第14回 社楽の会報告    第13回へ   第15回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 10月13日(木)7:00〜9:20,布袋北学供にて第14回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井,木本,滝口大薮,多和田,勝村,野呂,高木,奥村尾関高橋(敬称略)そして和田先生の12名です。

☆ 初めに,土井より10月8日犬山市南部公民館で行われた「『私が夢みる明日の犬山』中学生によるまちづくり意見発表会」の報告です。市内4校から,個人6名,グループが3チーム,そしてクラス発表が1クラスの計10回の発表がありました。どの発表も内容,表現ともすばらしく,少なからず感動を覚えました。特に,東部中学校のある女の子はプロ?とも思えるほどの表現力でした。
 内容は,ほとんどが環境保全と福祉の充実を訴えたもので,どの生徒も自分の考えを素直に語っていました。その中で,最後に発表した犬中1年3組のクラス発表はやはり圧巻でした。@夏休みに全員が郷土学習に取り組んだこと,A市民や観光客へのアンケート調査やパソコン通信で情報収集していること,B市役所への問い合わせや現地調査が豊富なことなど,データに裏付けられた事実をもとに語られていることに,とても説得力を感じました。

☆ 続いて,奥村先生の組合教研のレポート「障害児が学習に意欲的に取り組む学習指導」の紹介です。
 仮説に書かれている,「児童をどの場面で活躍させるか考えた授業をすれば,児童が学習に意欲的に取り組むのではないか」は,特殊教育以外でも,常に持ちたい発想です。ただ,約40名の個をつかみ,それぞれを生かす場を設定するためには,教師の工夫と努力が必要なのです。それを,みんなで研究していきましょう。
 ヒントは,「特殊教育に学べ!」にあるのではないでしょうか。

☆ 土井からも同じく組合教研のレポート2本の紹介です。
 1本目は,「生徒を伸ばす評価法 中学校社会科における試み 」です。比較的簡単にできる観点別評価で,しかも生徒を伸ばす発想に立っているものを紹介しました。@ 観点別に個を把握するために 4色ボールペン活用法,A 授業に積極的に参加させる評価法 発言ランキング,B 生徒の力を伸ばす他己評価(他己という言葉はあるのか?)は,私がここ数年,継続して愛用している方法です。
 簡単で効果抜群の保証付きです。C 社会的思考力を評価する 短文作成法 は,丹羽威光先生(布中)に教えていただいたもので,テーマによっては知識・理解の評価にも使えます。D 知識・理解を測る イメージの樹形図 は,前回高木先生から紹介のあったものです。E 生徒を授業に位置づける は,今年の我々の主張の一つです。以上,ぜひ追試して結果の報告をお願いします。
2本目は,「学校の文化と生徒の主体性を育てる学校放送」です。私は,学校最大のマスメディアである学校放送をとても重視しています。学校の雰囲気づくりや生徒会の活性化,行事の盛り上げには不可欠です。その内容を紹介してあります。
 またご意見ください。

☆ 尾関先生からは,夏休みに行った「職業体験学習」の報告です。進路学習の一環として,2年生が次の所へ見学・体験に行きました。

消防署,農協,岐阜信用金庫,昭和病院,大隈豊和,ミサワセラミックス,宮川塗装,花とし,タマコシ,江南自動車学校,米庄,森永乳業,郵便局,津島ガス,青山製作所,サンコウPR,警察署,伊神工業,フジミサウンド,松川設備,青光堂書店,トヨタカローラ愛豊,岩田燃料,サークルK,サンファイン(すべて江南市内)

 生徒の感想を読むと,体験にまさる学習はないことを実感してしまいます。
 社会科教師としては,教室でいかに‘体験’に迫る授業ができるかが大きなポイントだと思います。そのためには,綿密な教材研究と共に,教師自身の体験(人生経験)が最後にはモノを言うことになるのでしょう。

☆ 野呂先生,高橋先生からは,「自ら問い,社会の変化に対応する力を育てる社会科学習−問題意識を持って追究できる子の育成−」というテーマでの授業実践の報告です。尾教研社会科中学年部会での研究です。  
少し長くなりますが,「1 はじめに」の部分を引用します。

   文部省は,新教育課程が目指すものの第一に,「人間としての生き方について自分の考えを持つ」ことをあげている。(中略)「人間としての生き方」を学ぶためには,社会に生きる人間の姿そのものを学習対象とする必要がある。さらに,それを客観的にとらえるのではなく,自分自身と関係づけてとらえてこそ「人間としての生き方について自分の考えを持つ」ことができる。変化し続ける社会にたくましく対応して生き抜く力を身に付けていくことは,まさに「人間としての生き方」の学習なのである。

 これに続き,「2 研究のねらい」が15行書かれています。
 率直に言って,わたしはこれほど自分の主張を過不足なく,端的に表現した研究レポートの文章をはじめて見ました。今後,大いに参考にしたいと思います。
 授業の流れは,壮大な実験です。しかも,誰でも,どの単元でも応用ができるという普遍性を有しています。これまでの「低地の人々のくらし」とはまったく異なる教材観とユニークな指導過程のため,賛否両論が巻き起こることが予想されますが,批判を考慮にいれながらも,結果については科学的な視点で分析してもらいたいと思います。たいへん楽しみです。
  
☆ 滝口先生からは,研究授業が1日延びる(10月19日)かもしれないという報告がありました。また,滝先生にご指導をいただいた指導案,単元構成図,企業へ出した手紙文,日立製作所からの回答を紹介していただきました。
 世に出ている「環境教育」の実践を紹介した本にもないほどのスケールの大きな実践です。子どもたちの成長ぶりが授業に表れることを期待します。
 11月23日の学習発表会では,環境についてみんなで調べたことを発表するかもしれないということでした。子どもたちが,全校に向けて,どんなメッセージを発信するか,注目したいと思います。
 環境の次は,学校訪問に向けて「わたしたちの生活と運輸」で実践するということで,もう問題づくりに入っているようです。

☆ 大薮先生からは,冒頭に紹介した10月8日の発表原稿の紹介です。やさしい表現の中にも,クラスの主張が込められています。

☆ 土井からは,資料集執筆のための章立て・ページの割り振りの提案です。もう,6割はできていますので,それほど苦労することなく書くことができると思います。 11月中に完成しましょう。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp