(1)EduMail)))………………………………………………………………………………………
富山大で携帯電話を使った双方向授業
………………………………………………………………………………………(((Feature
学生が携帯電話を使って質問に答え、授業内容を評価する「リアルタイム授業評価」がこのほど、富山大学の総合科目「現代の世界−若者をめぐる諸問題」で実施された。学生の反応に講師が即座に応えるという新しいタイプの双方向の授業で注目されている。
授業は富山大非常勤講師の宮川正文さんが企画し、助教授の高山龍太郎さんがコーディネートして実施。授業のシステムは宮川さんの知人で、東京のコンサルティング会社社長、西野弘さんが開発した。
授業は、西野さんが講師を務め、「装置社会から創知社会へ」と題してIT社会や企業のあり方などについて、2日間にわたって話した。授業には約180人の学生が出席。授業中、西野さんが学生にアンケートや質問を行い、学生は携帯電話を使って回答。回答は西野さんの手元のパソコンに送信され、西野さんは回答を参考にしながら授業を進めた。
本来、授業中は携帯電話厳禁のため、初日は学生たちも戸惑っていたが、2日目は盛んにメールが届いたという。授業を受けた工学部2年の鳥田貴史さんは「今までの授業とは全く違い、新鮮だった」と満足そう。西野さんは「テクノロジーが学習プロセスを変える可能性を感じた」と話し、今後は他大学でも実施したいという。
高山さんは「これまでは少人数でしかできなかった双方向授業が100人以上の規模でも可能になった」、宮川さんは「私語もなく、携帯電話と学校文化は相反するものというイメージが崩れた」と手応えを感じていた。
★コメント★
これは当然の流れです。携帯電話は、ここ数年で携帯端末と単純電話の二極化が進んでいくと思われます。携帯端末としては、富山大のような使い方がこれからどんどん試行されていくでしょう。高校・大学あたりでは、鉛筆や消しゴムと同程度の文房具化することでしょう。
(2)◆《国語以外はすべて英語で 国際コース新設》京都◆
私立聖母学院小学校(京都市伏見区)は10月4日、国語以外のすべての教科の授業を英語で行う「国際コース」を来年4月から設けることを明らかにした。児童に英語で考える力を養わせ、真の国際人を養成するのがねらい。英語を母国語とする外国人や英語教師の資格を持つ日本人の教師複数が担当し、文部科学省の学習指導要領に基づき、児童一人ひとりの能力に合わせて指導する。募集児童は25人ほどで、入学時の英語力は問わない。 (10/5)
★コメント★
英語が苦手なものとしては複雑な気持ち。「児童に英語で考える力を養わせ」の部分がな疑問です。
何であれ、母国語で思考するのが最も高い思考力。日本語が固まっていない小学生に英語で思考する訓練をするのはどのような影響があるのでしょうか。結果が出るのは何年か先になりますが、注目したい“実験”です。
(3)中高一貫校で、中学生全員にノートPCを配備 <秋田県教委>
秋田県教委はこのほど、平成17年度に大館市松木地区へ開校予定の県立中等教育学校(中高一貫校)のカリキュラムなど、事業計画を明らかにした。計画によると、国際社会や高度情報化社会で必要とされる総合力を身につけることを教育目標に掲げ、情報や英語に力を入れることになった。
中学入学者全員には、ノートパソコンを配備して、初級システムアドミニストレータ試験や基本情報技術者試験など、国家試験の合格を目指す。また、中学校では、英会話を学習する時間を毎日設定する計画だ。中学と高校の間には、短期海外研修を実施するなど、卒業までにTOEFL470点、TOEIC520点を目標に英語力の強化を進める。
★コメント★
前回岐阜県のモデル校で始まったとお知らせしましたが、秋田県でも始まりました。これも全国に急速に広まることでしょう。
別件。昭和後期に全国の工業高校・商業高校が行き詰まりかけたのを持ち直させたのが「公的資格」すなわち学習の‘社会的評価’だと思っています。資格を取ることができれば、学習の目的意識がはっきりとし、学習意欲の向上につながります。入試にも評価されることでしょう。
今回は、中学生に初級システムアドミニストレータ試験や基本情報技術者試験など、国家試験の合格をめざすとのこと。時代の進展は本当にはやいですね。
(4)修学旅行の農業体験 200人規模の受け入れ体制を整備 <農水省>
★コメント★
これも予想通り。やらないよりは一度でもやった方がずっとよいと思います。
でも、最低三年間は継続しないと、農業のすばらしさや苦労は分からない。そのきっかけづくりになればと思います。
(5)進む教育改革 教員免許制度を改正「魅力ある優れた教員」の確保へ【自由民主党】
中学・高校の教員が小学校で国語や社会を教えることが可能、懲戒免職者の教員免許状は一律に無効、教職十年経験者への研修を義務付けるなど
★コメント★
中曽根総理の頃、最も革新的な提案をする政党は自民党でした。自民党の革新的な提案に野党が反対するという図式で国鉄や電電公社を解体してしまいました。小泉総理の今、首相のリーダーシップがある点で似ているようで、まるで似ていないのが今の自民党のような気がします。当時に比べて、明らかに保守的で、抵抗勢力という呼び名になじんでしまったような気さえします。自民党の革新的な提案を待っています。
(6)EduMail)))………………………………………………………………………………………
【行政】総合的学習成績を県立高入試に加味 茨城
………………………………………………………………………………………((((((News
茨城県の県立高校入試で、「総合的な学習の時間」の成績を評価項目にすることが可能になった。茨城県教育委員会が県立高の来年度入学者選抜実施細則を発表。県立高の約4割が採用するという。
これまでは、学力試験の結果に加え、中学校が提出する調査書が重視され、「3年間の評定」「特別活動」などが評価項目とされてきた。県立高110校のうち、47校95学科が採用を決め、中学校は達成度を文章にして表現する。
県内の中学校や高校の教諭らでつくる「2002年度県立高校入学者選抜方法協議会」が今年7月、「総合的な学習の成果を入試にも反映すべきだ」との報告書を県教委へ提出していた。県高校教育課は「学校や学科の特徴に沿った個性的な生徒選びに役立てるなど、高校側が自主的に活用方法を考えてほしい」としている。
★コメント★
このニュースを見た現場の教員の多くは、「技術的に可能か?」「客観性・公平性は保たれるのか?」「学校間・教師間格差は判断できるのか?」と思うことでしょう。でも、とにかく始めてみないことには、総合的な学習の意義が問われます。
そもそも、国語と数学のテストの点を足すことすら、冷静に考えると無理があります。視力と聴力を足すようなものです。ましてやそれに音楽や体育を足すと、身長・体重・血圧を足すようなものです。それを考えれば、総合的な学習の評価を、ぜひ高校の選択に生かして欲しいと思うのです。
(7)EduMail)))………………………………………………………………………………………
【男女】「混合名簿」巡って千葉市議会で論争
………………………………………………………………………………………((((((News
千葉市が今年度から学校現場に取り入れた「男女混合名簿」を巡り、千葉市議会で、「自我が正常に発達せず、青少年犯罪につながる」などの“珍質問”が議員から出され、市当局が答弁に窮する一幕があった。県議会に提出されている男女共同参画促進条例案をめぐる「ジェンダーフリー論争」が思わぬ飛び火をした格好だが、職員からは「教育内容が変わったわけではないのに…」とため息も漏れた。
男女混合名簿は、男女別に分けていた出席簿を、50音順や出生日順のみに改めるもの。市は今年度から学校ごとに選択できるように改め、市立小学校の93%、中学校の72%が導入している。
一般質問に立った宍倉清蔵議員(市民自由クラブ)は「男はたくましく、女は優しくが日本の伝統的しつけだ」と持論を展開。「男女は正しく意識させることが必要。まぜこぜ教育は危険だ」などと追及した。これに対し、飯森幸弘教育長は「先駆けて取り組む政令市で危険なことが起きたとは聞いていない」と反論。「自我は名簿とは関係ない。人権尊重教育の一環として男女共生教育を行っている」と述べた。
★コメント★
男女混合名簿はもはや常識で、愛知県はおそらく全国で最も遅れている中の一つでしょう。丹葉管内でもまだ3校ではないでしょうか?
それにしても、この質問は旧守派を代表した意見でしょう。議論のきっかけを与えてくれたという点で高く評価したいと思います。当然、推進派は理論的に説得する義務があります。
みんながするからではなく、十分議論して、納得した上で混合名簿に移行したいものです。
(8)EduMail)))………………………………………………………………………………………
【空き教室】会社や店並ぶ「街」校内に作り経済体験 東京・品川区
………………………………………………………………………………………((((((News
東京都品川区は、小学校の空き教室を改造して商店や会社などを設置し、子供たちが経済活動を体験する「スチューデント・シティ」を作る方針を決めた。趣旨に賛同する企業群が、空き教室に会社が並ぶ「街」を作り、子供たちが経営者になったり消費者になり、社会の成り立ちを勉強する全国初の試み。今年度から始まった「総合的な学習の時間」や週末を使い、年度内にも学習を始めるといい、他の自治体にも影響を与えそうだ。
スチューデント・シティは、米国で発足したNPO(非営利組織)の経済教育団体「ジュニア・アチーブメント」がプログラムを開発。1995年に日本本部が設けられ、日本IBMや三菱商事など大手企業が会員になっている。同本部は、これまでも経済教育の教材や企業人を学校に提供・派遣するなど活動してきた。
品川区は、学校の中に地域社会を再現することで、子供たちの社会性をはぐくみ、市民としての役割を認識させようと、構想を打ち出した。
同区東部にある区立小の複数の空き教室を改造。実際の店舗を教室内に再現した「街」を作る。銀行や電機メーカーなど民間企業のほか、区役所などの行政組織も「出店」する。校舎改造費などは、米国の大手金融組織「シティグループ」が負担し、出店企業が、店舗のデコレーションなどの費用を負担する。
店には実際の商品も並べる。子供たちが社員や消費者の役割を分担し、模擬通貨やカードを使って売買など経済活動を体験するという。参加する教員や地域住民らへの研修は、ジュニアアチーブメントや企業が行う予定だ。
★コメント★
今回、最も驚いたニュースです。土井は、これまで総合的な学習の一つのポイントは「お金」だと言ってきましたが、ここまで来るとは予想もしていませんでした。「社会」の発想は「学校」を完全に超えています。ジュニアアチーブメントのHPも目を通しておきたい。
(9)EduMail)))………………………………………………………………………………………
【行政】若者を学校に派遣「スクールサポーター」制度 愛知
………………………………………………………………………………………((((((News
愛知県東海市教委は今年4月、教育に関心のある20歳代を中心に市内の小学校12校と中学校6校のすべてに派遣する「スクールサポーター」制度を始めた。教員が高齢化し、子供と体力的、精神的に差が広がっているため、教員と児童、生徒との懸け橋になってくれる若い力を求めた。
派遣されているサポーターは女性15人、男性9人。半数以上は短大や大学を卒業して教員や保育士を目指している。学校での仕事は、毎日お昼を挟んだ4時間。小学校では、主に1年生の休み時間に外遊びがあまりうまくない子供たちを誘って一緒に遊ぶ。中学校では、年齢の近いお兄さんとして相談相手になったり、部活動のコーチも務める。
平洲小学校でサポーターを務める浅田桜子さん(22)は、「毎日がとても新鮮でやりがいがある」と話す。加木屋中学校の橋本行弘君は、「とても話がしやすく、みんなの人気者だよ」。サポーターはすっかり児童や生徒に溶け込んでいる。
教員の高齢化への対応や少人数学級を進めるために、教員志望者や経験者を迎え入れる自治体が最近になって全国で増えている。千葉県柏市は高齢化対策として20代の教員免許を持つ非常勤講師を派遣。愛知県犬山市は全小中学校の全学年で30人学級を実現するため、2004年4月の実施を目指して常勤講師を採用する。
★コメント★
これも制度として歓迎したい。教員をめざす若い人にとっても、できるだけ多く現場に接するのが最も勉強になるでしょう。でも、ベテラン教師がこれに甘えて、今より外で子どもと接しなくなるのは問題。担任は子どもと接してなんぼの世界ですから。
(10)EduMail)))………………………………………………………………………………………
【総合的学習】福岡の小学校で演劇取り入れ自己表現力養う
………………………………………………………………………………………((((((News
子供の自己表現力を養おうと、総合的な学習の時間に演劇や音楽、手話に取り組んできた福岡県北九州市戸畑区の市立あやめが丘小3年の児童95人がこのほど、小倉北区の到津の森公園で発表会を開いた。はつらつと舞台で演じる子供たちの姿に、教員や指導したボランティアらは、教員以外の大人が学校にかかわることに手応えを感じていた。
演劇の物語、音楽、踊りの振り付けのほとんどは、ボランティアの手を借りて子供たちが作ったオリジナル作品。最初は恥ずかしがっていた子供たちも、人前で踊り、歌えるようになった。発表会は動物たちの助け合いの物語。カメになりきってシャツの中に手足を突っ込むなど動物の特徴をとらえてユーモラスに歌い、踊る場面もあり、楽しい作品に仕上がった。手話でのナレーションもあった。
授業を支えたのは、市職員研修所「わくわくまちづくり工房」(市職員と市民計約50人)の7人。メンバーの教員が「子供たちの自己表現力が乏しい」とこぼしたことがきっかけで、劇団主宰者やバンド活動をしている人にボランティア協力を依頼、6月から同校での指導を続けていた。
篠原京子教諭は「私たちが引き出せなかったそれぞれの子のいい所を引き出してもらった」。ボランティアと学校の橋渡しをした工房のメンバー、服部知子さんは「学校は、先生と児童の関係だけでなく、多くの大人がかかわることが大事だと改めて感じた」と話していた。
★コメント★
伊那小で総合の授業に演劇が取り入れられていました。加納小では、もうオペラが取り入れられて40年になります。
ただ、「総合」にしようと思うと、それだけ児童の自主性や主体性を生かせることができるのかがポイントです。どうしても結果を要求してしまい、大人が口を出しすぎてしまうのではないでしょうか。技術的にどうクリアしているのかが気になります。
(11)EduMail)))………………………………………………………………………………………
【学区】学校選択制の申請24件で予想大幅に下回る 滋賀
………………………………………………………………………………………((((((News
滋賀県大津市教委は、市立小学校の通学区域を一定範囲で弾力化する「学校選択制」で、11日まで区域外の学校への入学希望を受け付けている。申請は7日現在で24件。市教委は「最終的にも、新入生全体の約5%(150人)という予想を大幅に下回るのではないか。地域社会への影響や、学校の序列化の恐れは感じられない」としている。
学校選択制は、学校間の児童数の格差是正や、遠くの学校を指定される不便さの解消を主目的に導入された。小学校と幼稚園は来春の新入生から、中学校では再来年度の新入生から、それぞれ適用する。
小学校は隣接の中学校区の範囲内で学校を選べる。今のところ、申請者の多くは通学距離を理由に挙げ、近くにある学校を選んでいるという。市教委通学区域調査室の遠藤健主幹は、「今後、選択申請の様子を見ながら、学区の再編についても検討していきたい」と話している。問い合わせは同室(077・528・2630)。
★コメント★
これは地域により違いが出ます。小学校で、しかも「隣接の中学校区の範囲内」ならこの程度でしょう。今後、学校の特色が色濃くなり、学区の編成がより柔軟になり、さらに校長の任期が長くなり個性が発揮され、人事権が拡大されれば、区域外の希望は広まると思われます。
来年の中学校の結果も楽しみです。
※ なお引用したEduMailは 毎日教育メールのことです
(12)シニア対象の滝学園パソコン講座3年目、交流拡大(愛知)