第15回 社楽の会報告 第14回へ 第16回へ
報告者 布袋中 土
井
10月27日(木)7:00〜9:10,古知野・三勝にて第15回の社楽の会を開催しました。
参加者は,土井,尾関,滝口,高橋,木本,野呂,多和田,日比野,高木,栗林,勝村,川井(敬称略),そして和田先生の13名です。
☆ 最初に,布袋小・熊澤先生の授業案に対する質問・疑問を出し合いました。
11月9日の研究発表会での公開授業の授業案です。
・道徳的価値を教材の価値を追究する中で育てていけることがいい
・指導案の形式に慣れていない人がついて行けるかどうか
・具体的な支援の手だてがわかりにくい
など,多くの意見や疑問が出されました。
自分は,さらに次のように感想を持ちました。
@ 布袋小の研究発表会は,研究会のあり方・考え方そのものに対する問題提起だと思う。布袋小が発信するメッセージが,参加者にどう伝わるかを感じとりたい。
A 基本的に,授業を「教師」の立場でなく「子供」の立場に立って構想されていることを評価したい。その場合,授業者によって,その方法がどう違うかを見てみたい。また,教材解釈や授業の組み立て方,支援の方法,評価の方法が「子供」の視点に立つとどう変わるのかを見てみたい。
これらの意見は,熊澤先生に伝え,事前研究の参考にしてもらいます。
☆ 次に,和田先生からの宣伝です。11月13日まで犬山市の文化史料館で行われている「尾張北部と犬山の古墳時代」展に行きましょうということです。私も行きます。みなさんもぜひ行きましょう。
☆ 滝口先生からは,10月18日に行われた授業の報告でした。指導案,授業記録,児童の感想を紹介していただきました。
まず,A男を授業で活かすことができたという感想を聞いてうれしく思いました。滝口先生の視点が,学級全体と共に「個」にも確実に向いていることの表れです。座席表に表された一人一人の児童の感想にもいいものがたくさんありました。
・ぼくでもできることがあるなんてすごい。ぼくも役に立つのか。
・まだ言いたいことがあり心残り。もっと時間を。
・なかなかするどい意見を言う人もいておもしろかった。
野呂先生からは,授業を参観した報告がありました。
子供たちが持っている資料が多岐に渡っていること,教師の支援がゆきとどいていること。また,問題点として,資料が見にくい,難しいということが報告されました。
☆ 高橋先生からは,尾教研社会科中学年部会の研究授業の結果報告です。
今回は新たに「3 基本的な考え方」が加わりました。
問題づくり→問題解答→課題づくり→課題解答→課題解決→まとめ
という単元の流れについての考え方が示してあります。
この単元の流し方は,子供の主体的な学習が保証されること,資料活用能力が身につくこと,活用できる対象が広いことなど多くの長所が考えられます。実践を積み重ね,さらに研究を重ねてほしいと思います。
また,問題解答段階での一般化,資料の準備などの問題にも取り組んでほしいものです。
・ 続いて,国語科学習指導案についての提案です。11月17日に行う学校訪問での授業を『ごんぎつね』の第2場面で行うそうです。
まず,単元の目標に「学習目標にかかわる目標」「表現力にかかわる目標」の2つがあることに目を引かれます。学校の研究の重点が表れています。
本時は,3時間完了の1時間目,学習内容に関わる目標は「葬列を見送るごんの動きを,色に着目しながら追究することができる。」です。
課題は,「ごんの心に一番強く残った色は何色か。」としてあります。色を手がかりにごんの心の動きを追究できるすぐれた課題だと思います。
このほかにいいアイデアがあったら高橋先生まで知らせてあげて下さい。
☆ 尾関先生からは,教生の指導案の紹介です。
アヘン戦争の導入で紅茶・ウーロン茶を用い,イギリスと中国を想起させたことは見事です。また,演劇部の学生ということで,アヘン戦争後の農民の不満を「農民になったつもりで発表する」というのもおもしろいと思います。
資料として,栗林先生からのもの(アヘン戦争関係)を紹介していただきました。資料の紹介・交換はこの会の目的の一つです。積極的に進めて行きましょう。
☆ 川井先生からは,児童の作った「かもめがくれた三角の海」の問題集の報告です。前半が読み取りに必要な問題,後半が主題に迫る問題となっています。高橋先生の尾教研の報告といい,最近この形の授業が増えており,大きな流れを感じます。実践を積み上げて,この流し方の問題点を解決して行きましょう。
対比について質問がありましたが,対比は構造を明確にするための手段です。主題が構造に表れている作品(うさぎと亀,北風と太陽など)は,対比を探すだけで主題が見えてきます。対比を探す→重要な対比を選ぶ→主題を考える このパターンが基本です。
ぜひ,対比を使った授業報告を期待しています。
※ 対比は,社会科でも使えます。「阪神工業地帯と中京工業地帯を比べてみよう」で,それぞれの特徴が明らかになります。
☆ 高木先生からは,5年生社会「自分の会社を作ったよ!」の報告です。
2兆円?で好きな場所に好きな工場を立てて良い。ただし,立地条件により採算がとれないようなら高木銀行は融資しない,という設定だそうです。
児童は,地図を見て,どこにどんな工場を作ったらよいか真剣に考えたようです。
地価が安く東京・愛知に便利な松本市にペットフードの工場を作ろうと考えた小島さんなど,それぞれ自分なりに根拠を考えています。遊びの中から,日本地理の学習に入ろうとした先生の意図は成功したのではないでしょうか。今後の展開が楽しみです。
☆ 勝村先生からは,『児童が楽しく取り組む体育活動』という県教研のレポートの紹介です。楽しい遊びを作るために「ぼく・わたしが考えた楽しい遊びコンテスト」を行い,6年生の中から41名の応募があったそうです。石けりパターゴルフ,パチンコジャングルなど,子ども達が夢中になりそうなものが満載で,パチンコ…のようにこれまでにない発想の遊びもあります。これなら,「体育の生活化」に近づけるのではないかと思われます。
☆ 栗林先生は,新聞記事よりあっと驚く話の紹介です。仁徳天皇陵といわれてきた前方後円墳は5世紀後半の築造である可能性が高くなってきたというもので,被葬者も別人である見方が強まっているということです。
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp