第106回 社楽の会報告     第105回へ    第107回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

2月18日(木)布袋北学供にて、第106回の社楽の会を開催しました。参加者は、土井、高橋先生、大島先生奥村先生木本先生勝村先生尾関先生の7名でした。

☆ 土井より、授業の中で劇をしよう 途中経過報告をVTRで紹介しました。生徒による劇化を含めた授業が終わりました。これまでに多くの名授業&名演技が登場しました。今回は、テレビ紙芝居、インタービュー形式、自作ビデオ制作の発表を見ていただきました。それぞれに工夫が見られ、個性があふれた表現になりました。
・ 次に、県名キーワードコンクール国名キーワードカードを紹介しました。県名コンクールは、3つのヒントから県名・県庁所在地を漢字で書き、地図上の位置を選ぶものです。「すいか・い草・トマト」「落花生・ねぎ・乳牛」「トウモロコシ・リアス式海岸・やませ」などです。
 国名キーワードカードは、主な47カ国のキーワードカードです。県名と同様、カルタをして楽しみながら学習します。最新統計を使用しています。
・ 企業人は社楽の会報告集をどう読むかを紹介しました。社楽の会ホームページ(http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/)の社楽の会報告を読んだ、一般企業の人からいただいた感想メールを紹介しました。一部紹介します。

「最後まで読ませてもらったのは、私自身社員教育する上で参考になった事柄が幾つも有ったからです。昨今の未曾有の不況下の中、社員指導・教育は企業の存続に係わる重要な位置付になっています。20代の子らに技術的な事以前にメンタルな部分から教え込み、目標必達習慣を持たせるために苦労しています。やはり、教育のプロ集団の提案事案は深く、参考になった事柄が幾つもありました。」とあり、具体例が引用されていました。さすがに企業人は見方が違います。

・ 続いて、ML総合学習より最近のやりとりのいくつかを紹介しました。ML総合学習では、各学校での総合的な学習への取り組みや、新指導要領についての考え方など、活発な情報交換が行われています。毎日8〜9件、多いときには20件近くの書き込みがあります。最新の文部省教育課程説明会の内容なども紹介されています。
・ 最後に、今回のNTTのterchers-netに参加した96名のメールアドレスを紹介しました。メールアドレスは1人に1つの時代です。だれもが持てば、将来的には会議なども減らすことができ、交通量も減り、環境にもいいのではないでしょうか。

☆ 大島先生より、中2歴史のワ−クシートを紹介していただきました。わかりにくい近・現代史を年表をもとにわかりやすくまとめたものです。工夫されているのは、年表から考えよう「学習メモ」で、学習の過程で出た疑問点を記録しておきます。それをもとに、授業の後半にグループで話し合い、解決していくものです。考える時間の確保、より質の高い課題する方法が今後の課題だそうです。 

☆ 奥村先生より、『道徳と特別活動 1999.3』(文溪堂)関西学院大学教授 横山利弘氏の論文「心の教育をめぐって」を紹介していただきました。心の教育の充実を図るために、@学校教育に多様な実践体験活動を取り入れる、A家庭及び地域社会との連携 の2点をあげています。ここで、なぜ体験が必要かが話題となりました。横山氏は、「日常生活に豊かな人間性を取り戻す」ためで「体験を振り返りそこから人間存在について深く思いを至し、自己の生き方の指針となる道徳的価値の自覚をするため」に座学、すなわち道徳の時間が必要と述べています。
 高橋先生からは、体験活動では、情と知の両方がないと子供が動かないという話が出ました。

☆ 勝村先生からは、今年5月に予定されている中学2年生、平成11年度 木曽総合学習(50時間完了)について紹介していただきました。1日目は赤沢自然休養林での活動、福島町立福島中学校との交流、2日目は分散総合学習、3日目は馬籠〜妻籠の散策です。詳細は今後紹介していただきますので、ここではねらいだけ全文紹介します。
(1)「木曽川」に関わるつながりの深い地域の生活・環境・自然・歴史・伝統・文化などについての総合的な学習を通して、自分の地域を見直すとともに、今日的な課題についてより広い視野に立って主体的に問題解決に取り組もうとする意欲を高める。
(2)テーマ別に組織した班ごとの見学や体験活動による異地域の人・社会・自然とのふれあいを通して、自然や人間のすばらしさに触れることで、以下のような豊かな心を育てる。
・ 雄大な自然に対して、感動と畏敬を抱き、自然を守ろうとする態度
・ 人間の生き様や生活に触れ、互いに認め合い共に生きていく態度
・ 自らの役割や責任を自覚し、仲間と協力して前向きに行動する態度
・ 自ら課題を見つけ、考え、判断して、主体的に解決していこうとする態度

☆ 木本先生から、去る2月7日に行われました長野県伊那市立伊那小学校の研究発表会「内から育つ−学びの道筋を生み出しながら追究する子供−」の報告をしていただきました。体育館は立錐の余地もないほの参観者で、授業参観も至難の業だったそうです。  特色は、3年間学級メンバー・担任共に持ち上がり、同じテーマを追究させます。
 そこでは、子供たちの提案を実現し、失敗させ、その中から学ばせようとしています。
例えば動物を飼うえさ代をどうするか子供たちが考え、そのために廃品回収をしたり、車椅子を買うために野菜を作って売ったりという活動が見られます。
4年生「探してきた土で土器を作ろう」では、土探し、野焼き、土器をつくった料理まで1年をかけて行います。
 3年毅組では、去年育てた米を種もみにして、田おこしからの一連の米づくりをすべて行っています。最後には、餅つきをしてお世話になった方へお礼をします。そのための薪も自分たちで集めています。 
 6年泉組では「小沢川をきれいにしよう」として浄化装置を作ってしまいます。炭焼きを自分たちでやった炭を使うほどです。
このように、クラスによって全くやることが違いますが、スパンが長く、子供の提案を失敗しながら実現させる余裕があり、それが深みを生んでいます。これからの時代に注目すべき実践です。
・ 伊那小の理論を支える平野朝久東京学芸大学教育学部助教授の論文「総合学習の理論と方法」を紹介していただきました。総合学習を“はじめに内容ありき”と“はじめ に子供ありき”に分け、後者を支持しています。すなわち、子どもが追究しようとしている対象を題材として、それを追究する過程で自分の持てる力を存分に発揮して学習することをいいます。新指導要領の例示は前者をもとにした考え方で、平野氏は「例示にはとらわれなくてもよい」という立場でとらえてみえます。このあたりは、今後議論を重ねていくべきことでしょう。

☆ 尾関先生からは、「総合的な学習にNIEを 先生たちへのガイダンス」がもらえるという情報です。生徒を自発的な学習へと誘う新聞活用の具体例を記者のコメントともに示し、インターネットへの展開についても詳しく触れています。希望の学校には無料で提供されます。学校単位で住所、学校名、申込者名、希望部数(3部まで)を明記してはがきかFAXで申し込んでください。
〒460-8488 名古屋市中区栄1-3-3 FAX 052-231-4501 朝日新聞社宣伝課NIE係
・ 讀賣新聞 みんなの地球「環境」教室1〜10をいただきました。タイトルのみ紹介します。1 温暖化を考える、2 動物と私たち、3 日本と世界の森林、4 ゴミとリサイクル、5 水が危ない、6 海、7 途上国の公害、8 化学物質を考える、9 エネルギーと人口、10 子供たちと21世紀

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp