できる生徒を育てる」は同和教育研究推進校としての研究の蓄積がある学校で、
 共生創造委員会(エヴァ)のなかに健康育成推進部(保健・道徳・教育相談など)  学校環境推進部(教務・安全・事務・給食・図書・美化など)、コミュニティ推進部 (生徒会など)、進路保障推進部(学習、同和教育など)に分かれ、それぞれの計画に従って活動しています。学校・学年レクとして、グランドゴルフ大会、トレジャー ハンティング(宝探し)、その他コミュニティー講座、地域との交流としてのボランティア、選択教科、ふれあいフェスタ、花いっぱい運動などふれあいフェスタは2日間に わたって行われる高校並の文化祭が行われています。
・ 石川県立博物館の紹介をしました。平成2年に、旧陸軍の武器弾薬庫を利用して立てられた博物館で、体験的なコーナーも充実しており、なかなかの内容でした。なかでも、大名行列の意味がパソコンで紹介されており、とても勉強になりました。「加賀藩大名行列図屏風」\200を買ってきました。
   石川県立博物館 〒920-0963 金沢市出羽町3番1号  076-262-3236
その他、足軽の民家を保存した足軽資料館などへ行って来ました。足軽の収入、当 時の物価などが詳しく説明されており、当時の足軽の生活を想像することができます。
足軽資料館 金沢市長町1丁目9番3号  076-263-3640
  兼六園の横にある伝統工芸館では、加賀友禅、輪島塗、その他の工法が詳しく説明されています。

☆ 尾関先生より(株)文理のホームページより「1998時事問題」(前期)を紹介していただきました。参考書の会社である文理のページには、刊行案内や高校入試新傾向問題選、高校入試案内が乗っています。この時事問題集もそのページの一部です。
  ワールドカップ、環境問題、参議院議員選挙、アジア経済危機について問題と解答が載せられていました。 http://www.bunri.co.jp/top2.htm

☆ 奥村先生より注意欠陥多動障害(Attention Defcit Hyperactivity Disorder=ADHD)について教えていただきました。先日NHKでも放送され注目を集めていますが、不注意と多動、衝動性という3つの特徴ある行動パターンを日常的に示す子どもで、
 脳の神経生物学的な障害であると考えられています。欧米の調査では、学齢児で3〜5%いると言われています。診断のための必要条件は次のものです。
 @ 不注意または多動性・衝動性を表す症状を6か月以上持続的に示している。その程度が不適応で、かつ発達に不相応である。
 A 症状のいくつかは7歳未満のときにすでに現れており、障害を引き起こしている。
 B 2つ以上の状況、たとえば学校・仕事と家庭で存在する。
 C 社会的、学業的、職業的機能に著しい障害となっている。
 D その症状は他の精神疾患、例えば自閉症、精神分裂症、神経症などによるものではない。 
   資料の出典は『健康教室』(東山書房)です。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp