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報告者  土 井

2005年2月24日(木)布袋北学供にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井(大口北部中)、高橋先生(門弟山小)、勝村先生(楽田小)、早川先生(江南北中)、大野先生(岩南小)、奥村先生(岩南小)、野沢先生(柏森小)、浅井先生(五条川小)の8名でした。

 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

 社会科の初志をつらぬく会について
中学公民:調べ・考え・討論を導く基本発問一覧
 参加型学習で資料活用能力を育てる―公民的分野での考察―
  スクールネット事業報告会  
 便利Web特集
 教育関連情報 
 研究発表会
 「掃除に学ぶ会」リポート −メルマガ北中より−

社会科の初志をつらぬく会について
  初志の会(個を育てる教師のつどい)Q&A
 http://srd.yahoo.co.jp/PAGE=P/LOC=P/R=2/*-http://homepage2.nifty.com/shoshi/Q&A.htm 
第43回東海社会科研究合宿集会で提案された中から実践を紹介します。
 中学公民:調べ・考え・討論を導く基本発問一覧    原稿案を別紙で紹介します。

 
参加型学習で資料活用能力を育てる―公民的分野での考察―
唐木 清志  
 http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/downloadfr1/pdf/jsde4713.pdf 
  [社会科教育の焦点] 今,問われている公民的資質 
  http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/downloadfr1/pdf/jsde4273.pdf 
 スクールネット事業報告会
  2月10日に行われたスクールネット事業報告会について、当日のリーフレットで報告しました。
 内容はこれです。 http://www.hokubu-j.oguchi.ed.jp/h16/snkoukai/sn-houkoku.pdf  
   
 便利Web特集
(1)ふくしまデジタル指導案 http://www.plan2030.gr.fks.ed.jp/ 
(2)国際学力調査の結果分析(中間まとめ)等【文部科学省】
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku/siryo/05020801.htm 
 1月19日実施の「平成16年度臨時全国都道府県・指定都市教育委員会指導主事会議」資料
(3)「教育委員会危機管理マニュアル」掲載【岩手県】  ←おすすめ
http://www.pref.iwate.jp/~hp0902/info/2005/kikikanri.pdf 
(4)発明特集
☆発明情報館 http://homepage2.nifty.com/hkk/ 
  発明・特許に関するQ&Aやアイデア商品の紹介など。発明のヒントとなる情報多。
☆発明学会  http://www.hatsumei.or.jp/ 
  アイデアの権利化や商品化をサポート。特許や商品化の講座やコンクールなど開催。
☆日曜発明ギャラリー http://www1.neweb.ne.jp/wa/kobaya/index.html 
  日曜発明家の発明品を展示。商品化されたオリジナル品のショップ、無料相談など。
☆エコ雑貨クラブ http://www.eco-g.co.jp/ 
 「発明と環境」がテーマのショッピングサイト。インタビューやコラムもおすすめ。
☆「こんなものがほしいんじゃ〜」マガジン http://www.konna.jp/ 
  アイデア商品の販売。「こんなのがほしい」という声を掲示板に掲載。メルマガも。
☆発明・工夫と特許の国へようこそ!! http://www.hkd.meti.go.jp/hokig/student/ 
  小中高生向けのサイト。発明・特許の歴史やクイズ、さまざまな制度についてなど。
(5)叱り方サイト
☆ まず褒める、そして叱る、褒める。威厳を持って。
http://www.ikegamigakuin.co.jp/gakuincho/kyoikuron/kyoikuron2.html 
☆ 教育の売り方 http://www006.upp.so-net.ne.jp/takagish/opinion/iitai2000-1/iitai151.htm 
☆ 豊かなコミュニケーション力を育てる   「上手な叱り方」
http://www.benesse.co.jp/s/ednews/040915.shtml 
☆「子どものサインが見えますか」 http://www.f5.dion.ne.jp/~with/pta.htm 
 意外だが、なるほど・・・・ 「叱る時は兄弟姉妹の前で見せしめとして叱る。褒める時は2人きりになって褒める。そうすれば、どの子も、他の兄弟が叱られているところは目にするが、褒められているところは見たことがない。しかし、自分だけは、親と2人きりになった時に褒めてもらっている。だから自分が愛されていると感じる。」
☆Tuyano Blog. 「正しい叱り方」 http://homepage.mac.com/tuyano/iblog/C1653772498/E632696589/ 

 教育関連情報
(1)小学校に刃物男、教員ら3人殺傷 17歳の卒業生を逮捕
☆★☆ 土井のコメント ☆★☆
 これに関する報道にはいろいろ問題がある。しかし、藤川大祐千葉大学教育学部助教授が的確なコメントを自らのサイトに公開しているのでぜひお読みいただきたい。
 
 寝屋川での小学校教職員殺傷事件について緊急コメント 
1)大阪教育大附属池田小の事件以来、学校は外部からの侵入者への警戒を強めてきた。今回の事件も侵入者の犯行であるため、学校の安全対策が話題になることはあるであろう。もちろん、模倣犯への警戒等、学校関係者は安全対策を再点検することになろう。だが、完璧な安全などありえない。全国に何万件もある学校で、外部からの侵入者が殺人を企てた数は、ごくわずかである。こうした事件で子どもや教師が被害に遭う確率は、交通事故に遭ったり誘拐されたりする確率よりも、おそらくずっと低いであろう。学校の安全対策について、冷静な議論がなされることを期待する。
2)加害者の家庭環境についてはまだ何もわからないが、小学校低学年からのゲーム漬けは望ましくないはずだ。幼いうちは、身体を使って遊んだり、さまざまな人とコミュニケーションしたり、たっぷり睡眠をとったりすることが重要なのであり、長時間ゲーム漬けになることは、他の時間を奪うことになる。もちろん、ゲーム漬けが殺人に直接結びつくわけではないだろうが、時間管理のできない幼い子どもにゲームを与えることはまずいということを、私たち大人は再確認すべきであろう。
3)加害者が小学生時代からゲームに関わる仕事をしたいという夢をもっていたこと自体は、悪いことではない。しかし、ゲームに関わる仕事にはゲームにのめりこむだけではできないということを、おそらく学んでいなかったのであろう。私たちの「テレビゲーム・リテラシー」の授業に協力くださったエンターブレイン(『週刊ファミ通』の発行会社)社長の浜村弘一さんは「現実の世界のもの、サッカーや野球をまずやってみてください」と言っている。また、ゲームクリエイターの飯塚隆さんも、「ゲームをたくさんした人が、デザイナーになれるわけではない。むしろ現実の社会でいろんな見聞を広め、楽しいこと新しいことをたくさん吸収し、それをゲームの世界でうまく取り入れることのほうが大切だ」と言っている(以上のインタビューは『週刊朝日』2005年2月18日号「テレビゲームにはまらない子の育て方」より)。こうしたゲーム関係者の言葉を、ゲームにはまる子どもたちにもっともっと伝えたい。
4)今回の事件と直接関連づけたくはないが、テレビゲームは、産業としては日本の貴重な輸出産業であり、ゲームクリエイターは子どもたちに人気の職業であるので、社会科やキャリア教育の枠組みで、もっとテレビゲームのことを扱うべきである。私は以前からこのように考えて、企業教育研究会で継続的にこの問題に取り組んできた。こうした取り組みを、今後も積極的に進めていきたい。
5)衝撃的な犯罪が起こると、私たちは何かに原因を帰属させて落ち着こうとする。だが、同様の事件が続発しているのでもない限り、原因は加害者本人に求められるべきである。安易に学校の安全対策やテレビゲームの問題に原因を帰属させてはならない。
 
(2)この判断は過剰反応か、やむを得ないのか?群馬で朝練・夜練全面禁止 
 寝屋川市の教職員殺傷事件を受け、群馬県内の全公立中学校が、生徒の安全確保のため、早朝や夜間の部活動を全面禁止することになった。
 県教委が、市町村教育長代表による会議で、スポーツ・文化系を問わず禁止を打ち出し、一斉実施を要請した。県教委は、校内に部活動担当以外の教職員がいない早朝と日没後の活動は危険として、全面禁止を要請。出席者からは「生徒が一生懸命取り組んでいる練習を禁止するのは疑問」などの反対意見もあったが、県教委は「教育的配慮と安全対策のバランスは難しいが、安全確保に効果がありそうなことはやらなくてはならない」と理解を求め、了承を得た。
☆★☆ 土井のコメント ☆★☆
 苦渋の決断だったであろう。この判断に対してとやかく言うつもりはないが、それにしてもかわいそうなのは部活熱心な生徒である。
 学校の安全に、絶対はない。特に、今回のような犯人に対しては、防ぎようがないのが実情だ。刑務所のような塀と警備員を配置した入り口を設置するならまだしも、普通の学校ではまず無理だ。
 ここで問われるのが、バランス感覚に支えられた優先順位の判断だ。このバランス感覚が狂うと、多くの人が「あれ?」という感じを受ける。(「南セントレア市」がよい例だろう。)
 ここでは、生徒の安全確保と、朝練・夜練全面禁止のどちらに優先順位をおくかである。さて、どちらを優先すべきか?
 
(3)教員養成学部募集が20年ぶり増員か?
 文部科学省は16日、不足している教師需要を賄うため、教員養成系学部の新設・定員増を20年間認めずにきた規制を撤廃する方針を固めた。教員養成分野の定員はベビーブームに伴う児童・生徒の急増を背景に80年ごろまで増え続けたが、86年以降は抑制されてきた。今後、「団塊の世代」の退職者数が多数見込まれ、少子化の進み方を考慮しても教師不足が深刻化するため、方針を転換した。早ければ04年度末に文科省告示を改正し、来年4月から定員増が可能となる見通し。
☆★☆ 土井のコメント ☆★☆
 教員養成系の大学の定員増は当然予想できる。ここで問いたいのは、カリキュラムである。
 自分も教員養成大学を出たが、残念ながら、指導技術に関する授業、今の教育の流れについて考える授業、グループ学習につけるワークショップを行う授業にはほとんど出会わなかった。
 もちろん、それ以外に学んだことはたくさんあり、すべてがむだと言うつもりは全くないが、ある程度のレベルの授業ができるまでに、3年は遅れたのではないか思う。
 ぜひとも、教師としての実践的な力が身に付くカリキュラムを開発していただきたい。
 
(4)部活動引率中の交通死亡事故、逮捕
 17日朝、北海道浦幌町上厚内の国道トンネルで、ワゴン車がスリップして対向車線にはみ出し、対向の大型トレーラーと衝突。ワゴン車に乗っていた釧路市の釧路北陽高校3年、境勇也さん(18)が頭などを強く打ち死亡した。境さんは2004年2月に米国で開かれたスピードスケート世界ジュニア選手権の代表選手で、総合11位。同年1月の全日本ジュニア選手権では総合2位だった。
 ほかに同乗の高校2年の男子生徒(17)が軽傷。池田署は、業務上過失致傷の現行犯でワゴン車を運転していた同高校のスケート部顧問の体育教諭、榊稔容疑者(47)を逮捕した。境さんらは榊容疑者の引率で、帯広市のスケート大会に向かう途中だった。現場は片側一車線の直線道路で、事故当時、路面は凍結状態。同校の話では、榊容疑者も元スケート選手で、学校は教諭が生徒を乗せて車を運転することを認めていなかったという。
☆★☆ 土井のコメント ☆★☆
 一部、職業として部活動をやっている人もいるが、ほとんどの部活動顧問はボランティアだ。善意でやっていて、「逮捕」というのではあまりにも悲しい。
 確かに事故は不幸だ。一人の人命が失われたことは重く受け止めなくてはならない。
 しかし、自動車のスリップは運転手だけの責任か?交通機関の未整備の北海道で、車を使うなという指示が通用するか?
 こういった事故をきっかけに、部活動の顧問の引き受け手がなくなることを危惧する。これこそ、日本教育界の損失だ。
 
(5)注目の中央教育審議会における中山文部大臣のあいさつ
 中央教育審議会は2月15日、第3期委員による初の総会を開催した。あいさつにたった中山成彬文部科学相は、現行の学習指導要領を全面的に見直すよう求め、教科の授業時間数の検討を要請した。
中央教育審議会総会第47回における文部科学大臣あいさつ
☆★☆ 土井のコメント ☆★☆
 報道では、「現行の学習指導要領を全面的に見直すよう求め、教科の授業時間数の検討を要請した。」事ばかりが大きく取り上げられているが、実際には、もっと幅広い内容が語られている。マスコミ報道に踊らされず、原文に当たることが大切であることを痛感した。
 内容については、これまでコメントしてきたので省略する。
 
 研究発表会
(1)テ ー マ: 学校現場のIT活用を支援するEスクエア:これまでとこれから 
開催日時: 2005年3月4日(金)〜3月5日(土)
申込み締切:2005年3月1日(火)  参加費無料    (参加申込受付中)
開催場所: 東京ファッションタウンビル(臨海副都心 国際展示場正門駅前)
主   催: 財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)

(2) 第2回 全国プレゼンテーションコンテスト 全国大会開催!
       *「プレゼンテーション教育セミナー」も同時開催します。*
【日  時】 2005年3月20日(日) 10:30-17:30 *10:00受付開始
【会  場】    日本科学未来館 7F みらいCANホール 【対  象】 教職員・一般

 
8 「掃除に学ぶ会」リポート −メルマガ北中より− 
 今日は、とてもさわやかな方々にお越しいただきました。「西三河掃除に学ぶ会」のみなさんです。
 「掃除に学ぶ会」とは、「日本を美しくする会」が推進している運動です。「日本を美しくする会」は平成5年11月、(株)イエローハットの創業者・鍵山秀三郎さんの掃除哲学に学ぼうという有志の集まりとして結成されました。詳しくは http://www.souji.jp/  をご覧ください。
 この輪は日本中に広まり、今では1年間の参加者が10万人以上に達しています。
 
 はじめに講堂でお話しを聴いた後、4名の「掃除に学ぶ会」のみなさんのご指導のもと、3年生がトイレ等の掃除をしました。学校HPの写真からもわかるように、トイレでは全員が裸足になって、一人ひとり、素手で便器をピカピカに磨いてくれました。
 代表の竹中さんより、終了後、次のような談話をいただきました。
「こういう経験を通して、何かを感じ取ってもらえればありがたい。このようなインパクトのある掃除は、一度やると必ず残る。中学生時代の思い出が大人になって残っていると、また生かされる。
 昔の人は、“人生の道に迷ったら、針箱を整理せよ”と言いました。悩んだ時に掃除をすると、一歩開けるのです。」
 
 4人の方は、みなさん会社の社長さんです。お忙しい中、北中のために時間を割いて、三河や岐阜から来ていただきました。交通費はもちろん、道具、洗剤なども持参していただき、学校が準備したささやかなお礼も頑として受け取られませんでした。
 その皆さんの欲しかったのは、掃除を終えた時の、達成感に満ちた生徒の笑顔だけなのです。
 多くの学校をまわっているみなさんが口をそろえて言いました。
 「ここの生徒は素直な子が多い」「むちゃ元気ですね」「チームワークがいい」「気合いが入っている」「乗りがいい」「スカウトしたいくらい」
「掃除に学ぶ会」を行った生徒の作文を紹介します。
 
 はじめは、素手で汚いと思って、本当のところは嫌でした。そして、素足でやると聞いた時は、本当かよと思いました。だけど、やっていくにつれて、手や足の冷たさ、痛みは気にならなくなり、集中してやることができました。やっていく時に、徐々にきれいになっていくところが目に見えてわかりました。そして、他の人より自分が担当したところはきれいにしようと思って、夢中になって掃除をしていました。終わってみると、僕たちがこの中学校に来てから一度も見たことがないきれいな
トイレになっていました。今日は、水がベタベタになり、足が痛くなりながらも、卒業前にいいことができたと思いました。今日はありがとうございました。
                          (1組男子)
 最初は、便器に手を入れたり、裸足で床に足をつくことに抵抗があったけど、慣れてくると全然普通で足もつけた。だんだんきれいになってきているのがわかって、見ていてうれしかった。トイレ掃除をやってよかったと思った。これからトイレを使う時は、汚したらちゃんときれいにしてから出て行きたいなぁと思った。  
 指導をしてくださった時は、「今日はトイレを掃除するんじゃなくて、磨くんだよ。トイレをきれいに磨ける人は、心もきれいになる。」と言っていた。今度トイレ掃除をやることになった時は、手を入れて、便器も心もピカピカにしたいなぁと思った。
 家のトイレも掃除をしたい。            (2組女子)
 
 ここに紹介したのはごく一部です。こうした感想は、普段はあまり書かない生徒もいますが、今回はほとんどの生徒がびっしり、しかも一気に書き上げた様子が文字から読み取れます。
 竹中さんからは、たいへん荒れていた東京の高校や広島の中学校で、「掃除に学ぶ会」を継続することにより、よくなっていった事例を教えていただきました。「掃除が学校をよくしたのかどうかはわからない。ただ、親や教師などの大人が、生徒といっしょになって、同じ目線で一つの目標に向かって取り組むことは、子どもたちに感動を与えている。」と教えてくださいました。
 橋本さんは、「伊勢神宮へ行って、『掃除に学ぶ会を10年やっています』と話したら、伊勢神宮の人に『私たちはそれを2000年やっています』といわれてぎゃふんと言わされた。あらためて、掃除は日本人の原点であることがわかった。そのことを、若い人たちに伝えていきたい。」と言ってみえました。
 私(土井)も、今朝、学校の周りのゴミを拾って歩きました。

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp