第17回 社楽の会報告    第16回へ   第18回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

11月24日(木)7:00〜9:10,古知野・三勝にて第17回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井尾関滝口,高橋,木本,多和田,栗林勝村奥村(敬称略),そして和田先生,ゲストの布袋小・熊澤先生の11名です。

 前回(11月8日)からこの間に,布袋小の研究発表,門真沼遺跡の現地説明会,愛知県社会科教育研究大会などがありました。この件については,本文中に登場します。

☆ 最初に,11月9日の研究発表会での布袋小・熊澤先生の授業をビデオを見ながら質疑応答を行いました。熊澤先生は,上田薫氏の指導による,いわゆる安東小タイプの授業の丹葉随一の実践者であると思います。私たちが取り入れることができることは積極的に吸収していきたいと思います。
 まず,独特の指示が話題になりました。特に,意見を言う子を見て話を聞かせる「目を結びなさい」は,優れた指示だと思います。
 次に,これまでで定着してきた授業での約束に話が移りました。
 ・次の指名は名前をはっきりと言う。その時に指名された子を見る。
 ・次の指名は,賛成・付け足しを優先して当てる。
 ・その日の日直が授業の口火を切る。など
  このほかに,自分を当ててもらうように根回しをするという子どもの中で広まっているルールもあります。
 また,「意見を言うことが苦手な子にはフォローする」などの教師側の支援もビデオに即して説明して下さいました。
 教材研究の苦労話にも話が弾みました。また意外な話も聞きました。例えば,「川辺で漂流物を拾いました。どうしたらいいのでしょう。」答は,「市(自治体)へ届ける」が正解です。市は沿岸の市町村に回覧を出し,所有者が現れるのを待つのだそうです。埋蔵文化財とは全然違う対処に驚きました。
 これらの他,この授業で養われる力について話をしました。関心・態度はもとより,社会的思考力,資料活用能力もつく,ただ系統的な知識の習得だけは別の手段が必要であるという話でした。
 最後に,研究主任としての心構え,ノウハウを聞きました。熊澤先生が目指したものがよくわかりました。

☆ 勝村先生は『初等教育資料H6,11』より北俊夫氏の論文「新しい学力観に立つ授業の改善」を紹介していただきました。ここには,新しい学力観での社会科の学力についての考え方,および知識のとらえ方がまとめられ,授業改善のための視点が示してあります。@子供がつくる学習活動,A教材の精選,B体験的な活動,C問題解決的能力の育成,D地域社会との連携,E生活科との関連,F観点別評価,G教育条件の活用です。私たちの実践の理論的な支えにもなり得る論文です。ぜひお読み下さい。

☆ 土井からは,国名キーワードの紹介です。以前紹介した県名キーワードの姉妹編でもちろん最新データです。カルタ取りをしたり,ST後に学年一斉に‘国名キーワードコンクール’をしたりして楽しみながら確実に世界地理の力をつけるものです。中学校の先生は一度お試しください。必要な方はフロッピーにコピーします。
・ 『社会科教育』95年3月号(明治図書)からの原稿依頼についてで,テーマは「情報をつくる体験の指導」5,600字。何かいいネタがあれば紹介して下さい!
・ 一宮市で行われた愛知県社会科教育研究大会の報告です。テーマは“社会の変化に主体的に対応できる力を育てる社会科教育”に対し,研究仮説が「地域素材の教材化が問題意識,問題解決の意欲を高め,個を生かすことができる」,また研究の手だてが「体験的活動・多様な学習形態・資料の活用」というのが研究の骨子です。そこには,整合性が見られず,また,授業実践のいくつかもテーマと離れていると(個人的に)思ました。
 その後の赤塚先生(埋蔵文化財センター)の講演はとても興味深いものでした。栗林先生からまた話があると思います。

☆ 尾関先生からは,「文化の集い体験講座」の紹介です。ビッグシャボン玉や手話,茶道,伊勢型紙など19講座が開かれました。布袋中でも同じような活動を行っています。このような活動も,学校単独で考えるよりアイデア・ノウハウを紹介し合った方がよりよいものになると思います。ぜひたくさんの情報をおよせください。

☆ 木本先生からは「火のおこし方」の紹介です。マイギリ式による火のおこし方が具体的に書かれています。わたしも以前やってみましたが,焦げるけれど炎にならず苦労したことを思い出します。ところが,火種にもぐさを使ったら簡単に火がつきました。それがコツだったのです。木本先生のプリントには,そういったコツも書かれています。一度みんなでやってみたいですね。

☆ 滝口先生は,学校訪問の指導案「世界と結ぶ」を紹介してくださいました。問題づくり→問題解答→課題づくり→ひとり調べ→(作戦タイム)→討論,という流れです。この流れは,ひとつの型として定着しそうですね。
・ 学習発表会のシナリオを紹介していただきました。今年度の小学校実践の最後を飾るもので,環境問題について学習した成果,環境を守る必要性を全校児童や地域に訴えるものです。効果音やスライド,OHPを駆使した発表が期待できそうです。本番は27日11時22分(予定),木東小体育館です。

☆ 栗林先生からは,門間沼遺跡の現地説明会の資料の紹介です。私も説明会に行きましたが,想像をはるかに上回る多くの人が集まり,古代のロマンに思いをはせました。 全体説明の後,実際に遺跡の中を歩いて掘や井戸の跡,土器,木片などを見てまわりました。また,遺物の展示コーナーを見学し,ビデオで発掘状況を見ました。私にとっては,こうした説明会は初めての経験で,世界が少し広がった喜びを感じました。

☆ 奥村先生は学校訪問の指導案の紹介です。ぬいぐるみや指人形で遊ぶことにより,子ども達から言語を引き出そうという実践です。健常児と違い,日々の成長は遅々たるものでしょうが,子どものわずかな成長を見つけ子どもと共に喜ぶのが障害児教室の指導者の喜びです。奥村先生の努力を見習いたいと思います。

☆ いよいよ社楽の会もパソコン通信が始まります。“藤ネット江南”上でデータのやりとりが可能です。2,400bpsです。ID番号は,土井がWIN00138,滝口先生がWINOO139,木本先生がWIN00140,大薮先生がWIN00141,多和田先生がWIN00142,熊木先生がWIN00143です。モデムはAIWAのPV-BE144(まとめ買いで値切って税込\16,800でした。)通信の費用は,藤ネット使用料が無料,市外局番0587の地域への通話料のみです。
  参加してみようという方は土井までご連絡下さい。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp