第107回 社楽の会報告 第106回へ 第108回へ
報告者 布袋中 土
井
3月11日(木)布袋北学供にて、第107回の社楽の会を開催しました。参加者は、土井、高橋先生、奥村先生、尾関先生、岩井先生、大藪先生の6名でした。
☆ 土井より討論の授業の報告をしました。
(1)道徳「最終決定」は、好きなことができるがお金がかかり親が反対しているA高校か、親がすすめる進学校のB高校かを決めなければならないという話で、立場に分かれて討論を行いました。なお、原資料は、中心的な内容項目として、2(5)寛容・謙遜、4(5)家族愛、1(5)個性伸長、1(3)自主自律となっています。
出典『モラルジレンマ資料と授業展開 中学校編』(明治図書)荒木紀幸 著
\ 1,550
(2)橋本高知県知事の発言に賛成か、反対か?
中2歴史「変化する日米関係」で橋本高知県知事の非核証明書提出発言を取り上げ、1時間の調査の後討論させました。橋本知事派が7割、政府派が3割で、政府派は少数ながら、日本の安全保障を正面からとらえた現実的な意見が多く、説得力がありました。橋本知事派は理想論が多く、意見がかみ合わないところもありました。結局、アメリカから離れ自分で守るか、アメリカに守ってもらうかの論争に落ち着いていきました。
・ 次に大志のつどい 進行台本を紹介しました。卒業式を終えた2年生が行う、いわゆる立志式です。3月19日に行う予定です。
・ 次にパソコンソフトを紹介しました。
(1)20世紀の日本と世界−新聞と写真で見る100年のあゆみ−毎日新聞社 \9,500
毎日新聞社収蔵の写真1,000点、新聞紙面138点を使って、近代日本100年を振り返ることができます。データベース的なソフトで調べ学習に有効です。
(2)日本史タイムマシン (成績があがるシリーズ) NECインターチャンネル\9,800
(3)チリチリらんど 世界編 NECインターチャンネル \8,800
(4)チリチリらんど 日本編 NECインターチャンネル \8,800
ゲーム性を高めてあり、楽しみながら学習できるソフトですが、時間がかかるのが難点です。家庭向きかも?
・ 最後にグアムレポートです。太平洋戦争、文化の両面からレポートをしようと思いましたが、当地の日程の都合で太平洋戦史博物館には行けず、文化面でも失望しました。グアムは日本の経済的植民地で、多くの人がが日本語を話し、日本人に迎合し、プライドも感じられません。日本人に対してどう思うかの取材に対しても、一部例外はいるが概して親切・礼儀正しいという模範的な回答しか得られませんでした。
買い物は地元の人がよく行く店で済ませました。商品は空輸する分、米本土より割高ですが、本土にある消費税をなくしあります。缶コーラ1ダース3$、缶ビール1 本1$以下でした。
☆ 尾関先生より、卒業式の「感謝と旅立ちの言葉」「別れの言葉」を紹介していただきました。いわゆる答辞・送辞に当たるものですが、発想の違う部分もあり、とても参考になりました。
・ 次に、古中1年生の取り組み、「わくわく・TEACHER’S・ランド」−光、輝く、心で、2年生へ−を紹介していただきました。授業への参加態度を各教科担任に評価してもらうもので、生徒が描いた各教科担任の「笑った顔」「すまし顔」「怒った顔」で評価します。生徒指導は、どうしても管理的になりがちですが、このように生徒のやる気を引き出している点、ネーミングや似顔絵に遊び心がある点が評価できると思います。
☆ 奥村先生より、3月4日に行った特殊学級の社会見学について報告していただきました。児童8人・保護者6名・教師3名の全17名で、かがみがはら航空宇宙博物館
へ行きました。児童は、シュミレーターやパソコン、紙飛行機などで楽しく学習できたそうです。特殊学級独自で企画・実践するところがすごいところです。
・ ADHDについての論文を紹介していただきました。
長畑正道文教大学教授「診断名ADHDはどこからきた?」によると、ADHDはAttention
Deficit Hyperactivity Disordeaで注意欠陥多動障害と訳されています。この論文では、その由来がまとめられています。
原 仁国立特殊教育総合研究所研究部長「症状と診断基準」は、今の医学で言える症状と診断基準が具体的に書かれており、現場が最も知りたかった情報がまとめられて います。
中根 晃実践女子大教授「ADHDに近い障害と、併発する症状」には、誤解しやすい近縁障害と特徴的な合併症が簡単にまとめられています。
市川宏伸都立病院副院長「推定される発症原因」には、ADHDを生物学的にとらえて、現在わかっている範囲で原因を推定しています。
水野 薫都立多摩教育研究所指導主事「教育的対応の基礎・基本」には、ADHD児
に対する学習環境、教材の工夫、教材提示の仕方などの留意点がまとめられています。
平谷美智夫福井県小児療育センター医療次長「薬物療法を中心とした治療法」では、中枢刺激剤(リタリン)が効果を示した例が紹介されています。
最後にADHD研究の先進国である米国在住のカウンセラー・カニングハム久子氏が「大人になったADHD」で、ADHD児が大人になりどうなったかの実例が示されて います。 すべての出典『実践障害児教育1月号』
☆ 岩井先生から、校内現職教育研究紀要の原稿 3年生単元「じしゃくにつけてみよう」 (12時間完了)を紹介していただきました。各学級で導入を済ませ、追究段階を2学級2TTで行った実践です。単独授業とTTのそれぞれの長所を生かすことができ、効果の大きさが確認されたそうです。
単元の流れは、魚釣り遊びから磁石の存在に気づき、何が磁石につくか調べてニュースにまとめます。さらにNS極、磁石についた鉄の性質へと考えを広めていきます。
☆ 高橋先生から、4年生道徳実践「障害を生きがいに変えて−乙武洋匡さん(「五体不満足」の著者)の生き方にふれる−」を報告していただきました。ヘレン・ケラーの「障害は不便ではあるが、不幸ではない」という言葉を、乙武さんの生き方から児童に考えとらせる内容です。健常者が障害者を見るときの「かわいそう」「不幸」という誤った意識を変えさせたいという授業者の意図が明確に現れています。
なお、これは三浦光俊先生(岩南中)の実践を参考にしたものだそうです。
☆ 今回のメインは大藪先生による表計算ソフトExcel(エクセル)講座でした。大藪先生は、岩倉中の進路指導の処理をすべてエクセルで行ってみえます。そこには、多くの技が使われ、やりたいと思うことは何でもできるソフトであることがわかりました。 教えていただいた主なものです。
・各ページに見出しを設定する方法 ・不要なデータを表示させない方法
・志望校の第一希望・第二希望の数が瞬時にわかるピポットテーブル
・小牧工を選択すると、自動的に「機械・自動車」など、該当する学科が出てくるようにする方法
・学校別の名簿を作る方法 ・児童でふりがなをつける方法
・表を図としてコピーする方法
大藪先生の作られた進路指導資料の美しさ、わかりやすさには驚かされました。
・ つぎに、電子メールで複数のメールを管理するための方法を教えていただきました。 近い将来、教育センターから一人一人にアカウントがもらえ、1台のコンピュータで 何人もの生徒のメールを管理することが必要になります。その時にぜひ知っておきたいテクニックです。
・ Excelのデータを指定の用紙に印刷できるソフト「文字ピタッ!for Excel」を紹介していただきました。たとえば調査書や公立高校の推薦書などにも、文書の中にぴたりと納めることができます。役に立つソフトだと実感しました。
パソコンは、マニュアルを読むより教えてもらった方がはるかにわかりやすいものです。それぞれの隠し技を教え合っていきましょう。
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp