1 拙稿紹介
「主権者意識を育む提案型・参加型学習」『社会科教育5月号』(明治図書)
これまで社楽の会で取り組んできた参加型学習の集大成です。ぜひお読みください。
2 第2回全国プレゼンテーションコンテスト
3月20日に東京・科学未来館で行われた第2回の様子を動画で紹介しました。
大口北中では、第1回の様子を生徒に見せたところ、生徒作品のレベルが飛躍的にアップしました。
賞の詳細は
ここ
3 平成15年度 小・中学校教育課程実施状況調査 国立教育政策研究所教育課程研究センター
4月22日に発表された結果は以下のものです。
1 平成15年度小・中学校教育課程実施状況調査結果の概要 (PDF)
2 平成15年度小・中学校教育課程実施状況調査結果をみるに当たって (PDF)
3 平成15年度小・中学校教育課程実施状況調査 教科別分析と改善点 (PDF)
[小学校] 国語 社会 算数 理科 [中学校] 国語 社会 数学 理科 英語
4 集計結果 (PDF)
・ ペーパーテスト調査集計結果
・ 質問紙調査集計結果 共通(児童生徒質問紙)
・ 質問紙調査集計結果 国語(児童生徒質問紙・教師質問紙)
・ 質問紙調査集計結果 社会(児童生徒質問紙・教師質問紙)
・ 質問紙調査集計結果 算数・数学(児童生徒質問紙・教師質問紙)
・ 質問紙調査集計結果 理科(児童生徒質問紙・教師質問紙)
・ 質問紙調査集計結果 英語(児童生徒質問紙・教師質問紙)
【各新聞社の見出しと印象的な言葉】
毎日新聞:学力テスト「好成績」戸惑う文科省 なぜ、上向いたのか
今回の最大の特徴は、授業時間で小学校が314時間、中学校で175時間多かった旧指導要領下で学んだ児童・生徒より、新指導要領の「ゆとり教育」で学んだ子どもの方が、大半の教科・学年で成績が良かったという点だ。
読売新聞:学力改善兆し…「ゆとり」導入後初の全国一斉テスト
日経新聞:小中学生の学力テスト、正答率やや上昇・文科省
中日新聞:「ゆとり教育」の小中生 学力低下、一定の歯止め 04年文科省調査
中山文部科学相は22日の会見で、全国学力テストの結果について、「学力低下傾向に若干の歯止めがかかった」と述べる一方、「安心できない。緊張感、スピード感を持って教育改革に取り組む」と“脱・ゆとり教育”の方針に変わりないとの見解を明らかにした。
4 愛知県公立高校社会科入試問題分析
この春行われた愛知県公立高校社会科入試問題の分析を、メルマガ北中で公開しました。内容は次の通り。
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Bグループの入試が行われました。新聞紙上で問題を見られた方も多いと思います。中学生時代にかえって、ぜひ挑戦してみてください。
今日は、社会科の入試問題を検討します。
毎年、社会科の問題の分析にたずさわってきましたが、昨年から出題傾向が大きく変化してきました。今年も、その延長上にあると言えますが、昨年に比べて、難易度がやや高くなってると思われます。
ここでは、A:基礎的・基本的な問題、教科書太字程度の知識で解ける問題
B:ひとひねりしてある問題。やや細かい知識が必要な問題。
C:やや高度な問題、または高度な問題。 としておきます。
歴史は、Aが5問、Bが2問です。
出題形式は、カード、レポート式。近年他県で流行している問題で、愛知県は昨年から登場しています。
「国際連盟事務局次長には新渡戸稲造が選ばれた」ことは、現行の教科書からコラム的に取り上げられていますが、基礎的な知識とは言えません。また、年代の並び替えでは、孫文と新渡戸稲造の年代が近く、迷う生徒も多いと思われます。
菱垣廻船は、教科書の扱いも軽いものです。これら以外は、基本的な問題と言えるでしょう。
地理は、Aが2問、Bが2問、Cが3問です。
近年の傾向ですが、知識ではなく、資料の読み取りが重視されています。社会科というよりは、むしろ算数の応用と考えればよく、数値を読み取る力があれば比較的簡単な問題です。
今年の愛知でも、グラフの作図が1問、読み取りが4問出ているので要注意です。
「65歳以上の人口の割合」と「年平均人口増加率」の2つの資料を重ね合わせて読み取る必要があり、やや高度と言えます。
また、「ニュージーランド産たまねぎ」という意表をついた出題で、農家一人あたりのトラクターの台数の計算が必要となるなど、ここでも数学というよりは、算数の応用力が必要です。
さらに、カナリア海流、ブラジル海流といったまず授業ではふれない海流が問われことには驚きました。
公民は、Aが3問、Bが2問、Cが1問です。
資料の読み取りは、文書資料と統計資料を重ね合わせて読み取るもので、やや高度です。また、現行の選挙制度が問われるなど、時事的な知識も必要です。
合計すると、A:10問、B:6問、C:4問 でした。
ただ、BやCでも、4択なので、よく考えるとどこかにヒントが隠されています。あきらめないで考えることで、道が開けてきます。
14日(月)には、Aグループ入試があります。 受検生、がんばれ!
※ 公立高校の入試は、正式には「入学者選抜」といい、筆記試験は「学力検査」といいます。そのために、受験ではなく、受検と表記します。
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第187号に引き続き、Aグループの社会科の問題を見てみましょう。
Aグループも、例年に比べて、難易度がやや高くなってると思われます。
ここでも、A:基礎的・基本的な問題、教科書太字程度の知識で解ける問題
B:ひとひねりしてある問題。やや細かい知識が必要な問題。
C:やや高度な問題、または高度な問題。 としておきます
歴史は、Aが5問、Bが1問、Cが1問です。
1番は従来の出題形式で、どれも基本的な問題です。
2番は、Aさんは〜 式の問題で、最近よくあるパターンです。いきなり、世界地理との融合問題が出題されました。愛知では初めてのことです。
(2)は基本問題なのですが、「甲州法度之次第」という難しい資料名があるので戸惑う生徒がいるかもしれません。(4)は私も迷いました。
地理は、Aが1問、Bが2問、Cが3問です。
3(1)は、正解を導き出すために多くの知識が必要で、良問と言えるでしょう。一方(2)では、やや高度な知識が必要があればできる単純な問題です。
(3)も(1)と同様、縮尺や地図記号など、幅広い知識が要求される良問です。(4)は(2)と同様、地図記号がわかればすぐわかる単純な問題です。
4(1)は雨温図の問題で、気温と降水量から場所を選ぶ問題です。近年、増えている問題です。
(2)も幅広い知識を組み合わせて解かなければならない良問です。このような問題は、力がある人しか作ることはできません。
公民は、Aが4問、Bが2問、Cが1問です。
5(1)は「製造物責任」法と書かせています。「PL」法なら書けたのに・・・と悔しがる生徒が多かったのでは?
(2)は基本問題ですが、読解力が弱いと迷うかもしれません。
(3)は単純な問題を、ひと工夫しています。結果として、良問になりました。
(4)は統計資料に慣れていないと難問です。
6(1)では「拒否」権と書かせています。公民で2問も記述問題が出題されました。
(2)(3)は基本問題です。
全体としては、Aが10問、Bが5問、Cが5問で、Bグループとほぼ同レベル、もしくはやや難しいと感じるかもしれません。
問題は15日の新聞に載っています。上記を参考にして、みなさんもぜひチャレンジしてみてください。
5 教科等の構成と開発に関する調査研究
小学校・中学校及び高等学校における教育課程の改善につながる基礎資料を得ることをねらいに、平成9年度より進めている研究です。
以下の報告書では、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国、シンガポール、台湾における当該教科の教育課程上の位置付け、目標、内容の示し方、内容構成等について調査し、その結果をとりまとめています。また、巻末には我が国と比較できるよう共通の項目による一覧表を作成しています。
6 便利Web特集
(1)教科書Q&A
文部科学省が、教科書の種類や編集・検定の過程、更新のタイミングなどをQ&Aとしてまとめて
いる。教科書の学校種別の発行種類数は、小学校用55種類、中学校用75種類、高等学校用1354種類。需要冊数では、小学校用が7331万冊でトップ。
(2)スクール・プロジェクト「万博GoGo!」
(3)経済ジャーナリスト内田裕子のウィークリーNews JAM
テレビ朝日系「サンデープロジェクト」でおなじみ、財部誠一氏主宰の経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」の女性経済ジャーナリスト内田裕子氏による政治経済コラムです。TV、新聞で話題のNewsから、日常生活を送る私たちには到底伝わってこないことまで、分かりやすく紹介していきます。『経済ジャーナリスト内田裕子のウィークリーNews JAM』はこちらから。
http://bizdo.jp
(4)非行対応とインターネット対応の「適切」指導資料 都教委
都教委は、「非行防止・犯罪被害防止教育推進指導資料」「インターネットを適切に活用する能力や態度を育成するための指導資料」を作成、配布をネットで開始した。それぞれ小中高に対応している。
(5)教育コンテンツに絞ったYahooみたいな検索サイト「NIME glad」
独立行政法人のメディア教育開発センターは、大学等がインターネットで配信している教育コンテンツを総合的に検索できるシステム「NIME glad」を開発、Webで公開した。LOM(Learning Object Metadata)という目録をつける事で、利用者が必要とする教材に到達しやすくしたもの。
(6)平成12年国勢調査 最終報告書 日本の人口
(8)「室内ガーデニング」に関するサイト
観葉植物の管理方法を植物別・季節別に解説。ほかに植え替え、株の増やし方等も。
さまざまな観葉植物の育て方を写真付きで解説。花の写真の壁紙もダウンロード可。
苔玉の魅力にとりつかれた管理人。苔玉の作り方や楽しみ方など、関連情報を発信。
室内に最適、土を使わないハイドロカルチャーを中心に紹介。作り方や管理方法等。
モンステラは、1950〜70年代のインテリアに合わせた観葉植物。イラスト等で紹介。
室内でさまざまなガーデニングを楽しめる花器の販売ショップ。スタイリング集有。
(8)平成16年産みかんの収穫量調査、和歌山県が一位に
平成16年産みかんの収穫量は106万tで、14年産に比べて6%減少した。収穫量が減少したのは、
結果樹面積が減少したことや相次ぐ台風により落果や傷果が多かったこと等による。収穫量の都府県別割合をみると、和歌山県が全国の17%、愛媛県が16%、静岡県が13%となっている。
(9)ふしぎなふしぎな南極
(10)「総合的な学習の授業及び評価に関する開発的研究」研究成果報告書 重要
総合的な学習の時間の授業と評価の工夫
−評価規準及び評価基準を介した指導の改善、自己学習力の向上及び外部への説明責任に向けて(第三次・最終報告書)−平成17年(2004)3月 国立教育政策研究所
7 教育関連情報
(1)宿泊学習時の教諭の飲酒、是非検討(栃木)
県西部の小学校教諭が昨年12月の宿泊学習時、飲酒後などに女子児童にわいせつ行為をして懲戒免職になった問題で、平間幸男県教育長は5日の定例会見で、宿泊学習時の教諭の飲酒容認の是非について県教委で検討する考えを示した。
☆★☆ コメント ☆★☆
すぐにこうなる。これはあくまで勤務時間内ではなく、夜の話である。「カッターナイフで人をけがさせたからカッターナイフを禁止する」という式の論理だ。
悪いのはその人であって、飲酒ではない。車で事故が起きたから車の使用を禁止するか?本質を見極めた議論になることを願いたい。
(2)福島県で少人数学級実現
義務教育のあり方が見直される中、11県議会が2001年以降、小中学校での30人学級など少人数学級の早期実現を求める意見書を可決している。
公立小中学校の1学級の児童・生徒数は義務教育標準法で40人と定められている。01年度から自治体による教員の追加配置が認められ、04年度からは、義務教育費国庫負担金の使途が緩和された結果、教員の給与水準を抑えて捻出(ねんしゅつ)した財源をもとに、少人数学級が認められるようになった。04年度は42道府県が導入したが、実際には39〜35人程度のところが多い。
福島県は、既に30人以下の学級を導入している小学1、2年と中学1年に加え、今年度から小学3〜6年、中学2、3年で33人学級を導入できるようにした。上乗せ分の教員人件費など約70億円の事業費を計上した。
☆★☆ コメント ☆★☆
福島県の動きは速い。もともと小規模校の割合が多いため、少人数学級へ移行した場合の上乗せ分の負担が少ないことは分かっていた。
ただ、少人数指導が万能であるという思いこみは避けたい。
教育は、教師の指導力に依るところがたいへん大きい。増加分を埋める急ごしらえの教師で、効果が出るとは限らないことを頭に入れておくべきだ。
力のある教師は、50人いても指導できる。それは、力のない教師が20人を相手にする以上の指導ができる。さらに言えば、集団を壊すような、足を引っ張ることもあることもある。数あわせでは行けない。
(3)平成16年度学習状況調査結果の概要と活用について 秋田県
秋田県教育庁がこのほど平成16年度学習状況調査結果の概要をまとめた。英語の中学2年生の問題で、学校によって違いが出ているのは以下。設定通過率80.0%、実際の平均通過率31.3%。
○次の[ ]内に与えられた語を並べかえて( )にあてはまる英文を書き,対話を完成しなさい。
Yoko: John, look at this picture.This is my father, Koji.
John: Oh, really? ( )?
Yoko: He lives in New York now.
【注】John: ジョン(人の名)
[ does / father / live / where / your〕
☆★☆ コメント ☆★☆
学力調査では、「設定通過率」が基準になる。上回れば学力向上で、下まわれば学力低下になる。
例えばこの問題は、設定通過率が80%である。多くの中学校教師なら、この数字が無謀であると直感するのではないだろうか。
「設定通過率」が、過去の問題から統計的に割り出されたものならともかく、この問題は過去に80%の子ができたとは思えない。「設定通過率」の設定に問題があるのではないか。
(4)園児首ひも死:幼稚園長ら3人 業過致死の疑いで逮捕
新潟県長岡市豊2の私立鵬(おおとり)幼稚園で02年1月、同市(旧中之島町)中興野、会社員、浅井満さん(26)の長男翔ちゃん(当時3歳)が、遊具のひもを首に絡ませて窒息死した事故で、県警長岡署は23日、同幼稚園園長、山田イサホ容疑者(82)ら3人を業務上過失致死の疑いで逮捕した。3人とも事故の責任は認めていないという。
ほかに逮捕されたのは同幼稚園主任教諭、小林芳子(47)、元同幼稚園助教諭で会社員、小林身和子(25)の両容疑者。山田、小林芳子両容疑者は同園の安全管理義務を怠った疑い。小林身和子容疑者は園児を監視する当番だったが、適切な管理をしなかった疑いが持たれている。(以下略)
☆★☆ コメント ☆★☆
事故はあってはいけないことで、亡くなった方にはご冥福を祈りたい。しかし、遊具のひもとは「缶ぽっくり」のひものことで、安全管理のしようがないと思うがどうであろうか。これで安全管理を怠ったとして業務上過失致死容疑で逮捕されることにはとまどいを感じる。保育園や幼稚園、学校、社会教育施設での事故で、こうやって逮捕者が出ると、今後、施設に何も置かなくなる、何もできなくなるという方が方がむしろ心配である。