第124回 社楽の会報告        第123回へ  第125回へ
                                     報告者 木曽川東小 土 井

 2000年1月27日(木)布袋北学供にて,第124回社楽の会を開催しました。集まった資料の量は過去最高でした。参加者(勤務校)を紹介します。
 土井(木東小),高橋先生(木東小),奥村先生(藤里小),勝村先生(犬山中),尾関先生(江北中),木本先生(布袋小),岩井先生(大北小),坪内先生(犬北小),大島先生(犬東中),岡崎先生(木東小),野呂先生(岩倉中),山田昌宏先生(古東小),山田信夫先生(大南小),ゲストの安本 隆さんの14名です。

☆ 勝村先生より総合的な学習を意識した社会科授業プランを提案していただきました。小学校6年生では,現在の自分や地域を考え直すための調査を行い,歴史遺産の保護のあり方や今後の取り組みについて考えることを目的に,「古墳に葬られた人々」「江戸時代の人々の暮らしを」「日本のあけぼの」で実践ができる,また,「一人一人を大切にする政治」で「人権」を取り上げたらどうかという提案です。個人的には“伝承”という言葉に興味を持ちました。中学校では,世界地理の各地域ごとにテーマを設定しいた追究活動をしてはどうかというものです。詳しいことは,これから話し合っていく予定です。

☆ 坪内先生より犬山北小学校の−「郷土を見つめ,かかわり,そして,伝える」総合的な学習をめざして−を紹介していただきました。地域を素材にした活動計画を‘白帝プラン’名付け,各学年30時間程度の白帝ワークの積み上げにより,郷土犬山を誇りに思う心を育てることをねらいとしています。
 高橋先生から,6年生は「人はなぜ争うのか」を取り上げると,共生につながる年間を通したテーマになる。山田昌先生から,町並み案内グループと協力する方法もあるという意見をいただきました。
・ 次に研究論文「生活に生きて働く社会科学習−体験を通した地図学習−」を紹介していただきました。「地図の見方」(5時間完了)の実践をまとめたものです。
第1時 目的にあった地図を選ぶ  第2時 地図上でたこ糸を使って道のりをはかる  第3・4時 実際に地図上の道のりを歩き,歩幅と歩数で距離を測る。   第5時 地図を見て宝さがしをする
  読んでいるだけで,児童が楽しそうに活動している姿が目に浮かぶすばらしい論文です。教室でのシミュレーションを,現地での体験により検証するところ,さらに宝探しに発展させたところが優れています。

☆ 高橋先生よりまほろば196〜210を紹介していただきました。
‘これまでを振り返って一句’には,子供たちがこの1年を17文字で詠っています。
‘消しゴム’では,図工や算数で消しゴムを使わない効用を具体的に紹介してあります。
‘日本のフロンティアは日本の中にある?’では,先頃出された報告に対しての疑問点が述べられています。
‘6年3組食生活を考える授業’は,砂糖が心身の健康に対して悪影響を与えることをテーマにした授業の報告です。
・『美味しんぼ52』(小学館)より,「愚かさの味」を紹介していただきました。平和学習に使えます。

☆ 山田昌先生よりPTA新聞「みずき」を紹介していただきました。2学期に各学年が行った活動について,地域の人から見た取り組みの様子が紹介されています。
・ 「古東校の誕生」 には,古東小の前身,古知野第二尋常小学校設立当時の様子が書かれ ています。
・ 高田健三氏「まどかけ」と「辻めし」 は,かつての前野村よ様子が分かります。「江南郷土史研究会報」より
・ 宮後城跡ウォッチングは,最近確認された宮後城の遺構をたどる無料ツアーです。2月8日9時より江南保健センター前集合です。約6q2時間30分のコースです。
・ 古東小学芸会案内からは,自作劇・舞踊などに総合学習の成果が読みとれます。
・ エッセイ“年老いてなお,友情深く「麦と兵隊」” には,山田先生の人柄が滲み出ていま す。そして文学的才能も…
・ みずきかるた(青木川編)は,図工と総合学習の融合を図ったもので,青木川の学習の成果を,4ツ切り大のカルタの文と絵で表現しています。
江南はどんなところ「おじいちゃん・おばあちゃんとウォーキング」は,校区のお年寄りといっしょに,ひみつの場所に案内してもらいます。3年児童の感想も紹介していただきました。これまでの学校へ来てもらう活動だけでなく,一緒に外へ出かける活動へ発想が広がっています。
・ 江生研だより第467号には,信州への秋の遠足の様子が紹介されています。
・ 平成12年度 教育課程編成に向けてには,「年間行事計画(A案・B案)」「学校行事・学級活動・児童会行事時数計画検討資料」「教育課程編成(時間割編成)のための検討資料」「時間割(特別教室固定時間割)記入用紙」の集大成です。
「地域教材(人材・素材)の発掘と教材化」への展望は,古東小がめざしているものが明確に現れています。現職教育での地域フィールドワークは,全職員が個別に地域を取材し,その成果を紹介し合います。生活科・‘みずき’の来年度の各学年の構想づくりでは,その学年と一つ下の学年が合同で話し合います。とても参考になりました。
「総合的な学習の時間」における地域教材を生かした特色ある教育活動の展開に向けて@では総合的な学習の段階を,ハッとする段階・パッとする段階,グッとくる段階の3段階分けて考えられています。わかりやすいたとえです。大西秀夫氏の『どんな草でも紙になる−植物せんいの不思議−』(大日本図書)が紹介されています。
・ 地域教材の発掘と教材化「山田プラン」 は圧巻でした。山田先生が取材された,校区の草花の発掘と教材化,木の発掘と教材化,木の教材化,伊自良の森林の教材化,木曽川上流の森林の教材化,食農教育の観点からの教材の発掘と教材化,川の教材化,地域のゆかりの人物の教材化のアイデアが満載です。
・ 自然体験アンケートは,これまでの自然とのかかわりを調査するものです。さっそくやってみましたが,家で農作業をやっているにもかかわらず,自然との距離が遠いことを実感させられました。
・ 最後に,お正月の豆知識を紹介していただきました。

☆ 今回のゲスト,隊友会江南支部会長・安本 隆さんのお話をうかがいました。安本さんはソウル生まれの熊本県出身,江南市在住の75歳の方です。小学校で8年間教員を勤められた後,自衛官を定年の50歳まで勤めれられ,その後川崎重工に入られました。 
 はじめに,教員時代の昭和29年度学級経営簿,昭和24年行事予定表,授業時数計画を見せていただきました。その内容の濃さに圧倒されました。特に,授業時数計画では,当時としては珍しく,全体を見通す感覚が若い頃にすでにあったことが驚きです。
 次に,自衛隊についてお話をうかがいました。
 はじめに,「資料自衛隊等募集ガイダンス」により,自衛隊の任務,職種,配置,階級と昇任,待遇,自衛官になるための進路,キャリアアップの方法,最近の募集状況などについて説明していただきました。その他も含めて,印象に残った点を数点挙げてみます。
 ・大学と大学校は違う。防衛大学校は大学ではないので,学士資格はない。
 ・最低2年勤めるだけでも約62万円の特別退職手当がもらえる。
 ・北朝鮮を想定した有事にも対応できるよう訓練をしている。しかし,実際には日本だけでは3日ぐらいしかもたないかも?今の法律では,戦車は一般道路は通れないので,対応できない。実際には,米軍の力が必要。
 ・自衛隊内で,各種資格免許を取ることができる。
 ・不況の影響で,最近は倍率が非常に高く,優秀な学生も入隊してくる。
 ・最近では,あいさつから指導しなくてはならない。 など
 有事の対応が出来ていないことには不安を感じました。明日の日本を考えることは、自衛隊について考えることでもあるのです。
教育の場でも積極的に取り上げる必要性を感じました。
 このほか、防衛コミュニケーション誌『ディフェンス』,新聞『隊友』『朝雲』など,めったに見ることのできない資料をいただきました。
 自衛隊に関する資料請求&問い合わせは,地連小牧募集センター(0568-54-9571)広報担当の向井さんまで。
  防衛庁 http://www.jda.go.jp 

☆ 土井より,2000年度社会科実践中学校1年生案 を提案しました。世界地理での学び方の指導,その後の国際理解学習への展開をねらっています。
・ 次に『社会科教育5月号』(明治図書)のネタ?富山県の観光PRを紹介しました。テレビや新聞のCMで評判になった富山県の‘印象が薄い’など,地理学習で応用ができます。
  富山県企画部広報課広報係  076-444-3134 Fax 076-444-3478
さらに関連として,都道府県別歳出総額における観光費の割合を紹介しました。
1位青森(1.24%),2位秋田(1.13%),3位高知(1.12%),46位愛知(0.05%),47位兵庫(0.03%)全国平均0.28%という結果でした。資料は「H9年度 都道府県決算状況調」(H11自治省財政局指導課)
・ いつもの便利Webページを紹介しました。
 ○日本最初のホームページhttp://www.ibarakiken.gr.jp/www/index.html 歴史の1ページ
 ○出版社リンク http://www.oriental.or.jp/tonton/link-a.html数が多い
 ○NHK ボランティアネット http://www.nhk.or.jp/nhkvnet/ボランティアならまずここから
 ○インターネット図鑑『自然界』 http://www.knowledgelink.co.jp/services/index.html  検索可
 ○江戸歴史散歩 http://www3.justnet.ne.jp/~tamio-enomoto/大名屋敷の今がわかる
 ○あなたの体力アップ プログラム http://www.meiji-life.co.jp/fitness/ 体力測定ができる
 ○校務文書のダウンロードの更新 http://www.justsystem.co.jp/school/download.html 共有化
 ○小中学生向きの発展学習・自由研究のワークシート集http://www.bio.aichi-edu.ac.jp/wsheet.htm 理科中心
 ○研究会検索 http://www5.mediagalaxy.co.jp/kyoiku-shuppan/kenkyuu-direct.html これはおすすめ
 ○情報収集ツール集 http://www.shikencho.com/tool.html 情報関連サイトのリンク集
 ○課題をどうやって発想するか http://www.aaz.mtci.ne.jp/~abetaka/riron/sin/sin1.html 
 ○画家の生涯 http://www.bekkoame.ne.jp/~moriart/artists/artists2.html  おすすめ!
 ○情報教育の問題点 http://member.nifty.ne.jp/kakukai/kyoiku/k990509a.htm  黒川孝広
 ○君も今日から選挙博士 http://www.pref.saitama.jp/senkan/learn/learn.html使える
 ○小中高生のためのスーパーリンク集JERFI http://www.jerfi.ne.jp/ 
 ○21世紀日本の構想 http://www.kantei.go.jp/jp/21century/houkokusyo/index1.html 
 ○キッズコアラ http://www.coara.or.jp/kids/ これも学校で使える。お薦めリンク集はいい。
 ○WEB迷子センターhttp://plaza5.mbn.or.jp/~asou/kidslink/kidslink/frame2.html 
 ○インターネットのルール&マナー集 http://www.enc.or.jp/enc/code/rule/main.htm 
 ○ネチケットホームページ http://www.edu.ipa.go.jp/mirrors/togane-ghs/netiquette/ 
 ○ユキダス http://www.nice.or.jp/yukidasu/ 小4・ 雪国のくらしはここから
・ 歴史勉強ソフト小学生向け「歴史博士」v2 は,歴史人物辞典,人物画像,歴史問題集,世界の偉人伝記集など様々な角度からブラウザを使って歴史の学習ができます。
 http://www1.mahoroba.ne.jp/~matumoto/soft.html よりダウンロードできます。
・ 東京書籍が小学校社会3・4年用「副読本作成の手引き』を作成しました。全64ページの冊子で,希望者には無料で送ってもらえます。下記メールで,「小社副読本作成の手引き希望」と明記し,氏名と県名・勤務先,および資料の送付先住所を知らせて下さい。     E_Mail:net@tokyo-shoseki.
・ ‘毎日教育メール’を紹介しました。「教育の毎日」の取材ネットワークを動員して全国の学校現場の出来事や教育行政の動きを配信してくれます。  http://www.mainichi.co.jp/info/kyoiku-m/index.html
・ 社会科教師のためのメールマガジン(MM) 社会人のための「政経・地理 一問一答」 を紹介しました。当然知っていなければならないことばかりですが…
・ MM負けないチェチェン人 を紹介しました。田中宇の国際理解講座として配信されているもので,チェンチェン紛争の歴史的背景がわかります。

☆ 大島先生より新聞記事を2点紹介していただきました。“100円ショップなぜ成り立つ”(’99/5/16読売)からは,100円で採算がとれる秘密がわかります。経済の学習に使えます。“小さな世界のトップ企業” ('99/2/8高知)には,小さいながらも世界の最先端の技術を持つ4つの企業,職人の技が紹介されています。これからの日本企業の生きる道を示している気がします。

☆ 奥村先生より,藤里小の「総合的な学習」の全体計画を紹介していただきました。学校教育目標や校訓,児童・地域の実態をふまえて,教科・領域との関わりを意識して考えられています。総合の重点目標として,「食」についての知識・技能・態度,情報活用能力・問題解決能力,プレゼンテーション能力,の3点が提示されています。このような,全体計画を構成する力も,教師に必要な力だと思います。
 参考資料として,総合学習にあてることができる時間数もいただきました。

☆ 岩井先生より,2000年卒業研究レポート「21世紀を生きるために」についてを紹介していただきました。各自が研究のテーマを決め課題を作ります。次に,調べる方法自分で決めます。コンピュータの活用,直接人に聞くことを含めて,複数の方法で調べることを条件にしています。その後,調べたことをまとめます。研究スケジュール,計画書も示されています。これまでの取り組みの成果を随所に感じました。

☆ 山田信夫先生より,学習に役立つWebページを紹介していただきました。
・日本語版海外ウェブサイト http://www.networkej.com/   日本語でも読むことができる海外のサイトのリンク集
・EMBASSY AVENUE http://embassy.kcom.ne.jp/index.htm 上記の中にあった大使館のリンク集
・風邪 http://www.health.co.jp/FORUM/KAZE/ 東洋医学情報センター提供。西洋医学,東洋医学,世界各地・日本各地の民間療法など
・授業づくりネットワーク http://w3.nms.co.jp/users/jnw/ 金城学院大学の藤川大祐先生による総合的な学習情報が満載のサイト
・メディアリテラシーテレビを知ろう   http://www.tokai-tv.co.jp/houdou/FNN-Supernews/Campaign3.html 
東海テレビ。プレゼンテーションの指導に使えるかも?
・江戸夜噺 http://member.nifty.ne.jp/utakai/sub9.htm  登録アドレス
  江戸時代の随筆の中からホロっとする話や不思議な話,なるほどと思う話などを配信し てくれるメールマガジン。滝沢馬琴による‘天明の飢饉’は授業でも使えます。
・朝鮮日報  http://japan.chosun.com/  日本語版が誕生


  お問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp  まで