第101回 社楽の会報告       第100回へ   第102回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 11月12日(木)布袋北学供にて、第101回の社楽の会を開催しました。
 参加者は、土井岩井先生、高田先生、尾関先生、高橋先生、大島先生、日比野先生、勝村先生、木本先生、天野先生、奥村先生、田中先生(布袋中)の12名でした。
 尾教研の集会が間にあったために久しぶりの開催となりました。

☆ 尾張教育研究会丹葉支部社会科研究集会の報告を簡単にします。「個のよさを生かし、生きる力を育む社会科授業の創造」のテーマのもと、10月23日(金)木曽川東小学校、古知野中学校で開催されました。木曽川東小学校では高橋先生、川口先生が授業、高木先生(今井小)、岩井先生が発表、古知野中学校では、天野先生の授業、土井が発表をしました。高木先生は、歴史学習において地域の茶道の先生との交流・体験を通して、日本の伝統文化について学んだ実践を、岩井先生は、生活科の学習を生かして、地域に積極的に出かけた調査活動を通して校区をつかんでいった実践を発表されました。土井は、野外学習を核として、総合的・横断的に取り組んだ環境学習を社会科を中心に発表しました。高橋先生・岩井先生とも、教室に地域の人を招いて話し合いに参加してもらう形式の授業でした。今後のひとつの方向性がはっきりと出されてると思います。   

☆ 今回のメインは、奥村先生より、10月22日に藤里小学校で行われた第34回全国小学校道徳研究大会について、スライド、資料を交えて紹介していただきました。午前が藤里小の発表、午後が全小道の大会です。参加人数は730名を数え、別に豊橋でも行われており、2日目の全体会を含めると1800名になるそうです。授業は全クラス公開で行われました。その後全体会の後、研究発表、横井雄一先生(県教育センター)の指導講評と続きます。ここでは、「一人一人のよさを認め合い、ともによりよく生きようとする子を育てる道徳教育−学級経営を基盤とし、より確かな実践力の育成をめざして−」というテーマでの研究概要について自分なりにまとめて紹介します。
藤里小では、学級経営を基盤として育てたい道徳性を明確にし、道徳の時間を柱に他の教育活動との関連を意図的・計画的に図ることにより、より確かな道徳的実践力を育てようと考えました。特に、道徳の前後の指導の中で、発達段階に応じた体験的活動を実施し、行事・集会も豊かな心を育てるという視点から活動を見直しています。 私見ですが、資料を見せていただき次のように感じました。
@ 総合的な学習の理念を生かした先進的な実践である。 
A 家庭・地域との連携、体験的な活動が重視されており、ここでも新指導要領の趣旨がすでに生かされている。
B 当然のことであるが、やはり小学校は学級経営が根本である。
 翌日は名古屋市教育センターで全小道の全体会がありました。そこでは、文部省教科調査官・押谷由夫先生の講演「今、求められる道徳教育のあり方」がありました。新指導要領における道徳教育の動向が中心です。道徳教育が、「生きる喜び」と「感謝の心」「大志」を育むようにと言われました。
 続いて、映画「マザー・テレサとその世界」の監督千葉茂樹氏の講演がありました。マザーのことはこの紙面ではとても書き切れませんが、次の言葉だけ紹介します。三つのことに気づきたい。ひとつは自分が支えられ、生かされていること(感謝)。二つ目は自分が欠けていること(反省)、三つ目は自分の可能性に(勇気)
 詳細は、奥村先生にお尋ねください。 

☆ 尾関先生より耳寄り情報です。読売新聞の特集「みんなの地球・環境教室」のバックナンバーがもらえます。はがきに住所・氏名・連絡先を書いて、下記に送ってください。学校、学年、クラスでまとめてでもかまいません。
〒100-8692 東京中央郵便局私書箱687号読売新聞社NIE事務局へ
・ 次に、古知野中の3年MNさんの夏休み一研究『ケナフについて』を紹介していただきました。一年草の植物・ケナフは、二酸化炭素を多く吸収することで温暖化防止に 役立つと以前紹介がありましたが、MNさんは科学的に実験で証明しています。また、
 茎の繊維を生かして紙すきも行っています。中学生の自由研究として、全国レベルの作品だと思います。

☆ 大島先生より、犬山市コンピュータ教育研究委員会講演会の報告をうかがいました。「これからの教育とコンピュータ」21世紀教育研究所所長 中山和彦筑波大学名誉教授の講演です。プレゼンテーションがそのままレジメになっているものをいただきました。内容は、明治以降の教育の流れの概観、これからの教育の流れ、そしてそれにコンピュータがどう関わるかというものです。要点がよく整理されており、レジメを見るだ けでもわかりやすい内容です。

☆ 土井より、学級活動指導案「点字を学ぼう」を紹介しました。この秋は「地域の人々と共に生きる」シリーズを行っています。3年間で5時間の福祉の学級活動が位置づけられている内のひとつです。点字の成り立ちを知り、点字ペンで来年のカレンダーを作り、視覚障害者にプレゼントするという流れです。試作品を作って、実際に障害者にアドバイスをもらい、改良した力作です。
・ オーストラリアへ行こう!シリーズの次のものを紹介しました。
@ 国際交流パネルディスカッション結果報告
A 豪日交流への提言 中学生の情報発信
B 提言に対する返事 小渕総理からのもの
・ 次に文化祭体験講座打ち合わせプリントを紹介しました。地域の人を講師に22講座開くもので、毎年私が担当しています。そのノウハウがわかります。

☆ 岩井先生 11月11日に行われました 一宮市立葉栗北小学校の環境教育研究会の参加報告がありました。テーマは「自然を愛し自然と共生する葉北っ子の育成−葉栗野の自然を生かした体験的活動を通して−」で、めざす子ども像が「自然に親しむ子 自然から学ぶ子 自然と共に歩む子」とされています。さらに、「見つける、見つめる、守る」という発達段階を設定しています。全体にすっきりした理論構成で、考え方の参考になりました。 
   
☆ 勝村先生より、犬山中学の特別活動研究 仮題「『心の知性』を育む特別活動のあり方 −新しい視点に立った体験活動の実践を通して−」の概要をお話しいただきました。 「心の知性」とは、「自らを律しつつ、共生の心をもってよりよい社会の実現のために課題を解決していこうとする資質や能力」で「総合的に課題に迫る」「地域の教育力の活用」を新たな視点としてみえます。さらにめざす生徒像として、次の2点をあげてみえます。
  ○人や自然とのかかわりを大切にし、自立の精神をもって共に生きようとする生徒
  ○今日的課題を意識しよりよい社会の実現をめざして意欲的に考えていこうとする生徒
  研究構想図、学校行事関連図も示していただきました。

☆ 高橋先生より長期研修研究レポート「論理的な思考力を育てる文学教材の学習」を紹介していただきました。「論理的な思考力」を次のように定義づけてみえます。「言葉を根拠にして自分の読みをつくり、さらに、それが他の表現との関係から妥当かどうかを検討する力」そこで、論理的な思考力を「読みの技術を使って作品を読み解く」 ことで、効果的に育てようというのが論旨です。
  実際には、『ごんぎつね』(10時間完了)で実践されています。「登場人物」「中心人物」「あらすじ」「類比・対比」「色の検討」など、読みの技術を用いた授業が行われています。さらに、「読みの技術」をいつ身につけさせたらよいのかの提案もされていますので、今後の研究に注目してみたいと思います。
・ 次に、群読劇『島ひきおに』のシナリオを紹介していただきました。B4で4枚、中では怪獣のバラード、さとうきび畑の2曲が歌われます。 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp