第22回 社楽の会報告 第21回へ 第23回へ
報告者 布袋中 土
井
2月16日(木)7:00〜9:30,布袋北学供にて第22回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井,大薮,木本,勝村,奥村,尾関,岩井,多和田,川井,天野(敬称略),和田先生,山田信夫先生の12名です。
◎ 前回から今回までの間には,2月4日に名古屋市教育館にて冬季研修会がありました。丹葉グループは,中島地区と発表を行いました。中島地区は,学習の個性化・指導の個別化を指導過程に組み入れた実践でした。
丹葉のスケールの大きな実践,そして見やすくわかりやすいプレゼンテーションが評価されたように思います。
☆ 今日のメインとして,天野先生より,昨年センターの夏季研で行った実践に今年の実践を交えて発表していただきました。テーマは「個の追究力を育てる社会科学習−問題解決力の育成−」です。研究仮説は,@生徒の疑問を大切にした学習問題づくり,A「課題設定−仮説−確認−まとめ」の「4つの場」の設定,B個の疑問を解決する場の位置づけ,の3点に重点をおけば,個の追究力を育成できるというものです。
中学2年「近畿地方」,中学3年「わたしたちと地方自治」を,事前・毎時間の授業後の綿密なアンケートで生徒の変容を追いながら実践されています。また,授業時間内に疑問を解決できるように自作資料集を作成されたそうです。
これに対し,次のようなご意見をいただきました。
尾関先生:普段の授業のなかでできる問題解決学習の型が示されていて良い。
勝村先生:一人一人の疑問・こだわりをどう課題にするか工夫している。
和田先生:実際に気をつけていることが示されているので役に立つ。
山田先生:課題設定は試行錯誤。成功したものをいろいろ出し合い,共通性を見つけたい。質の高い疑問を出させるためには最初の提示が大切。興味が高まらなかった子には,活躍の場がなかったのでは?「この子は単元のここで活躍させる」と仕組むことが大切。
自分は,発表を聴いて,@綿密なデータをもとに分析されていること,Aディベートなど幅広い手だてが取られていること,B研究の方法が明確に示されていることに感心し,とてもいい刺激を受けました。
☆ 土井からは資料の紹介です。(財)統計情報研究開発センター発行の「国勢調査 (大正9年〜平成2年)市区町村別人口時系列表」という1枚のデータフロッピーです。全都道府県の全市町村を網羅しています。LOTUSや三四郎で加工が可能で,グラフを作ることもできます。都市部への人口集中,ドーナツ化現象,戦争での疎開の様子などもよくわかります。ぜひご利用ください。
・ 同じく土井から,「戦争の授業」の研究史を調べよう!という提案です。これまでに発表された授業の論文を集めて紹介し合いたいと考えています。ぜひご協力をお願いします。とりあえず,白川隆信氏の「文献・先行実践の紹介」(『戦争の授業』'91社会科教育臨時増刊号・明治図書)に載っている論文を探してみたいと思います。
私も,さっそく早川寛司氏,佐久間勝彦氏に資料を送ってもらうように手紙を発送しました。また,報告します。
☆ 前回提案した,「戦争関係の資料を集めよう!」の資料紹介です。土井からは,18点出させていただきました。中でも,清水書院「社会科複製資料歴史レプリカ」は役に立ちます。
山田昌宏先生からは書籍を8点(4点は写真集)紹介していただきました。読んでみたいものばかりです。一度実物を見せていただきます。
山田信夫先生からは,新聞の復刻版や「暮らしの手帖96」,尾北教組発行の「戦争体験を語る手記」など,今では手に入らない貴重な資料を9点紹介していただきました。原寸大の新聞の復刻版は,すぐにでも授業で活用できそうです。
個々の財産を結集したいと思います。先生方のご協力をお願いいたします。
☆ 尾関先生からは,日本新聞協会発行の冊子「新聞で学ぼう,考えよう」の紹介です。新聞を授業に生かすアイデアがいろいろと紹介されています。たとえば,世界地理の導入に,教室に貼った各地域別のB紙に,自分で探してきた新聞記事を貼っていくというものなど,すぐにでも使えそうなものがたくさん紹介されています。小学校\400 中学校\1,000です。
☆ 川井先生は,東浦町立緒川小学校の研究発表を見られた中からティーム・テーチングを紹介していただきました。これまでは,加配教員と担任という発想のT・Tがほとんどでしたが,ここでは,いろいろなパターンのT・Tを実践しています。学級内・学年内・異学年・全校といった学習集団別のT・T,また,一斉学習・完全習得学習・課題選択学習・はげみ学習といった授業形態別のT・Tなど,豊富な実践例があります。さすが緒川です。
☆ 勝村先生は,教育大の論文を紹介していただきました。テーマは,「一人一人のよさを生かした社会科学習の展開」です。「聖武天皇と奈良の大仏」で個の問題づくり→グルーピング→調べ学習と発表・討論という流れで行い,その問題点を改善して,「3人の武将と天下統一」で再び試みたというものです。問題点とその解決策が明確にされており,とても参考になりました。
☆ 奥村先生からは,LD(Learning Disabilities 学習障害)について教えていただきました。LDの定義は,「聞く,話す,読む,書く,推理する,あるいは算数の諸能力についての習得と使用に,著しい困難さを示すさまざまな障害群を総称する述語」で,精神薄弱と違い,一部の能力が極端に劣るのが特徴です。教師は,能力の欠如を本人の努力不足と結論づけることがよくありますが,LDの場合も考えられるということを知っていることは大切なことだと思います。ただし,素人判断は禁物ですが。
◎ 意見を下さい。小学校用地図を次のようにするとどう思われますか?
@ 色:これまでの高度別→地形別…たとえば平地(平野・盆地)は緑
A 縮尺:これまでは紙面に合わせた大きさ(九州に比べ北海道が小さい)→200万分の1に統一した縮尺
B 都道府県名表示:これまでの愛知→愛知県 次回に考えをお聞かせください。
◎ お願い @児童会の会則がありましたら木曽川西小学校・岩井先生まで,
APTA規約を,大南小・山田先生まで送ってください。
★ パソコン通信の藤ネットが変わりました。@速度が速くなったこと,A電子掲示板に教師専用ボードができたことです。Aでは,たとえば指導案を入れておくと,いつまでもそこに残すことができます。また,誰もが見ること,フロッピーに落とすことが可能なわけです。社楽でも,有効活用を考えたいと思います。
★ 前回紹介した上田 薫先生の会が2月26日(日)2:00〜4:00名古屋市市政資料館第3集会室で行われます。参加費は\2,000,テーマは“いじめの問題を考える”です。
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp